2022年4月8日金曜日

パルミジャーノのクリーム、フォンティーナのフォンドゥータ、モッツァレラのサルサ

さて、あらためて、パルミジャーノのクリームです。
イタリア料理に欠かせない、イタリアのもっとも有名なチーズ、パルミジャーノのクリームは、イタリア料理の基本のリチェッタの一つ。
パルミジャーノのクリームCrema al parmigiano。
クロスティーニにのせたり、パスタのソースにします。
リチェッタは各種ありますが、(CIR)7月号のリチェッタはP.2。
本のリチェッタは小麦粉とバターを使わない、つまりルーを加えないクリームです。
生クリームと30か月熟成のパルミジャーノをホイッバーで混ぜてベシャメルのような濃度にします。
チーズを溶かしたソースと言えば、フォンドゥータ。
上の動画のようにパルミジャーノのフォンドゥータもありますが、フォンドゥータにする一般的なチーズはフォンティーナ。スイスやフランスとの国境に近い地方、バッレダオスタやピエモンテ地方の料理です。
パルミジャーノ、フォンティーナ、これにモッツァレラが加われば、イタリアが世界に誇る3大チーズになります。

フォンティーナfontina
このチーズも全然機械化されていない、アルティジャナーレなチーズですね。
フォンティーナの熟成期間は2~6か月なのに対して、パルミジャーノは18~36か月ととても長い。
モッツァレラは南イタリアで飼育されている水牛のミルクのパスタ・フィラータのチーズ。
フレッシュさが命で、作ってから2日以内に食べる。

モッツァレッラのソースのリチェッタを探してみたら、ピエトロ・パリージシェフの動画がありました。

モッツァレラ・ディ・ブファラのサルサSalsa di mozzarella di bufala 


パリージ・シェフは自らをクオーコ・コンタディーノと呼び、ベスビオ山のふもとで農家に交じって暮らしながらアルタ・クチーナを作るカンパーニアの優秀なシェフ。

『ピエトロ・パリージ/クオーコ・コンタディーノ』



パルミジャーノ、フォンティーナ、モッッァレラをパスタソースにしようとすると、それぞれに最適な方法があります。
上の動画では、余ったモッツァレラの農家の昔ながらの保存方法を紹介しています。
・モッツァレラを小さく切って煮沸殺菌したガラスの密閉瓶に入れ、24時間冷蔵庫に入れ乾かす。モッツァレラ1㎏につき、牛乳1.1㎏、塩9g、コーンスターチ10gを加えて瓶の口まで満たし、蓋をして50分煮沸殺菌する。これをミキサーにかけて濃いクリームにする。ガラスの密閉瓶に口まで入れて蓋をし、伏せて鍋に入れ、30分煮沸殺菌する。布に取って乾かし、冷蔵庫で長くて3か月保存できる。サルサを使う時は、湯煎、オーブン、レンジなどで温めて使う。パスタソースに最適。



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2022年4月7日木曜日

パルミジャーノは大量生産の機械化されたチーズかと思ったら、いまだに昔ながらの手作業の、職人が造るアルティジャナーレなチーズでした。

今月の(CIR)のリチェッタ、1品目は“パルミジャーノのクリーム”です。
(CIR)の見方を軽く説明すると、各料理名の上には、『クチーナ・イタリアーナ』のこの料理の分類(Antipasti)と、このリチェッタの記事(L'ABC)があります。
(L'ABC)とは、基本のリチェッタ、という意味で、雑誌の記事は、初心者向けの詳細な解説付きです。
ちなみに7月号では、“トマトのグラティナーティ”もABCのリチェッタです。
パルミジャーノのクリームですが、『クチーナ・イタリアーナ』7月号の主役はマッシモ・ボットゥーラシェフ。そして彼が情熱注いでいるのが故郷モデナの食文化の普及。
モデナの世界的産物の一つが、パルミジャーノです。
パルミジャーノはモデナが誇る産物であるだけでなく、イタリア料理の基本の食材でもあります。
もちろんシェフの料理にも欠かせない食材で、シェフがその使い方を熟知している食材です。
本では、パルミジャーノをcroccante“焼き”、cremoso“クリーム”、etereo“泡”の各状態で使うリチェッタや、熟成状態の違いによる使い分けのリチェッタなどを載せています。

パルミジャーノの基礎となる4種の違いを説明するボットゥーラシェフ。

イタリア料理の基本中の基本は、パルミジャーノからスタートです。


生産サイクルの視点から見ると、そもそもパルミジャーノ作りは牧草作りから始まる。

牛乳が廃棄されるかもなんて話を聞くと、パルミジャーノみたいなチーズ造ればいいのに、と思うけど、そう簡単にはいかないんだろうなあ。

パルミジャーノの歴史。
パダナ平野の修道院で、大勢の巡礼者に提供するために、当時の最新の技術で、大型で日持ちするチーズを造ったのがはじめ。
1349年に生産者組合が誕生し、14世紀のボッカチオの『デカメロン』にも登場する、というのが生産者の自慢。1389年にはピサの商人によって、アフリカ、スペイン、フランスに輸出される人気のチーズになっている。
パルミジャーノと他のチーズの違いは、他のチーズの製造過程が時を経て機械化されていったにもかかわらず、パルミジャーノは昔ながらのカードを布を使って取り出すという人手によるアルティジャナーレな製法を保っている点。
あの布を使ってチーズを取り出す製法は、確かに、考えてみればかなりレトロな製法。あの様子が有名なのは絵になるからだけじゃなくて、パルミジャーノのアルティジャナーレな製法を象徴していたんですね。

パルミジャーノの製法。

有名なチーズだから完全機械化で大量生産されているんだろうと思ったけど、今だに昔ながらの手作業で造られているアルティジャナーレなチーズなのでした。
まあ、いつもスーパーで買う安い“パルメザン”は、まさに量産型のチーズなのでしょうが。

2022年4月6日水曜日

天才シェフを生んだ街、モデナ

今日から、今月の(CIR/クチーナ・イタリアーナ・レジョナーレ)の解説です。
今月は、マッシモ・ボットゥーラシェフの特集なので、記事もシェフに関するものが多くなっています。
世界で一番有名なイタリア料理のシェフなので、特に新しく語ることもなさそうですが、イタリアの料理雑誌にしかできないような、プライベートにも踏み込んだ濃厚な特集記事になっています。

シェフはモデナの出身で、地元の食文化を広めることに強い情熱を注いでいます。
モデナの世界的名産物でシェフがとりわけ力を入れているのがパルミジャーノ・レッジャーノです。
ボットゥーラシェフのモデナ愛は有名。モデナのことをファーストカーとフローフードの街と呼んでいます。

店はモデナのオステリア・フランチェスカーナ。

天才シェフを生んだモデナの食は・・・
モデナのフードツアー

ニョッコ・フリットはカプチーノに浸して朝食に食べるのか。
このブログの最初は、確かモデナの話だったような・・・。モデナの紹介は、何度やっても楽しいですね~。


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2022年4月4日月曜日

(CIR/クチーナ・イタリアーナ・レジョナーレ)2020年7月号。

今月号の『クチーナ・イタリアーナ』は、かなり思い切った特集です。
イタリアが世界に誇るカリスマ、マッシモ・ボットゥーラシェフの特集です。
雑誌も思い切ってますが、シェフもこまでやるか、と思うほど、家族などプライベートなことを出し切っています。
そうとう思い切ったはずですよ、これは。

ボットゥーラシェフはモデナ出身。ファーストカーとスローフードの街、というのがシェフのお気に入りのたとえのよう。
モデナ・マン、マッシモ・ボットゥーラシェフ。
故郷と料理と家族に対する情熱は、引くほど深い。

そんなことをこの1冊で知ることができました。
それでは明日から、じっくり解説していきます。
ボットゥーラシェフの本、『マッシモ・ボットゥーラ・パルミジャーノ』

オステリア・フランチェスカーナのソムリエの本、『サーラ・エ・カンティーナ』

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2022年4月3日日曜日

エミリア・ロマーニャのストリートフード、トルタ・フリッタ、ボルレンゴ、ピアディーナなどは生ハムやサラミを美味しく食べるための相棒たち。

昨日のお題は、家庭料理の視点から見たニョッコ・フリットでした。
この料理は、エミリア・ロマーニャの伝統的ストリート・フードでもあります。
なので今日は、ストリートフードの人気のお勧め本、『ストリート・フード・アッラ・イタリアーナ』から。

本で紹介している店は、レッジョ・エミリアのA Mangiare。
下の動画はエミリア・ロマーニャのストリートフードのあれこれ。
北イタリアはストリートフードの主役は肉。シチリアあたりのストリートフードとは完全に別物。だけど、これだけ食べたらコレステロールも相当溜まりそう。



レッジョ・エミリア↓

エミリア・ロマーニャのストリートフード、その2、クレシェンティーナ。モデネーゼ、またはティジェッラcrescentina modenese o Tigella。




3品めはボルレンゴborlengo。
モデナ県のグイリアという町の名物。直径40~45㎝のフライパンに小麦粉と水と卵の生地(colla)を薄ーく広げて焼くクレープ系のストリートフード。
具はパンチェッタかラルド、にんにく、ローズマリー。


エミリア・ロマーニャのストリートフードの中でも異色の存在、ボルレンゴ。
からリチェッタを訳してみます。

材料/30枚分
《コッラcolla》
小麦粉・・500g
水・・2~2.5ℓ
卵・・1個
塩・・小さじ1/2

《クンツァcunza》
パンチェッタかラルド・・500g
にんにく・・1かけ
ローズマリー・・1枝
おろしたパルミジャーノ・・250g
豚の皮(ブロック)・・100g

・《コッラ》を作る。たらいにふるった小麦粉、軽く溶いた卵と塩を入れてホイッバーで混ぜながら水を少量ずつ加えてゆるい生地にする。覆いをして冷蔵庫で2~4時間休ませる。
・《クンツァ》を作る。パンチェッタかラルドを叩いて刻み、にんにくとローズマリーのみじん切りを加える。浅鍋に入れて弱火で熱して溶かす。
・専用のフライパン《ソーレsole》がなければクレープ鍋か鉄のフライパンを熱して豚皮の脂を薄く塗り、レードル1杯のコッラを流しいれて底に均一に広げる。
・弱火で焼いて縁は透き通るような、中央は柔らかい円形の生地にし、持ち上げて裏返す。
。すぐにクンツァを塗り、パルミジャーノをたっぷり散らす。
4つに折って熱いうちに食べる。

最後はエミリア・ロマーニャのストリートフードの王様、ピアディーナpiadina。


どれも生ハムやサラミによく合いそうですね。
組み合わせる理想的なワインはランブルスコ・ディ・ソルバーラ。



 
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『ピエトロ・パリージ』
/クオーコ・コンタディーノ
』

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2022年4月2日土曜日

ベテラン、レズドーラから新米嫁へのアドバイス。トルタ・フリッタの生地は乾かすと揚げても膨らまなくて硬くなるよ。

急に寒くなったりもしましたが、今年も桜の季節は巡ってきました。
新入生の姿を見かけるこの時期になるとお勧めしたくなるのが、新米ママにベテランママが伝えるイタリアの家庭料理の入門書、『マンマミーア』

2010年のグルマン料理書アワードのベストイタリア料理書賞受賞作です。

この本で姑が新米嫁に教える料理として比較的最初に登場するのが“トルタ・フリッタtorta fritta”です。お嫁さんに教えながら伝えるアドバイスも、いつも春になると思い出します。
トルタ・フリッタは、エミリア地方の中心、パルマの料理です。
ボローニャやモデナ、フェラーラなどがある、イタリアを代表する美食の地方です。
手打ち麺の伝統があり、ベテランの女性麺職人はレズドーラと呼ばれて尊敬されています。
この地方の主婦は、家庭を切り盛りするだけでなく、完璧な麺が打てないとならないのです。
トルタ・フリッタは、地方によってはクレシェンティーナ、ニョッコ・フリットなどと様々な名前で呼ばれていますが、絶対的なルールは、生ハムと一緒に食べる、ということ。
私がこの組み合わせを初めて食べたのはモデナでした。
なので、ニョッコ・フリットという名前で覚えています。
『マンマミーア』では、レズドーラがトルタ・フリッタの完璧な作り方をアドバイスしてくれます。
レズドーラの料理教室。

トルタ・フリッタtorta frittaは、粉もの作りの基本。
動画の最後の方にモデナのニョッコ・フリットと生ハムの食べ方があります。



『マンマミーア』のリチェッタを訳してみます。
トルタ・フリッタtorta fritta

材料/4〜6人分

00番の小麦粉・・500g、揚げ油用ラード、塩

・小麦粉をフォンタナに盛り、塩と湯(生地を柔らかくする量)を入れてこねて均質の生地にする。
・厚さ3mmに伸ばして大きすぎないひし形に切る。
・ラードを強火で溶かし、沸騰したら生地の両面をきつね色に揚げる。
・シートに取って油を切り、熱いうちにサーブする。

この料理のアドバイスは、
「生地を伸ばす時は伸ばす分だけ切り取り、伸ばしている間は残りの生地に布巾を被せておくこと。生地が乾くと弾力がなくなり、表面に皮ができると揚げても膨らまなくなる。硬いトルタ・フリッタなんて誰が食べたがる?」
ちょっと説教臭い言い方だけど、なるほど、よくわかりました。

ちなみにもうすぐ発売のCIR7月号は、トルテッリーニの記事でパスタの基礎が特集されています。



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『ピエトロ・パリージ』
/クオーコ・コンタディーノ
』

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2022年4月1日金曜日

レモンの風味のこしょうとは、どんなハーブでしょう。答えは地中海原産の香草、コリアンダー。語源はコリアンドロ、紙吹雪のこと。

今日のお題は、歴史の古い地中海の香草で、今ではイタリアよりアジアなど外国のほうが人気、というハーブ、コリアンダーcoliandoloです。
別名プレッツェーモロ・チネーゼ、パクチー。
地域や気候に左右されずに栽培しやすいハーブで、世界中に広まっています。
イタリアでは主に腸詰の風味づけに加えられています。
元々風味の強いハーブなので、味の強い料理にも合います。
野菜と豆のズッパ、肉や魚のセコンドなどに使います。

コリアンダーの語源はコリアンドリcoriandoli(紙吹雪)。昔は紙吹雪の代わりに色を付けたコリアンダーの種を散らしていたのです。
イタリアではあの匂いはしらみに似ているなどと言われてあまり人気はないようですが、薬効も知られていて、多くのリキュールに使われています。



紙吹雪と言えば、カーニバル。


フランスのシャルトリューズというリキュールは、リキュールの女王と呼ばれる修道院で造られるお酒。製法は秘密だけど、たぶん、コリアンダー入り。


そうそう、コリアンダーの旬は4月頃だそうです。これからですね。


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『ピエトロ・パリージ』
/クオーコ・コンタディーノ
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サーモンのベルガモットマリネ入りのミカンのリゾット。柑橘果実の活かし方をよく知っているのが南イタリア。

みかんのリゾットの話。まずは米の“ヴィアローネ・ナノ”について見てきましたが、次はみかんです。 みかんは今回はbergamottoと指定されています。 ベルガモットはミカン属の柑橘類。柑橘類を使うリゾットは各種ありますが、ミカンのリゾットは見たことなかったです。それにちょっと食べ...