2020年9月2日水曜日

タリアテッレ、ラザーニャ、トルテッリーニ。ボローニャ料理の傑作にしてイタリアの国民的料理。

パスタの話が、想像以上に理系の話だったので、実は、きのうの翻訳は、かなり疲れました。
エミリア・ロマーニャを代表する料理はパスタ・フレスカのタリアテッレだとずっと言っていますが、正確にはタリアテッレとラザーニャ、でも、さらにまだまだあります。

ラザーニャはエミリア地方の家庭の味の定番です。
エミリア地方のラザーニャは、コクがあって香りが強く、イタリアでこの味のラザーニャを作ることができる街はボローニャだけだ言われています。
美食の街ボローニャで、そのシンボルと言われる料理なのです。
イタリア料理を最初に1つにまとめた料理書の作者、ペッレグリーノ・アルトゥージはエミリア地方出身で、エミリア地方の料理の賛美者でした。
彼の本の大部分はエミリア地方のパスタ・フレスカに費やされています。
このパスタ作りの伝統を受け継いできたのは、レズドーラと呼ばれるベテラン主婦たち。
さらに、麺打ち職人も女性で、スフォリーナと呼ばれています。

ボローニャのパスタ・フレスカのもう一つの重要な料理は、トルテッリーニ。
1個2gに満たない重さで、しかもその大部分が詰め物、というトルテッリーニは、パスタ・フレスカを麺棒で薄く伸ばす、という技が生み出した小さな傑作です。

生地を詰め物を包んでも破れないぎりぎりまで薄く伸ばすには、熟練の職人技が要求されます。
さらに、ビーナスのおへそがモデルと言われるトルテッリーニは、小さければ小さいほどよいとされ、同じタイプの詰め物入りパスタの中で、生地が一番薄くて小さいパスタ。

エミリア地方の料理は豪華で残り物の料理とは違う、と書きましたが、実は、トルテッリーニの具は残り物を有効利用した料理。
それでも、パルミジャーノのようなチーズがあって、去勢鶏のブロードを作る伝統のある地方なら、こんなにおいしい料理ができるんですねー。

タリアテッレもラザーニャもトルテッリーニも、基本はパスタ・フレスカを薄く伸ばしたパスタ・リッシャ。
パスタ・フレスカは、リマチナートのセモリナ粉と小麦粉を混ぜて打ち粉にすると、伸ばした時、生地がザラザラになって、表面に凹凸ができてソースが絡みやすくなる。
生地をこねる時は、脈拍のように力強く、リズミカルに。

麺棒でパスタを伸ばす↓

とにかく、ボローニャに行って、タリアテッレもラザーニャもトルテッリーニも食べなければ、何しに行ったの?てこと。

ボローニャのパスタ・フレスカの店。

ボローニャ・スフォリーナ協会の会長が本を宣伝がてらその技を伝授。

小麦粉をフォンタナに盛り、中央に溶いた卵(粉1kgにつき卵10個)を入れ、
フォークで混ぜながら粉を少しずつ混ぜ込む。
粉を全部混ぜ込んだら手でこねてなめらかな生地にする。
・ラップで包んで、または2枚の皿ではさんで30分休ませる。
・麺棒で中央から外側に向かって、常に生地を回転させてて裏返しながら薄く伸ばす。
・ボローニャには、サン・ルーカが見えるほど薄く伸ばす、という言い回しがあるそうです。
サン・ルーカは街はずれの丘の上にある教会。




・ボローニャの中心部から、この教会が見えるくらい薄く伸ばしたら、空気が通るように下に麺棒を置いてかぶせて麺台に広げて乾かす。
乾燥させすぎると割れるので、パスタもパンのように触ってその時々の状態を確認することが必要。
・生地を筒型に巻いて好みの幅にカットする。

ちなみに今月の「総合解説」のエミリア・ロマーニャ料理の記事(p.14)で取り上げているのは、カボチヤのカッペッラッチ。
あえて定番を外したと見た。

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