2018年3月2日金曜日
コッピア・フェッラレーゼ
今日のお題は、コッピア・フェッラレーゼ。
この写真の奥に見えている横に伸びたX状の物体です。
以前にもブログで取り上げたとがありますが(こちら)、これはパンです。
フェッラーラを初めとする地元の人々に熱愛されているこのパンは、コッピア・フェッラレーゼという名前です。
ついついフェッラレーゼと略してましたが、普通はコッピアが略称なんですね。
パスタ・ドゥーラという生地のこのパンは、薄い皮がカピカピに乾いていて硬く、中の白くてしっとりしたクラムとの対比が絶妙です。
ルネサンスのフェッラーラの権力者、エステ家の宮廷で生れました。
エステ家の儀式担当官で、イタリア料理史の重要人物の一人、クリストフォロ・メッシスブーゴによると、1536年のカーニバルのために作られたそうです。
2001年にIGP製品に認定されたのに、規定が厳しすぎて守れる造り手がわずかしかいないという、いかにもイタリアの頑固な職人が作りそうなパン。
フェッラーラ方面に行ったら忘れずに味見を。
その際は、にんにく風味の地元のサルーミ、ツィーア・フェッラレーゼとミネラウルウオーターのボトルも忘れずに。
「総合解説」ではこの角を1本ずつに分けて、パルミジャーノのクリームをつけてグリッシーニのように食べる食べ方を紹介しています。
↓
コッピア・フェッラレーゼ
↓
パスタ・ドゥーラと呼ばれるだけあって、とにかく生地が硬そう。
でも、複雑な造形をするにはぴったりなんですね。
パンのアーティチョークもお見事。
下の動画のタイトルは、フェッラーラの世界で一番美味しいパン。
↓
どんなに美味しいパンなんだろう、とすごく期待して食べたけれど、口の中の水分全部持って行かれるパンでした。
以上、フェッラーラの人に強烈に愛されているパンの話でした。
次回は、イタリア人に熱愛されているもの、コーヒーの話です。
-------------------------------------------------------
“コッピア・フェッラレーゼ”の生地の日本語訳は「総合解説」2015年10月号に載っています。
[creapasso.comへ戻る] =====================================
登録:
コメントの投稿 (Atom)
ナスのパルミジャーナはその形状が語源。パルマじゃなくてナポリ生まれ。
今月の(CIR/クチーナ・イタリアーナ・レジョナーレ)の地方料理は、パルミジャーナです。 人気のイタリアの地方料理の1品ですが、パルミジャーナと言う名前でも、パルマとは何の関係もない、というのはよく知られています。 というか、下の動画ではナポリ料理と言ってます。 パルミジャーナ。...
-
グラナ・パダーノの話、その2です。 イタリアで流通しているハードチーズの50%近くを占めるグラナ・パダーノ(AC Nielsen調べ)。 2008年の生産量は、435万5347個でした。 平均的な販売価格は11.05ユーロ/㎏。 イタリアの硬質チーズの平均価格は12.70ユーロな...
-
今日はブラザートの話。 『ラ・クチーナ・イタリアーナ』の記事の解説です。 バローロのブラザート, photo by Silvio 記事によると、 ブラザート brasato は、イタリア語で「炭」という意味の“ブラーチェ brace ”の古い呼び方、“ブラーザ brasa ”が...
-
今日のお題はプリーモピアット。今月の「 総合解説 」P.5の料理です。 スパゲッティなんですが、料理名がやたらカッコイイ。 “アサシンのスパゲッティspaghetti all'asssassina”だって。 初めて聞きました。 聞いたこともない料理だったのに、逆にnetに...
0 件のコメント:
コメントを投稿