2019年5月20日月曜日

ランゲの最高の産物をモダンな伝統料理にしたピエモンテの伝説の店、グイド

新入荷の本のご案内です。
『グイド・エ・グイド』

言うまでもなく、ピエモンテのレジェンド級の名店の本です。
北イタリアを代表する料理とワインに出会うためにランゲ地方を訪れた世界中の人が、訪れたに違いない有名店です。
店があるコスティリオーレはイタリア料理のインターナョナルスクールもあるので日本の料理人にもおなじみの場所。

コスティリオーレ・ダスティ


本の序文には、グイドのオーナーシェフ夫妻、グイドとリディアが店を始めた経緯が書かれています。
1961年、コスティリオーレ市役所の向かいにある、現在はグリンザーネ賞文化広場本部になっている名もない建物の小さなトラットリア、カフェ・トラットリア・エウローパで、リディアとグイドは出会います。
ちなみにグリンザーネ・カヴール賞は青少年を読書に親しませることを目的として1982年に創設された文化機関。

リディアはこのトラットリアを経営する母親のピエリーナから、後にリデイアの代名詞的料理となるアニョロッティ作りを教わりました。
グイドは、地元の素晴らしさを、最高の産物のみを使う料理を通じて世間に紹介したいと考えていました。
当時は最先端の発想です。
ピエリーナの店はリディアが受け継ぎました。
1階はリストランテで、2階はカフェ。
そこには「ノンナ・ピエリーナのジェラート」という看板が。

グイドは妥協せずに信念を貫く頑固者でした。
店の入り口には、教会のような厳格さが漂っていました。
予約をしない客は、席が空いていても断りました。
リディアがびっくりしてなぜ断ったのかと尋ねると、
グイドにとってレストランで食事をするというのは熟考が要求されることで、店を偶然に選ぶものではない。だから絶対に予約が必要なのだ!と答えたと言います。

グイドの品質を追求する姿勢や、地元の産物に向ける愛情は、国境を超えて認められていきました。
村の無名のリストランテは次第に有名になります。
リディアはロサンジェルス・タイムズによって“クイーン・オブ・アニョロッティ”と呼ばれるようになりました。
イタリアでも人気の高い日本人の作家吉本ばなな氏が、グリンザーネの招待を受ける条件としてグイドでの食事を2回、予約してほしいとリクエストした、ということもありました。

グイドは地元のエンブレムになりました。
そしてこの本にはコスティリオーレのグイドが作り上げたエノガストロノミアが詰まっているのです。

グイドの厨房でアニョロッティ・デル・プリンを作るリディア・アルチャーティ。


リディアのアニョロッティ、ヴィテッロ・トンナート、ペペローネ・リピエーノといったグイドの名物料理のリチェッタも収録されています。
ちなみに、60点以上あるリチェッタの1つ、鰻のカルピオーネは、ヨーロッパの鰻料理とは思えないほど繊細で美しい1品です。



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