2019年5月8日水曜日

ナポリのタコのルチア風

今月の地方料理1品めはタコのルチア風Polpo alla luciana。
ナポリの名物料理の一つです。

ルチアとは、サンタ・ルチアのこと、かつ、その地区のタコ漁をする漁師のこと。
ナポリのタコ漁は、テラコッタの壺を夜にしかけて、翌朝引き上げるという方法。
タコをテラコッタの鍋で水を加えずに、タコから出た水分でじっくり煮る歴史の古い料理が、サンタ・ルチア名物のポルポ・アッラ・ルチャーナ。
典型的な漁師料理です。

そう言えば、グイド・トンマージの地方料理シリーズの新着本は、
ナポリ』ですが、これがかなりのタコ推し。
P.28の写真は、真っ黒に日焼けした腕の、まさにナポリのタコ漁師。

サンタ・ルチアは有名な歌から、世界中の人がイメージするナポリ。
こんな風景。卵城の近く。
例の歌を聞きながらサンタ・ルチアを御覧ください。
 ↓

2015年のサンタ・ルチア
 ↓

ナポリにやって来た世界中の観光客が集まる場所のよう。

ナポリの人は日本人よりタコ食べますよねー。
私もナポリで初めてタコ料理を注文したら、小さめのタコが丸々1匹、皿にのって出てきてびっくりしました。
でも、柔らかくてペロッと食べることが出来ましたよ。
この感動は、ナポリで初めてピッツァを食べた時に匹敵しました。



この料理に使うテラコッタの鍋はピニャティエッロpignatiello。
豆を煮る時に使う鍋と同じです。

・鍋に油、潰した皮つきにんにく1かけ、崩した唐辛子1~2本、ケッパーを入れてソッフリットにする。
・その間にミニトマトを小さく切る。おすすめのトマトはピエンノロ・ディ・ヴェスビアーニか皮むきサンマルツァーノ。なめらかな煮汁にする時は裏漉しする。
・ソッフリットにイタリアンパセリの茎を加える。
・下処理したタコを頭を下にして入れる。頭には水分がたっぷり含まれているので、こうして熱して水分を出す。
・オリーブとトマトを加えて少量の塩を加える。オリーブやケッパーはトマトの甘味とのバランスをとるために加える。
・蓋をして火をやや強めて水分を軽く沸騰させる。水分が全部出たら弱火にして約25分煮る。布巾やぬらしたオーブンシートを挟んで鍋に直接材料が触れないようにしてもよい。
・25分煮たら裏返し、蓋をして弱火でさらに20分煮る。裏返したタコの足が柔らかくなって煮汁に沈むようになるまで煮る。
・火を消してイタリアンパセリのみじん切りを加え、15分休ませる。
・皿に盛り付けて煮汁をかける。
・煮汁に浸すパンを添えてサーブする。

小さなタコで作る料理なので、パスタにもよく合います。

ナポリのタコの話、次回に続きます。



-------------------------------------------------------
“タコのルチア風”の記事の日本語訳は、「総合解説」2017年3/4月号P.11に載っています。
書籍リスト
 [creapasso.comへ戻る]
=====================================

0 件のコメント:

リグーリアのパスタソース。くるみのソースは十字軍が発見してヨーロッパに伝えたくるみの大ヒットソース。

2つの顔を持つ街、ジェノヴァ。 港と丘陵地では、料理も違います。 イタリア料理アカデミーのイタリア地方料理のソースの本、『 スーゴとソース 』 によると、リグーリアのスーゴには、海の幸がベースの“スーゴ・ディ・マーレ”というのがあります。これは19世紀後半に、リヴィエラ地方で起き...