2010年9月14日火曜日

サン・マルツァーノ、その1

今日はトマトの話。
『ガンベロ・ロッソ』の記事の解説です。

イタリアの料理雑誌では、真夏には必ずトマト特集が組まれます。

「イタリアのトマトの生産量はヨーロッパで最も多く、世界ではアメリカに次いで2位、トマトの加工品の販売量は世界一」
by『ガンベロ・ロッソ』

なのだそうです。

トマトには様々な品種がありますが、用途によって個性がかなり違います。

今回取り上げるのは、「サン・マルツァーノ」。

「加工用トマト」、つまり、缶詰やパッサータにするトマトの中で、最上質と言われているトマトです。


Pomodoro San Marzano dop
サン・マルツァーノDOP


Cardoon Gratin
サン・マルツァーノのコンポート



サン・マルツァーノのホールトマト








なんと驚いたことに、サン・マルツァーノのホールトマトの最上質のものは、日本に輸出されているのだそうです。

カンパーニア地方を代表するシェフの一人、トッレ・デル・サラチーノのジェンナーロ・エスポージト氏は、店で使っているホールトマトのことをこう語っています。

「これは日本向けのサン・マルツァーノなんですよ。
最高品質のサン・マルツァーノです。
これほど良いものは、イタリア国内ではまず手に入りませんよ。
ただし、見て分かるように大きさがバラバラです。
昔なら2級に分類されていたでしょうね」

実は、この短い言葉の中には、サン・マルツァーノの歴史が詰まっています。
いったいなぜ、日本にイタリア国内より上質のサン・マルツァーノが入って来るのか。
そもそも、サン・マルツァーノとは、どんなトマトなのか。
その話は次回に。




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関連誌;『ガンベロ・ロッソ』2008年8月号
「サン・マルツァーノ」の記事の解説は、「総合解説」'07&'08年8月号に載っています。

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5 件のコメント:

畠山 さんのコメント...

あの缶詰のトマトって実は高級品だったんですね。
日本ではここ数年シシリアンルージュという小ぶりの品種が流行っていてうちでも作ってますが本国での評価はどうなんでしょう(そもそもあるの?)
火を通すとトロミがついてソースにはもってこいです。

vittorio さんのコメント...

サンマルツァーノは缶詰でよく使っています。茨城でも栽培してると業者が言ってました。

画像のサンマルツァーノ、ツヤツヤしてて美味しそうですね、太陽をいっぱい浴びたっていう感じですね。

イタリア産の生は日本では貴重ですよね、まだ日本で使ったことがないんです。

日本に輸出されるのは上質物なんですか、

ボルドーにいた時ワインもそのように言ってた記憶があります。

ヴェネトでは丸かったです、南に行けば行くほど長細くなっていたような気がします。

ヴェネトにいた時、オーナーのお父様が『トマトを持って来た、みんなで降ろしてくれ』と

みんなが先に行って、少ししてから『マンマミーア』と大きな声がしました、急いで階段を下りて行くと、なんと2tトラックに山積みなったトマトが立ちはだかってました。

私『シニョール、ウチでは使い切れません、各ホテルに分けてはどうですか?』

シニョール『ここで全部サルサにしてから分けようと思うんだ』

私『またオーナーに怒られますよ』

シニョール『心配ない、あいつは今ローマだ(笑)』

という感じでした、

スタッフが明日のメニューは『トゥティ・ポモドーリ』だ言っていました(笑)。

パスタ・シュッタ、ありがとうごさいました、エザッド(ヴェネト弁(笑))ですね。

本当ですね、特に結婚式に料理が口に合わないお客様の為にサルサベースを作っておき、すぐに出せるように茹でたパスタを直接皿に盛りサルサをかけていました、ロングバスタでした。

それを見て学年時代喫茶店で食べたスパゲティーを思い出したのを記憶しています。

そういえば、ウチに来たイタリア人のお客様『私達あまりお腹がすいてなく、時間もないんで手の込んだ物ではなく、ワインと簡単にアンティパストかパスタ・シュッタでいいんだ』と言っていたと思います。

まだまだ誤解して覚えているのがあると思います、
本当にありがとうごさいました。

vittorio さんのコメント...

ps ヴェネトのトマトはもちろん多種です、丸いサン・マルツァーノってないですよね(笑)

prezzemolo さんのコメント...

畠山さん
トマトは新種が次から次に出てきますね。
シシリアンルージュですか。
どうもシチリアのパキーノのトマトを日本用に開発したもののようですね。
パキーノは、ソース用、生食用、様々なタイプのトマトが作られている所です。
シチリアを代表するトマトの産地として、イタリアではとても人気がありますよ。

prezzemolo さんのコメント...

vittorioさん
イタリアでもサン・マルツァーノは貴重品で、オリジナル種に近いものはなかなか手に入らないようですよ。
トラック山積みのトマトとは、トマト投げ祭りでもできそうですねえ(笑)
南イタリアでは、どの家も夏になると家族総出で、1年分のトマトの瓶詰め作りをしているから、トラック1台分でも驚かないのかも。

イタリアでも皿の上でパスタにソースをかけることがあるんですか。
イタリアの結婚式の料理、大変そうだけど面白そうですねえ。

エザッドですか。
ヴェネト弁、1つ覚えました(笑)

バッカラはノルウェーとイタリアを結ぶ干物貿易の主役で、この航路は1450年作成の世界地図にも記載されるほど重要でした。

(CIR12月号)によると、ヴィチェンツァでは、この料理はCが1つなんだそうです。普通はバッカラはbaccalàでも、ヴィツェンツァでは、Cがひとつのバカラ。んなばかな、と思ったけど、地元のこの料理の専門家たちは、C一つで呼んでました。会の名前の刺繍もC一つ。リチェッタはP.11...