『ラ・クチーナ・イタリアーナ』の記事の解説です。
今日は鶏の話。
記事でも紹介していますが、パドヴァには、ガッリーナ・パドヴァーナ gallina padovana と、ガッリーナ・ポルヴェラーラ gallina polverara という、数の少ない貴重な品種の鶏がいます。
ガッリーナ・パドヴァーナは、なんといってもその姿が超個性的。
一度見たら目が釘付けになります。
全身がもこもこのタイプ
頭がふさふさのタイプ
連獅子タイプ
白黒タイプ
鷹の羽タイプ
ここまでゴージャスな姿だと、食べる気にならないですねえ。
実際、観賞用としても飼育されているようです。
優しくて人懐こい性格なんだそうですよ。
飼う時は、羽根のお手入れなどもこまめに必要。
それでも敢えて食べてしまう人もいるわけで・・・。
肉は脂肪が少なく、かなりデリケートな味なんだとか。
雉やホロホロ鳥に似ているそうです。
昔からイタリアで飼育されている品種ですが、原産地は不明で、14世紀にポーランドからパドヴァに伝わったとか、オランダ産だとか、最初からイタリアにいたとか、諸説あります。
19世紀ごろから数が減り始め、一時は絶滅寸前まで行きました。
現在は厳しい規定の下で飼育されていて、一羽につき最低4㎡の広さが必要。
そしてこちらはガッリーナ・ポルヴェラーラ。
黒いタイプ
白いタイプ
なかなか精悍な姿をしています。
ポルヴェラーラはパドヴァのやや東にある町。
この鶏も原産地については色々説がありますが、ポーランドから伝わったガッリーナ・パドヴァーナの元祖を地元の半野生の鶏と掛け合わせたもの、という説が有力です。
実際、この鶏は野生の血を濃く残していて、飼う時は放し飼い。
木の枝で寝るのだとか。
肉はデリケートな味。
ガッリーナ・パドヴァーナもポルヴェラーラも、代表的な料理は、ガッリーナ・アッラ・カネヴラ。
丸鶏を袋や豚の膀胱に入れて、直接湯に触れないようにしてゆでる一品です。
デリケートな味の鶏にはぴったりの調理方法ですね。
ポルヴェラーラ市のガッリーナ・ポルヴェラーラのサイトで紹介されているリチェッタをどうぞ。
原文と写真はこちら。
ガッリーナ・アッラ・カネヴラ/LA GALLINA ALLA CANEVRA
鶏・・1羽(2.5kg) オリーブオイル・・50cc にんにく・・1片 こしょう 好みのスパイス にんじん・・1本 玉ねぎ・・小1個 セロリ・・1本 レモンのくし切り・・1片 ・全部の材料を鶏に詰める。 ・鶏をオーブン用の袋に入れる。竹の細長い小片も入れ、蒸気穴になるように竹をはみ出せて袋の口を閉じる。 ・湯に入れて約4時間ゆでる。 ・ホースラディッシュとサルサ・ヴェルデを添える。 |
ガッリーナ・パドヴァーナもガッリーナ・ポルヴェラーラも数が少ない鶏なので、パドヴァに行ったら要チェックですね。
次はパドヴァ近郊の三ツ星レストランの話です。
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関連誌;『ラ・クチーナ・イタリアーナ』2006年10月号(クレアパッソで販売中)
“グルメ紀行~パドヴァ”の日本語解説は、「総合解説」'06&'07年10月号、P.2に載っています。
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