プーリアのパスタの話の続きです。
今日のパスタ、まず最初はトロッコリtroccoli。
プーリア版のキタッラです。
カットしたてのトロッコリ。
麺棒型のカッター、“トロッコラトゥーロtroccolaturo”で切ります。
↓トロッコリ作り
キタッラと同じく硬質小麦粉の素朴なパスタで、重めのソースと組み合わせます。
アブルッツォの伝統パスタ、キタッラを作る時に使う“キタッラ”は、ステンレスの糸が発明された後に生まれた、比較的新しいもの。
トロッコリのカット方法は、もう少し素朴ですね。
でも、パスタ作りの道具には、麺棒型カッターよりもっと素朴なものがあります。
たいていの主婦なら持っているものが、その原型。
編み棒です。
編み棒は、イタリア語では“フェッロ・ダ・カルツァferro da calza”。
そして、編み棒を使ったパスタは、“マッケローニ・アル・フェッロmaccheroni al ferro”などと呼ばれます。
細長い棒が1本あれば、複雑な形のパスタができます。
地方によって名称は様々。
↓短いマカロニタイプ
↓長いシチリアの“ブシアーティbusiati”
↓カンパーニアの“フジッリfusilli”
これぞ熟練の技!
そしてプーリアでは、“フェネッシェッキエfenescecchie”と呼びます。
残念ながら写真はなし。
↓ちなみに、形はよく似ているけれど、棒ではなく手でねじるのは、ロマーニャ地方のストロッツァプレーティ。
職人技が素晴らしい!
切るパスタ、ねじるパスタ、ひっかくパスタ、巻くパスタ・・・。
手打ちパスタって、楽しいですねえ。
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関連誌;『ガンベロ・ロッソ』2009年6月号
“プーリアの伝統食材”の記事の解説は、「総合解説」'08&'09年6月号に載っています。
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