2008年10月14日火曜日

セナトーレ・カッペッリ小麦のスパゲットーニ、その1

今日はパスタの話。
『ガンベロ・ロッソ』の記事、“小麦以外のパスタ”の解説です。

この記事は、普通の小麦粉以外の粉を使ったパスタの特集。
スペルト小麦のパスタ、カムート麦のパスタ、タガンログ小麦のパスタ・・・。
イタリアには様々なパスタがあるんですねえ。

今日取り上げるのは、セナトーレ・カッペッリ小麦のスパゲットーニ
パスティフィーチョ・ファッブリ社(ファブリ)の製品です。

ファッブリ社のhpはこちら。
 ↓
www.pastafabbri.it

ファッブリは、様々なこだわりのあるパスタを作っている興味深いメーカーで、トスカーナのキアンティ地方にあります。
製品は日本にも入っているようですね。
ギフト用の、“手で包んだパスタ”というのもあります。
下の動画は、社長のジョヴァンニ・ファッブリ氏が自ら包んで見せている様子。





ファッブリのパスタの中でも、有名なのはスパゲットーニ。
スパゲットーニだけで何種類もあります。

ファッブリのスパゲットーニを使った一品
 ↓
flickr.com


そんなファッブリのスパゲットーニを使ったメニューで有名なのが、イル・トルド・マットというレストラン。
ローマ近郊の、ザガローロという町のリストランテです。
店のhpはこちら。
 ↓
www.iltordomatto.com

ファッブリのスパゲットーニを使ったアーリオ・オーリオは、店のスペチャリタの一つ。
艶々でぷっくりした麺に、とろ~りとした煮汁がたっぷりからまって、主役は麺!という主張がバンバン伝わってくるような一品です。

『ガンベロ・ロッソ』の記事にもあるように、イル・トルド・マットのアーリオ・オーリオは、普通のアーリオ・オーリオとはまったく違う作り方をします。
フライパンににんにく、唐辛子、水を入れて沸騰させ、そこに乾麺と岩塩を入れて、熱湯を少量ずつかけながら、リゾットのように煮ていくのです。
その結果、パスタから澱粉が溶けだし、あたかも水と油が乳化したかのようなとろみが生まれて、それが麺を包みこんでいるわけです。

これだけのとろみを出すには、澱粉を多く含んだ太い麺が必要になります。
そこで選んだのが、直径が3mm以上という、イタリアでもっとも太いスパゲットーニ。
澱粉が多いと、麺を乾燥させる時間が長くかかります。
腰を残そうとすると、かなりの歯ごたえが要求されます。
そんなこんなで、かなりの手間暇をかけて作りだされた麺なんですねー。

この料理の写真(「総合解説」に載せました)を見ていると、スパゲットーニが食べたくなります。

スパゲットーニ・トンナータ

アンチョビーと香草パン粉のスパゲットーニ

シチリア風ペーストのスパゲットーニ



イル・トルド・マットのアーリオ・オーリオのスパゲットーニのために選ばれたのが、セナトーレ・カッペッリ小麦。
次回は、この小麦の話です。



-------------------------------------------------------

関連誌;『ガンベロ・ロッソ』2007年9月号(クレアパッソで販売中)
“セナトーレ・カッペリ小麦のスパゲットーニのアーリオ・エ・オーリオ”のリチェッタと写真は、「総合解説」'06&'07年9月号、P.13に載っています。


[creapasso.comへ戻る]

=====================================

0 件のコメント:

よもぎはドイツ語ではベアムート。かっこよくてお餅につける名前じゃないよね。トリノでパティシエが白ワインとよもぎから作りだしたのがベルモット。

今日のお題は、メイド・イン・イタリーの食材です。(CIR2022年1月号P.37の記事) その食材は、ベルモット。ピエモンテ州トリノで誕生したフレーバード・ワインです。 白ワインにスパイスとハーブを加えて香りをつけたもの。 ところで、ベルモットはドイツ語の“ヨモギWermut”が...