ミラノの話、その3です。
ミラノで食べておきたいものの一つが、本場のパネットーネ。
ミラノのパスティッチェリーア・ジャコモのショーウインドーのパネットーネ。
『ラ・クチーナ・イタリアーナ』ではお薦めのパスティッチェリーアをいくつか紹介していますが、その一軒がパスティッチェリーア・クッキPasticceria Cucchi。
店のwebページはこちら。
1936年開業の老舗で、現在の店主は3代目。
開業当時はカフェとして繁盛していましたが、第二次大戦時に空襲を受けて、家も仕事場も失ってしまいます。
しかし、彼らはすぐに店の再建に取りかかりました。
まだ戦争中にです。
毎晩、空襲警報が鳴り響く度に地下のカンティーナへと逃げ込む恐怖の日々だったそうです。
その地下室は、現在は店の作業場となっています。
パスティッチェリーアとして再出発したクッキは、今やミラノを代表する有名店の一つとなったのでした。
↓店のPV。
クッキのパネットーネは伝統を守った正統派。
↓ミラノで毎年11月末に開催されているドルチェのイベント、“レ・パネットーネ”で、クッキのパネットーネを紹介する同店のカーポ・パスティッチェーレ。
このレ・パネットーネというイベントでは、イタリア各地から腕に自慢のパスティッチェーレが集まって、オリジナルのパネットーネを披露しています。
2011年は11月26、27日の両日開催されます。
↓2009年のレ・パネットーネ。
パスティッチェリーアのパネットーネ作りはとにかく時間がかかって複雑。
リエヴィト・マードレlievito madreと呼ばれる中種作りと発酵作業がポイントです。
↓ミラノのパスティッチェリーア・ブズネッリのパネットーネ。
ブズネッリ氏はパスティッチェリーアのマニュアル本も書いています。
店のwebページはこちら。
彼のリエヴィト・マードレは27年もの。
毎日小麦粉と水を加えて再生させています。
動画で最初に行っているのがリエヴィト・マードレの再生作業。
出来上がったリエヴィト・マードレは、パネットーネに使う分と明日の分に分けます。
次に、小麦粉、砂糖、バター、卵黄、水、リエヴィト・マードレをこねて20時間発酵させます。
ドライフルーツを加え、バターを塗った台で1個ずつに分けて30分休ませ、紙の型に入れて6時間発酵させます。
表面に十文字の切り込みを入れてバターをのせ、183度のオーブンで1時間焼きます。
焼き上がったら裏返して乾かないようにしながら冷まして出来上がり。
2ヶ月もつそうです。
↓リエヴィト・マードレの代わりに生イーストとモルトエキスを使った家庭で作るパネットーネ。
パネットーネの話、次回に続きます。
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関連誌;『ラ・クチーナ・イタリアーナ』2007年12月号
“グルメ紀行~ミラノ”の解説は、「総合解説」'07&'08年12月号に載っています。
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