2025年10月28日火曜日

スペイン人が小麦粉に課した税金に対したバーリのマカロニ業界の抗議から生まれた名物、“米、じやがいも、ムール貝のティエッラ”。

プーリアのムール貝料理。
その代表と言えば、やっぱり、“米、じゃがいも、ムール貝のティエッラ”。
そのルーツは、プーリアがスペインに支配された時代にあります。で、その背景にはこんな歴史がありました。私も初めて知りました。出典は、各地の詳細な食文化を集めた本、『マニュアーレ・デル・ボルギジャーノmanuale del Borghigiano』

という本。
1647年、小麦粉に対して課された税金が不当だとバーリのマカロニ業界が立ち上がりました。
それは、浅鍋に薄くスライスした玉ねぎねと小さく切ったトマトを敷き、にんにくとイタリアンパセリのみじん切り、おろしたペコリーノを散らし、薄切りのじゃがいもと米、あらかじめ強火で開けて殻から出したムール貝を入れ、再びトマトとじゃがいもで覆い、仕上げににんにくとイタリアンパセリのみじん切りを再び散らしたもので、各層にこしょうは振るけど塩は加えない。オイルと濾したムール貝の汁を全体にかけ、熱したオーブンで約40分焼きます。バリエーションは豊富で、ムール貝を開けないで加える。リチェッタもあります。
プーリアの名物料理として有名な1品ですが、小麦粉の税金に対する抗議から生まれた米料理だったとは、考えたことなかったです。
それにしても、税金に抗議してこんな美味しい料理を生み出しちゃうなんて、バーリのマカロニ業界って、美味しい料理を作る方法をよく知ってたんですねえ。
リストランテのリーソ・パターテ・エ・コッツェのティエッラ。
家庭で作るリーソ・ハタ―テ・エ・コッツェのティエッラ。
バーリの路上で自家製パスタを売る女性の姿は観光名物。

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2025年10月27日月曜日

プーリアのムール貝。

今日の(CIR)の南イタリアの料理は、“ムール貝のフリット”です。
リチェッタの日本語訳と料理の写真は、P.3。
ムール貝はプーリア料理には欠かせない食材。
そしてプーリアでムール貝と言えば、ターラント。
こちらでも、アドリア海のムール貝は歴史的に減っているようです。
ターラント。南イタリアでは、ナポリ、バーリに次ぐ大都市。
プーリア。南イタリアを代表する美味しい食べ物の地。
プーリアの産物。
プーリア料理。

私が体験した最初のプーリアはバリでした。人がとても熱くて暖かくて、一日街を歩くと、おばちゃんから若者まで、いろんな人に話しかけられて、ぐったりしたものです。でも、その食べ物の美味しさにもびっくりしました。特にオリーブオイルはお肌にぴったり合って、肌がつるつるうるうるになって、プーリア滞在中はご機嫌でした。
プーリアのムール貝は、牡蠣のようにフリットにしますが、これは衣揚げ。
パン粉をつけたフリット。
(CIR)のリチェッタは、赤いビーツのクリームと爽やかな緑色のグリーンピースのマヨネーズ添え。
添えるクリームで一段と美味しそう。
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2025年10月25日土曜日

マッコとランドゥーヤ

(CIR6月号)の南イタリアの料理は、イタリア人が南イタリアの料理だと感じるような料理が今月のテーマです。
前菜の2品めは、“マッコのランドゥーヤ添え”(CIR)のリチェッタの日本語訳はP.2。
マッコという一度聞いたら忘れられない名前は、時々プーリア料理などのリチェッタに登場するので、干しソラマメのピューレだと知ってはいましたが、日本では目にする機会はなく、味も知りませんでした。プーリアやシチリアなど南イタリアの名物。実際プーリアでは多くの料理に登場しているマッシュポテトのような甘さと優しさのある食材です。初めて出会ったのは、プーリアで食べたファーヴェ・エ・チコーリア。一口食べたとたんに、プーリアのオリーブオイルの美味しさと相まって、大好きになりました。
その後、日本で再び目にすることはなかったので、あの美味しさに再び出会えないのが残念です。
マッコ・ディ・ファーヴェ
原料は干しソラマメ。
プーリアではゆでた山盛りのチコーリアを添えます。ほろ苦いチコーリアと甘いソラマメの組み合わせは最高!!
ファーヴェ・エ・チコーリア。
ファーヴェ・エ・チコーリアは南イタリアの傑作料理の一つだと信じていますが、今月の(CIR)のリチェッタでは、ランドゥーヤと組み合わせました。
ランドゥーヤはカラブリアの唐辛子入りの塗れるサラミ。
 ンドゥーヤはスプリンガという町の名物。祭りも開かれます。
ndujaという、nから始まるという不思議な名前。カラブリアでは、名刺に冠詞をつけるのが習慣。la+ndujaで、ランドゥーヤとも呼びますが、実はこれが南っぽい発音で、南出身ということがこれでばれます。  
唐辛子の塗れるサラミ。
カラブリアで世界的に一番有名な名物、カラブリア人が誇るカラブリアの魂。半分に切るだけでもこんなに真剣。
カラブリアの長寿の秘密、唐辛子。
“ソラマメのマッコのランドゥーヤのクロスティーニ添え”は、南イタリアの天日で干した唐辛子とソラマメという、南イタリアでなければ味わえない食材を使った、南の太陽が感じられる料理なのでした。
料理の写真はこちら(CIのページ)

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2025年10月24日金曜日

サン・ジュゼッペのゼッポレとして知られるナポリの伝統的なドルチェ。聖ジュゼッペは揚げ物屋の守護聖人だって。

(CIR6月号)のリチェッタの解説です。
リチェッタのテーマは南イタリアの料理。典型的な南の料理です。
まず前菜の1品め、“ゼッポレ”です。

ドーナツ形の揚げ菓子で、カーニバルの伝統的なドルチェ。中~南イタリアの、カンパーニア、プーリア、サルデーニャの伝統的なドルチェ。

オーブンで焼くゼッポレ・ディ・サン・ジュゼッペ・アル・フォルノ。

ナポリの歴史的バール、ガンブリヌスのゼッポレ。

揚げるゼッポレ。

ナポリの揚げ物屋。

フリッタータイプのゼッポレ。

ナポリのピッツェリアのゼッポレ・サラ―テ。

ナポリのピッツァ・フリッタ。

青さ入りのゼッポリーネ・ディ・アルゲを初めてナポリで食べた時は、こ、これは日本の味・・・とびっくりして、それ以来、超お気に入りになりました。
(CIR6月号)、日本語のリチェッタはP.2、の“ワカメと車エビのゼッポレ”もこのタイプ。

カンパーニアではサレルノ地区のパイ生地のパスティッチ―ニでもある。栗のパッサートやチョコレートなどを挟みます。ナポリではビニェ生地で作ります。クレーマパスティッチェリーアを詰めて中央にアマレーナを1粒のせます。今は一年中作られていて、スーパーにもあります。
ナポリのゼッポレは、サン・ジュゼッペのゼッポレとして有名。サン・ジュゼッペの日は3月19日。ナポリの修道院で修道士によって考え出されたと言われています。冬の終わりを祝うような日で、農民にとっても季節の変わり目を伝えるカレンダーとなる日。
この日はナポリ中のパスティッチェリーアやパン屋やバールでゼッポレが出されていますが、18世紀ごろからストリートフードとして道端の揚げ物屋(フリッジトーリ)の屋台で売られていました。なんでもサン・ジュゼッペは、揚げ物屋の守護聖人なんだとか。
あと、キリストの養父、聖ヨセフでもあるので父の日のドルチェとしても知られています。

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2025年10月23日木曜日

(CIR/クチーナ・イタリアーナ・レジョナーレ2023年6月号発売しました)



6月号のリチェッタのテーマは“南イタリアの料理”です。
このところのブログで取り上げてきた北イタリアの料理と比べると、両者には明らかな違いがあるのですが、特に北の料理を見た後に南の料理を見ると、どれも太陽が感じら、野菜やシーフードなど、豊富な食材が使われています。やっぱりこれはイタリア料理の特徴でもあります。世界各地の料理と比べて、イタリア料理はなぜ美味しいのか、南というキーワードでイタリア料理を見ると、その答えが見つかるかもしれません。

南“スッドSud”の味。


唐辛子など、太陽を使う天日干しは、地中海沿岸の地方ならではの食物の保存方法。海に囲まれた南の保存方法は塩漬けが一般的だが、海がない北はどうするのか、それは木を使うスモークです。燻製は北の象徴的調理方法。

北“ノルドNord”の味。

北と南に分けただけでも個性が際立つイタリアの地方料理。ワインも地方の食文化の重要な一部なのがイタリア。
ワイン、シェフ、赤玉ねぎ、リコッタなど、他にも興味深いテーマの記事が並ぶ6月号。詳しくはブルグのヴィジュアル解説をご覧ください。

スローフードの南イタリア、夏の本、『スッド・グランデ・クチーナ


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2025年10月22日水曜日

北と南、山と海のイタリア料理。

北イタリアの、代表的なイタリア料理、1品目はフォンドゥータでした。
この料理は、イタリア料理を構成する海と山の料理のうち、山の料理に属するもの。
正確には、あまり低い山ではなく、標高4000mなどの山もある高山地帯、アルプスです。
地中海とアルプスは、北と南イタリアを象徴する地理。
北イタリアは、この高い山のおかげで、厳しい気候と痩せた土地、物流が困難という3重苦に苦しめられ、日常の食事にも制限がある地方。
でも、谷ごとにわずかな材料で作る本質的で個性的な人間と自然の結びつきを象徴する料理が誕生しました。
きのうはヴアッレダオスのチーズ、フォンティーナの話でしたが、山の民は大部分が牛を飼育して暮らしていました。まれに山羊も飼いました。そして牛のミルクからバターやチーズ、リコッタを作りました。牛は肉用ではなく、ミルク用でした。チーズは売って現金収入にしました。

酪農業は近隣国の影響を受けています。
現在高山地帯で盛んに飼育されているブルーナ・アルピーナという品種は、スイスのシュウィーツという州の品種。
スイスのエンガディン地方のパティシエは、まずベネチアに移り住み、そこからイタリア各地に散らばっていき、ジェラートなどを広めました。
16世紀初めのベルガモの羊飼いはレンネットの使用方法をスイス西部の牛飼いから学んで高山地帯全域に広め、ヴァッレダオスタではフォンティーナが生まれます。

放牧から帰るスイスの乳牛。



ブルーナ・アルピーナの手作業の乳搾り。

これはスイスの風景ですが、北イタリアにも共通のイメージ。

山の料理の代表は、ポレンタですが、とうもろこしが新世界から北イタリアの渓谷に届いたのは18世紀半ばのこと。

北イタリアのポレンタ。

とうもろこしの栽培は山の食生活を根本から変え、古い穀物のお粥が消えます。
18世紀には南米からじゃがいもが伝わります。寒さに強く、冬も長期間保存できて、山の土壌に適応したじゃがいもは、山の上でもっとも栽培量の多い野菜になります。
じゃがいもは、伝わった当初、ハンセン病を引き起こしたため豚の餌とされます。しかし、度重なる飢饉、特に1815年の大飢饉では山の住民を飢えから救います。
高地で一番普及している穀物はライムギです。

このように慣れ親しんでいるイタリア料理とはかなり違うけど、これも立派なイタリア料理。新しい本は毎週末に紹介していますが、その中の一部を紹介。

スローフードの本に海と山の料理がテーマの本がありました。

南イタリアがテーマの本、『スッド・グランデ・クチーナ』
夏と海の料理、『ブルー・リチェッテ・ディ・エスタータ・イタリアーナ』

山の料理『クチーナ・ディ・モンターニャ』

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フォンティーナ

南のチーズ、モッツァレラに代表されるパスタ・フィラ―タのチーズの話が出たところで、新しい感性でイタリアの地方料理を探索する本、“ティピコ・イタリアーノ”の話に戻ります。
イタリア料理を5つの地区に分けて分析するこの本で、1品めは北西イタリアを代表するイタリア料理、ヴァッレ・ダオスタの“フォンドゥータfonduta”でした。
話の舞台は北イタリアに飛びます。

世界中にあるフォンデュー料理をイタリアのヴァッレ・ダオスタの料理と言う根拠は、ヴァッレ・ダオスタの名物チーズ、“フォンティーナ”の存在です。
アルプスの放牧地のチーズ。
ヴァッレ・ダオスタは、北東イタリアにあります。ひっょとしたら南イタリアより行ったことある人は少ないのでは。ある意味、マイナーな地方。

フォンドゥータ。

フォンティーナは北イタリアの溶けるチーズで山のチーズ。5月から9月の間に標高1600m以上の放牧場がある山小屋で作られる。夏の放牧地の花や草の素晴らしい風味がミルクに移り、さらにチーズにも感じられる。
非加熱の全乳から作る。殺菌過程がないので脂肪、タンパク質、栄養分や風味が豊かなミルク。

フォンティーナ。大手は協同組合から組合員が飼育した牛のミルクを集めて大量生産する。大量に熟成させるには資金力も必要。造り手には元銀行家などの資産家が多い。会員は約200軒。生産量は年間30万個。

フォンティーナのCM
チーズのラベルに描かれている山はマッターホルン。

マッターホルンはイタリア語ではチェルヴィ―ノ。標高4478m。
ヴァッレ・ダオスタの放牧。北イタリアの放牧は、なんだか迫力ある。やっぱり牛がでっかいからかな。野生味で言えば南の水牛にはかなわないけど。

ワイルドな水牛でも子牛は超可愛い。

フォンティーナになるミルクは、ヴァッレ・ダオスタの土着品種、ペッツァ―タ・ロッサ種やペッツァ―タ・ネロ種のもの。
ペッツァ―タ・ロッサ。北の牛は首に大きな鈴をつけている。
フォンティーナは放牧と伝統が作るチーズで、このチーズを造り続けることは環境を守り続けることを意味する。

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