2010年1月18日月曜日

モーディカのチョコレート、その1

今回はモーディカ(モディカ)のチョコレートの話。

クレアパッソで現在配本中の『ラ・クチーナ・イタリアーナ』で、シチリアを代表する有名シェフの一人、カルメーロ・キアラモンテ氏の料理が紹介されています。
彼は、カターニアの4つ星ホテル、カターネ・パレス・ホテルのレストラン、イル・クチニエーレのシェフ。
レストランのhpはこちら


下の動画は、ラグーザの古いドルチェ、“クトゥミエイ”の作り方を説明するシェフ。



乾いた羊のリコッタ100g、小麦粉40g、砂糖20g、卵白大さじ1(リコッタの状態を見て加える)を混ぜ、冷蔵庫で30分休ませてから揚げる。
皿に盛りつけたら温めた蜂蜜とヴィーノ・コットをたらして熱いうちにサービス。
外はカリッとして中はソフトなドルチェ。



彼は、シチリアのモーディカの出身。
シチリアの泥臭い伝統料理を骨太にアレンジした料理を作る人です。

『ラ・クチーナ・イタリアーナ』でリチェッタを披露している料理は、
「アーティチョークとブロッコリーのカポナータ、酔っ払い卵とモーディカのチョコレート添え」




カポナータは、千切りにして炒めたアーティチョーク、小角切りにして揚げたブロッコリー、にんじん、じゃがいも、刻んだオリーブ、ケッパーを、カラメッラーレした砂糖、ミント、赤ワインビネガー、塩でさっと炒めてから6時間なじませたもの。

酔っ払い卵はゆで卵の殻を部分的にむき、強い赤ワインに36時間漬けます。

そして仕上げに皿に散らすのが、モーディカのチョコレート。


今回取り上げるのは、このモーディカのチョコレートです。

カポナータに添えてもおかしくないチョコレート・・・。
いったいどんなチョコレートなのでしょうか。


モーディカのチョコレートは、普通のチョコレートとはかなり違います。

まず、外見はこんな感じ

色はチョコレート色ですが、中は細かい穴がたくさんあいています。
まるで軽石のようです。

口に含むと、そこそこ甘いけれど、ジャリジャリとした舌触り。
普通のチョコレートのような濃厚さはありません。
だから、なんとなくヘルシー。


モーディカのチョコレートの特徴は、
「低温製法」です。
「夏でも溶けない」というのがセールスポイントの1つ。

スペインがアステカ文明と出会ってヨーロッパに伝えたチョコレート。
モーディカのチョコレートは、その当時のままの製法で作られているのだそうです。
世界中でこの製法が今も残っているのは、ここだけなんだとか。


モーディカのチョコレートの話、次回に続きます。


町自体が古代の劇場のような形のモーディカ。
バロックの町です。







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2010年1月15日金曜日

ロマネスコのリチェッタ、その2

ブロッコロ・ロマネスコのリチェッタ、その2です。


丸ごと1個だと強烈なインパクトのあるロマネスコ。



ロマネスコ, photo by drhenkenstein


調理した途端に、とことん影か薄くなる・・・。

付け合わせ
エビ入りサラダ
カラメリゼ
グラタン
パスタ
スープ
お弁当


ロマネスコの形が珍しいのは最初のうちだけ。
どんなに奇抜なものでも、毎日見ていればどうということなくなってしまいます。
ローマのレストランで、セルフサービスの前菜のロマネスコを物珍しげに取るのは観光客。
ジモティー(死語?)は、刻んで火を通して元の形が影も形もなくなったロマネスコ料理を注文する、という訳ですねー。
ローマではロマネスコのことをブロッコロと呼ぶことが多いので、ブロッコリー料理だと思ってロマネスコを食べている観光客もたくさんいるはず。


では、『La cucina romana e del Lazio』から、ロマネスコを使った伝統的なローマ料理をいくつかどうぞ。


ロマネスコのズッパ Zuppa di broccoli
・ロマネスコ1~2個を小房に分ける。
・田舎パンをスライスしてトーストし、にんにくをこすりつけてスープ皿に入れる。
・たっぷりの熱湯にロマネスコを入れ、蓋をせずに崩さないようにゆでる。
・パンにゆで汁少々をかけ、ゆでたロマネスコを加える。塩、こしょう少々で調味し、オリーブオイルをたっぷりかける。仕上げにレモン汁をかける。


ゆで汁の量は、スープと呼べるほど多くはなく、湿らす程度と言うには多い量です。
今ではあまり見かけなくなった伝統料理。


パスタ・エ・ブロッコリ Pasta e broccoli
6人分
 パスタ・・300g
 ゆでた豚皮・・少々
 生ハム(脂身も)・・50g
 ロマネスコ・・1個
 オリーブオイル、ラード
 にんにく・・1片
 トマトソース・・20g

・生ハムとにんにくを細かく刻んでラード(今はオリーブオイルが主流)でソッフリットにする。
・小さく切ったロマネスコを加えてなじませ、トマトソースか裏漉しトマト、塩、こしょう、豚皮とそのゆで汁を加える。
・ゆっくりゆで、ロマネスコが柔らかくなったら折ったスパゲッティとカンノリッキタイプのショートパスタを加える。
・パスタがアルデンテになったら火から下ろす。
・食べるときにおろしたペコリーノをたっぷり散らすのがローマ風。


ローマでは「パスタ・エ・チェーチ」が有名ですが、この「パスタ・エ・ブロッコリ」も美味しいらしいですよ。


サルシッチャとロマネスコのアーリオ・オーリオ・ペペロンチーノ Salsicce e broccoli all'aglio, olio e peperoncino
・ロマネスコを小房に分け、オリーブオイル、にんにく、唐辛子で5分炒める。
・フォークで穴をあけたサルシッチャを加え、白ワイン少々をかけながら10分焼く。
・さらに10分煮る。

現代版
・フライパンにラード大さじ2かオリーブオイルを熱し、穴をあけたサルシッチャ1㎏と水少々を入れて弱火で焼く。サルシッチャを取り出して保温する。
・同じフライパンにオリーブオイルとにんにくを入れて熱し、にんにくに色がついたら小房に分けたロマネスコを加える。水少々、塩、こしょうを加え、時々水を足しながら煮る。最後にワインを加える。
・サルシッチャを加えてしばらくなじませる。


現代版のリチェッタには唐辛子が入っていないですね。


ロマネスコのフリット Broccoli fritti con la pastella
・ロマネスコ(またはカリフラワー)1個を塩少々を加えた湯でアルデンテにゆでる。
・衣を作る;振るった小麦粉200g、全卵1個、卵黄1個を混ぜ、オリーブオイル大さじ2、塩、ワインで溶いた生イースト少々、水、白ワインを加えて2時間発酵させる。
・ロマネスコに衣をつけて油で揚げる。




こちらはもっと現代的なビール入り衣のフリット。








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2010年1月12日火曜日

ロマネスコのリチェッタ、その1

ブロッコロ・ロマネスコの話、その2です。
今日は料理の話。



アメリカの市場に並んだ(手前から)カリフラワー、ロマネスコ、ブロッコリー
フルサイズ
photo by beautifulcataya



ブロッコロ・ロマネスコはローマの名物野菜。
ロマネスコを使った伝統料理には、どんなものがありましたっけ。

・・・・・。

うーん。
意外と思い浮かばないものですねえ。
形のインパクトが強すぎるのか・・・。

では、ローマ料理の本にはどんなロマネスコ料理が載っているのでしょうか。
リヴィオ・ジャンナットーニの『La cucina romana e del Lazio』から、ブロッコロ・ロマネスコに関する部分をちょっとご紹介。


ブロッコリー、カリフラワー、キャベツ、ブロッコレッティはローマではお馴染みの野菜だが、混同されがちな野菜でもある。
ブロッコリーはミネストラ、キャベツはズッパなどに入れたりもするが、その本領が発揮されるのは、何と言ってもコントルノ(付け合わせ)だ。
キャベツや縮緬キャベツの大きな美しい葉。
カリフラワーやブロッコリーの見事にこんもりとした花序。
花序の先端が一つずつピラミッド型をしたブロッコロ・ロマネスコは、まるで巨大な自然の宝石のように見える。


イタリアのブロッコリーやブロッコレッティについては、前回簡単に紹介した通りです。
ブロッコレッティはこんな野菜

ジャンナットーニは、「あのアルトゥージもブロッコロ・ロマネスコに魅了された」と言って、そのリチェッタを紹介しています。
アルトゥージのリチェッタは・・・

ブロッコリ・ロマーニ Broccoli romani
(ロマネスコの)葉の硬い部分を取り除いてゆで、冷水に取る。
水気をよく切って粗く刻み、ラードを熱したフライパンに入れて塩、こしょうをする。
油がなじんだら甘口白ワインをかけ、水気がなくなるまでしんなり炒めて出来上がり。
これがおいしい


アルトゥージは、さらにこうも書いています。

このブロッコリーは、ゆでない“ア・クルードa crudo”が一番おいしい


普通、“ア・クルード”と言えば「生で」という意味です。
でも、「ロマネスコを生で食べるのか・・・」と早合点してはいけません。
このア・クルードは、「下ゆでしないで調理する」という意味なんですねー。
なんとも紛らわしいことに。

ジャンナットーニは、アーダ・ボーニの“ア・クルード”のリチェッタを紹介しています。

ブロッコリ・ア・クルード Broccoli a crudo
ローマの典型的なブロッコリー料理は、生ハムやソーセージと一緒に炒めたものではない。
“ア・クルード”だ。
とてもおいしい一品だが、誰にでも向くという訳ではない。
作り方は、
ブロッコリーを掃除し、柔らかい葉を数枚取っておく。
ブロッコリーの花序部分を小さめに切る。
茎は縦に十文字に切る。
葉と花序を水にさらしておく。
フライパンにラード少々を入れてにんにく2片のみじん切りを加え、色がつかないようにソッフリットにする。
ここにブロッコリーの葉を入れて塩、こしょうをし、しんなりしたらブロッコリーの残りの部分(水気をしっかり切る)を加える。
さっとなじませ、辛口ワイン1~2カップをかけて蓋をする。
時々崩さないようにかき混ぜながら弱火で煮る。
野菜料理として食べてもよいし、肉のボッリートやローストの付け合わせにしてもよい。


ジャンナットーニは、「この料理、確か昔は“アッフォガート”と呼ばれていたと思う。
赤ワインで煮ることもあった」
と書いています。


イタリアの人はブロッコリーをぐちゅぐちゅにゆでるのが好きですよねぇ。
この2つのロマネスコ料理も、あの特徴的な角がはっきりと残らないので、最終的にはロマネスコなんだかカリフラワーなんだか、よく分からない料理に仕上がるはずです。


下の動画はロマネスコを使ったスパゲッティなのですが、出来上がりだけ見ると、「どこがロマネスコ?」な一品です。
アサリとロマネスコのクリームのスパゲッティをどうぞ。






アサリをオリーブオイル、唐辛子、にんにく、プレッツェーモロの茎で熱し、開いたらすぐに取り出します。
ロマネスコは小さく切ってパスタの湯でゆで、取り出します。
次に湯にアサリの殻を入れてゆで、殻を取り出したらパスタを入れてゆでます。
ロマネスコはオリーブオイル、アンチョビー、にんにくのソッフリットに入れて炒め、オリーブオイルを加えながらハンディーミキサーでクリーム状に撹拌します。
アサリの汁にパスタとアサリを入れてなじませ、プレッツェーモロを散らします。
皿にロマネスコのクリームを敷き、その上にパスタを盛り付けて出来上がり。


ロマネスコの話、次回に続きます。



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2010年1月8日金曜日

ブロッコロ・ロマネスコ

年末に、近所のスーパーで、なんとローマ生まれの野菜を売っているのを見つけました。
しかも山積みで。

その野菜は、イタリア語では、broccolo romanesco。
ブロッコロ・ロマネスコ
「ローマのブロッコリー」という意味です。

日本ではロマネスコという名前で流通しているようですね。
店では、「“ロマネスク”、ブロッコリーとカリフラワーをかけ合わせた野菜」と書いて売っていました。
1個255円でした。



ロマネスコ, photo by xrrr


ローマのトラットリーアで初めてロマネスコを見た時は、その形が珍しくて、写真を撮ったっけ。
その時は、後に日本のスーパーに山積みされる日が来ようとは、想像もしませんでしたよー。
同じローマ生まれのプンタレッレより先にメジャーになっていたんですねえ。

でも、山積みの割には、今ひとつ売れていなかったような・・・。

多分、そのスーパーのたいていの客にとって、ロマネスコは初めて見る野菜だったはず。
こんなご時世じゃ、味も食べ方も分からないものを、簡単な説明だけではなかなか買ってもらえないだろうなあ。


この野菜、イタリア語では「ブロッコロ・ロマネスコ」ですが、「カーヴォルフィオーレ・ロマネスコ」という名前でも流通しています。
英語では「ローマン・カリフラワー」とも言います。

いったい全体、ブロッコリーの一種なんでしょうか?
それてもカリフラワー?

ゆでたものを目隠しして食べると、カリフラワーに近いですかね。

イタリアの料理辞典『GRANDE ENCICLOPEDIA ILLUSTRATA DELLA GASTRONOMIA』を見ると、ブロッコロ・ロマネスコはブロッコリーの欄に載っています。
正確には、「ブロッコロ」の欄と言うべきでしょうか。
つまり、日本でイメージするブロッコリーと、イタリアのブロッコリーとは、少々違うんですねー。


ブロッコリーは地中海原産と言われている野菜。
イタリアにはブロッコリーが何種類かありますが、大きく2つに分かれます。
一つは、“カーヴォロ・ブロッコロ・ラモーゾ”と呼ばれるタイプで、日本の一般的なブロッコリーによく似ています。

 カーヴォロ・ブロッコロ・ラモーゾ・カラブレーゼ


もう一つは、ラモーゾがつかないで、単に“カーヴォロ・ブロッコロ”と呼ばれるタイプ。
これがカリフラワーにそっくりで紛らわしいことこの上ないんです。

 カリフラワーにそっくりな白いカーヴォロ・ブロッコロ・ディ・ヴェローナ

 紫色のカーヴォロ・ブロッコロ・ヴィオレット・シチリアーノ

 そして緑色のカーヴォロ・ブロッコロ・ロマネスコ


下の動画に出てくる野菜は、ブロッコリーと呼んでいますが、カリフラワーにそっくり。
ということは、カーヴォロ・ブロコッロ・ディ・ヴェローナですね。






このように、素人目にはカリフラワーにしか見えないカーヴォロ・ブロッコロ。
では、カリフラワーとどこが違うかと言うと、ブロッコロは「芽が発達している」、「開花が複数回」という点だそうで。
そもそも、ブロッコリーの語源はラテン語で「芽」という意味の“broccus”。
カリフラワーのように見えて、実は微妙に違う野菜、なんですねえ。


そして、カーヴォロ・ブロッコロでも、ラモーゾとそうじゃないのはどこが違うかと言えば、ラモーゾは脇芽が次々に出る。
この脇芽は「ブロッコレッティ」と言って、茎ブロッコリーに少し似ています。
このタイプは、柔らかい部分なら茎も葉も全部食べることができます。

そうじゃないタイプは、カリフラワーと同じでこんもりとした花序の部分を食べます。



さて、ブロッコロ・ロマネスコですが、このブロッコロは、ローマ地方で昔から栽培されていた野菜です。
「1834年に書かれたソネットにブロッコロ・ロマネスコの名前が出てくる」というエピソードが知られています。
ローマでは、ブロッコリーと言えばこのロマネスコのことだったので、昔はただ「ブロッコロ」と呼ばれていました。
だから、ローマの古い料理書に出てくるブロッコリー料理は、このロマネスコの料理と考えるのが無難です。



次回はブロッコロ・ロマネスコの料理についてです。



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2010年1月4日月曜日

ハインツ・ベックのイベリコ豚料理

新年、明けましておめでとうございます。
今年もイタリアの料理関連の情報をバンバン日本語に翻訳してお届けしますよ~。

今年の最初の話は去年の続き(汗)。
『クチーナ・エ・ヴィーニ』の記事の解説です。

2010年版ミシュラン・イタリアの三つ星店は6軒。
その中の1つ、「ラ・ペルゴラ」は、ローマの5つ星ホテル、ローマ・カヴァリエーリの中にあるレストラン。
1994年から総料理長を務めているのは、ハインツ・ベック氏です。
1963年生まれの46歳。
ドイツ人です。

子供の頃は芸術に興味があったという彼ですが、兄の影響で料理人の道を志し、17歳でドイツのホテル学校に入ります。
そして20歳で調理人となりました。
23歳でホテルの一つ星レストランのシェフとなり、26歳で三つ星レストランに入ってすぐにスーシェフとなります。
28歳でドイツの有名シェフ、ハインツ・ウインクラーのスーシェフとなったことを契機に、自らのスタイルを確立。

ローマのラ・ペルゴラにやって来たのは31歳の時。
それ以前の彼はフランスの影響を強く受けた料理を作っていましたが、イタリアで地中海の味と出会ってからは、もっとモダンで軽い料理を作るようになります。
33歳でイタリアのソムリエスクールに通いだし、35歳でヨーロッパのプロのソムリエの資格を取得。
38歳でイタリア人女性と結婚。
そして現在までに、ミシュランの星や様々な賞を山のように受賞しています。

とにかくまぶしいほどに輝かしい経歴の持ち主です。
15年のイタリア滞在で、外国人でありながら今やイタリアを代表するシェフの1人となってしまいました。

ハインツ・ベックシェフのhp


ラ・ペルゴラとシェフ






ローマで、ドイツ人が、世界各国の人を相手に、インターナショナル料理ではなくイタリア料理を作って、それがイタリアの最高峰と認められるとは、まったくすごいことですねえ。

彼の料理はとても知的で、ローマの伝統と新しさを程よくミックスしています。
食通向きの高度な技を駆使しながらも、なおかつ、誰にでも分かるような単純明快さも持っています。
定番を理解したうえで洗練されたアレンジをするとこうなる、というお手本のような料理です。


『クチーナ・エ・ヴィーニ』の記事、「三つ星の料理」の中でも、彼の料理は光っています。
特に美味しそうなのが、イタリア料理のエキスパートで、豚肉料理の国民的DNAを持つドイツ人が子豚料理を作るとこうなる!という1品。

イベリコ子豚の“セクレト”のコンフィ、じゃがいもの香草入りピューレとオリーブのソース添え

イベリコ子豚のセクレトとは、霜降り肉のこと。
こんな肉

こちらのサイトによると、頬の部分と腕の付け根から脇腹にかけての部分のようですね。

この霜降り肉を、リコリスパウダー、フェンネルシード、塩、こしょうで調味して、溶かしたグースファットと一緒に真空パック。
そして60度のコンベクションオーブンで24時間加熱します。
袋から出したらグリルパンで焼き、スライスして盛り付け。

グースファットで24時間コンフィにしたイベリコの霜降り肉って、いったいどんな味なんでしょうねえ。
グースファットは付け合わせのじゃがいもに使うのかと思ったら、豚肉に使うなんて、さすがにタダものじゃないですね、このドイツ人。

ソースは、フォン・ド・ヴォーに刻んだタッジャスカオリーブを入れて10分煮て、これをシノワで漉して、有塩バターを加えてホイップします。

付け合わせのじゃがいものピューレはオリーブオイル、エストラゴン、セルフィーユ入り。


もう1品、
帆立貝のカルパッチョ、黒トウモロコシのブロードで煮たアマランサス添え

この料理の注目ポイントは、アマランサス。
一見、海苔のように見える黒いものと、帆立貝の上に散らされている薄茶色の粒状のもの。
これ、両方ともアマランサスです。

これが元のアマランサス。

それを黒トウモロコシのゆで汁で煮ると、黒アマランサスになる!
オリーブオイルで揚げると“アマランサスのポップコーン”になる!

どんな味なんでしょうねえ。
さらに、こんなアマランサスと一緒に食べる帆立貝のカルパッチョって、どんな味なんでしょう。
帆立貝は、しょうが汁、ライム、オリーブオイル、塩をホイップしたソースで軽くマリネしてあります。


イタリアの三つ星、いかがなもんでしょうか。



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関連誌;『クチーナ・エ・ヴィーニ』2008年4月号
「三つ星の料理」のリチェッタは、「総合解説」'07&'08年4月号に載っています。

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2009年12月28日月曜日

2010年の三つ星店は・・・

今日は『クチーナ・エ・ヴィーニ』の記事、「三つ星の料理」の解説です。

ミシュランの三つ星店、日本にはなんだかずいぶんたくさんあるんですね。
2010年版では東京は11軒、京都大阪は7軒だそうで。

さてそれでは、11月24日に発売されたミシュラン・イタリア2010年版では、三つ星店は何軒?

・・・答えは、6軒です。
イタリア中で、わずか6軒。

二つ星は37軒。
ちなみに日本は東京だけで42軒。
京都大阪は11軒。

フランスの人は日本料理に甘いのか、イタリア料理に厳しいのか・・・。

東京の11軒というのはパリの10軒を抜いていて、結果的に「東京が世界一の美食の街」というお墨付きを与えたようなもの。
これにはさすがにフランスでは怒りの声が上がっているようで、フランスのL'EXPRESS誌は「日本市場で儲けようという魂胆」というような記事を載せています。


イタリアでは、「ミシュランが好むのはフレンチスタイルの高級店」という評価が一般的。
でも、毎年その結果が発表される時期には、星が増えた減ったと、話題にはなるようです。

2010年版の3つ星店は、
Dal Pescatore(Canneto sull'Oglio/マントヴァ)
Ristorante Enoteca Pinchiorri(フィレンツェ)
La Pergola(ローマ)
Al Sorriso(Soriso/ノヴァーラ)
Le Calandre(Rubano/パドヴァ)
Da Vittorio(Brusaporto/ベルガモ)


今年は動きがありましたねー。
常連の5軒に、新顔のDa Vittorioが加わりました。


下の動画で最初に登場するのが、出版イベントでのDa Vittorioの面々。
話をしているのはミシュラン・イタリアの編集長。






次の動画は、Da Vittorioのシェフ、エンリコ・チェレーア氏。
2008年のヴィニタリーで披露した、春の食材の料理を説明しています。
「ロワイヤルのズッキーニ風味」
「じゃがいものクレーマ、頬肉の煮込み入り」
「アスパラガスとスクアックエローネのオルゾット」
「ヒラメのフィレットの子牛の頭肉添え」
「クレーム・ブリュレとピスタチオのクリーム」
「自家製ピッコラ・パスティッチェリーア」







Da vittorioのhpはこちら


イタリアの三つ星の話、次回に続きます。



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関連誌;『クチーナ・エ・ヴィーニ』2008年4月号
「三ツ星の料理」のリチェッタは「総合解説」'07&'08年4月号に載っています。

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2009年12月24日木曜日

アッバッキオ・アッラ・カッチャトーラ

クリスマスイブの今日も復活祭の話(笑)。

間があきましたが、子羊料理の話、続けます。

前回は、おいしい子羊料理がたくさんあることで知られるローマでも特においしい一品、「アッバッキオ・アッラ・カッチャトーラ」、別名「アッバッキオのローマ風 abbacchio alla romana」のリチェッタの途中でした。

あらためて材料からどうぞ。
出典は、ローマ料理のバイブル、Livio Jannattoni著『La cucina romana e del Lazio』です。

アッバッキオ・アッラ・カッチャトーラ Abbacchio alla cacciatora
材料/6人分
 アッバッキオ・・1.5~2㎏
 オリーブオイル(またはラード)・・1/2カップ
 ビネガー・・1/2カップ
 塩、こしょう
 小麦粉・・大さじ1/2
 にんにく
 ローズマリー
 セージ・・1枚
 洗って骨を取って崩した塩漬けアンチョビー(好みで)・・2尾

・大きなフライパンに油を熱し、子羊肉(40gに切り分ける)を入れて強火で焼く。塩、こしょうをして木べらで裏返し、全体に均一に焼き色をつける。
・弱火にしてにんにく1片、ローズマリー、セージを加え、再び火を強めて小麦粉大さじ1/2を散らしながら焼く。
・肉を裏返し、ビネガー1/2カップと水1/2カップをかける。鍋肌を軽くこそげ、火を弱めて蓋をする。
・水分が煮詰まったら水を加えながら煮る。
・アンチョビーを肉の煮汁大さじ2で溶かし、肉にかけてさっと煮る。

ジッジ・ファーツィ(ローマの有名シェフ)のカッチャトーラ
・フライパンに油、にんにく、唐辛子を入れてソッフリットにし、切り分けた子羊肉を入れて塩をする。
・強火で焼き、焼き色がついたらワインをかける。しっかり蓋をして火を半分に弱め、15分焼く。
・ローズマリーを加えてビネガーを散らし、再び蓋をする。火をやや強めて10分熱する。

ファーツィのリチェッタはワインの量が多く、小麦粉がなく、こしょうの代わりに唐辛子を加え、セージは加えない(おそらくこれは正解だろう)。

若手のレオポルド・カッチャーニ(フラスカーティのリストランテ・カッチャーニ、ソムリエでもある)のカッチャトーラ
・カッチャトーラの肉は、まだ母乳だけを飲んでいる乳飲み子羊で、肉の重さが7~8㎏のものがよい。
・肉を切り分ける時は小さくなりすぎないようにする。
・上質のオリーブオイルをステンレスではなく鉄のフライパン(火が均一に行きわたる)に入れて熱し、肉を入れて10分焼く。
・薄く焼き色がついたら油の大部分を捨て、にんにく、ケッパー、ローズマリー、唐辛子、塩のペーストを加える。
・さらに焼き、白ワイン(できれば辛口のフラスカーティ)とビネガーを加える。
・蓋をして火を弱め、10~15分煮る。
・蓋を取って水気を飛ばす。熱した皿に盛り付け、フラスカーティを添える。

「新しい」リチェッタだが、伝統を十分に尊重している。



復活祭の子羊の締めくくりは、ペコレッラ。
マジパンで作った子羊です。
『ラ・クチーナ・イタリアーナ』の表紙にもなっています。




これはずいぶん整った形をしていますが、パスティッチェリーアに並んでいるペコレッラはこんな感じこんな感じで、もっと素朴。

たいていは、背中に旗をつけています。
今まで、この旗にどんな意味があるのか考えたことがなかったのですが、『ラ・クチーナ・イタリアーナ』の記事で初めて知りました。
これは復活したキリストが持っているのと同じもので、死への勝利を意味しているんだとか。
そういえば、旗を持ったキリストの絵、ありますねー。


今日のおまけ。
やっぱりクリスマスですから、パンドーロのメーカー、バウリのCMをどうぞ。





メリー・クリスマス!



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関連誌;Livio Jannattoniの『La cucina romana e dal Lazio』はクレアパッソで販売しています。
『ラ・クチーナ・イタリアーナ』2007年4月号、「ペコレッラ」のリチェッタは、「総合解説」'07&'08年4月号に載っています。

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中央ヨーロッパと北西ヨーロッパの影響を受けた地中海の地方、フリウリ・ヴェネチア-ジューリア。

今日のトラットリアは、フリウリ・ヴェネチア-ジューリアの店です。 フリウリ・ヴェネチア-ジューリアは、地中海にありながら、中央ヨーロッパと北西ヨーロッパの影響を色濃く受けた、個性的な地方。 アフリカやアラブの影響が強い南イタリアではまったく感じない異国情緒があり、とてもドラマチッ...