2008年12月26日金曜日

100年前のナポリ

今日は昔のナポリの話。
『クチーナ・エ・ヴィーニ』の記事の解説です。

ナポリの料理とレストランを紹介する『クチーナ・エ・ヴィーニ』のこの記事に、こんな文章があります。

19世紀後半の有名な写真家兄弟、フラテッリ・アリナーリの写真には、100年前のナポリの路地で、大きな鍋から手づかみでスパゲッティを高く取り出して、皿に盛っている男の姿を写したものがある。
彼らは“マッケロナーロ”と呼ばれた。
ナポリの庶民は、チーズを軽くかけたゆでたてのパスタを彼らから買って、家の戸口で、麺を人差し指と親指でつまんで食べた。
貧しいストリートフードだ。
しかし、市民の顔は明るく、惨めさは全くない。
マッケロナーロは、まるでトロフィーのようにスパゲッティを高く掲げている。
貧しくても自分たちを憐れむ気持ちはみじんもなく、必要最低限のものがあれば十分だという心意気は、ナポリと食べ物の関係をよく表している。



その写真は、たぶんこれです。
 ↓
flickr.com

ちょっと衝撃的ですね~。

同じフラテッリ・アリナーリの写真で、こんなのもあります。
 ↓
napoliontheroad.it

こうやって路上でパスタを売って、それを手づかみで食べるというのは、19世紀末から20世紀初めにかけての南イタリアでは、別に珍しいことではありませんでした。

でも、なんだか食べにくそう。
spaghettitaliani.com

flickr.com

endlesssimmer.com


当時はイタリア中の広場や路上で、さまざまな人が店を出して商売をしていたそうです。
靴磨き、散髪屋さんやパーマ屋さんなどは想像つきますが、すごいのが牛乳屋さん。
なんと牛を連れていて、注文があったらその場で搾ってたんだそうですよ。
これがその写真。
 ↓
handprints.alinari.it

これもアリナーリの有名な写真、ナポリのフルーツ売り。
 ↓
shopping24.ilsole24ore.com


100年前のイタリアの様々な働く人々の姿を写したアリナーリの写真はこちら。
 ↓
handprints.alinari.it


フラテッリ・アリナーリ Fratelli Alinari とは、1852年にアリナーリ3兄弟がフィレンツェで始めたイタリアで最初の写真館で、現在も様々なメディアで活動を続けています。

フィレンツェのアリナーリ国立写真博物館
 ↓
mnaf.it



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関連誌;『クチーナ・エ・ヴィーニ』2007年10月号
“ナポリ~料理とレストランガイド”の記事は、「総合解説」'06&'07年10月号、P.28に載っています。


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2 件のコメント:

匿名 さんのコメント...

これ、本当に衝撃的ですね。でもこれも南北格差なのか、南北関係なく階級差によるものなのか・・・。
夏にバジリカータで手づかみで肉を食べていた女性がいて、ちょっと衝撃を受けたもので。

prezzemolo さんのコメント...

南北&階級格差、ほーんとその通りですねー。
にしても、くるりさんが知ってるバジリカータって超ディープな世界ですねえ。刺身食べてる国の一般人には、胃腸薬と強ーい酒が必要かも。

ジェラートはパンとの相性も良いデセール。シチリアとナポリの人のジェラートの食べ方は、ほんとに自由。

今日は、(CIR)7月号のリチェッタから、ジェラートの話(P.12)。 リチェッタのテーマは、シンプルにコーンやカップに入れるジェラートではなく、クロスタータやボンボローニ、はてはフォカッチャにのせるジェラート。 ジェラートのデセールの最高峰はトルタ・ジェラート。 パン・ジェラー...