今月の「総合解説」のグルメガイドで紹介している街は2つ。
その一つが、バジリカータ州のマテーラ。
その洞窟住居は世界遺産だし、現実離れした幻想的な光景を、ぜひ一度見てみたいと思って訪れる人も多いはず。
かくいう私も、その一人でした。
町の中を歩き回って不思議な世界だなあ、などと感じ、コジャレたレストランに入ってオシャレな町だなあ、なんて思って、今度はこの中のホテルに泊まりたいなあ、なんて無邪気に思っていました。
でも、グルメガイドのマテーラの話は、ショッキングな話から始まりました。
「マテーラのサッシ地区は、国の恥として解体する法律も認可され、数百人の住民はみじめな極貧の生活を送っていた。
家畜と一緒の家に住み、子供の死亡率は第三世界なみだった・・・。」
国の恥と言われてたなんて。
現在の観光地化した町しか知らないと、とても信じられません。
とても楽しげなミニマテーラの動画。
1963年のマテーラ
さらに昔のマテーラは、こんなに活気あふれる町でした。
動画
詳しい町の歴史はwikiでもどうぞ。
こちら。
バジリカータは、イタリアの中でも何故か一歩引かれているような州です。
バジリカータのことを語る時は、外国のように他人事な雰囲気。
というか、そもそも滅多に語りません。
地方料理に関しても、圧倒的に情報不足です。
多分、一番有名なマテーラ名物、パーネ・ディ・マテーラ。
動画
こんなに美味しいものができるんだから、素晴らしい食文化があるはず。
このパンの歴史にも、マテーラの浮き沈みは影響していました。
町が栄えていた頃は、このパンは各家庭で生地を作って町の共同かまどで焼いていまいした。
ところが、サッシが消えるにつれてこの習慣も消滅します。
ただ、素晴らしいのは町と同じで、このパンも復活するのです。
数件のパン屋さんによって伝統が守られて、完全に消滅することはなかったんですね。
2019年の欧州文化都市(wiki)に選ばれているマテーラ。
町の発展にも一層弾みがつくことでしょう。
-------------------------------------------------------
“マテーラ”のグルメガイド記事の日本語訳は「総合解説」2012年7月号に載っています。
[creapasso.comへ戻る]
=====================================
2014年11月10日月曜日
登録:
コメントの投稿 (Atom)
ジェラートはパンとの相性も良いデセール。シチリアとナポリの人のジェラートの食べ方は、ほんとに自由。
今日は、(CIR)7月号のリチェッタから、ジェラートの話(P.12)。 リチェッタのテーマは、シンプルにコーンやカップに入れるジェラートではなく、クロスタータやボンボローニ、はてはフォカッチャにのせるジェラート。 ジェラートのデセールの最高峰はトルタ・ジェラート。 パン・ジェラー...
-
グラナ・パダーノの話、その2です。 イタリアで流通しているハードチーズの50%近くを占めるグラナ・パダーノ(AC Nielsen調べ)。 2008年の生産量は、435万5347個でした。 平均的な販売価格は11.05ユーロ/㎏。 イタリアの硬質チーズの平均価格は12.70ユーロな...
-
今日はブラザートの話。 『ラ・クチーナ・イタリアーナ』の記事の解説です。 バローロのブラザート, photo by Silvio 記事によると、 ブラザート brasato は、イタリア語で「炭」という意味の“ブラーチェ brace ”の古い呼び方、“ブラーザ brasa ”が...
-
今日のお題はプリーモピアット。今月の「 総合解説 」P.5の料理です。 スパゲッティなんですが、料理名がやたらカッコイイ。 “アサシンのスパゲッティspaghetti all'asssassina”だって。 初めて聞きました。 聞いたこともない料理だったのに、逆にnetに...
0 件のコメント:
コメントを投稿