質問です。
ベッカフィーコ、パルミジャーナ、カポナータ。
これ、なんの料理でしょうか。
答えは、なすです。
サレルノの市場の風景
↓
なすは南イタリア料理には欠かせない野菜ですが、原産地はインド方面。
ヨーロッパに伝わったのは中世の頃と比較的遅いですが、珍しく新大陸原産ではないんですね。
イタリアのなすは、細長いタイプと丸いタイプの2種類があって、細長いタイプは使う前に粗塩を散らして2時間ぐらいアク抜きをします。
丸いタイプはアク抜きの必要はありません。
さて、冒頭に掲げたナス料理ですが、まずはベッカフィーコ。
これは以前、取り上げたことがあります。
こちらのページ
この料理は、ベッカフィーコという、熟したいちじくだけを食べる野鳥を使った、シチリアの貴族料理を、小鳥の代わりにイワシを使って庶民が再現したものですが、小鳥の代わりのイワシを、さらになすで代用したという農民バージョンが、なすのベッカフィーコです。
イワシのベッカフィーコはシチリアの東と西ではリチェッタが違って、巻くタイプとはさむタイプがありますが、なすのベッカフィーコもそうです。
“グランデ・クチーナ・レジョナーレ・イタリアーナ”シリーズの」『シチリア』 から、リチェッタをどうぞ。
なすのベッカフィーコ風 Melanzane a beccafico |
材料: なす・・2個 イタリアンパセリ・・1本 バジリコ・・1本 パン粉・・150g レーズン・・50g 松の実・・50g おろしたペコリーノ ローリエ・・4枚 EVオリーブオイル 塩、こしょう |
・なすは厚さ1㎝の輪切りにしてざるに入れ、塩をたっぷり散らして1時間アクを出す。 ・イタリアンパセリとバジリコのみじん切り、パン粉(大さじ1は別にする)、ぬるま湯で戻して絞ったレーズン、松の実、ペコリーノ大さじ2、塩、こしょうを混ぜる。 ・なすはさっと洗って水けをふきとり、混ぜた詰め物を大さじ1ずつのせて巻く。 ・オーブン皿に油をたっぷり塗り、巻いたなすを入れてローリエのみじん切りと残しておいたパン粉を散らす。油をまわしかけ、200度のオーブンで10分焼く。 |
詰め物はレーズン、松の実、ペコリーノと、シチリアの香り満載ですね。
イワシのベッカフィーコより、ややリッチな詰め物のようです。
アンチョビや卵を加えたり、玉ねぎのソッフリットを加えるリチェッタもあります。
はさむタイプは油で揚げます。
このタイプのリチェッタと写真はこちら。
なすを縦にスライスするので、形はコロッケそっくり。
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関連誌;『ガンベロ・ロッソ』2011年7月号、記事“なすの新家庭料理”のリチェッタは、「総合解説」2011年7月号に載っています。
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