2020年4月17日金曜日

生ハムのアペリティーヴォ

「総合解説」5/6月号発売しました。


春爛漫の号です。
今年の春は、何だかあたふたと過ぎてしまいました。
桜もひっそりと終わり、春の命が萌えるあの感覚が、今年はまだきていない気分ですが、イタリアの料理雑誌上では、春の輝きに満ちた、カラフルで美しい料理が花盛りです。
                                     『ラ・クチーナ・イタリアーナ』

最初に訳した記事は、『ラ・クチーナ・イタリアーナ』の5月号と6月号のリチェッタ。
1品めはアペリティーヴォの定番、生ハムですが、春は気分を変えたくなるので、いつものパルマやサン・ダニエーレの他に、ネブロディの黒豚の生ハムも加えます。
アペリティーヴォは突然の来客にもさっと出せるような軽食。

パルマの生ハムの販売店向けマニュアル

実は私、仕事で生ハムをスライスしながら売ったことがあるのです。
今思えば、スライスしたてを味見しながら買えるなんて、価値がわかる人にはおもしろい売り方だったなあ。
有楽町という土地柄か、よく売れました。
売ってる方も、食通なお客さんばかりでおしゃべりが最高でした。
料理を作れない素人でもイタリア料理に携わってる気分に浸れました。

ネブロディの黒豚の生ハム

ドルチェと何度も言っていますが、この生ハムの特徴は、甘さ。

生ハムのスライスに添えるのは、ソフトなパニーニ・アッラ・オーリオ。

生ハムの本場、パルマでは添えるのはニョッコ・フリット。ストリートフードでもある。

いつもの

『ストリート・フード・アッラ・イタリアーナ』
からリチェッタをどうぞ。
ニョツコ・フリットGNOCCO FRITTO
材料/8~10人分
00番の小麦粉・・750g
牛乳・・75ml
水・・270ml
ラード・・40g
塩・・20g
生イースト・・2g
ラード(揚げ油)・・約1kg

a水と牛乳を混ぜてイーストを加える。暖かい場所で数分置いて溶かす。
・小麦粉をフォンタナに盛り、柔らかくしたラードと塩を加え、aを少量加えながらこねる。
・なめらかな生地になったらまとめて布巾で覆い、1時間発酵させる。
・打粉をした麺棒で厚さ3mmに伸ばし、カッターで5✕5cmのひし形に切る。
・210~220℃に熱したたっぷりのラードでさっと揚げる。膨らんで狐色になたらシートに取って油を切り、パルマの生ハムやフェリーニサラミ、ジベッロのクラテッロに添えてすぐにサーブする。

クラテッロとニョッコ・フリット。


-------------------------------------------------------
『ストリート・フード・アッラ・イタリアーナ』
「総合解説」
 [creapasso.comへ戻る]
 =====================================

2020年4月16日木曜日

ストリートフードの最新ヒット作、エスタテはダジャレだったんか~い!

きのう、アイスコーヒーの話で、フェレッロ社の新製品、エスタテというアイスティーが、ストローを付けて売り出したらバズった、という話をしました。

このストローの付け方、時代を感じるなあ。
EstaThé

その時は、ふーん、エスタテかあ。夏向きの冷たいお茶、ていう意味かあ、ぐらいにボ~と思っていたのですが、
上の写真を見て、ようやく気が付きました。
estate じゃなくて estathè。とな
thè はテ、つまりお茶のこと。
ダシャレだったんかーい!
ストローを付けたことで、貴族の飲み物だったお茶が、庶民のストリートフードに生まれ変わり、ヨーロッパを席巻したのは1972年のこと。

あのヌテラのフェレッロがそんな紅茶を出していたなんて、初めて知りました。
2017年のCM

最初は熱いお茶を冷やしていたアイスティーですが、初めて工場製品として出荷されたのが、このエスタテ!です。
最初にレモン味が、次にピーチ味が作られました。
何だか日本にも似たようなのが・・・。

ストリートフードの話はこのへんで。
お後がよろしいようで。
次回からは、明日発売の「総合解説」最新号の話です。

-------------------------------------------------------
「総合解説」
『ストリート・フード・アッラ・イタリアーナ』
 [creapasso.comへ戻る]
 =====================================

2020年4月15日水曜日

喉の乾きを癒す飲み物は革命を起こせる

ストリートフードの締めは、スップリのナポリ版。
この本『ストリート・フード・アッラ・イタリアーナ』の
表紙を飾っている料理です。
これは“モッァレラ・イン・カロッツァMOZZARELLA IN CARRROZZA”。
1868年に出版された料理書には、
この料理には食パンpan carrèを使う。高級パン屋で売っているパンだ。
と書いてあります。
リチェッタを紹介している店、ナポリのティンパニ・エ・テンプラでは、固くなった田舎パンの“パーネ・カフォーネpane cafone”を使うそうです。

ナポリのティンパニ・エ・テンプラ

主役はモッツァレラ。
例によって残り物を有効利用する家庭料理なので、モッツァレラも残ったものを使います。
カンパーニアでは、できたてのモッツァレラを買ったらその日のうちか2日以内に食べきりますが、
残ったモッツァレラは毎日水を替えながら保存して、ソレント風ニョッキやモッツァレラ・イン・カロッァなどに使います。
少し水気が飛んだぐらいの状態が、揚げ物にはぴったりです。
モッツァレラの質が悪いと出来上がりも悪くなります。

モッツァレラ・イン・カロッツァ

この動画のリチェッタは、
材料/4人分
パン・・8枚
卵・・2個
牛乳・・約50ml
モッツァレラ・・1個、250g
塩、こしょう
リマチナートのセモリナ粉・・70g
00番の小麦粉・・70g
揚げ油

・モッツァレラは水気をしっかり切って薄すぎない輪切りにする。
・卵を溶きながら牛乳を少しずつ加え、塩、こしょうする。
・2種類の小麦粉を衣用に混ぜる。
・パン2枚でモッツァレラ1枚をはさみ、小麦粉、溶き卵、パン粉をつける。一口大を数切れ作ってもよい。
・油で揚げ、シートに取って油を切る。


次にティンパニ・エ・テンプラのモッツァレラ・イン・カロッツァMOZZARELLA IN CARROZZAのリチェッタ

材料/6人分
パーネ・パラテッラか天然酵母で薪で焼いた田舎パン・・1kg
モッツァレラ・フィオルディラッテ・・280g
卵・・3個
ペコリーノ・カルマッシャーノ・・40g
牛乳・・500ml
00番の小麦粉・・500g
EVオリーブオイル(揚げ油)・・2~2.5L

・パンは1~2日経って固くなったものを厚さ1cmに12枚スライスして使う。
・モッツアレラはパントと同じ厚さかやや薄い6枚の輪切りにし、水切りで最低1時間ホエイを切る。
・パンを牛乳にさっと浸し、編にのせて余分な水気を切る。
・全部のパンに薄く小麦粉をまぶし、6枚にモッツァレラをのせて残りのパンではさみ、手のひらで軽く押さえる。
・卵にペコリーノを加えて溶く。
・パンに溶き卵をつける。側面にもつける。
・160℃のたっぷりの油で1個ずつ5~10分トングで裏返しながら揚げる。
・2枚重ねたシートに取って油を切り、すぐにサーブする。

最後にナポリの人気のフリッジトリアfriggirroia。


もう一つのナポリの重要なストリートフードの店、アックアフレスカイオacquafrescaio。


ローマでは、最初のストリートフードの屋台は水とワインを売る店でした。

街角の水道で知られるローマですが、あの時代、水道に関してはローマは恵まれていました。でも、設備があっても安全とは言い難い時代でした。
そんな時代に、暑い夏の喉の乾きを癒やすために登場したのが果実を絞ったジュースを売る店、アックアフレスカイオです。
その周囲に軽食を売る店ができて、大きな街道沿いに人が集まるようになり、オステリアができます。

絞った果汁を売るアックアフレスカイオは、ナポリ最古の仕事の一つです。
頭に水の入ったテラコッタの壺を乗せて水を売るのは女性の仕事でした。

水の次に世界中に広まったのは冷たい紅茶でした。
お茶を飲む習慣は、中国からヨーロッパに伝わり、イギリスの宮廷からイタリアの宮廷へと伝わりました。
上流階級の間に広まったお茶を庶民のものに民主化したのはトーマス・トワイニング。

さすがにイタリアの庶民の間にお茶の文化は広まらなかったけれど、1970年代に革命が起きました。
アイスティーの登場です。
1904年に、セントルイスで、夏の間もお茶を売る方法として考え出されて、大ヒットしたのでした。
1870年代にはアメリカの家庭に普及していました。
1972年にはストローをさしたカップで販売されて、歩きながら飲めるようになったのです。
ヌテッラで有名なフェレーロのストロー付きの新製品、エスターテ。

こうして飲み物のイメージそのものが変わりました。

以前、小麦の新しい品種を開発してノーベル賞とった人がいましたが、アイスティーも、それに匹敵する発明なのでは・・・。

エスターテ






-------------------------------------------------------
「総合解説」
『ストリート・フード・アッラ・イタリアーナ』
 [creapasso.comへ戻る]
 =====================================

2020年4月14日火曜日

人気店の砂肝入りスップリ

ストリートフードの話題の時、大いに参考にしている本
『ストリート・フード・アッラ・イタリアーナ』は、
イタリア各地の伝統的なストリートフードを詳しく取材しているだけでなく、有名店の動画まで撮って、youtubeにupしています。
本と動画、二本立てで楽しくスラスラ読めます。写真も豊富でお勧めです。
スップリの動画はこちら。
 ↓

本で紹介しているリチェッタは、ローマのイータリーのフリッジトリアのシェフ、パスクアーレ・トッレンテが作るスップリ。リゾットは鶏の砂肝のラグーであえている。
スップリの語源はフランス語でビックリという意味のsurprise/シュプリーズ。
モッツァレラが長~く糸を引いてびっくり。
それがまるで電話線のようだったので、スップリ・アル・テレフォノという名前で人気に。
携帯が登場した頃から、この先どうなるのか気になってたけど、アル・テレフォノというニックネームは相変わらず健在。

では、リチェッタを訳してみます。
ちなみに横にいるのはシェフの息子。

スップリSUPPLÌ
材料/約25個分
カルナローリ米・・500g
挽いたサルシッチャ・・150g
鶏の砂肝・・100g
おろしたパルミジャーノ
フィオルディラッテ(牛乳のモッツァレラ)・・200g
ホールトマト・・400g
玉ねぎの薄切り・・30g
にんじん・・1本
セロリ・・1本
野菜のブロード・・3L
EVオリーブオイル
塩、こしょう
バジリコ・・数枚
衣;
卵・・3個
パン粉・・150g
EVオリーブオイル(揚げ油)・・3L

・フライパンで米を中火で炒める。
・香味野菜をブリュノワーズに切り、油でソッフリットにして刻んだ砂肝を加える。
・大さじ数杯のブロードをかけて5~8分なじませる。
・サルシッチャを加えて炒め、色が変わったらトマトとバジリコを加える。数分煮て米を加える。
・ブロードをかけてアルデンテになるまで15~18分煮る。
・仕上げにパルミジャーノでマンテカーレする。
・リゾットをオーブン皿に広げて完全に冷ます。
・手のひらに水をつけてリゾットを大さじ2ずつ広げ、中央に細く切ったフィオルディラッテを1片のせて俵型にしっかり閉じる。
・パン粉、溶き卵、再びパン粉をつけて160~170℃のたっぷりの油で揚げる。
・シートに取って油を切り、すぐにサーブする。

ローマのイータリー

ライバル店、ローマのパニフィーチョ・ボンチのスップリ

ボンチはローマ風ピッツァのカリスマ


久しぶりに天才シェフのローマ風ピッツァを見たら、食べたくなりました。
『ジョーコ・デッラ・ピッツァ』

-------------------------------------------------------
「総合解説」
『ストリート・フード・アッラ・イタリアーナ』
『ジョーコ・デッラ・ピッツァ』
 [creapasso.comへ戻る]
 =====================================

2020年4月13日月曜日

ローマのアランチーニ、スップリ

昨日のブログは、カルロ・クラッコシェフのアランチーニのリチェッタをのせる予定でしたが、途中で急遽大幅に路線変更する事態となってしまいました。
リゾットについて語るという強い誘惑に、ロンバルディア出身のグランシェフが逆らえるはずもないということを、今更のように思い知りました。
本の中で、シェフはアランチーニを語ることをきれいさっぱり忘れて、リゾットの深ーい話に突入していきました。
話がライスコロッケからどんどん遠ざかるのに気づいた時は、もう手遅れ。
とにかく、このことで改めて知ったのは、リゾットは、イタリア料理の大事なベースの一つ、ということ。
ついでなので、アランチーニを作る前に知っておきたい米料理の基本を少し。

イタリア料理の基本を集めた名著、『クチーナ・レジョナーレ・ソフィー・ブレイムブリッジ』によると、

・リゾットに最適な米の品種は下記の3種類

※アルボリオarborio:大粒で丸い米、粘りのもととなるアミロペクチンが豊富、これが煮汁に溶け出るとクリーミーな煮汁になるのでリゾットに適している。

※ヴィアローネ・ナノvialone nano:小粒で締まった米。アミロースが豊富。煮てもアルデンテになるが、アミロペクチンも含むので、クリーミーで歯ごたえのあるリゾットにもなる。

※カルナローリcarnaroli:1945年にミラノの農家で栽培が始まった新しい品種。
ヴィアローネとうるち米の中間の特徴があり、2種類のデンプンを豊富に含む。
高価で上質。

リゾットに適したアルボリオ米とピラフやチャーハンに適した長粒米


ポイントは
アミロペクチンとアミロース。
穀物の性質上、キーワードとなるでんぷんです。

日本の米は、粘りが大切。一方、イタリアの米はアルデンテも大切。
この両者の特徴を持って、さらにリゾットに適するように改良されたのがイタリアの米です。


リゾットの濃さは地域によって違う
北イタリアの代表的リゾットには、ミラノとベネチアという2つの地域があります。
ミラノのリゾットはベネチアのリゾットより濃く、ベネチアのリゾットには、アッラ・オンダall 'ondaという状態(サーブの直前にブロードを少量加えたような濃度)が求められます。

リゾット・ミラネーゼ

リベネチアの代表的リゾット、リジ・エ・ビジ




リゾットに適した鍋
リゾットには均一に熱が当たるように底が広く鍋や深さのあるフライパンが適しています。
煮ている間に米は約2~3倍に膨らむので、十分な大きさも必要です。

リゾットrisotto
・幅広で深さのあるフライパンか浅くてそこが厚い鍋(熱が均一に広がる)を用意する。
・ゆで汁用のブロードか湯を用意して弱火で沸騰させる。
・米をバターで炒めて米のデンプンが出ないように米の周囲に膜を作る。
・レードル1杯のゆで汁をかけ、米に均一に火が通るように混ぜながら煮る。
・ゆっくりすぎたり急ぎすぎないように常に強い沸騰を保ちながら煮る。
・米がブロードを吸い出したら塩を少量加える。
・さらにレードル2杯のブロードを足した時点で味を見て塩味を整える。
・米がゆで汁に沈まないように少量ずつ加える。均一に煮上がるように表面を均一に覆う程度。
・ブロードの適量を事前に出すことはできないので、全部かけたら煮すぎていないかみる。表面がクリーミーで粥状の濃さになっていればよい。

ここまでがリゾットの基礎。イタリアのマンマの教訓を付け足すなら、木べらは鍋から出さないで、常にかき混ぜ続けること。

リゾットをマスターしたら、いよいよ次はアランチーニとスップリに進みます。

さりげなくスップリが登場しましたが、
スップリはローマのライスコロッケ。
正式名称は、携帯の時代になって今や消滅の危機、スップリ・アル・テレフォノ。

という訳で、今日のお題はスップリです。

ローマ人のアランチーニ、スップリ

・玉ねぎのみじん切りを油でソッフリットにする。
・牛豚の挽肉を加えて炒め、ワインをかけてアルコール分を飛ばしたらトマトのパッサータ、塩、こしょう、水少々を加え、蓋をして弱火で約40分煮る。
・水かブロードで濃度を整え、アルボリオ米を加えてかき混ぜながら米が煮汁をほぼ全部吸うまで煮る。米が鍋肌につくようになったらブロードを少しずつ足しながら煮る。
・米が煮汁を吸ってアルデンテになったらバターとパルミジャーノでマンテカーレする。
・バットに広げて冷ます。
・モッツァレラを長さ5cmの拍子木に切り、ザルに入れて水気を切る。
・手に水をつけてリゾットを俵形にし、モッツァレラを1本詰める。
・小麦粉、卵、パン粉をつけて揚げる。

-------------------------------------------------------
「総合解説」
『クチーナ・レジョナーレ・ソフィー・ブレイムブリッジ』
 [creapasso.comへ戻る]
 =====================================

2020年4月12日日曜日

最近流行りのハムとチーズのアランチーニ

アランチーニの話、前日に作ったリゾットの残りで作る、というわけで、残ったリゾットで作るもう1品の代表的料理、リゾット・アル・サルトまで訳しました。
リゾットを直径14cmの型に入れて薄く押し広げ、焼いて冷まします。
リゾットはサフラン入りの黄色か、プレーンの白。ここにコラトゥーラ数滴を加えてグラティナーレします。
またはモッツァレラとハーブを加えて軽くグラティナーレし、ヴィネグレットを回しかけます。
またはトマト、好みのスパイスなどをのせてグラティナーレします。
ポイントは、柔らかさとこんがり具合のコントラスト。

話が前後しますが、突然話はアランチーニに戻ります。
アランチーニには、サフランのリゾットの残りを使います。
クラッコシェフはここで、基本はしっかり教えておかないと、と考えたようです。
アランチーニがますます遠くなりますが、
“リゾットはベースなので一度覚えれば自分ならではの独自のものを考えだすのも可能だ。
一番の定番は、アッラ・パルミジャーナalla parmigianaだが、これに肉、スパイス、野菜、魚、きのこなどを加えてもよい・・・。
と本格的な解説モードになったので、
ここでグランシェフの熱血教室は、急遽変更。

『オステリエ・エ・ジェンティ・ディ・シチリア』から


アランチーニArancini al sugo
材料/6人分
リゾット用米・・1kg
豚肉(塊)・・400g
ストラットゥ(シチリアの濃いトマトペース)・・200g
玉ねぎ・・小1個
卵・・5個
パン粉・・250g
サフラン・・2袋
赤ワイン・・大さじ4
カチョカヴァッロ(ラグザーノ)フレスコ・・350g
おろしたカチョカヴァッロ・スタジョナート・・100g
EVオリーブオイル、塩

・大きな浅鍋(できればテラコッタ製)で玉ねぎの薄切りを油大さじ2で軽く炒める。
・豚肉と塩を加えて火を強め、しっかり焼く。
・ワインをかけて強火でアルコール分を飛ばし、肉を取り出す。ストラットゥを加えてぬるま湯で溶く。
・肉を戻し、水を足して肉を覆う。蓋をしてとろ火で約3時間煮て煮汁を煮詰める。必要なら仕上げに蓋を取って時々かき混ぜながら水気を飛ばす。
・その間に塩を加えた多すぎない水で、米が水を全部吸うまでゆでる。
・米がアルデンテになって水気がなくなったら、サフランとおろしたチーズを加えて混ぜる。
・台に広げて冷ます。
・豚肉を取り出して細く切り、カチョカヴァッロを小さく切る。
・卵に塩を加えて溶く。
・パン粉を台に散らす。
・米を手のひらで作ったくぼみに少量取って押し広げる。その中にスーゴを大さじ1強と肉少々、チーズ少々を入れ、少量の米で閉じてボール状やピラミッド型(アランチーノ)にする。
・溶き卵とパン粉をつけて底を軽く平らにする。残りの米も同様にする。
・網に立てて入れて高温のオリーブオイルで揚げる。
・シートに取って油を切り、熱いうちにサーブする。

※シチリアの家庭で代々口伝で伝わっているプレーンのアランチーニは、
・豚肉の代わりにゆでた鶏肉を使い、米は鶏のブロードでゆでる。
・具にゆでたグリーンピースを加えることも多い。
・ロスティッチェリアでは簡単で手早くできる牛肉のラグーを詰めるのが定番。
・サフランを加えないことも多い。
・さらに数年前から、ハムとチーズ(アランチーニ・アル・ブッロarancini al burro)、ほうれん草とチーズspinaci e formagio、なすmelananeやアーティチョークcarciofi、フンギfunghiなど、各店のオリジナルの具が流行っている。
・ピラミッド型は油を大量に使うので作るのが難しくコストもかかるので、最近では球形が多い。

アランチーニ

シチリアのトマトペーストstrattu

アランチーニ・アル・ブッロ

・サフランのリゾットを作って冷ます。
・濃いベシャメルを作る。
・火を止めてハムとグラナを加える。
・水と00番の小麦粉で衣を作る。
・リゾットに詰め物を詰めて衣とパン粉をつけて揚げる。

次回はシチリア以外のライスコロッケ。



-------------------------------------------------------
「総合解説」

『オステリエ・エ・ジェンティ・ディ・シチリア』

 [creapasso.comへ戻る]
 =====================================

2020年4月11日土曜日

クラッコシェフの熱血アランチーニ教室

アランチーニですが、あのグランシェフが、自分の料理の知識を惜しみなく披露したイタリア料理の教科書のような本、「クールにしたいならエシャロットを使う。」
にもリチェッタがあったので、早速訳してみます。
3段階あるレベルの一番上、レベルIIIの料理です。
グランシェフの頭の中は、複雑でこだわりに満ちて時に厄介ですが、頑張って教えを受けてみましょう。

アランチーニは、典型的なシチリア料理で、見た目が美しいばかりか、残り物や切れ端から美味しい料理を作り出してきた伝統料理の新しいアイデアに満ちている。
と、好き嫌いがはっきりしたシェフにしてはかなりな高評価。


クラッコ・シェフのサフランのリゾット



アランチーニ/ARANCINI
材料/6人分

サフランのリゾット・・300g
生か冷凍のグリーンピース・・50g
油分や水分が少ないラグー・ボロニェーゼ・・100g
モッツァレラ・・80g
卵・・2個
パン粉・・300g
EVオリーブオイル、塩

※小さいアランチーニにするならシンプルなラグーとグリーンピースの、モッツァレラ抜きの詰め物でないとはみ出してしまう。
・まず、家庭用のサフランのリゾットを作り、その残りをアランチーニに使う。
または切れ端でリゾットを作ればさらによい。
残り物のリゾットのリチェッタは※レッスン46。
・ グリーンピースは加える必要はない。サフランは粉でもよい。
・マンテカーレはグラナで行い、バターは加えない。
または最低ごく少量のオリーブオイルを加えてもよい。
・3分以上マンテカーレしてアルデンテal denteやストラコットstracottoではなくしっかり火を通す。
仕上げに大きなオーブン皿に広げて冷蔵庫か室温で冷ます。
・グリーンピースと、水気と油が少ない乾いた肉のラグー※レッスン31(定番のラグー・ボロニェーゼ)を加えて混ぜ(ラグーは肉だけを加える。アランチーニが白くてもかまわない、乾いていることが重要)、小さく丸める(手を汚さないように手袋をして作業すると出来上がりもきれいになる)
各アランチーニにモッツァレラの小角切りを2個ずつ詰めてしっかり閉じる。
溶き卵、パン粉の順でつける。
・私はパン粉は1回だけつけるが、もっとカリカリにしたければ2回つける。
・ラップで覆って冷蔵庫で一晩冷ます。または冷凍庫で2時間冷やす(推奨)。
・よく冷えたら油で揚げる。シートに取って油を切り、表面に塩をしてサーブする。

レッスン46
残り物のリゾットCucinare con gli avanzi; il riso
普通リゾットを作ると残り物が出るが、絶対に捨ててはいけない。
残ったリゾットには、主に2つの使いみちがある。
一つはアランチーニaranciniで、もう一つはリーゾ・アル・サルトriso al saltoだ。
アランチーニは独特の形のおかげで具のバリエーションが広い(グリーンピース、モッツァレラ、ラグー)が、グリーンピースとモッツァレラだけでもよい。
またはトマトとリコリスなど。個人的にはリコリスが大好きだ。
おろしたリコリスを丸めたアランチーニに少量散らして小麦粉をつけて揚げる。
ドルチェのようだがサラートにも合う。
リーゾ・アル・サルトは、バターや油脂をたっぷり使うので簡単な料理ではないが、素晴らしい料理だ。
私は残ったリゾットの料理としてではなく、アル・サルトを作るために作った料理は食べたことがない。
普段はアランチーニ用の、バターを使っていない、グラナでマンテーレした、やや長く火を通したリゾットで作る。
これを直径14cmの丸い型を使って料理のサイズに広げて押し固め、冷ます。
幅広のフライパンに油少々とバター少々を熱し、リゾットを入れて焼く。薄いとカリッと焼き上がり、やや厚みがあれば中は柔らかく焼き上げる。
個人的にはあまりカリカリなのは好きではない・・・。
リゾットは白でも黄色でも、肉のラグーや野菜のラグー入りでもよい。
モッツァレラの薄切りをのせたり、パン粉、コラトゥーラ数滴(この場合のリゾットは白)、ハーブを散らしてグラティナーレしてもよい。

ちょっと力尽きてきたので、きょうはここまで。
明日も頑張って訳します!!

リーゾ・アル・サルト

念の為アランチーニの動画も

-------------------------------------------------------
「総合解説」
「クールにしたいならエシャロットを使う。」
 [creapasso.comへ戻る]
=====================================

サーモンのベルガモットマリネ入りのミカンのリゾット。柑橘果実の活かし方をよく知っているのが南イタリア。

みかんのリゾットの話。まずは米の“ヴィアローネ・ナノ”について見てきましたが、次はみかんです。 みかんは今回はbergamottoと指定されています。 ベルガモットはミカン属の柑橘類。柑橘類を使うリゾットは各種ありますが、ミカンのリゾットは見たことなかったです。それにちょっと食べ...