2009年5月12日火曜日

バッサーノのホワイトアスパラガス

今日はホワイトアスパラガスの話、その2。
『ヴィエ・デル・グスト』の記事の解説です。

イタリアでは、ホワイトアスパラガスをどう料理するのでしょうか。




これはボルツァーノのどこかの店の一品 (photo by s3ldon)。
スペックで覆った肉料理に、ホワイトアスパラガスとじゃがいもを添えたもの。
なんとなくドイツの香りがしますねえ。




こちらはトリエステのホワイトアスパラガス祭りでの一皿 (photo by elisabetta2005)。
アスパラガスとゆで卵という黄金の組み合わせに、なぜかエビと、多分ホワイトアスパラガスのフリッタータ。
さて、このゆで卵とアスパラガス、あなたならどうやって食べますか?(“バッサーノ風卵とアスパラガス”のリチェッタの最後を参照)


こちらのページの動画は、ヴェネトのIGPホワイトアスパラガスの産地、バドエーレのアスパラガスを紹介しています。
最初の約3分がアスパラガスの話。
後はシチリアのアーティチョークとカラプリアのチェードロの話と、後半はワインなど。

大体こんなことを言っています。
「バドエーレという場所は、独特の砂質の土壌のおかげて地中に熱が伝わりやすく、ホワイトアスパラガスが他の場所より短期間で育ちます。
そのため繊維が少なく、柔らかいアスパラガスになります。
ホワイトアスパラガスは、パスタやリゾットのソースにしてもよいですが、伝統的な組み合わせなら、なんと言っても、アスパラガスと卵です。
若いシェフに、この組み合わせでオリジナル料理を披露してもらいました。
まず、グリーンアスパラガスのクリームソースにゆでたうずらの卵とキャビアを添えたワンスプーン料理。
そして、鶏のゆで卵を黄身と白身に分けて裏漉しし、間にグリーンアスパラガスをはさんだトルタ。
最後は、花椒入りザバイオーネに、オイル、塩、ビネガーでマリネしたグリーンとホワイトの生のアスパラガスを浸した一品」


バッサーノのホワイトアスパラガスDOP管理組合のサイトでは、ホワイトアスパラガスのリチェッタをいくつか紹介しています。
その中から、定番のものを訳してみました。


バッサーノ風卵とアスパラガス Uova e asparagi alla bassanese
原文と写真はこちら

材料/4人分
 バッサーノのホワイトアスパラガス・・1kg
 EVオリーブオイル・・1カップ
 卵・・8個
 ビネガー
 塩、こしょう

.アスパラガスを洗って皮をむき、軸の硬い部分を取り除く。
.4つに分けて束ね、調理用糸で縛る。細長い鍋に湯を沸かして塩を加え、アスパラガスを立てて入れる。穂先は湯の外に出るようにする。
.アスパラガスを15分ゆでて取り出し、布で包んでおく。
.卵を8分ゆでて殻をむく。
.糸を取ったアスパラガス1束とゆで卵2個ずつを皿に盛り付ける。
.各自、ゆで卵をフォークで潰してクリーム状にし、オイル、塩、こしょう、ビネガーで調味する。



ソースを作る作業は皿の上で自分でやるんですねー。
知らなかったら別々に食べるところでしたよー。



アスパラガスのリゾット Risotto con gli asparagi
原文と写真はこちら

材料/4人分
 バッサーノのホワイトアスパラガス・・600g
 米・・350g
 バター・・60g
 EVオリーブオイル・・大さじ4
 新玉ねぎ・・1個
 ブロード・・1リッルト
 プレッツェーモロ
 おろしたグラナ・パダーノ
 塩、こしょう

.アスパラガスの皮をむき、穂先は別にする。軸の硬い部分を取り除く。
.新玉ねぎを薄く切り、オイルとバターの半量で炒める。しんなりしたら短く切ったアスパラガスを入れて数分なじませる。米を加えて数分炒め、ワインをかけてアルコール分を飛ばす。
.沸騰したブロードを少量ずつかけながら煮る。
.煮上がる5分前にアスパラガスの穂先とプレッツェーモロのみじん切りを加え、塩味を整える。
.米がアルデンテのうちに火から下ろし、残りのバターとグラナ大さじ数杯でマンテカーレする。



バッサーノのホワイトアスパラガス管理組合では、ホワイトアスパラガスと相性ピッタリのワインとして、ヴェネトの白ワイン、ブレガンツェ・ヴェスパイオーロを勧めています。



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関連誌;『ヴィエ・デル・グスト』2008年1月号
“バッサーノのホワイトアスパラガス”の記事の解説は、「総合解説」'07&'08年1月号、P.25に載っています。


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2 件のコメント:

匿名 さんのコメント...

今の時期ホワイトアスパラは輸入物で良いのが入ってきますよね、

ヴェネツィアの時、オーナーのお父様がたっぷり持って来たのを覚えてます、
仕込む速度より、腐る速度の方が早いというくらい(笑)

私もリゾットにします、作り方は殆ど一緒です、お皿にリゾットを盛り付けてその上には、生タイム風味のスズキのカダイフ巻きローストをのせます、カダイフは揚げるととてつもなく油を吸ってしまうから私はやめてます、カダイフはバラけやすいからリゾットがいい感じののり付けに、それがこの間のコースの魚料理でした、

おっしゃるように卵とは相性がいいですよね、

あぁースペック巻きうまそーぉです、

この辺の方は確かドイツ語がしゃべりますよね?、ボルツァーノのことをボーツェン?、パスタ·スフォーリァのことブレッタータイク、プレストのことシュネルと言っていた方もいた気がします、

バッサーノ、美味しく、酔っ払いそうな名前です。

prezzemolo さんのコメント...

バッサーノでホワイトアスパラガス食べてグラッパ飲みたい~(笑)。
スズキをカダイフで巻くんですか。おしゃれ~!それをホワイトアスパラガスのリゾットに・・・。あ~白ワインと一緒に食べたい!

パスタ・スフォーリアがプレッタータイクですか。北イタリアのドイツ語にはいつも翻訳で苦労してます。

キャビアはしばらく見ないうちにずいぶん種類が増えてました。

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