今日は、マルケを代表する4つのブロデットのリチェッタ編です。
ブロデットは、漁の最中に傷んだ魚や、市場で需要のない魚を使って、漁師が船の上で作っていた料理がルーツ。
作る人の数だけバリエーションはありますが、マルケのブロデット・アカデミー協会は、マルケには大きく分けて4種類のブロデットがある、と言っています。
伝統的なブロデットの基本は、アドリア海の新鮮な魚を使うこと。
でも、同じマルケでも、漁場が砂地か岩場かなど地理的な違いによって、生息する魚が違います。
さらに、オリーブオイル、トマト、ビネガーなど、加えるものが、土地によって違ってきます。
協会が紹介する4種類のブロデットとは、
ファーノ風、アンコーナ風、ポルト・レカナーティ風、サン・ベネデット風。
上から、ファーノ、アンコーナ、ポルト・レカナーティ、サン・ベネデット
どれも漁業の伝統のある町です。
そのリチェッタは・・・
原文と写真はこちら→www.todine.net/accademiadelbrodetto
ファーノ風ブロデット Brodetto alla Fanese
トマトペーストとビネガーを加えるのが特徴。
この地域では、酢のようになったワインを水で薄めて飲む習慣があったので、おそらくその名残。
・魚はシャコ、スカンビ、カニなどの甲殻類、コウイカ、ヤリイカ、カサゴ、アンコウ、ヒメジ、エイ、ホシザメ、マトウダ、シタビラメなど。これらを同じ大きさに切る。 ・玉ねぎをオリーブオイルとトマトペースト少々でソッフリットにし、魚、水、ビネガー、塩、こしょうを加える。 ・魚の身が骨から簡単にはがれるようになるまで煮る(15~30分)。 ・パーネ・トスカーノなど塩気のないパンを添える。 ・数時間置いてから食べてもよい。 |
アンコーナ風ブロデット Brodetto all'Anconitana
・13種類の魚を入れると言われている。メルルーサ、ホシザメ、エイ、コウイカ、タコ、カサゴ、ヒメジ、サバ、ボラ、マトウダイ、ホウボウ、ヒラメ、アンコウ、シャコ、ムール貝、アサリ、ヤリイカ、スカンピなど。 ・陶器の鍋に玉ねぎとにんにくのみじん切りを入れてオリーブオイルでソッフリットにし、ビネガー1/2カップ、プレッツェーモロのみじん切り、トマトソースを加える。 ・魚を硬いものから入れて煮る。 |
ポルト・レカナーティ風ブロデット Brodetto di Porto Recanati
・玉ねぎの薄切りをたっぷりのオリーブオイルでソッフリットにし、小さく切ったコウイカを入れて弱火でなじませる。 ・魚のブロード、サフラン、塩、こしょうを加えて弱火で煮る。 ・魚各種に小麦粉をつけ、別の大鍋に硬いものから入れる。イカも入れる。 ・イカの煮汁を全部かけ、湯と白ワイン同量ずつ、塩、こしょうを加えて15~18分煮る。この間はかき混ぜない。必要なら魚を崩さないように時々鍋をゆする。 ・トーストしたパンを皿に敷き、その上に魚を盛り付けて煮汁をかける。 ・ピアット・ウニコとしてサービスする。ワインは白だけでなく、若い赤やフレッシュなロゼも合う。 |
サン・ベネデット風ブロデット Brodetto di San Benedetto
・玉ねぎと唐辛子1片をオリーブオイルでソッフリットにし、コウイカ、ヤリイカ、白ワインを入れる。 ・粗く切ったグリーントマト、緑のピーマン、赤ピーマンを加える。 ・ホシザメ、アンコウ、カサゴ、エイ、ホウボウ、シャコなどを加え、蓋をせずに弱火で煮る。 ・煮上がる数分前にビネガーを加える。 ・トーストしたパンを添える。 |
バーリの市場の岩場の魚あれこれ, photo by tazebao
こちらはシチリアの市場の魚あれこれ。ヒメジしか分からない・・・, photo by Giovanni
ホウボウ, photo by Astrid Walter
サン・ベネデットの港, photo by Peter Forster
サン・ベネデットの港に入る漁船, photo by Peter Forster
ポルト・レカナーティの海にかかった虹, photo by Tizi
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関連誌;『ラ・クチーナ・イタリアーナ』2006年8月号(クレアパッソで販売中)
“ペーザロ;ロッシーニの生まれ故郷”の日本語訳は、「総合解説」'06&'07年8月号、P.2に載っています。
ちなみに、同じ月の『サーレ&ペペ』にはアブルッツォ風ブロデットのリチェッタが載っています。日本語訳は「総合解説」'06&'07年8月号、P.7にあります。
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4 件のコメント:
今年も逃してしまいました、ブロデットの聖地。しかもサンベネデットは行ってるんですが・・・。まあ、また次の宿題に残しておこう(笑)
くるりさん
サン・ベネデット、海がきれいなところみたいですねえ。ブロデット、私もいつの日かまた食べた~い。待ってろよー。
プレッツェーモロさんのおかげで、ランパッショーニもカメルレンゴもブッラータも無事味わえました。ありがとうございました。
ブロデットのかたきじゃないけど、ズッパ・ディ・ペッシェは2度ほど味わえましたし。ヴォンゴレ・ヴェラーチは生で食べましたが、管も確認しましよ(笑)
そうそう、トレ・モンティですが、シュークリームではなくて、パンケーキみたいなものでした。本当のトレモンティを見ながら味わったので最高でした。やっぱり、海もいいけど、山もいい。
くるりさん
おー、ブッラータ、食べましたか。ランパッショーニもカメルレンゴもヴォンゴレ・ヴェラーチェの管もトレモンティも!!
素晴らしい~。
rとlの発音が日本人にはチョー難しいguardiagrele(やっぱり一回じゃ言えない)、行ったんですね。
充実した旅でしたねー。
ユーロも安くなって、いい時に行ったなあ。
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