今日は『ガンベロ・ロッソ』の“新家庭料理”という連載記事の解説です。
これは、季節に合わせた旬の食材を使ったモダンな感覚の家庭料理、というテーマの記事ですが、この記事で毎月取り上げる食材を見ると、その時期の旬の食材がよく分ります。
ちなみに、現在発売中の10月号では、主役の食材は林で拾い集めた木の実。
私は木の実を拾った経験がないので、落ちている木の実は栗とぎんなんぐらいしか想像できないのですが、皆さんの身近には、どんな林がありますか?
記事で取り上げているのは、くるみ、松の実、ヘーゼルナッツ、ピスタチオです。
そういえば、日本の漫画家さんはほんとにすごいもので、これまでにも、リアル酪農家、リアル猟師と、いろんな仕事を自ら体験している人がいましたが、里山に移り住んで畑を耕して、一人農業を自ら体験しながらマンガを描いている人もいます。
中でも、五十嵐大介さんの作品はお勧めです。
その一つ、『リトル・フォレスト』は、田舎で畑を一人で耕しながら暮らす女性の話ですが、この女性の母親が、山道沿いのハシバミの実を摘み集めてすりつぶし、ココアパウダーと砂糖、油少々を加えて煮ながら練り上げたクリームを、母親から「ぬてら」というものだと教えられる、というシーンがあります。
このブログを読んでいる人なら、多分、それ、ヌテッラnutellaだよ~と思ってにやっとしますよねー。
、
手作りヌテッラ
↓
マンガを見てヌテッラを作った人がいました。
こちら
でも私は何より、ヌテッラが日本でも作れるものだという発想にハッとしました。
ヘーゼルナッツを摘み集めるなんて、素敵な生活だあ。
ハシバミ
↓
この本には、こうしたなんでも自分で作って食べる暮らしの厳しさと楽しさが、満ち溢れています。
自分で作って食べる、自分て殺して食べる人だけが語れる世界、簡単ではないだけに、実際にやっている人は尊敬しますねー。
それで、『ガンベロ・ロッソ』の記事ですが、この記事も、自分で作って食べる人にお勧めのメニューが毎月載っています。
9月号は、森で摘んだきのこの料理、8月号は夏のアウトドア向き料理、7月号はなす、6月号はシーフードといったラインナップです。
ちなみに、10月号のリチェッタでは、ミートボールに刻んだヘーゼルナッツをまぶしています。
くるみはリコッタに混ぜてネッチという栗の粉のクレープの詰め物に。
松の実はにんにく、パン、チーズと一緒にミキサーにかけてスパゲッティのソースに。
ピスタチオはクレーム・ブリュレに。
なるほど、今時のファミリー向きのお洒落な料理ですねー。
なすに関しては、『La parmigina e la rivoluzione』という一風変わった料理書の序文を思い出しました。
著者のおばあさんは、パルミジャーナはなすが旬の8月にしか作らなかったんだそうです。
深い・・・。
暗くて見にくいですが、松ぼっくりから松の実を取り出す動画。
イタリアの田舎ではこうして松の実を取り出しているそうです。
↓
スローフードって、ブームになるほど簡単なものじゃないですよね。
-------------------------------------------------------
関連誌;『ガンベロ・ロッソ』2011年10月号、“木の実風味の新家庭料理”のリチェッタは「総合解説」2011年10月号に載っています。
[creapasso.comへ戻る]
=====================================
2013年7月1日月曜日
登録:
コメントの投稿 (Atom)
ジェラートはパンとの相性も良いデセール。シチリアとナポリの人のジェラートの食べ方は、ほんとに自由。
今日は、(CIR)7月号のリチェッタから、ジェラートの話(P.12)。 リチェッタのテーマは、シンプルにコーンやカップに入れるジェラートではなく、クロスタータやボンボローニ、はてはフォカッチャにのせるジェラート。 ジェラートのデセールの最高峰はトルタ・ジェラート。 パン・ジェラー...
-
グラナ・パダーノの話、その2です。 イタリアで流通しているハードチーズの50%近くを占めるグラナ・パダーノ(AC Nielsen調べ)。 2008年の生産量は、435万5347個でした。 平均的な販売価格は11.05ユーロ/㎏。 イタリアの硬質チーズの平均価格は12.70ユーロな...
-
今日はブラザートの話。 『ラ・クチーナ・イタリアーナ』の記事の解説です。 バローロのブラザート, photo by Silvio 記事によると、 ブラザート brasato は、イタリア語で「炭」という意味の“ブラーチェ brace ”の古い呼び方、“ブラーザ brasa ”が...
-
今日のお題はプリーモピアット。今月の「 総合解説 」P.5の料理です。 スパゲッティなんですが、料理名がやたらカッコイイ。 “アサシンのスパゲッティspaghetti all'asssassina”だって。 初めて聞きました。 聞いたこともない料理だったのに、逆にnetに...
0 件のコメント:
コメントを投稿