今日はジャムの話。
『サーレ・エ・ぺぺ』と『ア・ターヴォラ』の解説です。
さて、ジャムはイタリア語では?
辞書で調べると、confetturaとか、marmellataという言葉が出てくるはず。
マルメッラータが比較的身近かな。
で、マルメッラータは、実はポルトガル語のmarmeladaが語源なんだそうです。
marmeladaとは、マルメロのジャムのこと。
マルメロの実。
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マルメロは、イタリア語ではmela cotogna。
マルメロの極甘ジャム、コトニャータは、南イタリアではお馴染みで、プーリアの町、レッチェの名物。
マルメロのシャムがジャムの語源ですが、なぜかイタリアでは、マルメロのジャムだけマルメッラータではなく、コトニャータと呼びます。
硬くてまずく、生食はできないと言われているマルメロが、唯一主役となって活躍するのはジャム。
コトニャータは、昭和な味と外見。
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さらに、EU諸国では規定があって、マルメッラータは、柑橘果実のジャムのみの名称で、それ以外は、イタリアではコンフェットゥーラconfetturaと呼びます。
イタリアの柑橘果実なら、地中海のオレンジやレモンですねー。
オレンジのマルメッラータ
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レモンのマルメッラータ
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ジャム作りに必要な材料は、柑橘果実と砂糖です。
ジャム作りは、古代ギリシャではすでに行われていました。
でも、熱帯の植物サトウキビは、まだ地中海にはありませんでした。
砂糖はオリエントから多少は輸入されていましたが、アラブ人やイタリアの海洋国家によってヨーロッパに流通しだしたのは、7世紀頃。
栽培が広まったのは十字軍以降、つまり12世紀以降です。
だから砂糖は超貴重品で、とても高価。
ジャムのためにどばどば使えるものではありません。
あっ、そもそも、オレンジやレモンがヨーロッパに伝わったのは、10世紀にアラブ人がやってきてからだし。
新大陸の発見によってサトウキビの産地の植民地化が始まると、砂糖の値段は下がりましたが、それでも需要には追いつかず、しかも、戦争になると砂糖の供給路が絶たれるなど、相変わらず貴族のための貴重品でした。
ヨーロッパでも栽培できるビートから砂糖を作るようになったのは、16世紀。
砂糖が大量消費できるほど身近になったのは、18世紀になってからです。
コーヒーに砂糖を入れるようになったのもこの頃から。
砂糖以外の甘いものとしてヨーロッパで知られていたのは、果物と蜂蜜です。
果物を煮詰めると糖分が濃縮されて甘~くなります。
さらに皮に含まれるペクチンの作用で、凝固します。
ジャムは、砂糖がない時代だからこそ、生まれたものなのかも。
あ、砂糖には甘み以外に、もう一つ重要な働きがありました。
保存ですねー。
砂糖の代用品ともいえるのが蜂蜜ですが、なんと、昔は蜂蜜も高価でした。
そこで、蜂蜜以外にも、次第に甘口ワイン、パッシートやモスト・コットも加えるようになりまた。
結局、ジャムは高級品だったんです。
チェリージャム作り
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お高いジャムが食べたくなりました。
パリのボン・マルシェのジャム売り場。
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関連誌;『サーレ・エ・ペペ』、『ア・ターヴォラ』2011年9月号、“フルーツの伝統的コンセルヴァ”、“ジャムとゼリー”のリチェッタは、「総合解説」2011年9月号に載っています。
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2013年6月3日月曜日
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2 件のコメント:
マルメロ、懐かしいです。十数年前は地元の特産品でうちでも作ってました。香りが凄くいいので芳香剤代わりに車の中に置いてたり・・
畠山さん
南イタリアのホテルでは、朝食にはいちごとマルメロのジャムが定番でした。
そのせいか、私の中では、マルメロは地中海の果物です。
北日本でもよく育つものなんですねー。
料理の本には、必ず、生食はできないと書いてあって、香りはよいのに不思議でした。
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