2011年1月24日月曜日

ボッリート

前回は、ボッリートの残った肉を使って作るミラノ料理、モンデギーリの話でしたが、肝心な話を忘れていました。
そもそも、ボッリートとは?

この場合のボッリートbollitoとは、もちろんゆでた肉のこと。

普通の日本人なら「ゆで肉」と聞いて思い浮かべるのは、肉の塊を1個ゆでた料理でしょうが、イタリアのボッリートは、数種類の部位をゆでたボッリート・ミストの場合が一般的。
「ミスト」が省略されている訳ですね。
主役の肉は、牛肉です。


Bollito misto
サルサ・ヴェルデやホースラディッシュを添えたボッリート・ミスト


bollito misto 010
こちらはモスタルダ添え



ボッリート・ミストは、牛の飼育が盛んなイタリア北部の伝統料理。
特にピエモンテのものが有名ですよね。
でも、モンデギーリはミラノ料理なので、ロンバルディア風ボッリート・ミストの残りで作ります。

ピエモンテ風とロンバルディア風は、どこが違うのでしょうか?
書物には、ピエモンテ風の方が材料にさまざまな部位を使い、ロンバルディア風は肉は成牛だけで子牛肉は入らない(ただし頭肉やテールは子牛のもの)、と書いてあったりします。
でも、実際にリチェッタを見てみると、基本的にはどらも同じ。
と言うか、バリエーションが多すぎて、どこがどう違うのか分かりません!
ちなみに、『サーレ・エ・ペペ』で紹介しているロンバルディア風ボッリートは、肉は成牛のものだけで、子牛肉やコテキーノは入りません。
部位は、ランプ、肩、すね、中バラ、ブリスケ。


下の動画は、ピエモンテ風ボッリート・ミスト。




材料は、牛のすね、ブリスケ、三角バラ、中バラ、タン、テール、頭肉、そしてコテキーノとひね鶏の9種類。
ソースは7種類。
・ヴェルデ(プレッツェーモロ、にんにく、ビネガーに浸したパン、アンチョビ、ケッパー、ゆで卵の黄身、オリーブオイル)
・ロッサ(トマト、パプリカ)
・ホースラディッシュとサワークリーム
・クレモナのモスタルダ
・粒マスタード
・アヴィーエ(蜂蜜、くるみ、ブロード)
・コニャ(マルメロ、くるみ、ヘーゼルナッツ)



三角バラや中バラは、焼き肉で言えばカルビのことだとか。
イタリア語では、このあたりの部位はbiancostato(ビアンコスタート)と言います。

おまけの動画。
横になっていて見にくいですが、ビアンコスタートのボッリートとサルサ・ヴェルデ、マッシュポテトの昼食です。
北イタリアの料理ですねえ。







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関連誌;『サーレ・エ・ペペ』2007年10月号
“ロンバルディア風牛肉のボッリート”のリチェッタは、「総合解説」'07&'08年10月号、「ボッリートのバリエーション」に載っています。

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