2011年4月25日月曜日

ベッテルマット

チーズの話、その2です。
『ア・ターヴォラ』の解説です。

今日のチーズはピエモンテのベッテルマットBettelmatt。

ピエモンテの一番北の角のようにとんがった部分、少し北に行けばスイス、という地方で作られている有名なチーズです。

産地は、ベッテルマット高地を中心とする標高1800~2400mの放牧地。
7月から9月前半の間だけ作られます。
熟成期間は最低2ヶ月~数年。


↓こんなチーズ





le mucche del formaggio bettelmatt
放牧風景


ベッテルマットの“マット”はドイツ語。
マッターホルンの“マッター”と同じ言葉で、牧草地と言う意味。

ベッテルとは、こちらのwebページによると、「寄進」というような意味があるそうで、つまり「寄進の牧草地」というニュアンスなのだそうです。

なんでも、以前はフォンティーナと呼ばれていたのですが、ヴァッレ・ダオスタのフォンティーナがDOPになったために、ベッテルマットという名前が付けられたんだとか。

このチーズ、生産地と製造期間が限られているために貴重品感があり、とにかく高評価。
イタリアのチーズのフェラーリだ、とも言われています。
ほとんどが外国に輸出されているため、逆にイタリアの方が手に入りにくい模様。

味の特徴は、放牧地の草の香り。
若いうちは甘みがあって料理に使うこともできますが、熟成が進むとほろ苦さが出てくるので、食後に蜂蜜などをかけて味わうのに向いています。


↓ベッテルマット、じゃがいも、ベーコンのパスタ




パタスとじゃがいもを一緒にゆでます。
ベッテルマットは小角切りに。
玉ねぎとベーコンをバターでソッフリットにし、ゆで上がったパスタとじゃがいもを入れます。
そこにベッテルマットを加えて溶かし、仕上げにこしょうを。



↓ベッテルマットのリゾット






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関連誌;『ア・ターヴォラ』2007年12月号
ベッテルマットを含む“ディナーにお薦めのチーズ”の解説は、「総合解説」'07&'08年12月号に載っています。

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2 件のコメント:

畠山 さんのコメント...

これもまたブラウンスイス。つくづくチーズ向きな品種なんですね。
先日久しぶりにブラウンの娘牛が産まれました。いつか放牧だけで搾った乳でチーズが作れたら・・と思います。

prezzemolo さんのコメント...

畠山さん
そうでした、写真を見ただけで牛の品種が分かってしまう人でしたね!
ブラウンスイスですか。
この品種、イタリア語ではブルーナと言うそうです。
イタリアの乳牛の中ではかなり数が多いようですが、日本ではまだ少ないんですね。
ベッテルマットはイタリアの通の間ではやたら人気が高いチーズです。
畠山さんの牛たちのチーズもプレミアものになりそうですねえ。

バッカラはノルウェーとイタリアを結ぶ干物貿易の主役で、この航路は1450年作成の世界地図にも記載されるほど重要でした。

(CIR12月号)によると、ヴィチェンツァでは、この料理はCが1つなんだそうです。普通はバッカラはbaccalàでも、ヴィツェンツァでは、Cがひとつのバカラ。んなばかな、と思ったけど、地元のこの料理の専門家たちは、C一つで呼んでました。会の名前の刺繍もC一つ。リチェッタはP.11...