今日は内臓の話。
「総合解説」は、こんな話から始まります。
もしガールフレンドに「レバーのヴェネト風は好き?」と聞いたら、答えは多分、「大好き」だ。では、直後に「じゃあ内臓料理は好き?」と聞いたら、うんざりした顔をされるのは、ほぼ間違いない。
レバーのヴェネト風
↓
いつも言っていることですが、日本とイタリアは、そんなに違わない。
ちょっと試してみてください。どうでしょう。
解説にもある通り、内臓を表すイタリア語は、色々あります。
fratttalie, interior, quinto quarto
と言った具合。
frattaglie の語源は、ラテン語で砕くと言う意味のfrctus。
つまり、全ての小さな部位や刻んだ部位のこと。
これに軽蔑を表す"aglia"がついたのが、彼女に聞くとうんざりされると言う内臓。
interioraは、骨の内側internoのフレッシュな部分、つまり内臓を意味しています。
辞書によっては、はらわたなんて訳しています。
interioraが好きかと聞かれて、好きとは答えにくい。
そして最後はクイント・クアルト。
クイントは5番目、クアルトは4番目。
動物を解体する時は縦に半分、そしてそれぞれを前後に半分、計4つに分けます。
この4つの部位からは肉を取ります。
そして5番目は、肉ではない部位、内臓を意味します。
この中では一番美味しそうな呼び方に感じるのは私だけでしょうか。
そういえば、先月の「総合解説」で訳したトリノのコンソルツィオのリチェッタに、その名もクイント・クアルトという料理がありました。
使う内臓はファッソーネ牛の脊髄、脳みそ、コブクロ、陰茎、第3胃。
訳したことのない部位ばかりで、かなり戸惑いました。
これらは全て別々に調理します。
ピエモンテはフィナンツィエーラと言い、内蔵料理の名物が多い地方ですね。
ちなみにトリッパ料理が名物なのは、ミラノ、フィレンツェ、ローマ。
トスカーナはおいしい牛肉の産地だし、ここも内臓好きがたくさんいそうですね。
そうそう、ローマも内臓の名物料理が多かった。
ローマの内臓料理は、ゲットーのユダヤ人と切っても切れない関係があります。
それにしても、最近のイタリアのグランシェフたちは内臓料理が大好きなようです。
1990年代の狂牛病騒ぎは、すっかり過去のものになったようです。
子牛の腎臓料理
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“クイント・クアルト”の記事の翻訳は「総合解説」2015年11月号に載っています。
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2018年3月26日月曜日
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