実は昔の(CIR)、旧総合解説を調べるうちに、2007年のガンベロ・ロッソ3月号に、“ワインと階級”というとても興味深い記事があったのを見つけました。記事のサブタイトルには、“ワインを階級で分類すると、ワインの歴史が見えてくる“、とあります。
その記事は、
「最初のワインは農民のワインだった。かつて地中海でぶどう畑を持つ農民は、みんなワインを造った」という文章で始まります。20年近く昔の記事ですが、懐かしさもあって読んでみると、とても面白かったので、その記事を紹介します。
記事はこう続きます。
「上質な“農民のワイン”」の元祖とみなされているブルゴーニュ地方には、有名な修道院がいくつかある。そこでは修道士たちが書き記した手書きの本によって、ワイン造りの知識が蓄積されていった。また18世紀末から19世紀半ばにかけて、起こった革命は、多くの農民に畑を所有する機会をもたらした。
ブルゴーニュ。
地中海のワイン。
8000年前のワインのアンフォラが発見され、ワイン誕生の地と見なされているジョージアの遺跡。
ぶどうの汁を発酵させただけではなく、それを容器に詰めて遠くに運び、交易品にすることによってワインは生まれました。ジョージアにはキリスト教が伝わっていました。ワインはギリシャの植民都市に広まり、神話の世界にも取り入れられていきます。ギリシャ人はキリスト教徒のワインの知識に、さらに新しい知識を加えました。
ワインが人間の歴史と関わる時、それは決して偶然ではなく、当然の結果と言えるような必然性がありました。
ギリシャのワイン。
ブルゴーニュの農民は、自分たちの畑で昔から育てていたぶどうを使ってワインを造った。赤はピノ・ノワールとガメイ、白はシャルドネとアリゴテだ。樽はオークの小樽を使ったが、それは木の香りをつけるためではなく、大樽では大きすぎたからだった。
農民が作る近代ワインは、ブルゴーニュからフランスの他の地域に広まり、やがてイタリアのランゲやドイツのモーゼルへと伝わっていった。
ランゲのワイン。
農民のワインは土地と強く結びつき、伝統的なぶどう品種と醸造技術を用いているのが特徴。ぶどうの出来は気候に左右されるため、農民の立場はもろく、リスクも大きかった。ワインの値段はは流通業者によって決められた。1960年代まで、イタリアのほぼすべてのワインはこのようなワインだった。それ以降、徐々に変化が訪れる。中でもランゲのバローロ地区では1900年代初めから、優れた造り手たちが登場した。
ブルゴーニュから続くイタリアのワインの歴史は次回。
今日の話は(CIR2023年7月号)の記事、“プーリアのグルメガイド”のビジュアル解説です。記事の日本語訳と写真はP.16~。
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