今月の「総合解説」のグルメガイドで紹介している街は2つ。
その一つが、バジリカータ州のマテーラ。
その洞窟住居は世界遺産だし、現実離れした幻想的な光景を、ぜひ一度見てみたいと思って訪れる人も多いはず。
かくいう私も、その一人でした。
町の中を歩き回って不思議な世界だなあ、などと感じ、コジャレたレストランに入ってオシャレな町だなあ、なんて思って、今度はこの中のホテルに泊まりたいなあ、なんて無邪気に思っていました。
でも、グルメガイドのマテーラの話は、ショッキングな話から始まりました。
「マテーラのサッシ地区は、国の恥として解体する法律も認可され、数百人の住民はみじめな極貧の生活を送っていた。
家畜と一緒の家に住み、子供の死亡率は第三世界なみだった・・・。」
国の恥と言われてたなんて。
現在の観光地化した町しか知らないと、とても信じられません。
とても楽しげなミニマテーラの動画。
1963年のマテーラ
さらに昔のマテーラは、こんなに活気あふれる町でした。
動画
詳しい町の歴史はwikiでもどうぞ。
こちら。
バジリカータは、イタリアの中でも何故か一歩引かれているような州です。
バジリカータのことを語る時は、外国のように他人事な雰囲気。
というか、そもそも滅多に語りません。
地方料理に関しても、圧倒的に情報不足です。
多分、一番有名なマテーラ名物、パーネ・ディ・マテーラ。
動画
こんなに美味しいものができるんだから、素晴らしい食文化があるはず。
このパンの歴史にも、マテーラの浮き沈みは影響していました。
町が栄えていた頃は、このパンは各家庭で生地を作って町の共同かまどで焼いていまいした。
ところが、サッシが消えるにつれてこの習慣も消滅します。
ただ、素晴らしいのは町と同じで、このパンも復活するのです。
数件のパン屋さんによって伝統が守られて、完全に消滅することはなかったんですね。
2019年の欧州文化都市(wiki)に選ばれているマテーラ。
町の発展にも一層弾みがつくことでしょう。
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“マテーラ”のグルメガイド記事の日本語訳は「総合解説」2012年7月号に載っています。
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2014年11月10日月曜日
2014年11月6日木曜日
リグーリア料理
今日はリグーリアの話。
下の2枚の写真は、リグーリアの世界遺産にも登録されている町、ポルトヴェーネレです。
リグーリアのリヴィエラと呼ばれる沿岸部は、現実のものとは思えないような美しい風景が続きます。
次の写真はジェノヴァを海から見た風景。
都市の背後に山が迫っています。
海と山にはさまれた細い土地がリグーリアです。
海には立派な港ができて、リグーリアは、海を向いて外の世界とつながってきました。
沿岸と内陸は、距離的には近いのに、コミュニケーション的には遠く隔たっています。
ジェノヴァの町と内陸を結ぶ鉄道、ジェノヴァ-カゼッラ鉄道
内陸にちょっと入っただけで都市部とはまったく違う顔。
↓
沿岸の大都市と内陸を結ぶ小さな鉄道です。
リグーリアの沿岸部を観光で訪れると、きれいだなあ、で終わってしまいますが、今月の「総合解説」には、
「リグーリア料理は、一般的なイタリアの地方料理とは違って、歴史ではなく、地形が作った料理だ」
という深~い一文があります。
リグーリアの地形は、平地が少ない。
畑も山の急斜面に作らなくてはならないのでこんな状態。
↓
こんな段々畑では、リグーリア中の需要をまかなうだけの収穫は、とうてい望めません。
そのため、リグーリア人は、あるものなら何でも工夫して使う、という技を発達させました。
天性の節約家で、ゼロから奇跡的なまでに美味しい料理を作り出すのがリグーリア人気質なんだそうですが、これは時には、ケチと呼ばれます。
さらにもう1つ、耕すだけでも大変そうな畑ですが、地中海の恵みを受けた温暖な気候のおかげか、オリーブをはじめとする作物は、上質なものができます。
なので、沿岸と内陸が出会った時、素晴らしい化学反応が起きるのです。
ついでに言えば、西がフランス、北がピエモンテで、洗練された食文化の影響もたっぷり受けました。
そんなドケチで多面性を持つリグーリア人が作った傑作料理の一つが、フィオーリ・ディ・ズッカのリピエーニです。
これが、こうなります。
フィオーリ・ディ・ズッカ料理は色々ありますが、花を、一般的な食材を使ってボリュームのある一品料理に変えてしまうという観点で見ると、なるほど、よく工夫されています。
きれいなところだけ見ていても、本質は分らない。
チンクエテッレ。
きれいだけど、暮らすのは大変かも。
リヴィエラ・ポネンテ(西海岸)の内陸部を紹介する動画→こちら。
そういえば、リグーリア料理の話をするとき、エントロテッラ(内陸部)というワードは欠かせません。
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“フィオーリ・ディ・ズッカ、リグーリア風”のリチェッタと記事の日本語訳は、「総合解説」2012年7月号に載っています。
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下の2枚の写真は、リグーリアの世界遺産にも登録されている町、ポルトヴェーネレです。
リグーリアのリヴィエラと呼ばれる沿岸部は、現実のものとは思えないような美しい風景が続きます。
次の写真はジェノヴァを海から見た風景。
都市の背後に山が迫っています。
海と山にはさまれた細い土地がリグーリアです。
海には立派な港ができて、リグーリアは、海を向いて外の世界とつながってきました。
沿岸と内陸は、距離的には近いのに、コミュニケーション的には遠く隔たっています。
ジェノヴァの町と内陸を結ぶ鉄道、ジェノヴァ-カゼッラ鉄道
内陸にちょっと入っただけで都市部とはまったく違う顔。
↓
沿岸の大都市と内陸を結ぶ小さな鉄道です。
リグーリアの沿岸部を観光で訪れると、きれいだなあ、で終わってしまいますが、今月の「総合解説」には、
「リグーリア料理は、一般的なイタリアの地方料理とは違って、歴史ではなく、地形が作った料理だ」
という深~い一文があります。
リグーリアの地形は、平地が少ない。
畑も山の急斜面に作らなくてはならないのでこんな状態。
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こんな段々畑では、リグーリア中の需要をまかなうだけの収穫は、とうてい望めません。
そのため、リグーリア人は、あるものなら何でも工夫して使う、という技を発達させました。
天性の節約家で、ゼロから奇跡的なまでに美味しい料理を作り出すのがリグーリア人気質なんだそうですが、これは時には、ケチと呼ばれます。
さらにもう1つ、耕すだけでも大変そうな畑ですが、地中海の恵みを受けた温暖な気候のおかげか、オリーブをはじめとする作物は、上質なものができます。
なので、沿岸と内陸が出会った時、素晴らしい化学反応が起きるのです。
ついでに言えば、西がフランス、北がピエモンテで、洗練された食文化の影響もたっぷり受けました。
そんなドケチで多面性を持つリグーリア人が作った傑作料理の一つが、フィオーリ・ディ・ズッカのリピエーニです。
これが、こうなります。
フィオーリ・ディ・ズッカ料理は色々ありますが、花を、一般的な食材を使ってボリュームのある一品料理に変えてしまうという観点で見ると、なるほど、よく工夫されています。
きれいなところだけ見ていても、本質は分らない。
チンクエテッレ。
きれいだけど、暮らすのは大変かも。
リヴィエラ・ポネンテ(西海岸)の内陸部を紹介する動画→こちら。
そういえば、リグーリア料理の話をするとき、エントロテッラ(内陸部)というワードは欠かせません。
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“フィオーリ・ディ・ズッカ、リグーリア風”のリチェッタと記事の日本語訳は、「総合解説」2012年7月号に載っています。
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2014年11月4日火曜日
テオ・ムッソのバラデン
前々回のブログで紹介した手作りスピリットの記事では、テオ・ムッソという人物も紹介しています。
この人、イタリアのビッラ・アルティジャナーレ(クラフトビール)の一番有名な造り手なんだそうです。
テオ・ムッソ氏の別名は、パパ・デッラ・ビッラ・アルティジャナーレ。
一人の天才の出現によってイタリアの美食業界に革命が起こったかのような、手放しの褒め称えようです。
ビールはワインにできないことができる、ということを、彼のビールによってイタリア人は発見したようです。
彼のビール工房の名前はbaladinバラデン。
webページはこちら。
ビール以外にも、ソフトドリンクからパネットーネまで、手広くやっています。
ワインとビールの融合も彼の取り組んでいるテーマの一つ。
下の写真はファッロとオルゾから造ってワイン用の樽で寝かせたバーレーワインという分類のビール、『ルーネ・リゼルヴァ・テオ・ムッソ2010』。
アンテイノーリ、リヴィオ・フェッルーガなど、イタリアの大手ワイナリーとの共同生産。
写真はノルウェーのオスロでの発表会の模様。
↓
自作のビールについて語るテオ・ムッソ氏
ルバーブやアマルフィのレモンなどから造ったソフトドリンク、“スプーマ・ネロ”、カラブリアとガルダ湖のチェードロから造ったチェドラータなど、とにかく自由奔放で繊細な発想が次から次へと湧き出ている人のようです。
バラディンのソフトドリンクのCM?
↓
最新作は、国産ホップを使ったイタリア初の100%イタリア産のビール、その名もナツィオナーレ。
このビールのテイスティング動画はこちら。
何をやっても成功してしまうまさに時代の寵児。
でも、ビッラ・アルティジャナーレの造り手は彼だけではないようで、というかむしろ、彼の成功に触発されて、続々面白い造り手が表れているようです。
目が離せないですねー。
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“自家製スピリッツ”の記事の日本語訳は「総合解説」2012年7月号に載っています。
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この人、イタリアのビッラ・アルティジャナーレ(クラフトビール)の一番有名な造り手なんだそうです。
テオ・ムッソ氏の別名は、パパ・デッラ・ビッラ・アルティジャナーレ。
一人の天才の出現によってイタリアの美食業界に革命が起こったかのような、手放しの褒め称えようです。
ビールはワインにできないことができる、ということを、彼のビールによってイタリア人は発見したようです。
彼のビール工房の名前はbaladinバラデン。
webページはこちら。
ビール以外にも、ソフトドリンクからパネットーネまで、手広くやっています。
ワインとビールの融合も彼の取り組んでいるテーマの一つ。
下の写真はファッロとオルゾから造ってワイン用の樽で寝かせたバーレーワインという分類のビール、『ルーネ・リゼルヴァ・テオ・ムッソ2010』。
アンテイノーリ、リヴィオ・フェッルーガなど、イタリアの大手ワイナリーとの共同生産。
写真はノルウェーのオスロでの発表会の模様。
↓
自作のビールについて語るテオ・ムッソ氏
ルバーブやアマルフィのレモンなどから造ったソフトドリンク、“スプーマ・ネロ”、カラブリアとガルダ湖のチェードロから造ったチェドラータなど、とにかく自由奔放で繊細な発想が次から次へと湧き出ている人のようです。
バラディンのソフトドリンクのCM?
↓
最新作は、国産ホップを使ったイタリア初の100%イタリア産のビール、その名もナツィオナーレ。
このビールのテイスティング動画はこちら。
何をやっても成功してしまうまさに時代の寵児。
でも、ビッラ・アルティジャナーレの造り手は彼だけではないようで、というかむしろ、彼の成功に触発されて、続々面白い造り手が表れているようです。
目が離せないですねー。
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“自家製スピリッツ”の記事の日本語訳は「総合解説」2012年7月号に載っています。
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2014年10月30日木曜日
キャロブ
今日はイタリア便りです。
では、segnalibroさん、お願いしまーす。

栗にかぼちゃに・・・えっ、この豆みたいなの、なに?

八百屋のおじさんに尋ねたところ、昔はシチリアでよく食べられていたけれど、今はもう馬や牛しか食べないかも・・・。
Frutta dimenticata忘れられた果実の一つで、Carrubaというのだと教えてくれました。
これ、鞘を乾燥させたもので、鞘ごとかじるのだそうです。
味見用に数本いただいちゃいました。
種は固くて食べれないから出すように、とのこと。

ほんのり甘味があって、なんというか、敢えて言うと、干しイモを食べているみたい。
テレビを見ながら食べると、女子にはクセになりそうな味です。フフフ。
帰宅後、早速調べてみました。
カッルーバ。日本語ではイナゴ豆。
キャロブとも呼ばれていて、wiki先生によると種は均一性が高く、昔は重さの単位として使われていたそうで、宝石の質量を表す単位カラットの語源はこれなんだとか。
その話、聞いたことあるかもー!!
夏にシチリアに行った時、車窓に見える特徴的な植物は3種類あると聞きました。
うちわサボテンと、100年に1度しか花が咲かないと言われるリュウゼツ蘭(しかし、ボコボコ咲いていた)、そしてカラットの語源になったキャロブの木だと教えてもらったのですが、キャロブだけ分からなかったんです。
あー、これがキャロブなのね。
豆みたいだけれど、木なのかな?
キャロブは地中海沿岸原産の植物で、イタリアではトスカーナが分布の北限らしいのこと。 私の住む地域にはないので、ネットからお借りしたお写真がこちら。

うーん、こんな大木の木陰で、本を読みながらお昼寝したら気持ちいいだろうなぁ。
キャロブは高さ7~10mの常緑樹。
ゆっくりと成長する木で、樹齢500年になるものもあるそうです。
丈夫なので、家具や工具類の持ち手、煙草のパイプなどに使われるのだとか。
キャロブのテーブルセットとか、

クルミとキャロブのライティングデスク。19Cのアンティーク。

Amazon.itでは、キャロブの木で作ったお箸と箸置きのセットが販売されていました。
シチリアのラグーザでは、現在でもキャロブの実を収穫しているそうですが、ラグザーノ cosacavaddu という伝統のチーズを作る際には、大桶と押し型は栗の木、撹拌する棒はオレンジの木、そしてキャロブの薪で温めたお湯を使うというのが古くからの方法なのだそうです。
こんなチーズです。おいしそう。

さて、この話を日本でヨガの先生をしている幼馴染に話したところ、ベジタリアンはチョコレートの代わりにキャロブのお菓子を食べてるよ、と教えてくれました。
キャロブの実のパウダーを使うと、動物性食品を含まないチョコレート風味のお菓子が作れるのだそうです。
なるほどー。
イタリアでのキャロブのレシピを調べてみると、パウダーをパスタやニョッキに練り込んだり、タルトやビスコッティに混ぜたりするものが多いようです。
また、実を粗く砕いて数日間水につけたものを漉して煮詰め、シロップにする、というものもありました。
お好みで、レモンやオレンジの皮を加えてもいいそうですが、昔は咳やのどの痛みに効くとのことで、このシロップを飲んだそうです。
さらには王道、アルコールに漬けるというのもありました。これは、サルデーニャ産。

サルデーニャのリキュールといえばミルトですが、これも同じく食後酒。
デザートと一緒に飲んでもよいし、ジェラートに添えてもよいとのこと。
チョコレート風味になるのかしら。
町内の八百屋さんのキャロブはプーリア産でした。
オリーブの木は法律で保護されて、勝手に伐採してはいけないことはよく知られていますが、プーリア州では、キャロブの木も保護の対象なのだそうです。
ちなみにキャロブの生産量は、スペインとイタリアで全体の50%を占めており、続いてモロッコ、ポルトガル、トルコ、ギリシャ・・・あれ、なんだかオリーブの生産国と重なりますね。
後日、改めてキャロブを買いに行くと、私の前に並んだ上品なシニョーラがごっそり買い占めていました。
なんだ、やっぱりイタリア人も食べるのだわー、と思ったら、レバノン出身のご婦人でした。
故郷を思い出す懐かしの食べ物で、レバノンでも鞘ごとかじるのだそうです。
キャロブはまさに地中海世界の味なんですね!!
私も気に入っちゃいました。
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では、segnalibroさん、お願いしまーす。
町内の八百屋さんの軒先も、すっかり秋の装いになりました。

栗にかぼちゃに・・・えっ、この豆みたいなの、なに?
初めて見ました!

八百屋のおじさんに尋ねたところ、昔はシチリアでよく食べられていたけれど、今はもう馬や牛しか食べないかも・・・。
Frutta dimenticata忘れられた果実の一つで、Carrubaというのだと教えてくれました。
これ、鞘を乾燥させたもので、鞘ごとかじるのだそうです。
味見用に数本いただいちゃいました。
種は固くて食べれないから出すように、とのこと。

ほんのり甘味があって、なんというか、敢えて言うと、干しイモを食べているみたい。
テレビを見ながら食べると、女子にはクセになりそうな味です。フフフ。
帰宅後、早速調べてみました。
カッルーバ。日本語ではイナゴ豆。
キャロブとも呼ばれていて、wiki先生によると種は均一性が高く、昔は重さの単位として使われていたそうで、宝石の質量を表す単位カラットの語源はこれなんだとか。
その話、聞いたことあるかもー!!
夏にシチリアに行った時、車窓に見える特徴的な植物は3種類あると聞きました。
うちわサボテンと、100年に1度しか花が咲かないと言われるリュウゼツ蘭(しかし、ボコボコ咲いていた)、そしてカラットの語源になったキャロブの木だと教えてもらったのですが、キャロブだけ分からなかったんです。
あー、これがキャロブなのね。
豆みたいだけれど、木なのかな?
キャロブは地中海沿岸原産の植物で、イタリアではトスカーナが分布の北限らしいのこと。 私の住む地域にはないので、ネットからお借りしたお写真がこちら。

うーん、こんな大木の木陰で、本を読みながらお昼寝したら気持ちいいだろうなぁ。
キャロブは高さ7~10mの常緑樹。
ゆっくりと成長する木で、樹齢500年になるものもあるそうです。
丈夫なので、家具や工具類の持ち手、煙草のパイプなどに使われるのだとか。
キャロブのテーブルセットとか、

クルミとキャロブのライティングデスク。19Cのアンティーク。

Amazon.itでは、キャロブの木で作ったお箸と箸置きのセットが販売されていました。
シチリアのラグーザでは、現在でもキャロブの実を収穫しているそうですが、ラグザーノ cosacavaddu という伝統のチーズを作る際には、大桶と押し型は栗の木、撹拌する棒はオレンジの木、そしてキャロブの薪で温めたお湯を使うというのが古くからの方法なのだそうです。
こんなチーズです。おいしそう。

さて、この話を日本でヨガの先生をしている幼馴染に話したところ、ベジタリアンはチョコレートの代わりにキャロブのお菓子を食べてるよ、と教えてくれました。
キャロブの実のパウダーを使うと、動物性食品を含まないチョコレート風味のお菓子が作れるのだそうです。
なるほどー。
イタリアでのキャロブのレシピを調べてみると、パウダーをパスタやニョッキに練り込んだり、タルトやビスコッティに混ぜたりするものが多いようです。
また、実を粗く砕いて数日間水につけたものを漉して煮詰め、シロップにする、というものもありました。
お好みで、レモンやオレンジの皮を加えてもいいそうですが、昔は咳やのどの痛みに効くとのことで、このシロップを飲んだそうです。
さらには王道、アルコールに漬けるというのもありました。これは、サルデーニャ産。

サルデーニャのリキュールといえばミルトですが、これも同じく食後酒。
デザートと一緒に飲んでもよいし、ジェラートに添えてもよいとのこと。
チョコレート風味になるのかしら。
町内の八百屋さんのキャロブはプーリア産でした。
オリーブの木は法律で保護されて、勝手に伐採してはいけないことはよく知られていますが、プーリア州では、キャロブの木も保護の対象なのだそうです。
ちなみにキャロブの生産量は、スペインとイタリアで全体の50%を占めており、続いてモロッコ、ポルトガル、トルコ、ギリシャ・・・あれ、なんだかオリーブの生産国と重なりますね。
後日、改めてキャロブを買いに行くと、私の前に並んだ上品なシニョーラがごっそり買い占めていました。
なんだ、やっぱりイタリア人も食べるのだわー、と思ったら、レバノン出身のご婦人でした。
故郷を思い出す懐かしの食べ物で、レバノンでも鞘ごとかじるのだそうです。
キャロブはまさに地中海世界の味なんですね!!
私も気に入っちゃいました。
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2014年10月27日月曜日
ラッテ・ディ・スオチェーラ
今発売中の「総合解説」の中で、私的に一番衝撃的だったリチェッタは、
「latte di suocera」です。
日本語に訳すと「姑のミルク」です。
ぶ、不気味すぎる。
手作りキュールのリチェッタの一つなんですが、こんな衝撃的な名前の飲み物なのに、記事には何の解説もなし。
ということは、イタリア人がよく知っている飲み物なんですね。
こちらのwiki先生によると、19世紀半ばにボルトロ・ザニンといういう人がヴィチェンツァ県のズリアーノというところで造った蒸留酒で、特徴は75度というアルコール度の高さ。
ぶどうの搾り滓と高山の野草をアルコールに浸して仕上げにオークの樽で寝かせています。
なぜか不気味におどろおどろしいラベルは、1895年の販売当初からのデザイン。
ディスティッレリーア・ザニンのwebページはこちら。
飲み込んだ時の喉や胃袋の焼けるような感じが、姑さんのいやみそっくりだったからこう名付けたんだって。
ボルトロ・ザニンさん、どんな嫁姑問題抱えてたの?
↓
ラッテという名前でも、こはく色でカラメル風味、ドライフルーツやカカオの香りが感じられるお酒なんだそうです。
でも、こんなのストレートで飲むもんじゃない。
それにしても、こんな世界的に見ても異常にアルコール度の高いお酒の造り方を家庭料理の雑誌で紹介するって、どんだけ職人気質なんだイタリア人。
しかも、親切に家庭で作りやすいようにというアレンジまで加えてるから、度数の高いアルコールさえあれば、ほんとに簡単にできちゃうんですよ、これが。
しかも、紹介しているリチェッタは、なんと牛乳で作るリモンチェッロ風という、斜め上をいくアレンジ。
この記事では、さらに、バジリコで作るバジリチェッロなるお酒まで造り方を紹介してます。
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ラッテ・ディ・スオチェーラのリチェッタを含む“自家製スピリッツ”の記事の日本語訳は「総合解説」2012年7月号に載っています。
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「latte di suocera」です。
日本語に訳すと「姑のミルク」です。
ぶ、不気味すぎる。
手作りキュールのリチェッタの一つなんですが、こんな衝撃的な名前の飲み物なのに、記事には何の解説もなし。
ということは、イタリア人がよく知っている飲み物なんですね。
こちらのwiki先生によると、19世紀半ばにボルトロ・ザニンといういう人がヴィチェンツァ県のズリアーノというところで造った蒸留酒で、特徴は75度というアルコール度の高さ。
ぶどうの搾り滓と高山の野草をアルコールに浸して仕上げにオークの樽で寝かせています。
なぜか不気味におどろおどろしいラベルは、1895年の販売当初からのデザイン。
ディスティッレリーア・ザニンのwebページはこちら。
飲み込んだ時の喉や胃袋の焼けるような感じが、姑さんのいやみそっくりだったからこう名付けたんだって。
ボルトロ・ザニンさん、どんな嫁姑問題抱えてたの?
↓
ラッテという名前でも、こはく色でカラメル風味、ドライフルーツやカカオの香りが感じられるお酒なんだそうです。
でも、こんなのストレートで飲むもんじゃない。
それにしても、こんな世界的に見ても異常にアルコール度の高いお酒の造り方を家庭料理の雑誌で紹介するって、どんだけ職人気質なんだイタリア人。
しかも、親切に家庭で作りやすいようにというアレンジまで加えてるから、度数の高いアルコールさえあれば、ほんとに簡単にできちゃうんですよ、これが。
しかも、紹介しているリチェッタは、なんと牛乳で作るリモンチェッロ風という、斜め上をいくアレンジ。
この記事では、さらに、バジリコで作るバジリチェッロなるお酒まで造り方を紹介してます。
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ラッテ・ディ・スオチェーラのリチェッタを含む“自家製スピリッツ”の記事の日本語訳は「総合解説」2012年7月号に載っています。
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2014年10月23日木曜日
ベドーニ・エジディオのパルマの生ハム
今日はパルマの生ハムの話。
恒例、ガンベロ・ロッソの食材ベスト10のコーナーで、パルマの生ハムナンバー1に選ばれたのは、
ベドーニ・エジディオという地元ではよく知られたメーカー。
webページはこちら。
チブス・ヴィジットパルマの同社のブース。
壁には「ガンベロ・ロッソでナンバー1」のポスターが、どーんと貼られています。
記事が出たのは2年前ですが、いまだに威力を発揮しているようです。
↓
ナンバー1に選ばれたのは、彼らの24か月熟成の生ハムでした。
ちなみに、パルマの生ハムは、9kg以上のものは最低12か月熟成させる、と定められていますが、上限はないのでたいていがもっと長く熟成させます。
熟成させると、タンパク質分解の過程でチロシンというアミノ酸ができます。
パルミジャーノのような長期熟成チーズにもあることか知られていますが、なかなか優れもののアミノ酸のようです。
長期熟成させると旨みは増しますが、その分、新鮮さやしっとり感が失われます。
ところが、このメーカーの生ハムは、コクと柔らかさと艶を合わせ持って、フレッシュさと複雑なアロマが同居しているのだそうです。
こういう味を出せるのは、特殊な機械ではなく、代々受け継がれてきた職人技。
生ハム作りは、独自の気候条件や職人の経験と腕に左右されるんですね。
熟成期間が長くなるほど、職人技の要素も大きくなるでしょう。
1963年のパルマの生ハムのPV。
50年前でも今と何も変わらず、パルマの空気と職人の腕が生ハム作りの秘密だと語っています。
↓
生ハムは豚肉、塩、時間が作る職人技の結晶なんですね。
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"パルマの生ハム、ベスト10"の記事の日本語解説は、「総合解説」2012年6月号に載っています。
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恒例、ガンベロ・ロッソの食材ベスト10のコーナーで、パルマの生ハムナンバー1に選ばれたのは、
ベドーニ・エジディオという地元ではよく知られたメーカー。
webページはこちら。
チブス・ヴィジットパルマの同社のブース。
壁には「ガンベロ・ロッソでナンバー1」のポスターが、どーんと貼られています。
記事が出たのは2年前ですが、いまだに威力を発揮しているようです。
↓
ナンバー1に選ばれたのは、彼らの24か月熟成の生ハムでした。
ちなみに、パルマの生ハムは、9kg以上のものは最低12か月熟成させる、と定められていますが、上限はないのでたいていがもっと長く熟成させます。
熟成させると、タンパク質分解の過程でチロシンというアミノ酸ができます。
パルミジャーノのような長期熟成チーズにもあることか知られていますが、なかなか優れもののアミノ酸のようです。
長期熟成させると旨みは増しますが、その分、新鮮さやしっとり感が失われます。
ところが、このメーカーの生ハムは、コクと柔らかさと艶を合わせ持って、フレッシュさと複雑なアロマが同居しているのだそうです。
こういう味を出せるのは、特殊な機械ではなく、代々受け継がれてきた職人技。
生ハム作りは、独自の気候条件や職人の経験と腕に左右されるんですね。
熟成期間が長くなるほど、職人技の要素も大きくなるでしょう。
1963年のパルマの生ハムのPV。
50年前でも今と何も変わらず、パルマの空気と職人の腕が生ハム作りの秘密だと語っています。
↓
生ハムは豚肉、塩、時間が作る職人技の結晶なんですね。
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"パルマの生ハム、ベスト10"の記事の日本語解説は、「総合解説」2012年6月号に載っています。
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2014年10月20日月曜日
サン・ダニエーレの生ハム
今日は生ハムの話。
メイド・イン・イタリーの食材の代表各の生ハムですが、有名なのはパルマの生ハムとサン・ダニエーレの生ハム。
とは言っても、サン・ダニエーレの生ハムは、知名度の割には日本でお目にかかる機会はそう多くはないですよね。
そもそも、パルマとサン・ダニエーレの生ハムはどこが違うのでしょうか。
上がパルマ、下がサン・ダニエーレ。
↓
足がついていれば、まだ、サン・ダニエーレだと分る。
↓
でもこうなるともう分らない。
これはパルマの生ハム。
↓
なにしろ、パルマとサン・ダニエーレでは、原料となる豚は、どちらもイタリア中~北部の10の州で飼育された月齢9か月以上で重さ160㎏の豚。
どちらも、海風と山風が出会い、湿気をもたらす川がある場所。
はっきり言ってそっくり。
ところが、そんな両者が、決定的に違う点が一つあるんです。
さー、なんでしょう?
熟成期間?
確かに違うけど、法律で定められているのは最低熟成期間で、違いは1、2か月の範囲です。
答えは、ずばり生産量。
パルマの生ハムの生産量はサン・ダニエーレの生ハムの3倍以上です。
そもそも、サン・ダニエーレの生ハムは、サン・ダニエーレ・ディ・フリウリというコムーネだけで造られています。
造り手は約30軒で、年間生産量は270万本。
一方、パルマの生ハムの管理組合に属する造り手は、パルマ県全域に約160軒。
年間生産量は900万本。
イタリアの食材の場合、日本で普及するかどうかは生産量がたっぷりあるかどうかにかなり左右されると思うので、この少なさじゃあ、日本まではなかなか入ってきませんねえ。
なので、サン・ダニエーレの生ハムは、機会があったら、必ず味見しといたほうがいい食材ですねー。
サン・ダニエーレの見分け方を教える動画。
↓
サン・ダニエーレはフリウリのウーディネ県の町。
生ハムの生産者が中心となった生ハム祭り。
↓
サン・ダニエーレはこんな町。
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参考にした記事、“パルマの生ハム、ベスト10/ガンベロ・ロッソ”の日本語訳は「総合解説」2012年6月号に載っています。
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メイド・イン・イタリーの食材の代表各の生ハムですが、有名なのはパルマの生ハムとサン・ダニエーレの生ハム。
とは言っても、サン・ダニエーレの生ハムは、知名度の割には日本でお目にかかる機会はそう多くはないですよね。
そもそも、パルマとサン・ダニエーレの生ハムはどこが違うのでしょうか。
上がパルマ、下がサン・ダニエーレ。
↓
足がついていれば、まだ、サン・ダニエーレだと分る。
↓
でもこうなるともう分らない。
これはパルマの生ハム。
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なにしろ、パルマとサン・ダニエーレでは、原料となる豚は、どちらもイタリア中~北部の10の州で飼育された月齢9か月以上で重さ160㎏の豚。
どちらも、海風と山風が出会い、湿気をもたらす川がある場所。
はっきり言ってそっくり。
ところが、そんな両者が、決定的に違う点が一つあるんです。
さー、なんでしょう?
熟成期間?
確かに違うけど、法律で定められているのは最低熟成期間で、違いは1、2か月の範囲です。
答えは、ずばり生産量。
パルマの生ハムの生産量はサン・ダニエーレの生ハムの3倍以上です。
そもそも、サン・ダニエーレの生ハムは、サン・ダニエーレ・ディ・フリウリというコムーネだけで造られています。
造り手は約30軒で、年間生産量は270万本。
一方、パルマの生ハムの管理組合に属する造り手は、パルマ県全域に約160軒。
年間生産量は900万本。
イタリアの食材の場合、日本で普及するかどうかは生産量がたっぷりあるかどうかにかなり左右されると思うので、この少なさじゃあ、日本まではなかなか入ってきませんねえ。
なので、サン・ダニエーレの生ハムは、機会があったら、必ず味見しといたほうがいい食材ですねー。
サン・ダニエーレの見分け方を教える動画。
↓
サン・ダニエーレはフリウリのウーディネ県の町。
生ハムの生産者が中心となった生ハム祭り。
↓
サン・ダニエーレはこんな町。
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参考にした記事、“パルマの生ハム、ベスト10/ガンベロ・ロッソ”の日本語訳は「総合解説」2012年6月号に載っています。
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