2018年7月25日水曜日

夏のイタリアン

季節が変わると読みたくなるのが

カルロ・カンビの『ミリオーリ・リチェッテ・デッラ・クチーナ・レジョナーレ・イタリアーナ


季節ごとのイタリアの地方料理を集めたこの本は、
今の季節なら、イタリア人にとって、夏の料理とは、ということを教えてくれます。
まず、夏の初めは麦の穂に実がついて倒れる季節。
そして畑や果物が鮮やかに色づく季節がやってきます。
最初のきのこが姿を現すと、夏も終わりです。

世界中の猛暑で、今後このサイクルが変わらないか心配ですが、
ズッキーニ、なす、トマト、パプリカ、玉ねぎが旬を迎える季節の料理は、
カポナータ、なすのパルミジャーナ、野菜のソース、生のいんげん豆、さやいんげん、豚肉と野菜のパスタソース、シチリアではケッパー、松の実、イワシのベッカフィーコが主役の季節。冷製パスタと粗熱を取ったズッパの季節でもあります。

コースは前菜とフルーツの割合が増え、ソルベットやレモンのジェーロ、フルーツのトルタを添えるようになります。

ソースはペスト、ローマなら、ローマのアンチョビ風味のプンタレッレ、フィオーリ・ディ・ズッカのフリット。

チーズはストラッキーノ、フィオルディラッテ、カプリーノなどのソフトチーズの需要が高まり、プロヴォローネやペコリーノ・マルツォリーノなどの熟成チーズはサラダに加えたり、ソースに辛味を加えたりします。

ミネラル分が不足しないよう塩分も必要です。
トマトは夏の料理には欠かせません。

この他、もろもろのことを考慮して、カルロ・カンビ氏が夏のイタリア料理として選びだしたのは、前菜なら、カッポン・マーグロ、シャコのレモンマリネ、クレーマ・フリッタ、フィオーリ・ディ・ズッカのフリット、モッツァレッラとアンチョビ詰め、レッコのチーズのフォカッチャ、玉ねぎとトマトのフリッタータなど。

プリーモはアサリ、ルーコラ、ミニトマトのカヴァテッリ、野菜のクスクス、メロンのクレーマ・フレッダ、ピスタチオのリングイーネ、チーメ・ディ・ラパのオレッキエッテ、カサゴのパッケリ、イカ墨のスパゲッティなど。

メロンのクレーマ・フレッダCrema fredda di meloneのリチェッタは

材料
 メロン・・1個、1kg
 トラディツィオナーレ・ディ・モデナのバルサミコ酢・・小さじ1
 EVオリーブオイル
 生ハム・・100g
 ミント
 塩、白こしょう

・メロンは皮をむいて種を取り、ぶつ切りにする。
・メロン、塩、油、水少々(必要なら)をミキサーにかけてクリーム状にする。
・生ハム(細く切ってもよい)をカリッとなるまで焼く。
・メロンのクレーマに生ハムをのせて油とこしょう、バルサミコ酢(好みで)をかける。

組み合わせるワインはフリウラーノかソーヴィニヨン。

プーリアのカサゴのパッケリ。
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