2008年10月15日水曜日

セナトーレ・カッペッリ小麦のスパゲットーニ、その2

今日は昨日の続きで、セナトーレ・カッペッリ小麦の話。

セナトーレ・カッペッリとは、カッペッリ上院議員、という意味です。
この人、ラッファエーレ・カッペッリという侯爵で、第一次世界大戦の頃の人物。
農学改革に取り組み、小麦を硬質と軟質に分類したことで知られています。
イタリア農業協会の会長も務めていました。

彼の名前をもらったセナトーレ・カッペッリ小麦は、硬質小麦です。
穀物栽培の分野では世界的に有名なナザレーノ・ストランペッリという人によって、1915年に作りだされました。
南部を中心にイタリア中に普及し、1960年代までは、イタリアでもっとも多く栽培されていた小麦です。
収穫量の多い品種で、重い小麦がたくさん実るのが特徴ですが、背が高いために風や雨などの影響を受けやすいのが欠点。

世界中の硬質小麦のほとんどは、このセナトーレ・カッペッリ小麦を改良したものなんだそうです。
そして、もっと生産性が高く、背の低い硬質小麦が作りだされるようになると、次第に姿を消していきました。

そんなセナトーレ・カッペッリ小麦に再び日の目を当てたのが、パスタ・メーカーたち。
特にラティーニ社は、1992年に、世界初のセナトーレ・カッペッリ小麦100%の製品を発表しています。
そのパスタは、薪で焼いたパンのような香りと、煮崩れしにくい腰の強さが特徴。

ラティーニのセナトーレ・カッペッリ小麦のパスタ
 ↓
www.latini.com

アップで見ると
 ↓
www.flickr.com


La pasta Latini
水色のパッケージがセナトーレ・カッペッリのパスタシリーズ, photo by Antonio Tombolini


ラティーニ以外にも、様々なメーカーがセナトーレ・カッペッリ小麦のパスタを作っています。

ラ・トルキーナ
ビオランド
マレッラ

小さくても意欲的なイタリアのパスタメーカーたち、これからも、おいしいパスタをどんどん作りだして欲しいですね。



-------------------------------------------------------

関連誌;『ガンベロ・ロッソ』2007年9月号(クレアパッソで販売中)
“セナトーレ・カッペリ小麦のスパゲットーニのアーリオ・エ・オーリオ”のリチェッタと写真は、「総合解説」'06&'07年9月号、P.13に載っています。


[creapasso.comへ戻る]

=====================================

2008年10月14日火曜日

セナトーレ・カッペッリ小麦のスパゲットーニ、その1

今日はパスタの話。
『ガンベロ・ロッソ』の記事、“小麦以外のパスタ”の解説です。

この記事は、普通の小麦粉以外の粉を使ったパスタの特集。
スペルト小麦のパスタ、カムート麦のパスタ、タガンログ小麦のパスタ・・・。
イタリアには様々なパスタがあるんですねえ。

今日取り上げるのは、セナトーレ・カッペッリ小麦のスパゲットーニ
パスティフィーチョ・ファッブリ社(ファブリ)の製品です。

ファッブリ社のhpはこちら。
 ↓
www.pastafabbri.it

ファッブリは、様々なこだわりのあるパスタを作っている興味深いメーカーで、トスカーナのキアンティ地方にあります。
製品は日本にも入っているようですね。
ギフト用の、“手で包んだパスタ”というのもあります。
下の動画は、社長のジョヴァンニ・ファッブリ氏が自ら包んで見せている様子。





ファッブリのパスタの中でも、有名なのはスパゲットーニ。
スパゲットーニだけで何種類もあります。

ファッブリのスパゲットーニを使った一品
 ↓
flickr.com


そんなファッブリのスパゲットーニを使ったメニューで有名なのが、イル・トルド・マットというレストラン。
ローマ近郊の、ザガローロという町のリストランテです。
店のhpはこちら。
 ↓
www.iltordomatto.com

ファッブリのスパゲットーニを使ったアーリオ・オーリオは、店のスペチャリタの一つ。
艶々でぷっくりした麺に、とろ~りとした煮汁がたっぷりからまって、主役は麺!という主張がバンバン伝わってくるような一品です。

『ガンベロ・ロッソ』の記事にもあるように、イル・トルド・マットのアーリオ・オーリオは、普通のアーリオ・オーリオとはまったく違う作り方をします。
フライパンににんにく、唐辛子、水を入れて沸騰させ、そこに乾麺と岩塩を入れて、熱湯を少量ずつかけながら、リゾットのように煮ていくのです。
その結果、パスタから澱粉が溶けだし、あたかも水と油が乳化したかのようなとろみが生まれて、それが麺を包みこんでいるわけです。

これだけのとろみを出すには、澱粉を多く含んだ太い麺が必要になります。
そこで選んだのが、直径が3mm以上という、イタリアでもっとも太いスパゲットーニ。
澱粉が多いと、麺を乾燥させる時間が長くかかります。
腰を残そうとすると、かなりの歯ごたえが要求されます。
そんなこんなで、かなりの手間暇をかけて作りだされた麺なんですねー。

この料理の写真(「総合解説」に載せました)を見ていると、スパゲットーニが食べたくなります。

スパゲットーニ・トンナータ

アンチョビーと香草パン粉のスパゲットーニ

シチリア風ペーストのスパゲットーニ



イル・トルド・マットのアーリオ・オーリオのスパゲットーニのために選ばれたのが、セナトーレ・カッペッリ小麦。
次回は、この小麦の話です。



-------------------------------------------------------

関連誌;『ガンベロ・ロッソ』2007年9月号(クレアパッソで販売中)
“セナトーレ・カッペリ小麦のスパゲットーニのアーリオ・エ・オーリオ”のリチェッタと写真は、「総合解説」'06&'07年9月号、P.13に載っています。


[creapasso.comへ戻る]

=====================================

2008年10月10日金曜日

モンゴルから麺を伝えたイタリア入

今日は、ジョヴァンニ・ダ・ピアン・デル・カルピーネの話。
『サーレ&ぺぺ』の記事、“リグーリア風ポルチーニのラザニェッテ”の解説です。

まず、ジョヴァンニ・ダ・ピアン・デル・カルピーネ Giovanni da Pian del Carpine って、誰?
『サーレ&ペペ』の記事によると、イタリア料理の歴史上、重要な人物。
でも、聞いたことない名前だなあ。

で、調べてみたら、なんと、モンゴル帝国の宮廷に入った最初のヨーロッパ人なんだそうです。

彼は、12世紀末にペルージャの近くのマジョーネという町で生まれて、フランシスコ会の修道士になりました。
1245年に、ローマ教皇の命でモンゴルに赴きす。
その目的は、表向きは、モンゴルとの同盟の道を探って、聖地解放のためのトルコとの戦いを優位にすること。
でも本音は、モンゴルによるキリスト教徒の殺戮を止めさせて、罪を悔い改めさせようというもの。

当時のモンゴル帝国は、チンギス・ハーンの孫の、第三代皇帝グユク・ハーンが治めていました。
マルコ・ポーロの『東方見聞録』によれば、マルコ・ポーロが中国に行ったのは、1271年の元の時代のこと。
その時の元の皇帝は、第五代モンゴル皇帝のフビライ・カーン。
ジョヴァンニ・ダ・ピアン・デル・カルピーネの方が26年早かったわけです。

当時のヨーロッパは、チンギス・ハーンたちから攻め込まれて、戦々恐々としていました。
ジョヴァンニ神父の使命には、モンゴルの力を観察することも含まれていたようで、モンゴル滞在中は詳細に国を観察しています。
そして帰国後、『モンゴルの歴史』という本を書きました。
この本によってヨーロッパ人は、モンゴルの軍事力に対する認識が甘かったことを知らされます。

ジョヴァンニ神父は、軍事的なことだけでなく、人々の生活の様子も観察しました。
そして彼が伝えたものの中に、“麺”があったという訳です。

神父は1247年にイタリアに戻り、その5年後の1252年にモンテネグロで亡くなりました。

イタリアのパスタの歴史に、実際に彼がどれだけ貢献しているのかは謎ですが、少なくとも、マルコ・ポーロより先にオリエントの麺に出会った、ということは認められているようですね。


モンゴルの台所
 ↓
www.flickr.com

モンゴルの麺料理
 ↓
www.flickr.com



-------------------------------------------------------

関連誌;『サーレ&ペペ』2006年9月号(クレアパッソで販売中)
“リグーリア風ポルチーニのラザニェッテ”の解説は、「総合解説」'06&'07年9月号、P.4に載っています。


[creapasso.comへ戻る]

=====================================

2008年10月8日水曜日

カペッツォリ・ディ・ヴェーネレ

今日はヴィーナスの乳房の話、その2。

映画『アマデウス』で有名になったドルチェ、ヴィーナスの乳房。
イタリア語では、カペッツォリ・ディ・ヴェーネレ capezzoli di Venere 。

このドルチェ、映画のおかげで“サリエリのお菓子”、というイメージがすっかり定着しているようです。
いったいどんなドルチェなのか調べてみると、どうもヴェネト州ヴェローナ県の、レニャーゴ Legnago という町のドルチェらしい。

という訳で、レニャーゴについて調べてみると、サリエリ劇場というのが町にあるのを発見。
ん?これはもしかして、ここがサリエリの生まれ故郷?
で調べてみたら、やっぱりそうでした。

アントニオ・サリエリは、1750年、レニャーゴの裕福な商人の家庭に生まれました。
1770年にウイーンに渡り、33歳で宮廷楽長になり、30年以上ずっとその職にあったのだそうです。
甘いものが好きだったという話も残っています。

そうか、あれは彼の故郷のお菓子だったのか・・・。

イタリア各州のドルチェを網羅した本、『L'Italia dei dolci』(Touring Club Italiano)によると、カペッツォリ・ディ・ヴェーネレは、マロンペースト、ココア、砂糖、リキュールがベースの古い菓子。
しばらく忘れ去られていたのですが、レニャーゴの大手菓子メーカー、スカルパートが製造するようになって、再び日の目を浴びました。
2006年のモーツァルトイヤーのおかげで、イタリアよりオーストリアでよく売れた模様。

スカルパートのhpはこちら。
残念ながら、製品の中にカペッツォリ・ディ・ヴェーネレの名前はなし。
まだ作ってるのかなあ。
 ↓
www.scarpato.it


映画では「栗のお菓子」と言っているのですが、ネット上に唯一出回っているカペッツォリ・ディ・ヴェーネレのリチェッタには、なぜか栗は入っていません。
とりあえず訳してみます。
原文と写真はこちら。
 ↓
www.cookaround.com

材料/18個分
 アーモンド・・25g
 生クリーム・・90cc
 バター・・10g
 バニラビーンズ・・1/2本
 ホワイトチョコレート・・150g+コーティング用100~150g
 マジパン・・10g
 ビターココアパウダー
 ラム酒(または他のリキュール)

・アーモンドと砂糖少々を粉にする。
・生クリーム、バター、バニラ(開く)を沸騰させる。バニラを取り除き、チョコレート150gにかけてよく混ぜる。
・アーモンドの粉とリキュールも加えて混ぜる。水にあてて冷まし、こねられる程度に固める。
・コーティング用のチョコレートを溶かす。
・マジパンにココアパウダーを加えて小さく丸める。
・固まったチョコレートをくるみ大に丸め、やや円錐形にして冷蔵庫で軽く固める。
・溶かしたチョコレートでコーティングし、中央にマジパンをのせる。



おそらく、この中にマロンペーストを詰めれば、オリジナルのカペッツォリ・ディ・ヴェーネレに近いものになるのでしょうね。


そうそう、ヴィーナスの乳房はサリエリにまつわるチョコレートですが、モーツァルトにも有名なチョコレートがありました。
その名も、“モーツァルトクーゲルン MozartKugeln ”

MozartMania
モーツァルトクーゲルン, photo by Javier Pedreira


中はこんな風。
 ↓
commons.wikimedia.org

マジパンとヌガーをチョコレートで包んだもの。
ザルツブルグのチョコレートです。
多分、ビーナスの乳房よりはずっと有名。
モーツァルトとサリエリ、お菓子の世界でもライバル関係は同じようで。



-------------------------------------------------------

関連誌;『ラ・クチーナ・イタリアーナ』2006年9月号(クレアパッソで販売中)
ヴィーナスの乳房の話が出てくる“グルメ紀行~ヴァッレ・イサルコ”の記事は、「総合解説」'06&'07年9月号、P.2に載っています。


[creapasso.comへ戻る]

=====================================

2008年10月6日月曜日

ヴィーナスの乳房

今日は映画に出てきたドルチェの話。
『ラ・クチーナ・イタリアーナ』のグルメ紀行、“ヴァッレ・イサルコ”の解説です。

ヴァッレ・イサルコというのは、イタリアの北の端、オーストリアに接した、トレンティーノ・アルト・アディジェの南チロル地方にある渓谷地帯。


Valle d'Isarco
ヴァッレ・イサルコ地方の風景, photo by rachel_thecat


この地方の秋の名物の一つが、栗。
秋になると、この地方のレストランやパスティッチェリーアには、栗を使った自慢の料理やドルチェがあれこれ登場します。
そんな中で、『ラ・クチーナ・イタリアーナ』の記事でチラッと紹介されているのが、栗を使ったあるドルチェ。

その名も、ヴィーナスの乳房

1984年の映画、『アマデウス』の中に登場して有名になったドルチェです。

モーツァルトとサリエリという二人の作曲家を巡る、ミステリアスで絢爛豪華なこの映画、アカデミー賞の作品、監督、主演男優など8部門を受賞しています。
ヴィーナスの乳房が登場するのは、モーツァルトの妻コンスタンツェが、皇帝の姪の音楽教師の仕事に夫を推薦してもらおうと、サリエリの元を訪れた時。

この動画の02:20頃に出てきます。




サリエリはイタリア人。
コンスタンツェにお菓子を勧めて、
「これが何か、ご存じかな?
“カペッツォリ・ディ・ヴェーネレ Capezzoli di Venere ”、“ヴィーナスの乳房”です」

それを聞いたコンスタンツェの反応は、サリエリの期待通り。
「あ゛は・・・」
「ローマの栗のブランデー漬けの砂糖がけですよ。
お一つどうぞ」

コンスタンツェがお菓子を食べている間、サリエリはモーツァルトの楽譜を見て、その才能の完璧なまでの天才ぶりに驚愕し、打ちのめされます。
その間、コンスタンツェはひたすら食べ続けてますねー。
よっぽどおいしかったんでしょうねえ。


映画のヴィーナスの乳房はこれ。
 ↓
www.akakestrel.com


乳房をイメージしたイタリアのドルチェは、他にもあります。

これはカターニアのミニカッサータで、若くして殉教した聖女の乳房の形をしている“ミンヌッツェ minnuzze ”。

minnuzze di sant'aita
ミンヌッツェ, photo by Stefano Mortellaro


カッペッツォリ・ディ・ヴェーネレは、ヴェネトのドルチェのようですね。
リチェッタは次回にご紹介。



-------------------------------------------------------

関連誌;『ラ・クチーナ・イタリアーナ』2006年9月号(クレアパッソで定期購読の方へは近日発送)
“グルメ紀行~ヴァッレ・イサルコ”の記事は、「総合解説」'06&'07年9月号、P.2に載っています。


[creapasso.comへ戻る]

=====================================

2008年10月3日金曜日

ファルソマーグロ

今日はシチリア料理のファルソマーグロの話。
『クチーナ・エ・ヴィーニ』の記事の解説です。

ファルソマーグロ falso magro (またはファルスマーグル falsumagru )は、シチリアの代表的な肉料理の一つ。

Farsu Magru
ファルソマーグロ, photo by Nick Lüthi

“ファルソ”とは、「うその」とか、「にせの」という意味。
“マーグロ”は、「やせた」とか、「肉が入らない、野菜や魚だけ」、「赤身」という意味。
つまりくだけて言うと、「一見、やせているように見える」(着やせする人?、隠れメタボ?)とか、「実はこってり」、ということ。
料理の言葉なら、「野菜のようでも実は肉」、または「あっさりしているようで実はこってり系」。
イメージとしては、逆精進料理?

でも、このファルソマーグロ、どこから見ても立派な肉料理。
肉が入っていないように見える料理には見えないです。
と言うか、ほとんど全部肉です。

実態にそぐわないこの名前。
でも、『クチーナ・エ・ヴィーニ』の記事にもあるように、その由来を知ると、なーるほどと納得します。

この“ファルソマーグロ”という言葉、フランス語の“ farce maigre ファルス・メーグル”が語源だったんですねー。
フランス語の“ファルス”は「詰め物」のこと。
“メーグル”はイタリア語の“マーグロ”と同じ。
つまり、“ファルス”というフランス語を、発音がよく似たイタリア語の“ファルソ”に置き換えてしまった訳です。
スペルはfarceとfalsoで、微妙に違うんですが、細かいことは見て見ないふりしたのか・・・。

この料理がシチリアに広まったのは、13世紀にフランスのアンジュー家が島を支配していた時代と言われています。
つまり、元々はフランスから伝わった貴族階級の料理だったらしい。
フランス料理の“ファルス・メーグル”は、野菜の詰め物をした料理のこと。
当然、当初はフランス語で“ファルス・メーグル”と呼ばれる、野菜の詰め物をした料理だったはず。
それが、シチリアの庶民階級に広まっていくにつれて、野菜が入っていないように見える料理、という、正反対の意味の名前に変身してしまったとは。
しかも例によって、各家庭ごとに無数のバリエーションがどんどん誕生しました。
その結果、野菜が入っていないように見えるどころか、野菜がほぼ入っていない肉料理になってしまったのでした~。
ただし、この料理、詰め物を覆うのは、子牛の“赤身”、つまりマーグロな肉。
だから、カットする前は赤身肉の料理のように見える、という、ちょっとあとづけ的な解釈も成り立っています。


ファルソマーグロのリチェッタは色々ありますが、シンプルなのを1つどうぞ。
カターニア風ファルソマーグロです。
原文はこちら。
 ↓
www.gennarino.org


カターニア風ファルソマーグロ Falsomagro alla catanese(Falsomagro in bianco:versione senza pomodoro)

材料/
 子牛もも肉・・400g
 スライスしたパンチェッタ・・100g
 赤身の牛挽肉・・250g
 卵・・5個
 パンのクラム・・50g
 牛乳
 パルミジャーノ・・70g
 ナツメグ
 塩、こしょう
 玉ねぎ・・1個
 白ワイン・・100cc
 オリーブオイル・・30cc
 小麦粉・・15g
 ブロード・ディ・カルネか野菜のブロード・・レードル2杯

・肉を開いて叩き、パンチェッタで完全に覆う。
・挽肉、卵1個、パン(牛乳に浸す)、パルミジャーノ、塩、こしょう、ナツメグをよくこねて肉の上に広げる。
・卵4個をゆでて殻をむき、肉の中央に一列に並べる。
・肉を巻いて(必要なら縫って閉じる)糸で縛る。
・ロールを油で焼く。
・玉ねぎのみじん切りを油で炒め、ロールを入れて熱する。ワインをかけてアルコール分を飛ばす。
・プロードを加えてアルミ箔で覆い、さらに蓋をする。とろ火で30分煮る。
・ロールを取り出して冷まし、厚くスライスする。
・一般的なコントルノは、玉ねぎのソッフリットに入れて炒めたグリーンピースにファルソマーグロの煮汁少々をかけてなじませたもの。



この他に、サルシッチャやサラミが入るリチェッタもあります。
このタイプの肉料理はイタリア各地にありますよね。
家庭料理の定番。
中央に燦然と輝くゆで卵を見ると、食べたくなるなあ。



-------------------------------------------------------

関連誌;『クチーナ・エ・ヴィーニ』2007年7/8月合併号(クレアパッソで販売中)
ファルソマーグロの話は、「総合解説」'06&'07年8月号、P.32に載っています。


[creapasso.comへ戻る]

=====================================

2008年10月1日水曜日

アスコリ風オリーブ

今日はアスコリ風オリーブの話。
前回に引き続き、『ガンベロ・ロッソ』の記事、“フリット・ミスト”の解説です。

『ガンベロ・ロッソ』のこの記事は、2005年以来、アスコリ・ピチェーノで開催されている「フリット・ミスト・アッラ・イタリアーナ」というイベントを紹介したものです。
イタリア各地や世界のフリットを味わおう、というこのイベント、そもそもは、アスコリ産オリーブのプロモーションの一つとして考え出されました。

フリット・ミスト・アッラ・イタリアーナのhp
 ↓
www.frittomistoallitaliana.it

イベントの紹介動画





アスコリ・ピチェーノは、マルケ州の南の端にある町。

ここで問題です。
マルケ料理と言えば、何?

・・・・・。

さーてどんな答えが出たでしょうか。

多分、一番多いのが、このアスコリ風オリーブじゃないでしょうか。
次はブロデットあたりかなあ。
で、次は・・・。
・・・・・。

うーん、思いつかない。

美味しいマルケ料理は星の数ほどあるのでしょうが、世界的な知名度となると、やっぱりこのアスコリ風オリーブ、オリーヴェ・アスコラーネ olive ascolane が、マルケで一番の有名料理。


Le olive all'ascolana
アスコリ風オリーブ, photo by Rosanna Galvani


Oliva all'ascolana
中身はグリーンオリーブの挽肉詰め, photo by Marina


アスコリ風オリーブの作り方



この動画によると、アスコリ風オリーブは、一家総出で作る料理だったのだそうです。
具体的なリチェッタは、01:35あたりから始まります。

材料/
 柔らかいグリーンオリーブ(アスコラーナ)の塩水漬け・・120粒
 牛赤身肉・・300g
 豚赤身肉・・300g
 鶏胸肉・・300g
 モルタデッラ・・100g(好みで)
 おろしたパルミジャーノ・・150g
 卵・・詰め物用2個+衣用8個
 ナツメグ
 パン粉・・800g
 小麦粉・・500g
 白ワイン・・1カップ
 玉ねぎ・・1個
 にんじん・・1本
 セロリ・・1本
 オリーブオイル・・150cc
 揚げ油(ピーナッツ油、またはひまわり油、ラード、オリーブオイル)・・2リットル
 レモンの皮

・香味野菜を油でソッフリットにする。
・肉を加えて塩、こしょうをし、30分以上炒める。
・モルタデッラを加え、ワインをかけてさらに炒める。必要なら鶏のブロードをかける。
・約1時間15分炒めたら冷まし、2回挽く。
・卵、パルミジャーノ、ナツメグ、レモンの皮1/3個のすりおろしを加える。塩味を整えて少し休ませる。
・オリーブを約12時間水に漬けておく。実を渦巻き状に切りながら種を取り除く。
・小さく丸めた詰め物を詰め、小麦粉、溶き卵(塩少々を加える)、パン粉をつけて揚げる。



この料理、アスコリのオリーブで作れば完璧ですね。
アスコリのオリーブはDOP製品。
今年、アスコリのデザイン学校の生徒たちによるコンクールが行われて、新しいロゴが決まりました。

優勝者とそのデザインはこちら。
www.provincia.ap.it

一目見ただけで、アスコリのオリーブだ!ということが分かりますねー。
素晴らしい!



-------------------------------------------------------

関連誌;『ガンベロ・ロッソ』2007年8月号(クレアパッソで販売中)
“フリット・ミスト”のリチェッタは、「総合解説」'06&'07年8月号、P.11に載っています。


[creapasso.comへ戻る]

=====================================

オルダーニシェフの後継者のクリスマスディナー。

今月のシェフはコルナレード(ロンバルディア)のリストランテ・オルモのリッカルド・メルリシェフ。 ダヴィデ・オルダーニシェフの店、ドーのスーシェフです。 ドー。 オルダーニシェフは、ミラノの新世代を引っ張っているシェフ。ミラノはイタリアの飲食業界のトレンドを生み出す街。オルダーニシ...