今日は、野うさぎのラグーのパッパルデッレの話。
『ラ・クチーナ・イタリアーナ』の記事のリチェッタは、シンプルですがかなり本格的。
野うさぎをしとめた猟師さんが、から揚げの次に挑戦してくれれば嬉しいなー、と思って、色々なリチェッタをまとめてみました。
元々、伝統的な野うさぎ料理の場合、胴とももはセコンドピアット用で、ラグーにはそれ以外の部位を使います。
肺、心臓、レバー、血も入れます。
『Grande enciclopedia illustrata della gastronomia』によると、うさぎは前半身、肩、首、胸、頭(好みで)を、皮をむいたらすぐに3㎝程度に切って使います。
こちらのwebページでは、水、ビネガー、玉ねぎ、セロリ、にんにく、ローズマリーで一晩マリネすると書いてあります。
ラグーの作り方は基本的なラグーと一緒で、香味野菜をオリーブオイルでしんなり炒めたソッフリットに肉と内臓を入れて焼き、ボディーのある赤ワイン(キアンティかサンジョヴェーゼ)1カップをかけて塩、こしょうをして煮込みます。
その時、本式だと野うさぎの血数滴を、熱したブロードか牛乳1カップで溶いて加えます。
ただし、血は地元トスカーナでも、簡単には手に入らないようで、血を加えるリチェッタは、あまり見かけません。
血が手に入らなければ、トマトソースを加えます。
『Il grande libro della vera cucina Toscana』によると、トマトピューレを、多くて小さじ2杯加えるのだそうです。
レストランではトマトを入れすぎる傾向があるので失敗すると書いてあります。
牛乳には血や肉の風味を弱める効果があります。
30分~1時間ほど煮て肉が骨がらはがれるようになったら肉を取り出して骨から外し、内臓と一緒に刻んで鍋に戻します。
さらに30分ほど煮たら頭を取り除きます。
パスタにラグーをかけたらパルミジャーノかペコリーノを散らします。
パッパルデッレは、トスカーナの伝統的なパスタで、幅3㎝程度の幅広麺。
トスカーナでは、野うさぎのソースをかける時は、
Papardelle sulla lepreと、suという言葉を使います。
英語のonのような言葉です。
野うさぎがパッパルデッレをしょってるイメージでしょうか。
ちなみに、うさぎのソースだと、Pappardelle al coniglioです。
野うさぎではなく、うさぎの場合も同様に作りますが、血は手に入らないのでトマトピューレを加え、小麦粉大さじ1も加えて煮ます。
当然ながら昔の人は、獣の強い味に慣れていたので、トマトも牛乳も入れませんでした。
下の動画は、もっと手軽に作る現代的なリチェッタです。
血や内臓は入りません。
肉も、セコンド・ピアット用など気にせず、上等な部位を使います。
狩猟肉料理は食材の入手が大変で時間がかかるものなので、やはりレストランで高級ワインと一緒に味わいたいですねー。
そうそう、トスカーナの伝統料理には、猪のラグーのパッパルデッレというのもあります。
日本にも、新聞に猪の罠のチラシが入っている地方があるそうなので、野うさぎよりは需要がありそうですねえ。
次は猪の話です。
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関連誌;『ラ・クチーナ・イタリアーナ』2011年10月号、野うさぎソースのパッパルデッレの解説は、「総合解説」2011年10月号に載っています。
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