2016年8月8日月曜日

カッチュッコ・リヴォルネーゼ

今日はトスカーナを代表する魚のスープ、カッチュッコの話。
『ア・ターヴォラ』誌の記事です。

Charleston Muse Cacciucco 4955

詳しくは、日本語に訳した「総合解説」をご覧いただきたいのですが、イタリア人にとっても、カッチュッコcacciuccoというのは、少々発音しにくい名前なんですね。
よく言われていることですが、Cが5つもあるからです。

5つもあると、1個ぐらい省略してもいいかも、と思いがちで、『サーレ・エ・ペペ』誌によると、実際、トスカーナではcaciuccoカチュッコと呼ぶそうです。
ところが、リヴォルノでは、そう行きません。
Cはきっちり5個です。

それにしても、この料理の語源がトルコ語で小さいという意味のküçük/クチュクだというのは、興味深いですね。

なんで小さいかというと、この料理に使う魚が、売れ残りの小魚の雑魚ばかりだということをからかって、こう呼んだのです。
なぜトルコ語かというと、この料理が誕生した16世紀初めのリヴォルノは、メディチ家の元で栄える活気ある港で、地中海各地から漁船が集まってきていて、なかでも トルコの漁船は数が多かったそうです。

さらに、最初は船の上で作られていた漁師料理が、漁師のおかみさんたちの手によって家庭料理になった後も、漁師ならではの豪快さは失われなかった、という説も、目の付け所が面白いですね。
確かに、魚を赤ワインとトマトで煮る、という発想は、海の男らしい。

さらに、リヴォルノ風カッチュッコは、リヴォルノ人気質とそっくりだそうで、まじめで率直で頑固なんだそうですよ。




リヴォルノ人て、昭和のお父さんみたいなのかなあ。


2000年のリヴォルノの港はこんなに素敵になってます。





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“カッチュッコ”の記事の日本語訳は、「総合解説」13/14年7月号に載っています。
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カッチュッコ・リヴェルネーゼ

今日はトスカーナを代表する魚のスープ、カッチュッコの話。
『ア・ターヴォラ』誌の記事です。

Charleston Muse Cacciucco 4955

詳しくは、日本語に訳した「総合解説」をご覧いただきたいのですが、イタリア人にとっても、カッ
チュッコcacciuccoというのは、少々発音しにくい名前なんですね。
よく言われていることですが、Cが5つもあるからです。

5つもあると、1個ぐらい省略してもいいかも、と思いがちで、『サーレ・エ・ペペ』誌によると、実際、トスカーナではcaciuccoカチュッコと呼ぶそうです。
ところが、リヴォルノでは、そう行きません。
Cはきっちり5個です。

それにしても、この料理の語源がトルコ語で小さいという意味のküçük/クチュクだというのは、興味深いですね。

なんで小さいかというと、この料理に使う魚が、売れ残りの小魚の雑魚ばかりだということをからかって、こう呼んだのです。
なぜトルコ語かというと、この料理が誕生した16世紀初めのリヴォルノは、メディチ家の元で栄える活気ある港で、地中海各地から漁船が集まってきていて、なかでも トルコの漁船は数が多かったそうです。

さらに、最初は船の上で作られていた漁師料理が、漁師のおかみさんたちの手によって家庭料理になった後も、漁師ならではの豪快さは失われなかった、という説も、目の付け所が面白いですね。
確かに、魚を赤ワインとトマトで煮る、という発想は、海の男らしい。

さらに、リヴォルノ風カッチュッコは、リヴォルノ人気質とそっくりだそうで、まじめで率直で頑固なんだそうですよ。




リヴォルノ人て、昭和のお父さんみたいなのかなあ。


2000年のリヴォルノの港はこんなに素敵になってます。





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“カッチュッコ”の記事の日本語訳は、「総合解説」13/14年7月号に載っています。
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2016年8月4日木曜日

プーリアのパン屋さん

フォカッチャ・プリエーゼの話をしてきましたが、プーリアに行ったら、 とにかくパンを食べてみてください。
特にパーネ・ディ・アルタムーラとフォカッチャ・バレーゼなどは、食べ損ねると後悔します。

私個人的には、レッチェのパン、Pizzo(pizzi)が大好きです。
トマト、オリーブ、玉ねぎのソッフリット入り。
強い旨みのある食材がごろごろ入っていて、とにかくワインが進むパンです。
お酒がいける人なら、1個食べながら1本空きますよきっと。
赤いピッツィとペアになっているのがオリーブ入りの白いプッチャ。




ちなみに、ちょっと昔の話ですが、偶然入ったレッチェのIl Fornaioという店のピッツィは美味しかったです。
多分、このパンはどこの店のも美味しいと思いますが。
他に、レッチェのパン屋さんなら、Panificio Moltedoあたりや大手メーカーのPanificio Tossiniなどが有名。

ちなみに、こちらのwebページは、イタリア語ですが、バーリのフォカッチャの店、ベスト10
を紹介しています。

3位の店
 ↓


南イタリア人とは思えないこの頑固な無愛想具合、プーリアの典型的な職人さんですねー。

プーリアで美味しいパンに出会う人が増えるといいなあ。

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“フォカッチャ・プリエーゼ”の記事の日本語訳は、「総合解説」13/14年7月号に載っています。
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2016年8月1日月曜日

フォカッチャ・プリエーゼ

プーリアのフォカッチャの話、続けます。

#pizza #focaccia pugliese

今月の「総合解説」のP.13、“フォカッチャ・プリエーゼ”の記事で、一番最初に登場するリチェッタは、 “ストラッパータ生地のキアンカ焼きフォカッチャ”です。

何のこっちゃ?
私も初めて聞く言葉ばかりでした。
でも大丈夫。
「総合解説」を読めばこの意味はすぐに分かりますよー。
記事では、フォカッチャ・プリエーゼの特徴や歴史なども説明しています。



上の動画はフォカッチャ・バレーゼ。
「総合解説」では一番最後にリチェッタを紹介しいています。
ピッツァととてもよく似ていますが、明らかにピッツァじゃないんです。




参考までに、もう一つのよく似たフォカッチャ、フォカッチャ・ジェノヴェーゼもどうぞ。




次はキアンカ。
下の動画はアルベロベッロでおなじみのとんがり屋根の石の家、トルッリ用の石材キアンカを岩から造っているところ。
プーリア特産の石です。

プーリアのパン屋さんではこの石をかまどにも敷いて、その上でパンを焼くんです。




ところで、記事にちょっと面白い写真がありました。
それはじゃがいもを潰す、という何の変哲もない写真なのですが、潰す道具がユニークというか、プーリアらしいというか。

たいていはポテトマッシャーでスマートに潰しますよね。
ところが、プーリアでは、皿で押しつぶすのが伝統的なんだそうです。

ある意味カッコいい。
このじゃがいもが入るのも、フォカッチャ・プリエーゼの大きなポイント。


プーアリの石、キアンカで作るかまども、ゆでたじゃがいもを潰す皿も、みんなあるものを工夫して使って、結果的に他にはない独特なものが生まれてくるんですね。


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“フォカッチャ・プリエーゼ”の記事の日本語訳は、「総合解説」13/14年7月号に載っています。

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2016年7月28日木曜日

パンからフォカッチャへ

今日はプーリア風フォカッチャの話。

でもその前に、そもそもフォカッチャとは何、という大問題があります。

とても基本的な問題ですが、わざわざ考えるでもなく、なんとなくわかっているのでスルーしてきたようなこの話題。
取り上げると、多分大変なことになるだろうなあとは思いますが、いい機会なので、スッキリさせるためにも、ちょっと調べてみよう、と思いたった今日この頃です。

スローフードのとても役に立つ本、“スクオラ・ディ・クチーナ”シリーズに、『パーネ・ピッツェ・エ・フォカッチャ』という本があります。

今日は、この本から、フォカッチャの部分を訳してみます。

まず大前提。
フォカッチャは、パンです、よね。
この本では、フォカッチャはパンの一種ですが、ピッツァと同じように、パンの中でも独特の種類に分類しています。

フォカッチャの語源はfocus。
火の上で焼いたものという意味の古代の食べ物を意味しているようです。

一方、ピッツァの語源は様々な説がありますが、pinzaやpitta。
南伊の中世ラテン語で、紀元1000年以前にはフォカッチャという意味でも使われていました。

という訳で、フォカッチャとピッツァは、限りなくよく似た食べ物だったようです。
薄く伸ばしたパン生地をかまどで焼いたものです。
ヨーロッパやアジア全域に同様の食べ物が普及していました。

熱くて汁の多い料理から指を守るために、パン生地を薄く伸ばして皿として使ったのです。

なるほど、これが、パンからフォカッチャやピッツァへと進化した理由なのですね。

そしてさらに、各種の具や調味料を加えてリッチにするという形で、イタリア各地で独自に進化していきます。
農村部では、サラミや肉の煮込みなどのリッチな具をはさんで食事にするようになりました。

リグーリアのフォカッチャは、軟質小麦粉の発酵生地をオリーブオイルと塩で調味しました。

You guys!! I made focaccia bread! I'm so excited because IT'S SO GOOD.


甘いバージョンもある中部イタリアのスキアッチャータ。

Schiacciata

ドーナッツ形で具入りのカラブリアのピッタ。

pitta calabrese


ピッツァは、中~南イタリアの代表的なフォカッチャ。

Pizza Margherita @ Napoletana Pizza


こうやってみると、ピッツァもフォカッチャもルーツはパンですが、ピッツァは具をトッピングする方法に進化して、フォカッチャは具を生地に混ぜ込んだりはさむ形に進化したんですね。

でも、『スクオラ・ディ・クチーナ』によると、フォカッチャは、平らに伸ばして熱した石にのせて焼く、という簡単な方法で作ることができるところから、パンより前に、つまり発酵やオーブンの発明の前に存在した、という説もあるそです。

ピアディーナのように発酵させないで鉄板や陶器で焼く平らなパンもあります。

piadina

皿として使って最後には食べてしまうのにはぴったりですね。

パンが先か、フォカッチャが先か、簡単には結論は出ない問題ですが、リグーリア(ジェノヴァ)のフォカッチャやスキアッチャータ以外にも、プーリアのフォカッチャは、フォカッチャの一大グループの一つです。

この話は次回に。

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“フォカッチャ・プリエーゼ”の記事の日本語訳は、「総合解説」13/14年7月号に載っています。
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2016年7月25日月曜日

イワシのパスタ

今日はammuccamuなシチリア料理の話。

ammuccamuとはシチリアの言葉。
“うまい”という意味で、こんな風に言います。
 ↓


「アンムッカーム」
今月の「総合解説」で紹介している地方料理2品目は、シチリア人なら思わずammuccamuと言ってしまうパスタです。

言うなれば、シチリア人に愛されるシチリアを代表するパスタです。

さーてなんでしょう。

答えはイワシのブカティーニです。

『サーレ・エ・ペペ』誌の記事では、シチリア料理史学者でグルメな作家のピーノ・コッレンティ氏の本、『Libro d'oro della cucina e ei vini Siciliani』から、この言葉、ammuccamuを引用しています。

このピーノ・コッレンティさんは、シチリア料理の大家で、本もたくさん書いています。
中でも、
『Il diamante della grande cucina di Sicilia』という本は有名で、クレアパッソでもよく売れたのですが、残念ながらだいぶ前から売り切れ状態です。

再発売される気配が全然ないので、ディアマンテの代わりに、このオーロを仕入れてみようかなあ、という気になっています。
多分、金の次はダイヤモンドだー、いう勢いで安易にディアマンテというタイトルにしたんだろうなあ。
でも、その逆だと格下げ感出ちゃって、もったいないなあ。





記事には、この料理が誕生したいきさつの言い伝えが記されていました。

それによると、シチリアの質素な食材と、アラブのリッチな食材を前にしたアラブの料理人が、どうすれば両方を活かせるか、と考えた末に生まれたのが、この料理だそうですよ。

もちろん、伝説なので、なんの根拠もないと思いますが。

シチリアの質素な食材とは、イワシと野草のフィノッキエット・セルヴァティコ、それにオリーブオイル。
アラブのリッチな食材とは、サフラン、レーズン、アーモンドなどだそうです。

さらに、シチリアではイワシとフィノッキエットの旬は夏。

伝統的なパスタはブカティーニですが、編み棒で成形するトラーパニ地方のパスタ、ブジアーティもお勧めだそう。



さらに、魚が苦手なスペイン人も喜んで食べるようなるという秘密の技は、仕上げに散らすパン粉。
これを、少し前に紹介した硬質小麦トゥンミニアのパン粉にするという究極の裏技。





最後に、イワシのブカティーニと組み合わせるお勧めのワインは、ラグーザ県のヴィットリア平野のぶどう畑の間を通る県道の番号をワインの名前にしたSP68。

強いネロ・ダーヴォラとエレガントなフラッパートという組み合わせの赤。

造っているのは強烈な個性を持つこの女性。
 ↓



素朴すぎるくらい素朴なイワシのパスタですが、いろんな物語が詰まっていました。


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“イワシのブカティーニ”の記事の日本語訳は、「総合解説」13/14年7月号に載っています。
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2016年7月21日木曜日

アマトリチャーナ


「総合解説」13/14年7月号、発売しました。

今日から、新しい解説のビジュアル解説です。

まず最初は地方料理。

主に、イタリア料理の定番中の定番料理の歴史やうんちくなどを、イタリア人向けに紹介する記事を訳しています。

1品目は、スパゲッティ・アッラマトリチャーナ。

Spaghetti amatriciana


ローマ料理のシンボルの一つで、アマトリーチェで生まれたパスタ、というのは、誰もが知っていること。

記事では、ルイジ・カルナチーナがルイジ・ヴェロネッリに宛てた手紙の中から、アマトリチャーナについて書かれたとても興味深い内容を引用しています。

ヴェロネッリ氏は自分の名前のついたワインやレストランの格付け本でとても有名ですよね。
イタリアの美食文化の中心にいた人物です。
カルナチーナ氏は、彼に見いだされた人物で、12歳から飲食業界で働き、数々の料理書を書いています。

二人とも今は故人ですが、一時期のイタリア料理界を代表する美食家でした。

1961年の映像。
クリスマス料理について語るルイジ・カルナチーナ。
 ↓



今も国中から尊敬されているルイジ・ヴェロネッリのモットーは
L'uomo è nato per festeggiare la vita
   



こんな偉大な美食家たちのやり取りは、アマトリチャーナをめぐるちょっとしたエピソードでも面白いです。

要はガテン系の料理だったんですね。

さらに記事では、この料理が、アマトリーチェという、かつてはアブルッツォ州だった田舎の村から、ローマという大都会で受け入れられていく過程も、説明されています。

カルナチーナのパンチェッタとグアンチャーレの違いの説明も面白い。

リチェッタだけでなく、季節ごとのアマトリチャーナに合うワインから、お勧めレストランの紹介までされていて、かなり充実した記事です。


夏なら、ラツィオの土着品種で造られた、マルコ・カルピネーティのメトド・クラッシコのスプマンテが
お勧めだそうです。




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“スパゲッティ・アッラマトリチャーナ”の記事の日本語訳は、「総合解説」13/14年7月号に載っています。
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サーモンのベルガモットマリネ入りのミカンのリゾット。柑橘果実の活かし方をよく知っているのが南イタリア。

みかんのリゾットの話。まずは米の“ヴィアローネ・ナノ”について見てきましたが、次はみかんです。 みかんは今回はbergamottoと指定されています。 ベルガモットはミカン属の柑橘類。柑橘類を使うリゾットは各種ありますが、ミカンのリゾットは見たことなかったです。それにちょっと食べ...