プーリアのパスタ話、その2です。
今日のパスタの名前は、イタリア語を見ると???でも、カタカナにすると意外と読める。
Sagne 'ncannulate。
サーニェ・ンカンヌラーテ。
↓ラザーニャ状の麺を細くカットして巻き、長い巻き毛のようにしたパスタです。
ゆでるとこんな感じ。
サレント地方の硬質小麦粉のパスタ。
サーニェとは、ラザーニェのこと。
イタリア語のラザーニェは、オーブン焼きにするお馴染みの板状のものから、タリアテッレよりやや幅広のものまで、さまざまなサイズの平たい麺の総称です。
板状、縁を波打たせたもの(パッパルデッレ)、全体をカールさせたもの、ひし形のものといったバリエーションがあります。
平らなタイプと縁が波打っているタイプの両方があるパッパルデッレ。
ラザーニェはタリアテッレよりやや厚いのが特徴です。
そのため、ソースはスパゲッティなどより重めのものと組み合わせることができます。
さらに、オーブン焼きやスープなど、長時間や高温で調理する料理にも向いています。
ラザーニェは地方によって様々な名前で呼ばれます。
北イタリアの“ラザーニャ”は軟質小麦粉と卵の生地ですが、南イタリアの“サーニェ”は、主に硬質小麦粉と水で作る硬い生地です。
ひよこ豆と小エビのサーニェ
サーニェのアマトリチャーナ
前回紹介したトリーエもサーニェの一種です。
ラガーネlaganesと呼ぶこともあります。
細かく言うと、このラガーネの語源は、ラガナトゥーロlaganarueoと呼ばれる麺を伸ばす細い棒。
要は、平たい麺ならタリアテッレ以外はたいていラザーニェ、ということですね。
そしてこのサーニェをカールさせたのが、サーニェ・ンカンヌラーテ。
別名、サーニェ・トルテsagne torte。
ンカンヌラーテもトルテも、「糸をよる」という意味です。
こうしてカールさせるとより細くなると同時にソースが絡みやすくなって、他のサーニェよりフォークで食べやすくなります。
トマトソースのサーニェ・ンカンヌラーテ。
プーリアのパスタの話、次回に続きます。
-------------------------------------------------------
関連誌;『ガンベロ・ロッソ』2009年6月号
“プーリアの伝統食材”の記事の解説は、「総合解説」'08&'09年6月号に載っています。
[creapasso.comへ戻る]
=====================================
登録:
コメントの投稿 (Atom)
ゴルゴンゾーラのリゾットにブルーベリーを加えると、味だけでなく、色も衝撃的。
今月の(CIR)プリーモの2品目は、おそらく今月号の中で一番色が鮮やかな料理。 “ブルーベリー、桑の実、ゴルゴンゾーラのリゾット”です。 もちろんベースはゴルゴンゾーラのリゾット。 ゴルゴンゾーラはミラノが誇るチーズ。そもそもミラノはチーズの産地。 米もこの地方の名物。 なのでゴ...
-
グラナ・パダーノの話、その2です。 イタリアで流通しているハードチーズの50%近くを占めるグラナ・パダーノ(AC Nielsen調べ)。 2008年の生産量は、435万5347個でした。 平均的な販売価格は11.05ユーロ/㎏。 イタリアの硬質チーズの平均価格は12.70ユーロな...
-
今日はブラザートの話。 『ラ・クチーナ・イタリアーナ』の記事の解説です。 バローロのブラザート, photo by Silvio 記事によると、 ブラザート brasato は、イタリア語で「炭」という意味の“ブラーチェ brace ”の古い呼び方、“ブラーザ brasa ”が...
-
今日のお題はプリーモピアット。今月の「 総合解説 」P.5の料理です。 スパゲッティなんですが、料理名がやたらカッコイイ。 “アサシンのスパゲッティspaghetti all'asssassina”だって。 初めて聞きました。 聞いたこともない料理だったのに、逆にnetに...
0 件のコメント:
コメントを投稿