2008年9月19日金曜日

ファヴィニャーナのマグロのボッタルガ

今日はボッタルガの話。
『ア・ターヴォラ』の記事の解説です。

Penne alla bottarga 2
ボラのボッタルガ, photo by Gaspar Torriero


上の写真はボラのボッタルガですが、今日取り上げるのは、ファヴィニャーナのマグロのボッタルガ

ファヴィニャーナのマグロのボッタルガ
www.slowfoodsciacca.it

ボラのものより10倍ぐらい大きいですねえ。

このファヴィニャーナのマグロのボッタルガ、今にも消えそうな、風前のともしびの食材なんだそうです。
スローフードの後援食材でもあります。
これだけマグロが獲れない時代に、その卵を使ったものとなるとなあ。
スローフードのサイトには、マグロがいなくなったのは日本人が乱獲したせいだ、みたいなことが書いてあります。
他人事とは言ってられませんね。

ファヴィニャーナと言えば、ワイルドなマグロ漁、マッタンツァで知られる島。

Favignana Serie - 9
ファヴィニャーナのマッタンツァ, photo by Raffaele Franco


『ア・ターヴォラ』の記事にあるとおり、そのマグロの島で、ボッタルガを作っている店が、たった1軒しかない!
マッタンツァで獲れたマグロは、ほとんどがトラーパニに運ばれて、そこで加工されているのだそうです。
港にある古くて大きな建物が、今は使われなくなったマグロの加工場、というのも寂しい話ですねえ。

島の暮らしは、マグロが激減するにつれて、大きく変わってしまったようですね。

ファヴィニャーナで唯一、マグロのボッタルガを作っているのは、コンセルヴィッティカ・サンマルターノ・ファヴィニャーナ。
hpはこちら。
www.egadi.com

製造過程の写真も掲載していますね。
それによると、ボッタルガ作りは、まず生のマグロの卵巣を塩漬け。
そして型押し。
一定期間プレスしたら洗い、風通しのよい場所に吊るして熟成。

このボッタルガは真空パックで販売していて、1kg130ユーロ。
2万円弱。
他に、マグロの心臓や赤身を塩漬けして干した製品も作っています。

コンセルヴィッティカ・サンマルターノ・ファヴィニャーナのマグロのボッタルガ


シチリアのシェフが、ファヴィニャーナのマグロのボッタルガを使った料理の動画をupしていました。

まずはボッタルガとブロンテ産ピスタチオのキタッラ

作り方
・にんにくの香りを付けたオリーブオイルでプレッツェーモロのみじん切り、粗挽きこしょう、包丁で刻んだ(またはおろした)ボッタルガをソッフリットにする。
・火を止めてパスタのゆで汁少々を加える。
・ゆで上がったスパゲッティ・アッラ・キタッラ(生パスタ)を加え、火にかけながらマンテカーレ。
・皿に盛り付けて刻んだピスタチオで飾り、オリーブオイルをたらす。
・仕上げにレモンの皮のすりおろしを散らす。






応用編のウニとボッタルガのキタッラ

・ソッフリットをパスタのゆで汁で溶いたところにウニを加える。






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関連誌;『ア・ターヴォラ』2006年8月号(クレアパッソで日本語解説付きで販売中)
“ファヴィニャーナのマグロのボッタルガ”の記事は「総合解説」'06&'07年8月号、P.35に載っています。


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