2008年6月4日水曜日

リゾット・アッラ・ミラネーゼ、リチェッタ編

リゾット・アッラ・ミラネーゼの話、その3。

Riso, oro e zafferano
サフランのリゾットに金箔と言えば、グアルティエロ・マルケージ氏の代表作。これはコピー, photo by Sara Maternini



最高のリゾット・アッラ・ミラネーゼを決めよう!というイベント、「ジャッロ・ミラノ」。
今年で2回目のこのコンクールで、最終審査に残ったのが、この動画に登場する7人。
 ↓
it.truveo.com/I-segreti-degli-chef-per-il-risotto-alla-milanese


7人いれば7通りのリチェッタがあるわけで、皆さん独自のリチェッタのポイントを語っています。

・最初に登場した髭に眼鏡のシェフは、「エシャロットは最初に炒めるのではなく、ブロードをかけて煮ている間に加える」と言っています。
・2人目のシェフは、「米はヴィアローネ・ナーノ」
・3人目は、「煮詰めた赤ワインを加える」
・4人目は「ローリエ2枚と丸ごとのエシャロット1個を加える」
・5人目は「伝統を守って玉ねぎを使う」
・6人目は「クラシックなリゾットをめざす」
・7人目は「ソッフリットの代わりに香りを付けたオリーブオイルを使い、骨髄もベースには入れない」

使うサフランも、ラクイラ産、スペイン産、イラン産と様々。
香味野菜はエシャロットを使う人が多いですね。


優勝したのは4人目の、恰幅の良い口髭のシェフ。
フォーシーズン・ホテルのテアトロというレストランのシェフです。

フォーシーズンは5つ星ホテル。
www.fourseasons.com/milan

テアトロはこんな店。
www.fourseasons.com/milan/dining/il_teatro

ホテルの総料理長、セルジョ・メイ氏は超有名ですが、今回優勝したのは、スーシェフのシルヴァーノ・プラーダさん。


このイベント、「ジャッロ・ミラノ」のhpに、有名なアンナ・ゴゼッティ・デッラ・サルダさんのリチェッタが載っていました。

この本 『Le ricette regionali italiane』 を書いた人。
(クレアパッソで販売中)

リゾット・アッラ・ミラネーゼ Risotto alla Milanese
材料4人分;
米(ヴィアローネ)・・400g
バター・・100g
グラナ・ロディジャーノ・・75g
牛の骨髄・・50g
上質のブロード・ディ・カルネ(牛・子牛・鶏)・・約1.5リットル
玉ねぎ・・小1個
サフラン(ホール)

・サフラン16~20本に熱湯少々をかける。
・鍋に玉ねぎの薄切り、骨髄、バター50gを入れ、玉ねぎに色がつかないように15分ソッフリットにする。
・玉ねぎを取り除き、米を入れて数分炒める。
・レードル1杯の沸騰したブロードを加え、ブロードを足しながら強火で煮る。
・火から下ろす5分前にサフランを漉しながら加え、沸騰したブロードをかけて溶かす。
・火から下ろし、残りのバターとチーズの半量を加えてマンテカーレする。
・皿に盛り付けて残りのチーズを添える。


グラナ・ロディジャーノについては、2008/3/28のブログ(こちら)で紹介しています。
アンナさんはワインは加えないんですね。


『ヴィアッジ・エ・サポーリ』2005年1月号には、アンティカ・トラットリーア・ラゲット Antica Trattoria Laghett のリチェッタが載っています。
この店、現在のシェフの祖母が1890年に農家を買い取って始めたそうで、伝統にのっとったリゾット・アッラ・ミラネーゼを作っています。

店はこんな雰囲気。
www.borgodichiaravalle.it/ristoranti/antica-trattoria-al-laghett
キアラヴァッレ Chiaravalleという所にあります。

ここでは赤ワインを使っています。

アンティカ・トラットリーア・ラゲットのリゾット・アッラ・ミラネーゼ
材料4~6人分;
米(カルナローリ)・・400g
牛の骨髄・・50g
上質のブロード・ディ・カルネ(牛・雌鶏・玉ねぎ・セロリ・にんじん)・・約1.5リットル
サフラン
玉ねぎ
赤ワイン(バルベーラ)
バター
グラナ・パダーノ

・沸騰したブロード1カップでサフランを溶く。
・玉ねぎを粗くスライスし、バターで色がつかないようにソッフリットにする。
・赤ワインをかける(色がつき過ぎないように米より先に加える)。
・米を加えて数分炒める。
・レードル1杯の熱いブロードをかけ、骨髄を裏漉しながら加える。
・水分が減ったらブロードを足し、かき混ぜながら20分煮る。
・香りが飛ばないように煮上がる少し前にサフランを加える。
・火から下ろし、たっぷりのバターとグラナでマンテカーレする。
・湿らせた布をかぶせて数分休ませる。


赤ワインはオルトレポーのバルベーラ。
リゾットが残ったら、フライパンで焼いて“アル・サルト”にするそうです。

焼きリゾットの“リゾット・アル・サルト”も、おいしいですよねえ。
次は、サフランのリゾットの進化系の話です。


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関連誌;『ヴィアッジ・エ・サポーリ』2005年1月号(在庫なし)
“リゾット・アッラ・ミラネーゼ~老舗トラットリーアのリチェッタ”は「総合解説」2004年1月号P.10に載っています。


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4 件のコメント:

匿名 さんのコメント...

うわー、この本欲しいんです。読めないけど。
というか、プレッツェーモロさんお久しぶりです!!
ちょっとPCの調子がよくないもので、読み込めません。色々書き込みたいんですが、とりあえず!!

prezzemolo さんのコメント...

おー、くるりさん、お久しぶりです!
コメント、ありがとうございま~す。
この本、興味ありますか?
よーし、じゃあ取り寄せてみよう。
時間はかなりかかるんですが、入荷したらブログでお知らせしますね。

匿名 さんのコメント...

うわー、ありがとうございます。
でも、作りたい料理があったら、何ページがわかりませんけど、みたいなこと可能なんですか?
ずうずうしくてすみません。

prezzemolo さんのコメント...

くるりさん、なんなりとお気軽にどうぞ~。
でも、本が入荷するのはず~っと先なんです。
大体いいつも、忘れた頃に届きます(汗)。

よもぎはドイツ語ではベアムート。かっこよくてお餅につける名前じゃないよね。トリノでパティシエが白ワインとよもぎから作りだしたのがベルモット。

今日のお題は、メイド・イン・イタリーの食材です。(CIR2022年1月号P.37の記事) その食材は、ベルモット。ピエモンテ州トリノで誕生したフレーバード・ワインです。 白ワインにスパイスとハーブを加えて香りをつけたもの。 ところで、ベルモットはドイツ語の“ヨモギWermut”が...