2018年8月22日水曜日

『ピッツァ』から

クレアパッソで販売している本の翻訳をする水曜日。
今日は最近入荷したお勧め本、スローフードの『ピッツァ/グランデ・トラディツィオーネ・イタリアーナ』から。


エンツォ・コッチャさんの話は度々訳しましたが、彼は上質の食材を使って生地にこだわったピッツァを作って、新しいナポリ・ピッツァの一時代を築いた人です。

彼の後に続いてナポリ・ピッツァに大きな影響を与えた人物は、
まずはサルヴォ・ファミリー。
次男のチーロ・サルヴォは限界まで弾力のある生地を作りました。
これだけ水分の多い生地は、以前は適する粉がなかったので作れなかったそうです。

チーロ・サルヴォのピッツァ
 ↓



チーロの兄と弟のフランチェスコとサルヴァトーレのピッツェリア
 ↓


3代続くピッツェリアの家系で、ナポリでもこれほど大成功を収めたファミリーは他にいないそうです。

そして新しいナポリ・ピッツァの主役はダヴィデ・チビティエッロさん。
世界最大のナポリ・ピッツァの流派を作り上げてナポリ・ピッツァを世界中に知らしめた人。




ピッツァは庶民の食べ物ですが、ピッツァイオーリはとても尊敬される職業になりました。

ところで、今週のブログではフォカッチャの記事を取り上げています。
この本にはピッツァに関することがマニアックなまでに詳しく調べられています。
フォカッチャ・リグレについては、こんなことが書いてありました。

「フォカッチャ・ジェノヴェーゼは、方言ではフガッサfugassaとも言う。
主な材料は上質の小麦粉とエクストラヴェルジネのオリーブオイル。
特徴は、厚さは2cm以内。
外はこんがり焼けていて、中は柔らかい。

古代から広まっていたフォカッチャ・ジェノヴェーゼからピッツァ・ジェノヴェーゼは生まれた。
ルーツはリグーリア東海岸のオネッリア。
海軍大将のアンドレア・ドリアの生まれ故郷だ。
ピッツァ・アッランドレアは、彼に由来すると考えられている。
このピッツァはジェノヴァ県一体に広まった。
その結果、ピッツァとフォカッチャが混ざり合い、厚みのある生地のピッツァが生まれた。



ピッツァ・アッランドレアのトッピングはアンチョビ、イワシ、トマト、玉ねぎ、バジリコ、にんにく、タッジャスカの黒オリーブ。
別名サルデナイラとも呼ばれるが、これは昔、小イワシの頭だけで作っていた時の名残り」

ピッツァとフォカッチャがミックスされたことがよく分かるサルデナイラ
 ↓



どっちかと言うと、フォカッチャかなあ。



-------------------------------------------------------
総合解説
書籍リスト
[creapasso.comへ戻る] =====================================

0 件のコメント:

寿司と刺身以外のイタリアンの生魚料理は、カルパッチョにタルタル程度。やっぱり生魚料理は日本料理の象徴。

昨今の世界中での寿司の流行には、生魚を食べる習慣が広まったということが根底にあります。 という訳で、寿司や刺身以外の生魚が初役の外国の料理は、他にどんな料理があるのでしょうか。 思い浮かばない・・・。日本人て生魚食べる割には、外国の生魚料理全然知らない。 日本料理の独壇場なんです...