今日は久々にワインの話題。
ここ最近の「総合解説」のワインの記事は、1978年世界ソムリエコンクール優勝で、イタリアソムリエ協会長、ジュゼッペ・ヴァッカリーニ氏監修の『クチーナ・イタリアーナ』の記事を訳しています。
ヴァッカリーニ氏はこんな人。
↓
毎月、テーマにそった短い記事があり、日常のワイン、定番のワイン、特別なワインを数種類ずつ選ぶという構成です。
今月のテーマは、ワインの適正価格について。
卸価格が安いワインほど、レストランでの販売価格は割高になる、ということをぶっちゃけています。
今月の特別なワインは、トスカーナに生まれたからにはワインを造ってみたかったと語るフェラガモ家の3男が造るスーパー・タスカンのプリーマ・ピエトラと、
こんなワイン。
↓
あれ、創業者のサルヴァトーレ・フェラガモ氏はカンパーニア生まれなんだ。
15歳でアメリカに渡り、帰国後にフィレンツェで靴屋を開業して大成功を収めて、今は同族経営のファッションブランドとして多角経営をしていたんですね。
3男はカンパーニアよりトスカーナの血のほうが濃かったようです。
プリーマ・ピエトラのぶどう畑
↓
壮大で美しい。
わかりにくいけれど、海の比較的近くです。
もう1本は、ヴェルディッキオ・デイ・カステッリ・ディ・イエージの優秀な造り手の1つ、サルタレッリのバルチャーナ。
バルチャーナの動画は見つからなかったので、カンティーナの紹介動画です。
↓
この記事には、イタリアでの販売価格が明記されています。
プリーマ・ピエトラが驚くほど高額なのに対して、このヴェルディッキオは、気が抜けるほどお手頃価格です。
ワインの適正価格について、考えさせる記事だなあ。
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“ワインの適正価格”の記事の日本語訳は、「総合解説」2016年3月号に載っています。
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2018年7月30日月曜日
2018年7月27日金曜日
ギリシャ神話の街、シラクーザ
今月の“グルメガイド”はシラクーザ。
シチリアの東側にある町で、紀元前8世紀に創られたギリシャの植民都市。
それでは、記事のビジュアルガイド、スタートです。
まず、市民に“岩礁”と呼ばれるオルティージャとは、こんなところ。
美しいところですねー。
古代シラクーザのシンボル、アレトゥーサの泉があります。
ギリシャ神話の神、アルフェオスから逃れるために、アレトゥーザのニンフが川になってここに湧き出た、つまり何世紀も前からニンフが住んでいると伝えられている池です。
オルティージャの先端には、プーリアの世界遺産、カステル・デル・モンテを建てたことでも知られるシチリア王のフェデリコ2世が建てたマニアーチェ城があります。
ちなみにカステル・デル・モンテはこんな城。
ミステリアスな城として、世界中の人々を魅了する不思議な城です。
フェデリコ2世は、神聖ローマ皇帝でもありました。
城の建設以外にも様々な功績があって、偉大な君主として知られています。
プーリアを旅する時は、彼の偉業を常に目にしますが、シチリアにもあったのですねー。
シラクーザ、いい街に違いない。
シラクーザの市場。
フェデリコ2世つながりのせいか、プーリアのような空気を感じる街です。
シラクーザを訪れたらプーリアに北上して、アンドリアで絶品のブッラータを食べて、郊外のカステル・デル・モンテ城を訪れることをおすすめします。
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“グルメ旅~シラクーザ”の日本語訳は「総合解説」2016年3月号に載っています。
「書籍ガイド」
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シチリアの東側にある町で、紀元前8世紀に創られたギリシャの植民都市。
それでは、記事のビジュアルガイド、スタートです。
まず、市民に“岩礁”と呼ばれるオルティージャとは、こんなところ。
美しいところですねー。
古代シラクーザのシンボル、アレトゥーサの泉があります。
ギリシャ神話の神、アルフェオスから逃れるために、アレトゥーザのニンフが川になってここに湧き出た、つまり何世紀も前からニンフが住んでいると伝えられている池です。
オルティージャの先端には、プーリアの世界遺産、カステル・デル・モンテを建てたことでも知られるシチリア王のフェデリコ2世が建てたマニアーチェ城があります。
ちなみにカステル・デル・モンテはこんな城。
ミステリアスな城として、世界中の人々を魅了する不思議な城です。
フェデリコ2世は、神聖ローマ皇帝でもありました。
城の建設以外にも様々な功績があって、偉大な君主として知られています。
プーリアを旅する時は、彼の偉業を常に目にしますが、シチリアにもあったのですねー。
シラクーザ、いい街に違いない。
シラクーザの市場。
フェデリコ2世つながりのせいか、プーリアのような空気を感じる街です。
シラクーザを訪れたらプーリアに北上して、アンドリアで絶品のブッラータを食べて、郊外のカステル・デル・モンテ城を訪れることをおすすめします。
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“グルメ旅~シラクーザ”の日本語訳は「総合解説」2016年3月号に載っています。
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2018年7月25日水曜日
夏のイタリアン
季節が変わると読みたくなるのが
季節ごとのイタリアの地方料理を集めたこの本は、
今の季節なら、イタリア人にとって、夏の料理とは、ということを教えてくれます。
まず、夏の初めは麦の穂に実がついて倒れる季節。
そして畑や果物が鮮やかに色づく季節がやってきます。
最初のきのこが姿を現すと、夏も終わりです。
世界中の猛暑で、今後このサイクルが変わらないか心配ですが、
ズッキーニ、なす、トマト、パプリカ、玉ねぎが旬を迎える季節の料理は、
カポナータ、なすのパルミジャーナ、野菜のソース、生のいんげん豆、さやいんげん、豚肉と野菜のパスタソース、シチリアではケッパー、松の実、イワシのベッカフィーコが主役の季節。冷製パスタと粗熱を取ったズッパの季節でもあります。
コースは前菜とフルーツの割合が増え、ソルベットやレモンのジェーロ、フルーツのトルタを添えるようになります。
ソースはペスト、ローマなら、ローマのアンチョビ風味のプンタレッレ、フィオーリ・ディ・ズッカのフリット。
チーズはストラッキーノ、フィオルディラッテ、カプリーノなどのソフトチーズの需要が高まり、プロヴォローネやペコリーノ・マルツォリーノなどの熟成チーズはサラダに加えたり、ソースに辛味を加えたりします。
ミネラル分が不足しないよう塩分も必要です。
トマトは夏の料理には欠かせません。
この他、もろもろのことを考慮して、カルロ・カンビ氏が夏のイタリア料理として選びだしたのは、前菜なら、カッポン・マーグロ、シャコのレモンマリネ、クレーマ・フリッタ、フィオーリ・ディ・ズッカのフリット、モッツァレッラとアンチョビ詰め、レッコのチーズのフォカッチャ、玉ねぎとトマトのフリッタータなど。
プリーモはアサリ、ルーコラ、ミニトマトのカヴァテッリ、野菜のクスクス、メロンのクレーマ・フレッダ、ピスタチオのリングイーネ、チーメ・ディ・ラパのオレッキエッテ、カサゴのパッケリ、イカ墨のスパゲッティなど。
メロンのクレーマ・フレッダCrema fredda di meloneのリチェッタは
材料
メロン・・1個、1kg
トラディツィオナーレ・ディ・モデナのバルサミコ酢・・小さじ1
EVオリーブオイル
生ハム・・100g
ミント
塩、白こしょう
・メロンは皮をむいて種を取り、ぶつ切りにする。
・メロン、塩、油、水少々(必要なら)をミキサーにかけてクリーム状にする。
・生ハム(細く切ってもよい)をカリッとなるまで焼く。
・メロンのクレーマに生ハムをのせて油とこしょう、バルサミコ酢(好みで)をかける。
組み合わせるワインはフリウラーノかソーヴィニヨン。
プーリアのカサゴのパッケリ。
↓
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カルロ・カンビの『ミリオーリ・リチェッテ・デッラ・クチーナ・レジョナーレ・イタリアーナ』
今の季節なら、イタリア人にとって、夏の料理とは、ということを教えてくれます。
まず、夏の初めは麦の穂に実がついて倒れる季節。
そして畑や果物が鮮やかに色づく季節がやってきます。
最初のきのこが姿を現すと、夏も終わりです。
世界中の猛暑で、今後このサイクルが変わらないか心配ですが、
ズッキーニ、なす、トマト、パプリカ、玉ねぎが旬を迎える季節の料理は、
カポナータ、なすのパルミジャーナ、野菜のソース、生のいんげん豆、さやいんげん、豚肉と野菜のパスタソース、シチリアではケッパー、松の実、イワシのベッカフィーコが主役の季節。冷製パスタと粗熱を取ったズッパの季節でもあります。
コースは前菜とフルーツの割合が増え、ソルベットやレモンのジェーロ、フルーツのトルタを添えるようになります。
ソースはペスト、ローマなら、ローマのアンチョビ風味のプンタレッレ、フィオーリ・ディ・ズッカのフリット。
チーズはストラッキーノ、フィオルディラッテ、カプリーノなどのソフトチーズの需要が高まり、プロヴォローネやペコリーノ・マルツォリーノなどの熟成チーズはサラダに加えたり、ソースに辛味を加えたりします。
ミネラル分が不足しないよう塩分も必要です。
トマトは夏の料理には欠かせません。
この他、もろもろのことを考慮して、カルロ・カンビ氏が夏のイタリア料理として選びだしたのは、前菜なら、カッポン・マーグロ、シャコのレモンマリネ、クレーマ・フリッタ、フィオーリ・ディ・ズッカのフリット、モッツァレッラとアンチョビ詰め、レッコのチーズのフォカッチャ、玉ねぎとトマトのフリッタータなど。
プリーモはアサリ、ルーコラ、ミニトマトのカヴァテッリ、野菜のクスクス、メロンのクレーマ・フレッダ、ピスタチオのリングイーネ、チーメ・ディ・ラパのオレッキエッテ、カサゴのパッケリ、イカ墨のスパゲッティなど。
メロンのクレーマ・フレッダCrema fredda di meloneのリチェッタは
材料
メロン・・1個、1kg
トラディツィオナーレ・ディ・モデナのバルサミコ酢・・小さじ1
EVオリーブオイル
生ハム・・100g
ミント
塩、白こしょう
・メロンは皮をむいて種を取り、ぶつ切りにする。
・メロン、塩、油、水少々(必要なら)をミキサーにかけてクリーム状にする。
・生ハム(細く切ってもよい)をカリッとなるまで焼く。
・メロンのクレーマに生ハムをのせて油とこしょう、バルサミコ酢(好みで)をかける。
組み合わせるワインはフリウラーノかソーヴィニヨン。
プーリアのカサゴのパッケリ。
↓
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2018年7月23日月曜日
キッチン付きのパスティフィーチョのパスタ
今月の「総合解説」のパスタは
“手打ちパスタ店のパスタ”。
手打ちパスタのマエストロたちの作り出すパスタを、店で食べることができるという、キッチン付き製麺店の料理です。
店主はみんな、パスタのマエストロばかり。
「総合解説」P.10の1品目のパスタは、マストロ・パスタイオ、ライモンド・メンドリア氏のパスタ。
こんな人物。
↓
店はフィレンツェのメルカート・チェントラーレにあります。
訳したパスタは、“ライム、ミント、しょうがのキタッラ”。
麺はリマチナータのセモリナ粉にコーヒーと粉のコーヒー、卵を加えたもの。
ソースは乾燥ポルチーニと頭付きエビのソースを組み合わせています。
どんな香りの料理になるんでしょうか。
麺と香りを組み合わせるのが得意な人のようです。
二品目は、ミラノのパスタ・フレスカ・ダ・ジョヴァンニのリチェッタ。
“ライム、ミント、しょうがのキタッラ”
麺はセモリナ粉と卵のキタッラ。
ソースは、パルミジャーノと油のクリームがベースで、これにライムの汁としょうがのすりおろし、ミントのみじん切りを加えたもの。
イタリア料理では珍しく、火を使わないソースです。
暑い季節にはぴったりですね。
店のfacebookはこちら
3品目はレッチェのパスティフィーチョ・リストランテ・イン・ヴィア・ローマの
“トマトとチョコレートのサーニェ・カンヌラーテ”
プーリアの店だけあって、プーリアの手打ち麺はお手のもの。
しかも麺はセナトーレ・カッペリ小麦の生地。
上の動画からも、小麦にこだわっていることが分かります。
サーニェ・カンヌラーテの成形方法もアップで説明しています。
動画で見るとよく分かりますねー。
ソースの食材は、パキーノトマト、赤玉ねぎ、カチョリコッタ、EVオリーブオイルと、南イタリアの太陽を感じさせるものばかり。
美味しくない訳がない。
最後はローマのボッテガ・パスティフィーチョ・コン・クチーナの
“アーティチョークのカッペッラッチ”
マルツォリーノというトスカーナの羊乳の硬質チーズと、中部イタリア産の羊乳の硬質チーズ、ペコリーノ・ディ・フォッサに、ローマ名物のアーティチョークを組み合わせた詰め物パスタ。
どれも素晴らしいですねえ。
ソースにもこだわったアルティジャナーレのパスタ、一度は味わってみたいものです。
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“手打ちパスタの店のパスタ”の記事の日本語訳は、「総合解説」2016年3月号に載っています。
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“手打ちパスタ店のパスタ”。
手打ちパスタのマエストロたちの作り出すパスタを、店で食べることができるという、キッチン付き製麺店の料理です。
店主はみんな、パスタのマエストロばかり。
「総合解説」P.10の1品目のパスタは、マストロ・パスタイオ、ライモンド・メンドリア氏のパスタ。
こんな人物。
↓
店はフィレンツェのメルカート・チェントラーレにあります。
訳したパスタは、“ライム、ミント、しょうがのキタッラ”。
麺はリマチナータのセモリナ粉にコーヒーと粉のコーヒー、卵を加えたもの。
ソースは乾燥ポルチーニと頭付きエビのソースを組み合わせています。
どんな香りの料理になるんでしょうか。
麺と香りを組み合わせるのが得意な人のようです。
二品目は、ミラノのパスタ・フレスカ・ダ・ジョヴァンニのリチェッタ。
“ライム、ミント、しょうがのキタッラ”
麺はセモリナ粉と卵のキタッラ。
ソースは、パルミジャーノと油のクリームがベースで、これにライムの汁としょうがのすりおろし、ミントのみじん切りを加えたもの。
イタリア料理では珍しく、火を使わないソースです。
暑い季節にはぴったりですね。
店のfacebookはこちら
3品目はレッチェのパスティフィーチョ・リストランテ・イン・ヴィア・ローマの
“トマトとチョコレートのサーニェ・カンヌラーテ”
プーリアの店だけあって、プーリアの手打ち麺はお手のもの。
しかも麺はセナトーレ・カッペリ小麦の生地。
上の動画からも、小麦にこだわっていることが分かります。
サーニェ・カンヌラーテの成形方法もアップで説明しています。
動画で見るとよく分かりますねー。
ソースの食材は、パキーノトマト、赤玉ねぎ、カチョリコッタ、EVオリーブオイルと、南イタリアの太陽を感じさせるものばかり。
美味しくない訳がない。
最後はローマのボッテガ・パスティフィーチョ・コン・クチーナの
“アーティチョークのカッペッラッチ”
マルツォリーノというトスカーナの羊乳の硬質チーズと、中部イタリア産の羊乳の硬質チーズ、ペコリーノ・ディ・フォッサに、ローマ名物のアーティチョークを組み合わせた詰め物パスタ。
どれも素晴らしいですねえ。
ソースにもこだわったアルティジャナーレのパスタ、一度は味わってみたいものです。
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“手打ちパスタの店のパスタ”の記事の日本語訳は、「総合解説」2016年3月号に載っています。
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2018年7月20日金曜日
アンディ・ウォーホルのキャンベルのスープ缶
和食のテンプラのことは、数年前からイタリアのプロの料理人たちもぼちぼち語るようになりました。
和食がメジャーになりつあることは、最近、強く感じます。
今月の「総合解説」には、抹茶が登場しました。
イタリア語ではtè matcha in polvere”とされていました。
まだ少し説明は必要なようですが、2016年に記念すべき初登場です。
リチェッタはP.6の“ラズベリーといちごのチョコレートケーキ”。
チョコレートケーキの表面を固めたビターチョコレートで覆い、その上に赤いラズベリーパウダーと一緒に振りかけて、美しく飾っています。
マッチャ・ティラミス
↓
今月紹介したシェフはリゾットの魔術師ことクリスティンとマヌエル・コスタルディ兄弟。
彼らが好んで使っているこしょう、サワラクのこしょうpepe di Sarawakは、昔からシェフたちのお気に入りのこしょうです。
同じく彼らのリゾット、“サフランのリゾット、バッカラ・マンテカート添え”と“アスパラガスと帆立貝の春のリゾット”に登場した“マイクロハーブ”は、初登場の食材でした。
オランダのKoppert Kress社が開発した小型のハーブです。
このまま料理のトッピングにすると、とても美しいです。
独特の香りもあるようです。
日本にも提携先があるので、もう出回っていそうですね。
とろこで、マイクロハーブを料理に使ったコスタルディ兄弟ですが、
彼らがリゾットの魔術師と呼ばれるのは、リゾットの作り方の理論をまとめたから。
例えば米を炒めるのは、米の気泡を熱で開けるため。
こうすると味を吸い込みやすいので、こうなってから米に塩、こしょうで調味します。
これは、母親やおばあちゃんの調理方法を受け継いでそのまま再現するのが中心だった家庭料理から生まれたイタリア料理の世界では、珍しい発想です。
天才が料理を体系立てて弟子に伝えてきたフランス料理的な考え方です。
マンマがこうしていたからではなく、こうするとこうなる、という合理的で科学的なアプローチ。
彼らにかかれば玉ねぎのソッフリットもワインも必ずしも必要ありません。
詳細は「総合解説」に訳を載せました。
彼らの名物料理が、アンディ・ウォーホルの作品で有名なキャンベルのトマトスープ缶に注いだトマトのリゾット。
トマトスープを使うのではなく、缶を使うというぶっ飛んだアイデアです。
トマトソースは4時間かけてトマトと香味野菜を煮て作っています。
そういえば、ウォーホルを有名にしたのはトマトスープじゃなくて缶の絵でした。
しかも、トマトスープと書いてある缶の絵は左上の1個だけ。
凡人はみんな思ったはず。
これのどこが芸術なの?
文字通り、新世代の料理人です。
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“クリスティアン&マヌエル・コスタルディ”のリチェッタの日本語訳は、「総合解説」2016年3月号に載っています。
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和食がメジャーになりつあることは、最近、強く感じます。
今月の「総合解説」には、抹茶が登場しました。
イタリア語ではtè matcha in polvere”とされていました。
まだ少し説明は必要なようですが、2016年に記念すべき初登場です。
リチェッタはP.6の“ラズベリーといちごのチョコレートケーキ”。
チョコレートケーキの表面を固めたビターチョコレートで覆い、その上に赤いラズベリーパウダーと一緒に振りかけて、美しく飾っています。
↓
今月紹介したシェフはリゾットの魔術師ことクリスティンとマヌエル・コスタルディ兄弟。
彼らが好んで使っているこしょう、サワラクのこしょうpepe di Sarawakは、昔からシェフたちのお気に入りのこしょうです。
同じく彼らのリゾット、“サフランのリゾット、バッカラ・マンテカート添え”と“アスパラガスと帆立貝の春のリゾット”に登場した“マイクロハーブ”は、初登場の食材でした。
オランダのKoppert Kress社が開発した小型のハーブです。
このまま料理のトッピングにすると、とても美しいです。
独特の香りもあるようです。
日本にも提携先があるので、もう出回っていそうですね。
とろこで、マイクロハーブを料理に使ったコスタルディ兄弟ですが、
彼らがリゾットの魔術師と呼ばれるのは、リゾットの作り方の理論をまとめたから。
例えば米を炒めるのは、米の気泡を熱で開けるため。
こうすると味を吸い込みやすいので、こうなってから米に塩、こしょうで調味します。
これは、母親やおばあちゃんの調理方法を受け継いでそのまま再現するのが中心だった家庭料理から生まれたイタリア料理の世界では、珍しい発想です。
天才が料理を体系立てて弟子に伝えてきたフランス料理的な考え方です。
マンマがこうしていたからではなく、こうするとこうなる、という合理的で科学的なアプローチ。
彼らにかかれば玉ねぎのソッフリットもワインも必ずしも必要ありません。
詳細は「総合解説」に訳を載せました。
彼らの名物料理が、アンディ・ウォーホルの作品で有名なキャンベルのトマトスープ缶に注いだトマトのリゾット。
トマトスープを使うのではなく、缶を使うというぶっ飛んだアイデアです。
トマトソースは4時間かけてトマトと香味野菜を煮て作っています。
そういえば、ウォーホルを有名にしたのはトマトスープじゃなくて缶の絵でした。
しかも、トマトスープと書いてある缶の絵は左上の1個だけ。
凡人はみんな思ったはず。
これのどこが芸術なの?
文字通り、新世代の料理人です。
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“クリスティアン&マヌエル・コスタルディ”のリチェッタの日本語訳は、「総合解説」2016年3月号に載っています。
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2018年7月18日水曜日
イワシのチェタレーゼ、カルピオーネ、スカペーチェ、イン・サオール
キリスト教の四旬節の断食は、キリストの厳しい修行に思いを馳せて行う修行で、肉などの動物性脂肪を断つ、というもの。
金曜日もdi magroの日でした。
そもそも古代や中世の習慣ですが、キリスト教が広まった当初の掟はもっと厳しく、9世紀になって、魚を食べることが許されました。
魚でも、高価でゴージャスなものでは修行にならないし、四旬節は40日も続くので、質素な魚を使った日持ちのする料理が求められました。
大トロやキャビアは論外です。
21世紀になっても断食を守る人なんているのでしょうか。
四旬節の間に魚の消費量が増えるという事実が、みんな守っているということを物語っています。
でも、イタリアの断食の魚料理は、ポレンタとニシンなど徹底的に質素なのです。
「総合解説」2016年3月号P.14~で訳した料理は、確かに質素な断食の魚料理ですが、野菜をたっぷり組み合わせるなどとてもボリューミーでよく工夫されています。
1品目のイワシのチェルタレーゼは、コラトゥーラの産地として知られるチェターラのイワシ料理です。
アマルフィ海岸沿いの、カタクチイワシの魚醤を現代に伝える漁業の町の断食料理は、パン、ペコリーノ・ロマーノ、卵、フィノッキエット・セルヴァティコというボリュームたっぷりな具をイワシにはさんでワインをかけてオーブンで蒸し焼きにした1品。
2品目のタコのブッリダは、サルデーニャの伝統料理。
ブッリダはリグーリアやプロヴァンスの魚のスープがルーツ。
タコのブッリダはタコとじゃがいもを一緒に蒸し煮にした料理。
リグーリア料理のコウイカのブリッダ
『1001スペチャリタ・デッラ・クチーナ・イタリアーナ』
によると、リグーリアのブリッダBuriddaは、
リグーリアのズッパ・ディ・ペッシェで、数種類の魚を使います。
最も伝統的なのはストッカフィッソだけを使ったストッカフィッソのブリッダ。
陶器の鍋に入れて、野菜、トマト、アンチョビ、きのこ、松の実、じゃがいもなどを加えて3~4時間かけて煮込みます。
やはり断食の魚料理の代表的な魚は干ダラのバッカラやストッカフィッソ。
さらに、カルピオーネは、魚を日持ちさせるという点からもぴったりの調理方法です。
カルピオーネはピエモンテやロンバルディアの料理として知られていますが、スカペーチェとイン・サオールも、同じ調理方法です。
上述の『1001スペチャリタ・デッラ・クチーナ・イタリアーナ』によると、
スカペーチェはスペイン語のescabecheが語源。
スペイン料理がルーツだとしたら、南蛮漬けと訳した日本語は、まさにぴったり。
イン・サオールはヴェネチア料理の代表的な前菜。
トリエステ湾で捕れた新鮮で若いイワシの料理を使ったトレエステ料理としても知られています。
北イタリアのカルピオーネ、南イタリアのスカペーチェ、北東イタリアのイン・サオール。
どれも夏にぴったりです。
カルロ・クラッコの本、『カルロ・クラッコの地方料理』
の中に、サルデ・イン・サオールのリチェッタがありました。
訳してみます。
SARDE IN SAOR/サルデ・イン・サオール
伝統的な庶民料理で、ヴェネチアのオステリア、バカーロでは必ず出す1品。
“カルピオーネ”や“スカペーチェ”同様、とても歴史の古い料理で、ルーツはわかっていないが、魚をマリネして日持ちさせる料理として世界中に広まっている。
手をかけて作れば美味しい料理になる。
材料/4人分
イワシ・・24尾(1人6尾)
玉ねぎ・・2個
サルタナ・レーズン・・40g
煎った松の実・・40g
ローリエ・・1枚
ジュニパー・・2粒
白ワイン(ゲヴュルツトラミネル)・・100g
バター・・70g
赤ワインビネガー・・100g
コルベッツォロ(ヤマモモ)の蜂蜜・・大さじ1(約30g)
塩、こしょう
・玉ねぎを同じ幅の薄切りにしてバターでしんなり炒める。
・しんなりしたらローリエ、ジュニパー、サルタナレーズン、松の実を加える。
・白ワイン、赤ワインビネガーの順でかける。蜂蜜を加えて水で覆う。
・弱火で玉ねぎがジャム状になるまで煮る。
・塩、こしょうで調味し、甘味より酸味をひきたたせる。
・イワシの鱗、頭、背骨を取り除く。
・よく冷えたガス入りミネラルウオーター、小麦粉、卵で日本式の天ぷらの衣を作る。
・イワシに衣をつけてたっぷりの高温の油で揚げる。(イワシはよく冷やしておき、火が通り過ぎないで、フリットの香りがつきすぎないようにする。イワシの温度が低いと外側はカリッと、中はやや柔らかく揚がる)
・衣でなく小麦粉をまぶすだけでもよい。
・フリット用のシートを敷いた皿に盛り付ける。玉ねぎのジャムは小皿に入れて添える。
ここに手で取った魚を浸して食べる(またはイワシにのせる)。
クラッコシェフは、私が知る限り、日本のテンプラにこだわることを文字にした最初のイタリア人シェフでした。
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“断食の魚料理”の記事の日本語訳は、「総合解説」2016年3月号に載っています。
『1001スペチャリタ・デッラ・クチーナ・イタリアーナ』
『カルロ・クラッコの地方料理』
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金曜日もdi magroの日でした。
そもそも古代や中世の習慣ですが、キリスト教が広まった当初の掟はもっと厳しく、9世紀になって、魚を食べることが許されました。
魚でも、高価でゴージャスなものでは修行にならないし、四旬節は40日も続くので、質素な魚を使った日持ちのする料理が求められました。
大トロやキャビアは論外です。
21世紀になっても断食を守る人なんているのでしょうか。
四旬節の間に魚の消費量が増えるという事実が、みんな守っているということを物語っています。
でも、イタリアの断食の魚料理は、ポレンタとニシンなど徹底的に質素なのです。
「総合解説」2016年3月号P.14~で訳した料理は、確かに質素な断食の魚料理ですが、野菜をたっぷり組み合わせるなどとてもボリューミーでよく工夫されています。
1品目のイワシのチェルタレーゼは、コラトゥーラの産地として知られるチェターラのイワシ料理です。
アマルフィ海岸沿いの、カタクチイワシの魚醤を現代に伝える漁業の町の断食料理は、パン、ペコリーノ・ロマーノ、卵、フィノッキエット・セルヴァティコというボリュームたっぷりな具をイワシにはさんでワインをかけてオーブンで蒸し焼きにした1品。
2品目のタコのブッリダは、サルデーニャの伝統料理。
ブッリダはリグーリアやプロヴァンスの魚のスープがルーツ。
タコのブッリダはタコとじゃがいもを一緒に蒸し煮にした料理。
リグーリア料理のコウイカのブリッダ
『1001スペチャリタ・デッラ・クチーナ・イタリアーナ』
によると、リグーリアのブリッダBuriddaは、
リグーリアのズッパ・ディ・ペッシェで、数種類の魚を使います。
最も伝統的なのはストッカフィッソだけを使ったストッカフィッソのブリッダ。
陶器の鍋に入れて、野菜、トマト、アンチョビ、きのこ、松の実、じゃがいもなどを加えて3~4時間かけて煮込みます。
やはり断食の魚料理の代表的な魚は干ダラのバッカラやストッカフィッソ。
さらに、カルピオーネは、魚を日持ちさせるという点からもぴったりの調理方法です。
カルピオーネはピエモンテやロンバルディアの料理として知られていますが、スカペーチェとイン・サオールも、同じ調理方法です。
上述の『1001スペチャリタ・デッラ・クチーナ・イタリアーナ』によると、
スカペーチェはスペイン語のescabecheが語源。
スペイン料理がルーツだとしたら、南蛮漬けと訳した日本語は、まさにぴったり。
イン・サオールはヴェネチア料理の代表的な前菜。
トリエステ湾で捕れた新鮮で若いイワシの料理を使ったトレエステ料理としても知られています。
北イタリアのカルピオーネ、南イタリアのスカペーチェ、北東イタリアのイン・サオール。
どれも夏にぴったりです。
カルロ・クラッコの本、『カルロ・クラッコの地方料理』
の中に、サルデ・イン・サオールのリチェッタがありました。
訳してみます。
SARDE IN SAOR/サルデ・イン・サオール
伝統的な庶民料理で、ヴェネチアのオステリア、バカーロでは必ず出す1品。
“カルピオーネ”や“スカペーチェ”同様、とても歴史の古い料理で、ルーツはわかっていないが、魚をマリネして日持ちさせる料理として世界中に広まっている。
手をかけて作れば美味しい料理になる。
材料/4人分
イワシ・・24尾(1人6尾)
玉ねぎ・・2個
サルタナ・レーズン・・40g
煎った松の実・・40g
ローリエ・・1枚
ジュニパー・・2粒
白ワイン(ゲヴュルツトラミネル)・・100g
バター・・70g
赤ワインビネガー・・100g
コルベッツォロ(ヤマモモ)の蜂蜜・・大さじ1(約30g)
塩、こしょう
・玉ねぎを同じ幅の薄切りにしてバターでしんなり炒める。
・しんなりしたらローリエ、ジュニパー、サルタナレーズン、松の実を加える。
・白ワイン、赤ワインビネガーの順でかける。蜂蜜を加えて水で覆う。
・弱火で玉ねぎがジャム状になるまで煮る。
・塩、こしょうで調味し、甘味より酸味をひきたたせる。
・イワシの鱗、頭、背骨を取り除く。
・よく冷えたガス入りミネラルウオーター、小麦粉、卵で日本式の天ぷらの衣を作る。
・イワシに衣をつけてたっぷりの高温の油で揚げる。(イワシはよく冷やしておき、火が通り過ぎないで、フリットの香りがつきすぎないようにする。イワシの温度が低いと外側はカリッと、中はやや柔らかく揚がる)
・衣でなく小麦粉をまぶすだけでもよい。
・フリット用のシートを敷いた皿に盛り付ける。玉ねぎのジャムは小皿に入れて添える。
ここに手で取った魚を浸して食べる(またはイワシにのせる)。
クラッコシェフは、私が知る限り、日本のテンプラにこだわることを文字にした最初のイタリア人シェフでした。
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“断食の魚料理”の記事の日本語訳は、「総合解説」2016年3月号に載っています。
『1001スペチャリタ・デッラ・クチーナ・イタリアーナ』
『カルロ・クラッコの地方料理』
「書籍リスト」
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2018年7月16日月曜日
鉄砲伝来と断食
今月の「総合解説」には、欧米の食文化にはキリスト教が深く関わっていると感じる記事がありました。
“断食の魚料理”という記事です。
“断食”と聞いてすぐに思い浮かぶのは、イスラム教のラマダン。
約1ヶ月間、日の出から日没まで飲食を断つことによって、信仰心を清める修行、だそうです。
文字通りの断食ですね。
キリスト教の場合は、木曜はニョッキ、金曜は魚、というローマの言い回しが知られているように、曜日によって肉を食べることが禁じられた日がありました。
金曜日は“mangiare di magro”の日と呼ばれていました。
断食といっても肉を食べない、ということです。
金曜日はキリストが死んだ日と信じられていたそうです。
マーグロmagroというのは、イタリア料理の用語としても定着しています。
例えば、具に肉が入らないほうれん草とリコッタのラビオリなとどは、代表的なラビオリ・ディ・マーグロです。
キリスト教の主な断食は、カーニバルと復活祭の間の40日間(クアレジマ)、キリストが荒野で断食したという苦行を思って“動物性脂肪、主に肉を食べない”、という修行です。
キリスト教の初期の頃は、戒律を破ると死刑だったそうですよ。
9世紀になると魚は肉より浄化されているとしてクアレジマの間に食べることが許されました。
それからというもの、40日間、イタリア中、山の中でも魚料理を美味しく食べるために、工夫が重ねられました。
そして庶民的なイワシやタラを中心に、塩漬けやスモークという長期保存技術も発達して、イタリアの伝統料理に魚料理が加わっていったのでした。
現在でも、クアレジマの間はイタリアの魚の消費量は増えているそうなので、敬虔なイタリア人は断食の掟を守っているようですね。
断食とバッカラについての話は以前このブログでも取り上げました。
(こちら)
やはり、断食料理の王様は干ダラでしょうか。
国民的イタリア料理には、どんな魚料理があるかなあと思って、
『グランディ・クラシチ』
を見てみましたが、
カッチュッコ、アンコナ風ブロデット、タコのルチアーナ、メカジキのシチリア風、バッカラのヴィチェンツァ風などと、肉に比べてごく少数。
しかも漁師町の料理が多いですね。
では、定番の家庭料理にはどんな魚料理があるのかなと、今度は『マンマミーア』を見てみました。
するとこちらにはたくさんありました。
最初の1品はマトウダイ(サン・ピエトロ)でしたが、あとはイワシが多いですねえ。
他は、マグロやクロダイ、ムール貝、エビ、メカジキ、ホウボウなど、地方料理から全国区になった代表的イタリア料理が多いです。
おもしろいことに、最近では魚が贅沢な高級品になってきて、魚、肉という区別ではなく、高級品というくくりで断食すべきという意見もあるそうです。
現代では魚の保存や輸送の技術も向上して、魚料理の選択肢も豊富になりました。
あとは調理次第です。
魚をボリューミーにする手段の一つ、テンプラは、ポルトガル人の宣教師によってヨーロッパに逆輸入されました。
これを異文化の出会いから生まれた素晴らしい成果の1つだと、鉄砲伝来とテンプラ伝来を同レベルで語る人もいます。
断食の期間に食べる、大衆魚を保存のきく方法で調理した料理、その実例が何品か、今月の「総合解説」に載っています。
他にもあるので、次回はその料理の紹介です。
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“断食の魚料理” の日本語訳は、「総合解説」2016年3月号に載っています。
「書籍リスト」
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“断食の魚料理”という記事です。
“断食”と聞いてすぐに思い浮かぶのは、イスラム教のラマダン。
約1ヶ月間、日の出から日没まで飲食を断つことによって、信仰心を清める修行、だそうです。
文字通りの断食ですね。
キリスト教の場合は、木曜はニョッキ、金曜は魚、というローマの言い回しが知られているように、曜日によって肉を食べることが禁じられた日がありました。
金曜日は“mangiare di magro”の日と呼ばれていました。
断食といっても肉を食べない、ということです。
金曜日はキリストが死んだ日と信じられていたそうです。
マーグロmagroというのは、イタリア料理の用語としても定着しています。
例えば、具に肉が入らないほうれん草とリコッタのラビオリなとどは、代表的なラビオリ・ディ・マーグロです。
キリスト教の主な断食は、カーニバルと復活祭の間の40日間(クアレジマ)、キリストが荒野で断食したという苦行を思って“動物性脂肪、主に肉を食べない”、という修行です。
キリスト教の初期の頃は、戒律を破ると死刑だったそうですよ。
9世紀になると魚は肉より浄化されているとしてクアレジマの間に食べることが許されました。
それからというもの、40日間、イタリア中、山の中でも魚料理を美味しく食べるために、工夫が重ねられました。
そして庶民的なイワシやタラを中心に、塩漬けやスモークという長期保存技術も発達して、イタリアの伝統料理に魚料理が加わっていったのでした。
現在でも、クアレジマの間はイタリアの魚の消費量は増えているそうなので、敬虔なイタリア人は断食の掟を守っているようですね。
断食とバッカラについての話は以前このブログでも取り上げました。
(こちら)
やはり、断食料理の王様は干ダラでしょうか。
国民的イタリア料理には、どんな魚料理があるかなあと思って、
『グランディ・クラシチ』
を見てみましたが、
カッチュッコ、アンコナ風ブロデット、タコのルチアーナ、メカジキのシチリア風、バッカラのヴィチェンツァ風などと、肉に比べてごく少数。
しかも漁師町の料理が多いですね。
では、定番の家庭料理にはどんな魚料理があるのかなと、今度は『マンマミーア』を見てみました。
するとこちらにはたくさんありました。
最初の1品はマトウダイ(サン・ピエトロ)でしたが、あとはイワシが多いですねえ。
他は、マグロやクロダイ、ムール貝、エビ、メカジキ、ホウボウなど、地方料理から全国区になった代表的イタリア料理が多いです。
おもしろいことに、最近では魚が贅沢な高級品になってきて、魚、肉という区別ではなく、高級品というくくりで断食すべきという意見もあるそうです。
現代では魚の保存や輸送の技術も向上して、魚料理の選択肢も豊富になりました。
あとは調理次第です。
魚をボリューミーにする手段の一つ、テンプラは、ポルトガル人の宣教師によってヨーロッパに逆輸入されました。
これを異文化の出会いから生まれた素晴らしい成果の1つだと、鉄砲伝来とテンプラ伝来を同レベルで語る人もいます。
断食の期間に食べる、大衆魚を保存のきく方法で調理した料理、その実例が何品か、今月の「総合解説」に載っています。
他にもあるので、次回はその料理の紹介です。
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