2008年9月16日火曜日

ズッキーニの花

今日はズッキーニの花の話。
『サーレ&ペペ』の記事の解説です。

fiori di zucca
ズッキーニの花, photo by aurelio candido

ズッキーニの花は、イタリア語では“フィオーリ・ディ・ズッキーナ fiori di zucchina ”。
でも、一般的には“フィオーリ・ディ・ズッカ fiori di zucca ”と呼びます。
ズッカはカボチャ。
なんでズッキーニの花をカボチャの花と呼ぶのか、不思議に思ったことないですか?

イタリアでは、ズッキーニの花もカボチャの花も、“フィオーリ・ディ・ズッカ”と呼んで、特に区別しないんですねー。
それはなぜなのか。
どうやら古くからの習慣のようで、イタリア人でも不思議に思う人はいるようです。

そもそもズッキーニは、カボチャを改良したもの。
そしてカボチャは、中米からヨーロッパに伝わったもの。
新大陸発見以前には、地中海には存在しない野菜だったんですねー。
ズッキーニの花とカボチャの花は、大きさは違うけれど、見た目はそっくり。
ズッキーニとズッカなら、それほど語感に違いがないからなのか、とにかくイタリアでは、ズッキーニの花のこともフィオーリ・ディ・ズッカと呼びます。


このブログでは“ズッキーニの花”としてますが、正確には、“ズッキーニかカボチャの花”、というわけですね。
とは言っても、実際にはズッキーニの花であることが多く、中には“フィオーリ・ディ・ズッキーナ”、ときっちり区別して呼ぶ人もいます。

それと、ズッキーニの花には雄花と雌花がありますが、厳密に区別して使うようなリチェッタはあまり見ないですねえ。
ズッキーニの花だけを使うなら雄花、実も使うなら花ズッキーニといった具合でしょうか。


ズッキーニの花の代表的な料理は、フリット。





こちらのサイトのフリットのレシピは・・・。
www.martiranolombardo.info

・ズッキーニの花を摘む時は、朝、花が開いている時に摘む。
・虫に注意。
・ガクとめしべやおしべを取り除く。

衣の材料は、ズッキーニの花10個につき
卵・・2個
おろしたチーズ・・大さじ4
小麦粉・・大さじ2



掃除した花に衣をつけて揚げるだけ。
シンプルだけど、おいしいし、形よく揚げればきれいですよね~。


coLti e mangiati
ズッキーニの花のフリット, photo by germana


Tagliatelle in salsa di zucchine e fiori di zucca
ズッキーニの花のフリットを添えたズッキーニのタリアテッレ, photo by marciespics


fritti: fiori di zucca e baccala
詰め物入りズッキーニの花のフリット(左)とバッカラのフリット, photo by rebecca f


詰め物入りのフリットもおいしいですよね。
こちらのサイトのリチェッタをどうぞ。
調理過程の写真付きです。
www.cookaround.com


詰め物入りズッキーニの花のフリット Fiori di zucchina ripieni e fritti in pastella

ズッキーニの花12個分
・モッツァレッラ・フィオルディラッテ(牛乳のモッツァレッラ)を12個の小角切りにする。
・塩漬けアンチョビーを12片に切る。
・ズッキーニの花を掃除して洗い、破かないように水気をふき取る。
・アンチョビーとモッツァレッラを詰める。
・00番の小麦粉大さじ3とぬるま湯2/3カップを手早く混ぜ、塩少々を加える。さらにオリーブオイル大さじ1を加える。
・卵黄2個を堅く泡立てて衣に加え、さっくり混ぜる。
・花に衣をつけてピーナッツ油で揚げる。



この他に詰め物は、リコッタ、ハム、エピとベシャメル、白身魚、じゃがいものピューレなど、バリエーション豊富。

うずらの卵詰めなんてのもあります。
www.buttalapasta.it


ズッキーニの花のうずらの卵詰め fiori di zucca ripieni

材料/4人分
 ズッキーニの花・・12個
 うずらの卵・・12個
 リコッタ・・250g
 ズッキーニ・・小2本
 マジョラム・・1把
 シブレット
 食パン・・4枚
 白ごま・・大さじ1
 EVオリーブオイル
 塩、こしょう

・うすずらの卵を水からゆでる(沸騰してから3分)。流水に取って冷まし、殻をむく。
・ズッキーニをスライサーで細くおろす。塩を振って30分置き、水分を出す。
・リコッタを練り、刻んだシブレット適量を加える。ズッキーニ(水気を絞る)、マジョラムの半量、塩、こしょうも加える。
・ズッキーニの花(掃除する)を湿らせた布で抜く。混ぜた材料を詰め、中央にゆで卵を1個入れる。
・花を閉じて耐熱皿(油を塗る)に並べる。
・パンとマジョラムをミキサーにかけ、ごまを加える。これをズッキーニの花に散らして油をかけ、200℃のオーブンで20分焼く。



ズッキーニの花の話、次はパスタのリチェッタです。



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関連誌;『サーレ&ペペ』2006年8月号(クレアパッソで販売中)
“ズッキーニの花”のリチェッタの日本語訳は、「リチェッタ日本語訳/サーレ&ペペ」P.19に載っています。


リチェッタ翻訳アルバイト募集中。
詳細はcreapasso.comをご覧ください。

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2008年9月12日金曜日

ヴィテッロ・トンナート、マイアーレ・トンナート

今日はヴィテッロ・トンナートの話。
『ア・ターヴォラ』今月配本号の解説です。

ヴィテッロ・トンナートと言えば、ピエモンテの夏の名物料理。
ただし下の写真は、フィレンツェの有名店、チブレオのヴィテッロ・トンナート。

IMG_7544.JPG
チブレオのヴィテッロ・トンナート, photo by David Vogel


『ア・ターヴォラ』の記事にもありますが、イタリアでは、ヴィテッロ・トンナートはローストビーフと並ぶポピュラーな冷製総菜。
“ヴィテル・トンネ vitel tonnė ”、とフランス語風に呼ばれることもありますが、記事では、これがフランス語ではない、ということもちゃちゃっと論破していますよー。
詳しくは、「総合解説」'06&'07年8月号をご覧くださ~い。


ヴィテッロ・トンナートに最適の肉の部位は、子牛のもものしきんぼう。
イタリア語では、マガテッロ magatello やジレッロ girello と言います。
こんな肉
 ↓
savoldicarnidoc.com

赤身で、きれいに整った筒形をしているのが特徴。
均一の形にスライスできるので、カルパッチョやサルティンボッカにも使えます。
子牛のマガテッロは成牛のものより小さくて、まさにヴィテッロ・トンナートには最適。


最近では、豚のロース肉を使った“マイアーレ・トンナート maiale tonnato ”というのも登場しているようですね。


ヴィテッロ・トンナートもイタリア料理の例にもれず、無数のバリエーションがある料理。
記事では、その一例として、イタリア料理のバイブル、『Grande Enciclopedia Illustrata della Gastronomia』(イタリア料理人必携。クレアパッソに近日入荷予定)から、温製のヴィテッロ・トンナートのリチェッタを紹介しています。
そこでここでは、同じく『Grande Enciclopedia・・・』から、冷製のヴィテッロ・トンナートのリチェッタをどうぞ。
肉をゆでるのではなく、オーブンで焼くリチェッタです。



ヴィテッロ・トンナート Vitello tonnato

・鍋にマイルドなEVオリーブオイル大さじ3を熱し、子牛のもも肉(しんたま)1ブロックを入れてさっと焼く。
・白ワイン(アルネイズかコルテーゼ・ディ・ガヴィ)1カップをかけて塩、こしょうをし、ローリエ1枚、皮つきにんにく1片、香味野菜のみじん切り(玉ねぎ1/4個、にんじん小1本、セロリ1本)を加える。
・蓋をして、150度のオーブンで1時間焼く。
・肉を取り出し、焼き汁を裏漉しする。
・マヨネーズを作る(卵黄2個)。
・オイル漬けツナ200g、アンチョビー2尾(塩抜きする)、酢漬けのケッパー一握りを乳鉢ですり潰し、マヨネーズに加える。さらに肉の焼き汁も加え、木べらで潰しながらよく混ぜる。
・肉を薄くスライスし、サルサで覆って冷蔵庫で1時間休ませる。
・仕上げにケッパーを散らす。



豚肉のマイアーレ・トンナートのリチェッタもどうぞ。
これ、ネット上では、まったく同じリチェッタがあちこちでコピーされまくっているようです。
どれもまったく同じなので、訳すサイトは適当に選びました。
原文→www.cucinare.meglio.it

マイアーレ・トンナート Lombo di maiale tonnato

材料/4人分
 豚ロース・・800g
 にんじん・・2本
 セロリ・・1本
 玉ねぎ・・1個
 白ワイン・・1カップ
 オリーブオイル・・大さじ1
 塩
 粒こしょう・・大さじ1
サルサ;
 ゆで卵の黄身・・3個
 フレンチマスタード・・小さじ3
 白ワインビネガー・・小さじ3
 アンチョビー・・4枚
 ツナ・・200g
 ケッパー・・大さじ2
 オリーブオイル・・1カップ
 塩、レモン

・肉を糸で縛り、隙間のできない大きさの鍋に入れる。ワインをかけて水で覆い、スティック状に切ったにんじん、短く切ったセロリ、丸ごとの玉ねぎ、塩少々、粒こしょう大さじ1、油大さじ1を加えて火にかける。
・沸騰したら弱火にし、蓋をして1時間ゆでる。
・ゆで汁に漬けたまま冷まし、取り出す。重石をのせて冷蔵庫で休ませる。
・ゆで卵の黄身、マスタード、塩3つまみ、ビネガー小さじ1を混ぜて均質のクリームにし、油を少しずつ加えてマヨネーズ状にする。刻んだケッパー(塩を洗い落とす)、刻んだアンチョビー、ほぐしたツナ、ゆで汁の野菜(ミキサーにかける)を加えてよく混ぜる。
・肉を薄くスライスし、やや重ねながら皿に盛り付ける。サルサで完全に覆い、レモンの輪切りで飾る。



マイアーレ・トンナートもおいしそう。
この料理はサルサで完全に覆ってしまうので、見た目は子牛も豚も、まったく一緒。
でも、料理名に「子牛」という言葉が入っているヴィテッロ・トンナートの場合、豚肉を使って“ヴィテッロ”と名乗ると、偽装表示まがいになっちゃいますもんね。
マイアーレ・トンナート、そのうちもっとメジャーになる日が来るかも・・・。


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関連誌;『ア・ターヴォラ』2006年8月号(クレアパッソで販売中)
“ヴィテッロ・トンナート”の記事の訳は、「総合解説」'06&'07年8月号、P.9に載っています。


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2008年9月10日水曜日

マルケのブロデット

ロッシーニペーザロブロデットマルケのブロデット、という流れで進んできました。
今日は、マルケを代表する4つのブロデットのリチェッタ編です。

ブロデットは、漁の最中に傷んだ魚や、市場で需要のない魚を使って、漁師が船の上で作っていた料理がルーツ。
作る人の数だけバリエーションはありますが、マルケのブロデット・アカデミー協会は、マルケには大きく分けて4種類のブロデットがある、と言っています。

伝統的なブロデットの基本は、アドリア海の新鮮な魚を使うこと。
でも、同じマルケでも、漁場が砂地か岩場かなど地理的な違いによって、生息する魚が違います。
さらに、オリーブオイル、トマト、ビネガーなど、加えるものが、土地によって違ってきます。


協会が紹介する4種類のブロデットとは、
ファーノ風、アンコーナ風、ポルト・レカナーティ風、サン・ベネデット風。


上から、ファーノ、アンコーナ、ポルト・レカナーティ、サン・ベネデット

どれも漁業の伝統のある町です。
そのリチェッタは・・・
原文と写真はこちら→www.todine.net/accademiadelbrodetto


ファーノ風ブロデット Brodetto alla Fanese

トマトペーストとビネガーを加えるのが特徴。
この地域では、酢のようになったワインを水で薄めて飲む習慣があったので、おそらくその名残。

・魚はシャコ、スカンビ、カニなどの甲殻類、コウイカ、ヤリイカ、カサゴ、アンコウ、ヒメジ、エイ、ホシザメ、マトウダ、シタビラメなど。これらを同じ大きさに切る。
・玉ねぎをオリーブオイルとトマトペースト少々でソッフリットにし、魚、水、ビネガー、塩、こしょうを加える。
・魚の身が骨から簡単にはがれるようになるまで煮る(15~30分)。
・パーネ・トスカーノなど塩気のないパンを添える。
・数時間置いてから食べてもよい。



アンコーナ風ブロデット Brodetto all'Anconitana

・13種類の魚を入れると言われている。メルルーサ、ホシザメ、エイ、コウイカ、タコ、カサゴ、ヒメジ、サバ、ボラ、マトウダイ、ホウボウ、ヒラメ、アンコウ、シャコ、ムール貝、アサリ、ヤリイカ、スカンピなど。
・陶器の鍋に玉ねぎとにんにくのみじん切りを入れてオリーブオイルでソッフリットにし、ビネガー1/2カップ、プレッツェーモロのみじん切り、トマトソースを加える。
・魚を硬いものから入れて煮る。



ポルト・レカナーティ風ブロデット Brodetto di Porto Recanati

・玉ねぎの薄切りをたっぷりのオリーブオイルでソッフリットにし、小さく切ったコウイカを入れて弱火でなじませる。
・魚のブロード、サフラン、塩、こしょうを加えて弱火で煮る。
・魚各種に小麦粉をつけ、別の大鍋に硬いものから入れる。イカも入れる。
・イカの煮汁を全部かけ、湯と白ワイン同量ずつ、塩、こしょうを加えて15~18分煮る。この間はかき混ぜない。必要なら魚を崩さないように時々鍋をゆする。
・トーストしたパンを皿に敷き、その上に魚を盛り付けて煮汁をかける。
・ピアット・ウニコとしてサービスする。ワインは白だけでなく、若い赤やフレッシュなロゼも合う。



サン・ベネデット風ブロデット Brodetto di San Benedetto

・玉ねぎと唐辛子1片をオリーブオイルでソッフリットにし、コウイカ、ヤリイカ、白ワインを入れる。
・粗く切ったグリーントマト、緑のピーマン、赤ピーマンを加える。
・ホシザメ、アンコウ、カサゴ、エイ、ホウボウ、シャコなどを加え、蓋をせずに弱火で煮る。
・煮上がる数分前にビネガーを加える。
・トーストしたパンを添える。




pesce di scoglio al mercato del pesce di mola di bari
バーリの市場の岩場の魚あれこれ, photo by tazebao


triglie
こちらはシチリアの市場の魚あれこれ。ヒメジしか分からない・・・, photo by Giovanni


pescheria
ホウボウ, photo by Astrid Walter


Porto di San Benedetto del Tronto
サン・ベネデットの港, photo by Peter Forster


San Benedetto  Harbour entrence fisher boats coming in
サン・ベネデットの港に入る漁船, photo by Peter Forster


Arcobaleni
ポルト・レカナーティの海にかかった虹, photo by Tizi



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関連誌;『ラ・クチーナ・イタリアーナ』2006年8月号(クレアパッソで販売中)
“ペーザロ;ロッシーニの生まれ故郷”の日本語訳は、「総合解説」'06&'07年8月号、P.2に載っています。
ちなみに、同じ月の『サーレ&ペペ』にはアブルッツォ風ブロデットのリチェッタが載っています。日本語訳は「総合解説」'06&'07年8月号、P.7にあります。


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2008年9月8日月曜日

ロッシーニの生まれ故郷、ペーザロ

ロッシーニとペーザロ、今日はペーザロの話。



ペーザロは、マルケ州の町


ペーザロは、マルケの中では州都アンコーナに次いで大きな町。
ここ数年発展が続いている景気の良い町なんだそうです。
目の前は砂浜が続くアドリア海。
南北は丘に囲まれていて、一年中温暖な気候。



ペーザロを紹介する動画。
3:30あたりからロッシーニの話も出てきます。




ロッシーニの生家はパラッツォ・ドゥカーレのそばにあって、現在、ロッシーニ博物館になっています。

カーザ・ロッシーニ
www.kontrotempo.it


ロッシーニは、ペーザロが生んだ一番の有名人。
毎年8月に2週間にわたって行われるロッシーニ・オペラ・フェスティバルも有名。
今年は8月9日から23日まで開催されました。

会場になったテアトロ・ロッシーニ
www.teatrorossini.it

このフェスティバル、初の海外公演として、今年の11月に日本にやってくるようですね。
その関連サイトで、ロッシーニ・オペラ・フェスティバルのことを解説しています。
ペーザロのことまで、ちゃとん書いてありますねえ。
 ↓
www.tbs.co.jp/event/rossini2008



ペーザロの料理で有名なものと言えば、ブロデット


DSC01931
ズッパ・ディ・ペッシェのアドリア海での呼び方が“ブロデット”, photo by lucadea


隣町のファーノでは、毎年9月に、ブロデットとズッパ・ディ・ペッシェ・フェスティバルも開催されます。
hpはこちら
www.festivalbrodetto.it

今年は、9月12日から10月12日まで、町の魚屋さんで、ブロデット用のセット1人前約400gを6ユーロで販売するそうです。
レストランでは、ブロデットが1人前15ユーロに。
バールやパブでは、魚のつまみが5ユーロ。

メインイベントは、19日から21日まで。
イタリア各地のレストランが出店するので、イタリア中のズッパ・ディ・ペッシェを味わうことができるみたいですよ。

フェスティバルの動画
 ↓
festivalbrodetto.it


もう一つ、『ラ・クチーナ・イタリアーナ』の記事では、ピアディーナもペーザロの名物として紹介しています。


Piadina con Wurstel
ソーセージのピアディーナ, photo by ♥♡ Kiki Hood ♡♥


ロマーニャ地方のものとはちょっと違って、ラードを塗りながら折り込むペーザロのピアディーナ。

地元の人が、おいしい店としてブログで紹介しているのが、da Terry。
地元の人はla Untaと呼んでいるそうです。
Baia Flaminiaのvia Bruxellesにあります。



マルケには、ブロデット・アカデミー協会というのがあって、ブロデットの普及に取り組んでいます。
hpはこちら
www.todine.net/accademiadelbrodetto

協会によると、ブロデットのリチェッタは漁師さんの数だけあるけれど、大きく4つに分類することができるんだそうです。
北から並べると、

ファーノのブロデット
アンコーナのブロデット
ポルト・レカナーティのブロデット
サン・ベネデットのブロデット

それぞれどんなブロデットなのか、リチェッタもあるので、次回はその内容を訳してみます。


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関連誌;『ラ・クチーナ・イタリアーナ』2006年8月号(クレアパッソで販売中)
“ペーザロ;ロッシーニの生まれ故郷”の日本語訳は、「総合解説」'06&'07年8月号、P.2に載っています。

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詳しくはcreapasso.comをご覧ください。


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2008年9月5日金曜日

ロッシーニと料理

ロッシーニの話、今日は料理編。

若くして成功して、早々にオペラから手を引いたロッシーニですが、美食に関しては、生涯現役でした。
子供の頃からの食いしん坊。
でも、父親が仕事を失うなど、おそらく贅沢ができない幼少時代を過ごした反動だったでしょうか。
リッチになってからは、イタリア各地の銘品を次々に取り寄せたり、天才シェフ、アントナン・カレームと親交を深めるなど、美食道を徹底的に極めました。
「自分はピアニストとしては三流だが、美食家としては世界一」と言ったという話も残っています。

また、なにかと伝説の多い人で、生涯に3回泣いた、と告白した話も知られています。
その3回とは、初めて作ったオペラの初演の時、パガニーニの演奏を聴いた時、そして船遊び中に、トリュフを詰めた七面鳥を海に落としてしまった時。

こんな話もあります。
アントナン・カレームの主人、ロスチャイルド男爵がロッシーニにぶどうを贈ったことがありました。
ところがロッシーニは、「素晴らしいぶどうをありがとうございます。でも実は私、カプセルに入ったワインは苦手なんです」という手紙を男爵に書いたんですねー。
ジョークを理解した男爵は、最高のシャトー・ラフィットを樽で贈ったのだそうです。

こんな奔放で豪快な性格のロッシーニ。
引退後、パリの自宅は人気のサロンとなり、毎週土曜には、料理と音楽を楽しむために、様々な人が訪れました。
でも、社交界は派閥や噂の渦巻く世界。
実は、彼のサロンの料理は最低だったと、いう話もあるんですよー。


料理するロッシーニのカリカチュア
palazzo-olivia.it


ロッシーニと言えば、フォアグラとトリュフ。
敬愛するモーツァルトの名を出して、「トリュフはきのこのモーツァルトだ!」という名言を残していることからも分かる通り、フォアグラとトリュフが大好きでした。
彼の代表作、トゥルヌド・ロッシーニも、ヒレの中心部を切り取った厚さ2~3㎝の牛肉、フォアグラ、トリュフが主役。

トゥルヌドという名前の由来は、フランス語で「背を向ける」という意味の“tournez le dos”、が語源という説が一番有名。
パリのカフェ・ド・アングレのシェフがロッシーニのレシピでこの料理を作る時に、厨房に入ってきたロッシーニがあまりに口を出すものだから、「あっちを向いていてください!」と言ったから、という説がよく知られています。
この他に、ロッシーニが料理を仕上げる時に、招待客に背を向けて隠していたから、という説もありますよね。
でもそうすると、フォアグラもトリュフものせない、ヒレ肉の中央部分の筒切りのことを“トゥルヌド”と呼んで、フォアグラとトリュフをのせると“トゥルヌド・ロッシーニ”と呼んでいる現状は、説明がつかないような・・・。
ロッシーニとはまったく関係なく、レ・アールの市場の、中央通りから背を向けていた一角の名前、という説もあるし・・・。


まあ、トゥルヌドの話はフランス人に任せます。
こちらは、フランス人のシェフが、なにやらトゥルヌド料理を作っている動画。



この料理、ラタトゥイユを崩さないようにテーブルにのせるのは至難の業に違いない! 


ロッシーニと言えば、落とし卵のロッシーニ風も有名。
これも例のごとく、フォアグラの上に落とし卵とトリュフをのせたもの。
写真を探したのですが、見つからなかった。
贅沢すぎて作る人がいない?


さて次回は、こんなロッシーニの生まれ故郷、ペーザロの話です。



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関連誌;『ラ・クチーナ・イタリアーナ』2006年8月号(クレアパッソで販売中)
“ペーザロ;ロッシーニの生まれ故郷”の日本語訳は、「総合解説」'06&'07年8月号、P.2に載っています。


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2008年9月3日水曜日

ロッシーニ、その1

今日からは、『ラ・クチーナ・イタリアーナ』のグルメ紀行、“ペーザロ;ロッシーニの生まれ故郷”の解説です。


「総合解説」より、“ペーザロ;ロッシーニの生まれ故郷”


まずは、ロッシーニの話。

この人、当然、音楽の世界では誰もが知っている有名人ですが、西洋料理の世界でも、なかなかの有名人。
料理に携わる人なら、ロッシーニのオペラは聞いたことがなくても、彼の名前の付いたあのステーキなら、知ってますよね。


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トゥルヌド・ロッシーニ, photo by YAMASHITAS


この超ゴージャスなトゥルヌド・ロッシーニは、いわゆるインターナショナル料理ですが、イタリア料理で人の名前がついているものって、何かあるでしょうか。
私は、カルパッチョとノルマ風パスタぐらいしか思いつかないんですが・・・。
自分の名前が料理の名前になってしまうなんて、すごいですよねえ。
ロッシーニって、いったいどんな人なんでしょう。

ジョアキーノ・ロッシーニ
1792年、マルケ州の海辺の町、ペーザロ生まれ。
幼少期は、ナポレオンがイタリアを次々と手中に収めていった時代です。
ロッシーニの父親は親ナポレオン派で、占領フランス政府の通達文を、文字が読めない人々のために、市中で読み聞かせて告知する仕事をしていました。
その際、人を集めるために、まずラッパを吹いたのだそうです。
町のオーケストラにも属していました。
母親は歌手でした。

ナポレオン没落後、反ナポレオン派が実権を握ったペーザロでは、ロッシーニの父親は仕事ができなくなってしまいます。
そのため、ロッシーニはまだ幼いうちに母に連れられて町を出て、ラヴェンナ、フェッラーラ、ボローニャなどを転々とします。
ペーザロとロッシーニの関係は、人生の始まりの部分だけだったんですね。

ロッシーニはボローニャの音楽学校で学びました。
18歳で既にオペラを発表して、しかも大成功を収めています。
20歳の時にはもう、ヨーロッパの偉大なオペラ作家としての名声を手に入れていました。
24歳で、代表作、「セビリアの理髪師」を発表。
1823年、彼はイタリアを後にします。
そして、ウイーンやロンドンを経て、パリに移り住みました。

1829年、「ウィリアム・テル」を発表。
ロッシーニ36歳。
これが彼の最後のオペラとなりました。
もう十分稼いだし、やることはやった、というわけです。
その後、1868年に76歳で亡くなるまでの40年間、フィレンツェやパリの豪邸で、友人たちに囲まれて過ごしました。
トゥルヌド・ロッシーニが誕生したのはパリ時代のこと。
彼の遺体は、フィレンツェのサンタ・クローチェ教会に眠っています。
遺産は、生誕地のペーザロ市に寄付されました。


オペラのことはまったく知らない私でも、「フィ~ガロ、フィガロ、フィガロ♪」のアリアは聞いたことがあります。
『セビリアの理髪師』から、その一節。




『ウィリアム・テル』のこの序曲も、よく耳にしますよね。
カラヤンでどうぞ。




ロッシーニの話、次回に続きます。



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関連誌;『ラ・クチーナ・イタリアーナ』2006年8月号(クレアパッソで販売中)
“ペーザロ;ロッシーニの生まれ故郷”の日本語訳は、「総合解説」'06&'07年8月号、P.2に載っています。

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2008年9月1日月曜日

トマトの話、その4(コンセルヴァ)

トマトの話、その4です。

クレアパッソの定期購読をご利用の方には、もうすぐ今月の配本号がお手元に届きますが、その「総合解説」にも、トマトの記事の訳を載せています。
『サーレ&ペペ』の「トマトのコンセルヴァ」という記事です。



「総合解説」“トマトのコンセルヴァ”より


生のトマトで作るびん詰めのリチェッタ集です。
ペリーニ、ラマーティ、サン・マルツァーノなど、これまで紹介したさまざまな品種それぞれに適したびん詰めを、たっぷり紹介しています。

その中で1つ、まだ紹介していない品種がありました。
ピッツテッリ pizzutelli というトマトです。

こんなトマト
 ↓
www.agraria.org

ミニトマトの一種です。
チェリートマトは球形でダッテリーニは楕円形ですが、このピッツテッリは卵形。
ミニトマトの中では一番サルサやびん詰に適している品種。


それにしても、トマトのびん詰って、トマトソースやパッサータぐらいしか思い浮かばなかったけれど、色んな種類があるものですねえ。
記事には、チェリートマトの酢漬けやレモン漬け、なんていうのもあります。
ありそうであまり見たことのない、手作りホールトマトのびん詰めのリチェッタもあります。


下の動画は、香味野菜入りトマトソースのびん詰め作り
まずサン・マルツァーノを天日に数日さらして完熟させます。
これを、玉ねぎ、にんじん、セロリ少々と一緒に数時間煮て、冷めたらトマト専用の裏漉し機に通しながら皮を取り除きます。
再び煮て2~4時間煮詰めたら、バジリコと一緒にびんに入れて2時間煮沸殺菌。





トマトの話、今回はここまで。
次回は、ロッシーニの生まれ故郷、ペーザロの話です。



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関連誌;『サーレ&ペペ』2006年8月号(クレアパッソで販売中)
“トマトのコンセルヴァ”の日本語訳は、「総合解説」'06&'07年8月号、P.21に載っています。

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(CIR)2024年1月号発売しました。

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