2012年5月21日月曜日

北イタリアの地震

金環日食、ご覧になりましたか?
今回の日食は、中国からアメリカにかけの太平洋側でしか観測できないので、ヨーロッパは圏外。
しかもイタリアでは、ボローニャなど北イタリアで大きな地震が相次ぎ、今も余震が続いているようなので、それどころではなかった人も多いのでは。

20 maggio 2012 - Il terremoto in Emilia Romagna

地震で崩壊した建物。
レンガ作りの古い家で地震は怖いですね。
地震が発生したのは5月20日、日曜の早朝の4時過ぎ、マグニチュード6。
震源地はボローニャの北36km。
ミラノでも揺れを感じたそうです。



20 maggio 2012, terremoto in Emilia Romagna

時計塔が無残な姿に。


20 maggio 2012, terremoto in Emilia Romagna

屋外へ避難した人々。


↓地震の被害を伝えるニュース。



↓レンガの街は日本とは違う怖さが。



被害にあわれた皆様には心よりお見舞い申しげます。
早く余震が収まるといいですね。




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2012年5月17日木曜日

牡蠣の昼食

先日、『ヴィエ・デル・グスト』の牡蠣の記事を訳して、牡蠣にまつわる有名な絵があることを知りました。
ジャン= フランソワ・ド・トロワという人の「牡蠣の昼食」という絵です。
大画像はこちら。

退廃的なお上品さを漂わせた絵ですねえ。
フランス革命の50年前に描かれています。
革命が起こったら、民衆の前にまっ先に引きずりだされそうな横柄さも感じてしまうのは、彼らが牡蠣を食べながらシャンパンを飲んでいる、という、バブリーな設定に対する平民のひがみでしょうか?
よく見ると、床や天井が薄汚れているのは、作者の深い意図でもあるのか?

ベルサイユ宮殿に飾られていたというから、フランス料理の世界の人たちの間では有名な絵なんでしょうねえ。
はい。もちろん私は、まったく知りませんでした。
現在はシャンティイ城のコンデ美術館所蔵です。

シャンティイと言えば、料理の世界では、クレーマ・シャンティイ。
↓その発明者でシャンティイの宮廷料理人ヴァーテルを描いた映画『宮廷料理人ヴァーテル』。



絵画の知識が皆無の私があーだこーだと分析することはできませんが、この絵は純粋に傑作だと思います。はい。
ところが、これをイタリア料理の観点から見ると、単なる名画では終わらないんですねえ。
イタリア人から見ると、これは、牡蠣にはシャンパンという組み合わせをフランスのものとして美食界に広めた絵なんだそうですよ~。
あ、こういう時は、行間を読まなくてはなりません。
本当は何を言いたいのかと言うと、「この組み合わせはイタリア人だって知ってたさ、イタリアにだって、牡蠣もスプマンテもあるよ~、ぷいっ!」ということなんですねえ。
実際、その記事は、イタリア産牡蠣の話でした。
つまり牡蠣とシャンパンは、イタリア人にとってもゴージャスな組み合わせ、ということですね。




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2012年5月14日月曜日

バイーコリ

ヴェネチアのコーヒーの話の仕上げに、今日は、コーヒーに添えるヴェネチアのクッキーの話。
このラスクのようなのがバイーコリ。

これはクッキーと言うよりビスコッティですね。
文字通り、2回焼きます。
バイーコリはクッキーと呼ぶには地味で、ヴェネチア名物というわりには田舎っぽいですよねえ。
でも、コーヒー(フローリアンではホットチョコレート)の受け皿に、このバイーコリが添えられているだけで、なんだか通な飲み物を頼んだみたいで、素敵な気分になりますよねえ。
そういえば、この前紹介したサヴォイアルディも、チョコレートやワインに浸しながら食べるものでした。
このバイーコリと比べると、いかにサヴォイアルディが上品な貴族向けのお菓子か、よくわかりますねえ。
長期保存が可能なので、缶などの密閉容器に入れて、長い航海にも持って行けたんだそうです。
さすがは海洋共和国のお菓子。
ホットチョコレート、ザバイオーネ、甘口ワインに浸して食べます。

市販品がたくさんあるので、家で作る人は多くはないようです。



材料は、
温めた牛乳・・100㎖
生イースト・・15g
小麦粉・・400g
砂糖・・50g
ハター・・80g
卵白・・1個
塩・・ひとつまみ

・イーストを牛乳の1/3で溶く。
・これを小麦粉100gに加えてこねる。必要なら牛乳を足す。
・丸めて十文字のクープを入れ、発酵させる。
・残りの小麦粉、砂糖、塩を混ぜる。
・卵白を硬く泡立てる。
・ここ発酵させた生地、室温のバター、卵白を加える。
・この生地を10分こねて4つに分け、筒状に伸ばす。
・オーブンシートを敷いた天板に並べて2時間発酵させる。
・180度のオーブンで10分焼く。
・冷めたら布で覆って2日休ませる。
・これを薄くスライスして170度のオーブンで5分焼く。
・裏返してさらに5分焼く。


発酵と乾燥に、時間がたっぷりかかるんですねえ。
地味な外見の割には、作るのはとても面倒。
これなら、サヴォイアルディのほうがよっぽど簡単。
チョコレートに浸すだけのものを、これだけ手間暇かけて造る情熱がある人はどうぞ。

オレンジの果汁と皮を加えるリチェッタもあります。

↓おまけの動画。
ヴェネトのクッキーを調べていたら、こんな動画見つけちゃいました。
作っているのは、ヴェネトの伝統的なとうもろこし粉のクッキー、ザレーティ。
材料の説明の口調からして軽くいらっとするんだけど、作り方を見て、jkはイタリアでもjk(中学かな)なのねと、むしろほほえましくて、安心しました。
クッキー作りにはこの大ざっぱさが必要かも。



素敵なキッチンの楽しそうなお宅ですね。

↓彼女たちが作ろうとしたのは、こんなお菓子。






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2012年5月10日木曜日

カフェ・フローリアン

前回紹介した動画の中で、ヴェネチアを代表するカフェ、(ということは、イタリアのカフェ文化の出発点)として紹介されていた店、カフェ・フローリアン。
カメリエーレがドルチェやコーヒーを銀のお盆にどっさりのせて肩にかかげて運んでくると、テンションあがりますよね~。
例の動画によると、あの銀のお盆を使う習慣は、1723年にヴェネチア伝わったのだそうですよ。
お盆に一杯載っていると、うれしくなりますよねえ。

その人気メニューの一つ、カフェ・ヴェネチアーノがやたらゴージャス、かつ美味しそう。
何しろアルコール入りでホイップクリームがどっさりトッピング。

↓グラス入りなのがカフェ・ヴェネチアーノ。
左はカップッチーノ。

Venise, cappuccino au caffé Florian \ Cappuccino in caffé Florian, Venice



このほかに、カクテルグラスでサーブされるカフェ・インペラトーレは室温の卵黄大2個、砂糖小さじ2、マルサラ小さじ2、エスプレッソ用コーヒーの粉15g、ホイブクリーム入り。




↓カーニバルのフローリアンは夢の中のような不思議空間。



値段のことを考えると、現実に引き戻されてテンションダダ下がりですが、ま、ここは世界中のおのぼりさんが集まるヴェネチアですからね。


『ヴィエ・デル・グスト』の記事でヴェネチアの有名カフェとして紹介しているのは、フローリアン、チプリアーニ、そしてダニエリのダンドロ。
↓ダンドロ



ゴージャスですねえ。
実際に行くことはできなくても、動画でちょっと行った気分になっていただけたら、おら幸いですだよ。




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関連誌;『ヴィエ・デル・グスト』2011年3月号、“コーヒー”の記事の解説は「総合解説」2011年3月号に載っています。

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2012年5月7日月曜日

コーヒー

今日はコーヒーの話。
『ヴィエ・デル・グスト』の解説です。

caffe italiano

今時、コーヒーを毎日飲んでいても、その陰に壮絶な歴史があったなんてことに思いを馳せる人なんてまずいないでしょうねえ。
かくいう 私もそうでした。
でも、この記事を読んで軽く反省。
お勉強になりました。
 コーヒーの市場が、石油に次ぐ世界的な規模だということ、知らなかったなあ。

そもそも、スパゲッティ、ピッツァと並んでイタリアが世界に誇るイタリアの食文化の代表選手が、コーヒーなんですよねえ。
だから、イタリア人のコーヒーに対する理解とこだわりの深さは、半端じゃない。

↓イタリアのコーヒーの聖地巡礼は、イタリアにコーヒーが最初に伝わった地、ヴェネチアから始まるのが定番。
(とてもきれいな画像だけど長いです。24分あります。)



次はトレヴィーゾ、ミラノ、トリノ、ボローニャ、。

イタリアでは、17世紀初めにまずヴェネチアにコーヒーが伝わり、ヴェネチアでは庶民の間にもすぐに広まりました。
ちなみに日本に伝わったのは18世紀末頃だとか。

17世紀半ばまで、コーヒーの生産国はエチオピアとイエメンだけだったのに、今では石油なみの市場があって、世界中で飲まれてるということは、多分コーヒーは巨万の富を生み出す豆ってことですね。
そりゃあ血生臭い歴史もあるでしょうねえ。

自国でコーヒーを作れば儲かるということにヨーロッパが気が付いてからの植民地でのコーヒー畑の異常な増殖具合は、奴隷の歴史が物語っています。
オランダはジャワ、フランスはマルティニーク、ポルトガルはブラジル、イギリスはジャマイカ、スペインはフィリピンやエルサルパドルでコーヒーの栽培を始めました。
そういえば、エチオピアを含む東アフリカは、一時イタリアの植民地でした。
その周辺も、ヨーロッパのわずか7か国が入り乱れて大陸ごと全部植民地化しました。

↓ブラジル産コーヒー“キンボ”の古いCM。




今ではコロンビアとともにコーヒー生産のリーダーシップをになっているブラジル。
皮肉なことに、コーヒーによって国が潤いだすと、イタリアから移民がブラジルに大勢渡るようになりました。
コーヒーはブラジルの主要な産物ですが、この国こも最初からコーヒーが生えていた訳ではありません。

ブラジルに富をもたらした最初のコーヒーの苗は、1727年に、若い士官が不倫相手へのプレゼントとして花束に隠してフランス領ギアナから密輸したのだそうです。

上のイタリアのコーヒーの聖地巡礼動画には、なぜかナポリがありません。
確かに、記事にもある通り、イタリアでもっともコーヒーにこだわっているナポリの人たち。 でも、そのコーヒーは、外国ではあまり知られてないようです。
記事にある映画『クエスティ・ファンタズミ』の有名な、劇作家エドゥアルド・デ・フィリッポがナポリコーヒーの淹れ方のうんちくを語る動画。



この映画でソフィア・ローレンがマッキネッタの口に紙のキャップをかぶせるシーンは、作家のこだわりからに生まれたんですね。




1945年のコメディー映画だそうですが、いったい、どんな映画なんでしょうね。

さーて、コーヒーブレイクでもしますか。



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関連誌;『ヴィエ・デル・グスト』2011年3月号、“コーヒー”の記事の解説は「総合解説」2011年3月号に載っています。
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2012年5月3日木曜日

カムット小麦のパスタとピアディーナ

カムット小麦との出会いは、日本ではパスタの形で食べることが多そうですね。
でも実は、ぶっちゃけると、全粒粉パスタが苦手なので、いまいち興味が湧きません。
『ヴィエ・デル・グスト』によると、「カムットのパスタはセモリナ粉のパスタより味が強くて、全粒粉のものよりマイルド」なんだそうです。
食べたことがないのでしょうがない。
この記事を信じることにします。

まずは“ルーコラのペーストのフジッローニ”の動画をどうぞ。
カムット小麦のパスタはクリーム系などコクととろみと甘さのあるソースが適しているそうです。



材料は、
パスタ・・200g
ルーコラ・・300g
ペコリーノ・・300g
松の実・・15g
塩、オリーブオイル

・ルーコラ、オイル、松の実をバーミックスで撹拌してペーストにします。
・ペコリーノはオーブンシートに乗せて、レンジで30秒チン。
・パスタをゆでてペーストで和え、皿に盛りつけたらペコリーノで飾ります。

あとは粉を使ったピッツァやパンなどがあります。
↓こちらはピアディーナ。


具はズッキーニとモッツァレッラです。
ピアディーナを焼く前にズッキーニを焼いてます。
なかなか美味しそうじゃないですか。



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関連誌:『ヴィェ・デル・グスト』2011年3月号、“カムット小麦”の記事は「総合解説」2011年3月号に載っています。
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2012年4月30日月曜日

カムット小麦

今日はカムット小麦の話。
『ヴィエ・デル・グスト』の解説です。

カムット小麦 って最近に耳にするようになった名前ですよね。
イタリアの料理雑誌にも数年前あたりからカムット小麦のパスタなどが登場しています。
古代小麦として知られるこの小麦。
古代小麦って、いったい何?と思ってましたが、この記事を読んでその由来を知ってビックリ。

それは、第二次大戦直後のこと、エジプトの遺跡の墓で小麦を見つけたあるアメリカ兵が勝手に故郷に持ち帰ったものだったとは。
それを知り合いの農家にあげたところ、その父親が育てて小麦を実らせました。
でもその時はすぐに忘れ去られてしまいまいた。
それを先見の明がある農学者が見つけて商標登録して会社を造り、種子を選別して広く栽培した結果、世界中に知られるブランド小麦となったというのです。

これはあくまでも、いくつかある伝説の一つです。
商売としてみれば、これはある種の一攫千金と言うか、サクセスストーリー。
でも、そもそものスタートが、ちょっとどうなの、ていう感じ?
この他にも、wikiによると、ノアが箱舟で食べていたとか、エジプトに侵略した敵が持ち込んだとか、夢のある話がいろいろあるようです。

こちらのサイトでは現実にありそうな行きさつが語られています。 それによると、ある空軍のパイロットがエジプトの墓から持って帰ったんだそうです。
一種の墓荒しですよね。
きっと、呪いなんか信じない人だっんでしょうね。
でも、それを育てた人は、もっとストレートに、エジプトの墓にあった小麦だから、ツタンカーメン王の小麦という名前を付けて品評会に出したのだそうです。
さすがに、この名前だと怖いかも。
1977年にの小麦を再発見した学者さん(ボブ・クイン氏)は、今度は古代エジプト語で小麦と言う意味のkamut(英語ではカムートと言います)と名付けました。

小麦の原産地は、肥沃な三日月地帯と考えられています。
エジプトもその一部です。
ということは、この小麦は人類が初めて栽培した小麦にとても近いかもしれません。
そこでこの小麦はデュラム小麦の祖先だと言われている訳です。
ただし、異論もあって、そう証明されているわけでないようです。
歴史がどうであれ、この小麦の栄養や特性は大いに注目されています。
もちろん、ずっと遺跡の中にあったのですから、その間、人の手による品種改良は一切行われていませんよね。
これはかなり特殊なことです。
たとえば、スーパーに並んでいる野菜は、“見た目がおいしそうなもの”が売れるから、作り手も外見が美味しそうな野菜の種を残して、その野菜の遺伝子が受け継がれます。
小麦だったら、たとえば、パスタにすると美味しい小麦とか、栽培しやすい、などの理由で選別された突然変異種だけが、数世紀に渡る取捨選択を生き残ってきました。
そういう分別が、まったく行われていないとは、貴重です。
具体的には、カムット小麦は、一般的な小麦の粒と比べて2~3倍大きさで、栄養価が高く、タンパク質は20~40%多く、 脂質、アミノ酸、ビタミン、ミネラルも多いんだそうです。
バターのようなコクのある味で、消化もしやすい。
これらは人工的に大幅に手を加えて味や栄養を犠牲にしているいる現代の小麦にはない特徴なんだそうです。
栽培に肥料や化学物質も必要ありません。
小麦アレルギーの人でも食べることができるんだとか。

カムット小麦は商品名ですが、公式名称はqk-77とかKhorasan wheatと呼ばれます。
まだまだ謎が多そうな小麦ですが、なぜかイタリアでは人気のようですね。

↓カムット小麦と関連製品に関する権利を独占して持つカムート・インターナショナル社のPV。



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関連誌;『ヴィエ・デル・グスト』“カムット小麦”の記事は「総合解説」2011年3月号に載っています。

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サーモンのベルガモットマリネ入りのミカンのリゾット。柑橘果実の活かし方をよく知っているのが南イタリア。

みかんのリゾットの話。まずは米の“ヴィアローネ・ナノ”について見てきましたが、次はみかんです。 みかんは今回はbergamottoと指定されています。 ベルガモットはミカン属の柑橘類。柑橘類を使うリゾットは各種ありますが、ミカンのリゾットは見たことなかったです。それにちょっと食べ...