2018年8月17日金曜日

パイヤータのリガトーニ

総合解説」2016年4月号発売しました。

今月の「総合解説」で取り上げた地方料理の1品目は、ローマのパイヤータのリガトーニ。

“パイヤータpajata”は、小腸のローマの方言(標準語はpagliataだけど、ローマ方言の名前のほうが一般的じゃないでしょうか)。

貧しい食材を美味しい料理に変えるという庶民料理の本質を守りながらも、
内臓という最近では食通に人気の食材が主役のこの料理は、
グルメな人々の心をがっちり捉えていました。

しかも、BSEの影響で15年に渡って販売が禁止され、解禁されたのは2015年と、まだ最近の話。
禁止されれば食べたくなるのが人間。
パイヤータは、伝説の食材になりかけていました。

小腸を食べたーいと熱望しているローマの人々に教えてあげたい。
日本にはこてっちゃんがあるよー。

でも、日本のこてっちゃんも一時は2年間販売を休止したというから、あの頃は、日本のホルモン好きも、振り回されたんだろうなあ。

腸の販売が禁止されたのは腸を食べる習慣がある国だけでした。
こてっちゃんの原料の腸はアメリカやオーストラリア産。
ということは、これらの国では食べる習慣がない。

こてっちゃん、BSE問題時にはこんな努力が・・・。

イタリアは、前回のブログで紹介したサルデーニャの羊の腸の炭火焼き、コルドゥーラなど、地方によってはよく食べていました。
地方どころか、ローマに関しては、小腸はトラステヴェレ生まれでない人には馴染みのない食材だそうですよ。
私も、こてっちゃんを使えばパイヤータのリガトーニができると考えてる時点で、食べる習慣がない人でしょうか。

パイヤータを見栄えの良い料理にするには、完璧な下処理が必要だそうです。
小腸を長さ20~25cmに切ってリング形に結ぶ
こんな面倒な作業があったんですねー。
知らなかったー。
ローマの肉屋さんはリクエストがあればこの下処理もやってくれるそうです。
馴染みの店が必要ですね。
こてっちゃんの会社なら、結んだこてっちゃんを売り出していたはず。

ローマの肉屋の教祖と言われているボッテガ・リベラーティのロベルト・リベラーティさんは、こんな人。
 ↓


もう1本どうぞ。



さすがに解禁されてまだ3年のパイヤータは、料理の動画がほとんどないですねー。
解禁されたとは言え、まだ豊富に出回ってはいないそうです。
この料理が消滅する前に戻ってきてよかった。




最後は、パイヤータのリガトーニがお勧めの店の1軒
フラヴィオ・アル・ヴェラヴェーヴォ・デットのフラヴィオさん。
 ↓


ローマの伝統的なオステリアのシェフです。


-------------------------------------------------------
“パイヤータのリガトーニ”の記事の日本語訳は「総合解説」2016年4月号に載っています。
書籍リスト
 [creapasso.comへ戻る] =====================================

0 件のコメント:

よもぎはドイツ語ではベアムート。かっこよくてお餅につける名前じゃないよね。トリノでパティシエが白ワインとよもぎから作りだしたのがベルモット。

今日のお題は、メイド・イン・イタリーの食材です。(CIR2022年1月号P.37の記事) その食材は、ベルモット。ピエモンテ州トリノで誕生したフレーバード・ワインです。 白ワインにスパイスとハーブを加えて香りをつけたもの。 ところで、ベルモットはドイツ語の“ヨモギWermut”が...