2018年4月30日月曜日

春の前菜、プリーモ

快晴のゴールデンウイーク序盤には、なんとなくウキウキ分で春めいたイタリアンなんか食べたくなります。
そこで、季節ごとに料理を紹介するの本をぺらぺらめくりながら、コース料理を選んでみました。
オステリアやトラットリアのガイド本、“マンジャロッツォ”でおなじみのカルロ・カンビ氏の本、『ミリオーリ・リチェッテ・デッラ・クチーナ・レジョナーレ・イタリアーナ』には、


英語とイタリア語の完全2か国語表記で、内容もぐっと読みやすくなった豪華仕様版があまりす。


この本から選んでみましょうか。
まず前菜は、アンチョビ料理なんてどうでしょう。
アンチョビは海深くにいて、産卵期になると海面近くに上がってきます。
この時期のアンチョビが一番美味しい。
イタリアでは春から夏です。

春の代表的アンチョビ料理は、リピエーネのフリットやマリネ。
リピエーネのフリットは、ジェノヴァの伝統料理。
そこでニュートンのクチーナ・イタリアーナシリーズの『リグーリアの魚料理』を見てみると、


料理写真の一番最初に、詰め物で丸々と太ったイワシの香ばしそうなフリットの写真が。
アンチョビの詰め物は“acciughe ripiene”。
aから始まるから、一番最初でした。
ジェノヴァの海辺の地区、フォーチェのリストランテ・ドゥエ・パッシ・ダル・マーレの名物料理はアンチョビのリピエーナ。
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印象的な店名の“ドゥエ・パッシ・ダル・マーレ”は「海から2歩(すぐ前)」という意味。
ベーシックなリチェッタなのでバリエーションは無数にありそうです。
一方、アンチョビのマリネは、美味しい旬のアンチョビを味わう最善の方法。

次はニョッコ・フリット。


モデナの名物料理です。
モデナでは前菜として、サラミやクラテッロ、ラルド、生ハムと一緒にランブルスコで味わいます。
生ハムやサラミと一緒にニョッコ・フリットを食べると病みつきになりますよね。

新野菜の季節は野菜のフリット・イン・パステッラの盛り合わせも美味しいですよね。
カルロ・カンビさんは『ミリオーリ・リチェッテ』の中で、日本の天ぷらに激しいライバル心を燃やしています。
でも、もちろんカルロさんに言わせればイタリア料理の勝ちです。
そういえば、カルロ・クラッコシェフの本にも天ぷらの衣についての解説がありました。
イタリア人のグルメたちは、寿司の次に天ぷらを発見して、徹底的に研究したようです。

プリーモは、トスカーナのアクアコッタから始まって、ヴェネトの鴨のビゴリ、グリーンピースのクレーマ、ムール貝のパッケリ、チェーチのピーペ・リガーテ、イカ墨のリゾット、ゴルゴンゾーラのリゾット、ツナのスパゲッティ、タリアテッレ・パリア・エ・フィエノ、ワイルドアスパラガスのタリアテッレ、じゃがいも、ムール貝、米のティエッラなど。

鴨のビゴリ
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イカ墨のリゾット
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この盛り付けは子供はウキウキしそうですね。
それではBuon golden week!!


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2018年4月27日金曜日

イタリア料理とカルチャーギャップ

今日は前菜の話。
前菜はコース料理の始まりの料理で、イタリアでもアントレやオードブルという呼び方が定着しています。
『サーレ・エ・ペペ』誌によると、
そもそも、前菜は古代ローマ時代にもあった古い料理ですが、オードブルとして広まったのは、フランスでロシア料理の前菜が広まったのが始まり。
ウオッカを飲みながらキャビア、シーフード、パテ、ビニェ、サラダなど好きなものを取ってつまむ、というスタイルだったそうです。
ロシアの革命の影響で亡命貴族がパリに大挙して逃げてきたのは、フランス革命時に、フランスの貴族がロシアに亡命して、フランスの貴族文化を伝えていた影響があるとか。

フランス貴族がロシアに与えた影響が感じられる「戦争と平和」。
主人公のピエールの発音はロシア語ならピョートル。
でもフランス文化が広まっていた貴族の間ではフランス語風にピエールと呼びました。by wiki



イタリアの定番の前菜は、生ハムやサラミの盛り合わせに酢漬けやオイル漬けの野菜添え、生ハムとメロン、レバーのクロスティーニ、ブルスケッタなど。
フランスからの亡命貴族の影響を強く受けた州はピエモンテなので、ピエモンテの前菜を調べると、フランスの影響が感じられるはず。

これらのことをまとめると、
アンティパストとオードブルの違いは、ざっくり言うと、フランスの影響が感じられるかどうか、ということのよう。
フランスの影響とは、貴族文化こと。
という訳で、snsが広まりを見せる昨今、イタリア料理に大きな変化が訪れています。
家庭料理がルーツのイタリア料理でも、洗練された料理とか、見た目が美しい料理を意識する人が増えているようです。
もちろんプロの料理は常に見た目の美しさを追求していましたが、家庭料理にも、この波は押し寄せたようです。

料理を美しく盛り付けるのは、当たり前のことと思いそうですが、日本のこだわり方は、世界的にみると、かなり異例。

ミラノのリストランテ・ダニエルのシェフは、新店舗のコンセプトのヒントを東京の現代イタリア料理の店から得たそうです。
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かなり攻めていますね。
外国料理を取り入れるのには保守的な国の人にしては、相当画期的です。
個人的には、保守派にも賛同できますが。
保守派の主張
ピッツァにパイナップルを入れるとボロクソ言われます。
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下の動画、www、チョー受ける。
フランス料理を褒められてイタリア料理愛が止まらない・・・。

フランス料理は世界中に広まってるでしょ。
イタリア料理はパスタとピザだけじゃない。

パスタは何百種類もあるんだよ。
ソースも同じだ。
地中海沿岸のすべての国は、とても健康的な地中海料理を食べているんだよ、
唯一の例外がフランスさ。
しかもイタリアのピッツァ消費量は世界10位だけど、1位はフランスなんだよ。
こんな調子で熱く続きます。
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ピッツァ・ナポレターナvsアメリカン・ピッツァ
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ナポリ・ピッツァのピッツァイオーロがアメリカのピッツァを前にして鼻で笑いながらボロクソに言ってます。

イタリア人の盲目的な祖国愛は、アメリカのマフィア映画にも欠かせないネタ。
「ソプラノズ」でイタリア系のマフィアたちが、フランス系のカフェでコーヒーを注文しながらぼやくボヤク。
オーダーの仕方が難しくて
普通のコーヒーくれ、と言ったら、
カフェ・ド・ジュールはニュージーランドピーベリーです。
と言われてマフィアが絶句(www)




イタリア料理も外国の食文化を取り入れながら現在の姿になったことを伝えたかったのですが、イタリア料理のカルチャーギャップねたが面白すぎて脱線しました。


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“魅せる前菜”の記事とリチェッタの日本語訳は、「総合解説」2015年12月号に載っています。
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2018年4月25日水曜日

『プーリア・イン・クチーナ』

今日は新入荷の本、『プーリア・イン・クチーナ』の紹介。
地方料理の新しいシリーズの冊です。
このシリーズの特徴は、イタリア語と英語の2か国語表記



写真が秀逸で装丁が立派な豪華本です。
プーリア料理を象徴する光景と言えば、これ。
道端にテーブルを出してのパスタ作り。



この本の道端のパスタ作りの光景は、赤ちゃんを抱いた若い女性とその母親と思しき女性の、ほほえましい写真です。

プーリアの名物野菜、チコーリアを収穫する人たちは、どや顔でほほ笑んでいます。
プーリア人のプライドも感じられるいい写真。

ソラマメとチコーリア
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チコーリアはとても興味深い野菜です。
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この本は、料理の間にプーリアの暮らしや伝統が感じられる写真をたっぷり挟んでいます。
いわば、見る料理書です。

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2018年4月23日月曜日

スタージュ

今月の総合解説は12月号なので、クリスマス料理の記事が中心でした。
クリスマスはイタリアでは家族が勢ぞろいしてプランゾを食べる貴重な機会。
今年の記事はイタリアの家族あるあるが、なかなか面白かったです。
なぜ他の季節には家族が勢ぞろいしないのかというと、まず、お父さんは相変わらず仕事が忙しいんだそうです。
息子たちは外国でスタージュ中だそうですよ。
独身の娘たちは、クルーズ船で旅行中。

なんだか外国の話とは思えませんねー。
息子や娘たちは、どこの国でも外国でスタージュ中なんですね。

このスタージュという言葉、とても印象に残りました。
スタージュはインターンシップのこと。
イタリアの学生も、どんどん外国での研修に出ています。



料理人にも欠かせない、若い時でないとできない体験。



一流レストランのシェフたちが、ハイクラスの料理人を目指すイタリアの若者向けの団体も作りました。
そこでのスタージュ体験を語ってます。



クルーズ旅行に出かけてる人もいる一方で、将来を見据えている人もいるんですね。
実際にスタージュ中の人も大勢いるはず。
頑張ってください。
お母さんにはあまり心配かけないでねー。



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”伝統を取り入れたクリスマスのプランゾ”の記事の日本語訳は「総合解説」2015年
12月号に載っています。
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2018年4月20日金曜日

モンテ・ヴェロネーゼ

ヴェネトの話題が続いたところで、今月の食材もヴェネトのチーズです。
モンテ・ヴェロネーゼ
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歴史の古いDOPチーズで、その名の通り、ヴェローナ北部の山岳地帯で造られています。
レッシーニ山地やバルド山で飼育されている牛乳から作るチーズです。




イタリアのDOPの山のチーズの中では、もっとも重要と見なされています。
フレスコとアッレ―ヴォの2種類がありますが、特徴が強く表れているのは山の放牧地で過ごした牛の夏のミルクから造り、1~2年熟成させたダッレーヴォ。
長く熟成させたものはおろして使うこともできます。
高原の草や花の香りが特徴。

ラディッキオ・ロッソと米というヴェネトの名物食材を使うリゾットには、ヴェネトのチーズ、モンテ・ヴェロネーゼがぴったり合いそうですね。
ラディッキオの味を消さないようにマイルドなフレスコタイプを使います。
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座って料理を作る人たち、初めて見ました。


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モンテ・ヴェロネーゼを紹介しているのは「総合解説」2015年12月号の"今月の食材"です。 [creapasso.comへ戻る] =====================================

2018年4月18日水曜日

『パスタ』の新着本

今日は新入荷の本の紹介です。

パスタ・レボリューション


パスタ・ヴィアッジョ・イン・イタリア









『パスタ・レボリューション』は、副題が"pasta conquista l'alta cucina"。
アルタ・クチーナのパスタの本です。
『パスタ・ヴィアッジョ』は、副題が"Viaggio in Italia in compagna di grandi chef"
20州の20人のシェフによる、乾麺の地方料理の本。

『ヴィアッジョ』は地方料理という縛りがありますが、どちらも有名シェフたちによる饗宴。
『レボリューション』は乾麺のパスタという縛りだけで、シェフの個性が咲き乱れています。
『ヴィアッジョ』はイタリアの地方料理をインターナショナルな知名度にしたいと言う、トップパスタメーカーの野望が感じられます。
『レボリューション』は、農民と主婦が作り上げてきたイタリア料理の最終形態の一つを感じます。
どちらもパスタはイタリアが生んだワールドクラスの食文化というプライドが強烈に感じられますが、その考察が、本格的でとても面白いのです。

例えば、こんな一文。
"小麦粉と水があれば誰でも作ることができるパスタだが、イタリア人だけが、これを乾燥させた。"

プーリアのオレッキエッテ、ナポリのパッケリ、トスカーナのピチ、リグーリアのトロフィエなどのようにパスタの形は地域主義のメタファー。
対外的には"マカロニ"と総称で呼ばれることを許しても、イタリア人の中では、反グローバリズモの流れが常にあります。

パスタの主要な"地域"は、シチリア、ナポリ、ジェノヴァ、ボローニャ。
イタリアには、方言を含めて1238種類のパスタの名前があるそうです。
さらに、どのパスタも偶然生まれて偶然生き残ったのではなく、必ず生み出された理由があります。

『レボリューション』は、写真も面白いんです。
ゲイリー・クーパー主演の『マルコ・ポーロの冒険』という1938年の映画のワンシーンは、中国人とおぼしき人物が箸で麺を持ち上げているのを、イケメンのマルコ・ポーロが見つめている、という興味深い写真。
実際にこんなシーンあったかもね。

マルコ・ポーロは、西洋人に取ってこんなイメージ?
 ↓


まるでゲーム・オブ・スローンズの世界。
さらに、アングロ・サクソン系の女性がスプーンとフォークで悩みながらスパゲッティを食べるポスターのような写真もあります。
イタリア人のパスタに対するプライドの高さは、昨今の日本食ブームを体験した日本人にはよくわかるのでは。

とにかくじっくり読みたくなる面白い本です。


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2018年4月16日月曜日

ハリーズ・バーのベッリーニ

今日は「総合解説」12月号より、ハリーズ・バーのベッリーニの話。

日本からの観光客にとっては、ただのバカ高いピーチのネクター入りシャンパン、ということになるかも知れません。

でも、ハリーズバーのことを良く知ると、イメージが変わるかも。

まずバカ高いのは、ベネチアのような国際的で高級なリゾート地では、物価も超べらぼうなので、頭に来てるうちはあなたも庶民、ということですかね。
次は、もっと小遣いを貯めて乗り込みましょう。

ハリーズバー
のことは、とても面白かったのでいろいろなところで訳を載せてきました。
この店が誕生した経緯を知ってハリーズ・バーでベッリーニを飲むと、一段と美味しく感じると思いますよ。

それではカクテルのリチェッタです。
動画は、世界中の色んな人が上げていますが、どうもハリーズ・バーとしては上げていないようですね。



「総合解説」を読んでいただければよくわかりますが、そもそもハリーズバーのベッリーニは、白桃が一番美味しくなる季節、つまり7月にだけ出していたそうです。
桃は皮ごとシノワかマッシャーで潰してピューレにします。
ミキサーにかけると空気が入るので使いません。
細かいこだわりがあったんですねー。
旬の白桃が手に入る人は、ぜひトライしてみて。

「総合解説」ではチョコレートケーキのリチェッタも訳しました。
ハリーズバーのチョコレートケーキはなかなか人気のようですよ。
もちろんカルパッチョのリチェッタも訳しました。
この料理が誕生した時の有名なエピソードにも、ちょとした裏話がありました。






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『ハリーズ・バー』のリチェッタの日本語訳は、「総合解説」2015年11月号に載っています。
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オルダーニシェフの後継者のクリスマスディナー。

今月のシェフはコルナレード(ロンバルディア)のリストランテ・オルモのリッカルド・メルリシェフ。 ダヴィデ・オルダーニシェフの店、ドーのスーシェフです。 ドー。 オルダーニシェフは、ミラノの新世代を引っ張っているシェフ。ミラノはイタリアの飲食業界のトレンドを生み出す街。オルダーニシ...