2009年5月28日木曜日

マテーラ

今日はマテーラの話。
『ヴィエ・デル・グスト』の記事の解説です。

マテーラはバジリカータ州。
滅多に話題に上らない州ですが、そんな中でマテーラだけは、世界遺産ということもあって、比較的有名ですよね。



マテーラのサッシ地区は白い凝灰岩の世界, photo by pecus



夜は幻想の空間に・・・, photo by Basilicata Travel


一見、廃墟のようにも見えるサッシ地区。
ところが、中に入ってみると全然違う。
おしゃれなショップやレストランが隠れていたりする不思議な空間です。
何しろ、サッソ・カヴェオーゾ地区の入口近くにある店の名前が、「シブヤ・カフェ・ミュージック・ストア」ですよ!
凝灰岩に囲まれてお茶が飲めて、シブヤなんていう名前の割にはちょっとシックなcdショップです。

こんな店


記事にもありますが、マテーラはパンがおいしいことで有名。
硬質小麦粉のパンで、中世の時代からイタリアのパンの中で一番おいしい、と言われ続けています。
芳ばしい香りとクラムのしっとりさが信じられないくらい何日ももつこの美味しいパンが、なぜ地元以外ではあまり広まっていないのか、とても不思議です。

マテーラのパンは、皮がぶ厚く、クラムはぎゅっと詰まっていて、独特の無骨な形をしているのが特徴。

こんな形


マテーラのパンの成形





南イタリアのパンと言えば、パーネ・ディ・アルタムーラが有名。
アルタムーラはマテーラのすこし北にある町で、電車だとたった一駅の距離。
隣町です。
ところが、マテーラはバジリカータ州ですが、アルタムーラはプーリア州なんですねえ。
そこで恒例の、こっちの方が美味しい、こっちが元祖だ論争の勃発。
ちなみに、パーネ・ディ・アルタムーラはDOPで、パーネ・ディ・マテーラはIGP。

これがパーネ・ディ・アルタムーラ

無骨なところまでそっくり。
あ、でもクープが入っていないか。


パーネ・ディ・アルタムーラ





『ヴィエ・デル・グスト』の記事によると、アメリカのある雑誌が、イタリア旅行では最低一晩はサッシ地区に泊まることを勧めているとか。
世界に類を見ない景観があり、過去と現在が入り乱れる面白さと、南イタリアの観光地の割には落ち着いた雰囲気と控えめの物価のマテーラ。
しかも独特の美味しい食べ物に恵まれているとあっては、確かにその価値はありそう。



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関連誌;『ヴィエ・デル・グスト』2008年1月号
“マテーラ”の記事の解説とレストラン・ホテルガイドは、「総合解説」'07&'08年1月号、P.34に載っています。


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4 件のコメント:

くるり さんのコメント...

バジリカータのなかでは避けがちな場所ですが、行ってみるとやはり観光映えしますね。しかも歴史がそうさせるのか、料理もプーリアと似てるからバジリカータっぽくない。でもサッシ地区に泊まると朝夕感動的ですわ。景色は。そういえばあれからカメルレンゴ探してもないです。パテルノステルは普通にころがってますが。あんときプレッツェーモロさんのおすすめに従って、奮発して飲んでよかった。店買いで30ユーロってめちゃ高ですよね。

prezzemolo さんのコメント...

くるりさん
カメルレンゴといえば、この前、映画の『天使と悪魔』を観て、久しぶりにカメルレンゴという名前を思い出しましたよ~。
30ユーロはいい値段ですねー。
石の家はアルベロベッロで懲りたんですが、サッシ地区は一度泊まってみたいもんです。でも、行きたいところがありすぎて、今度はいつ行けるか・・・。
『天使と悪魔』はローマのちょっとした観光ガイドですね。でも、さすがにベルニーニの彫刻はレプリカだけど。

くるり さんのコメント...

私も映画の番宣で思い出したんです。30ユーロもしかなったかもしれませんが、ガストロノミーの店でも残り1本だったのを根性で探し出しましたよ。でも本当においしかったから価値ありました。
石の家はテラスに出れば快適なのでちょっとした争奪戦でしたが(^^;;)本当に行きたいところが増えていくばっかりで、なかなか再訪できませんよね。
映画まだ見てないので、早く行かなきゃ。

prezzemolo さんのコメント...

くるりさん
行きたいところ、増える一方ですねー。
『天使と悪魔』を観て、まだ行っていないところが1か所あることに気がついちゃいましたよ~。
ポポロ広場の教会です。このままじゃすっきりしないから、次回のローマはここを最優先目的地にすることに決めました(笑)。

バッカラはノルウェーとイタリアを結ぶ干物貿易の主役で、この航路は1450年作成の世界地図にも記載されるほど重要でした。

(CIR12月号)によると、ヴィチェンツァでは、この料理はCが1つなんだそうです。普通はバッカラはbaccalàでも、ヴィツェンツァでは、Cがひとつのバカラ。んなばかな、と思ったけど、地元のこの料理の専門家たちは、C一つで呼んでました。会の名前の刺繍もC一つ。リチェッタはP.11...