2010年5月10日月曜日

オリーブ(2)

オリーブの話、その2。
今日はオリーブの品種の話です。

『サーレ・エ・ペペ』の今回の記事では、イタリアで流通している主なオリーブを8品種紹介しています。
イタリアの市場で、色とりどりのオリーブを前にして、どれがどう違うのかさっぱり分からない、というもったいないことにならないためにも、覚えておいて損はない8種類です。


まずはシチリアのオリーブ、ノチェッラーラ・デル・ベーリチェ Nocellara del Belice。



ノチェッラーラ・デル・ベーリチェ, photo by Hansrudolf


シチリアの代表的な食用オリーブで、シチリアのカポナータにグリーンオリーブが入っていたら、これの可能性が大。
DOPのオリーブです。
産地はトラーパニ県のベーリチェ川流域で、中心地はカステルヴェトラーノCastelvetrano。
オイル用、食用のどちらにもなるので、生産地区では大規模に栽培されています。
オイル用は約2割で、残りが食用。
グリーンオリーブが代表的ですが、ブラックもあります。

食用のDOPオリーブの場合、実の直径は18mm以上と決められていて、比較的大粒。
丸くてころんとしています。
果肉は締まっていて厚く、種からはがれやすいのが特徴。
主に塩水漬けにします。

店頭のノチェッラーラ・デル・ベーリチェは、鮮やかな緑色とぷっくりした丸い形が目を引きます。


下の動画はオイル用ノチェッラーラ・デル・ベーリチェ(1:28まで)。
オイルになっても美しいエメラルドグリーン色が特徴。
トマトの葉やアーティチョークの香り。
心地よい苦みとスパイス風味。









次はプーリアのオリーブ、ベッラ・ディ・チェリニョーラ Bella di Cerignola。
フォッジャ県のチェリニョーラを中心とする一帯で栽培されている大粒品種で、DOP製品はベッラ・デッラ・ダウニア Bella della Dauniaという名前になります。

ベッラ・ディ・チェリニョーラ

グリーンとブラックがありますが、主流はグリーン。
プーリアでは、ピッツェリーアなどでもつまみにオリーブをボールにどーんと盛って出したりしますが、極大サイズで存在感の強いオリーブがごろんごろんと入っていたら、多分これ。

楕円形で、グリーンオリーブは麦わら色を帯びた緑色、ブラックオリーブは赤茶色~濃い深紫。
締まった歯ごたえのある果肉。

プーリアのグリーンオリーブは苛性ソーダでしっかり渋抜きしてから塩漬けするのが一般的で、これもそう。
DOPの場合、2.5~3%の苛性ソーダ液に漬けています。


下の動画は3種の熟し具合のチェリニョーラ・オリーブのマリネ。
煎ったフェンネルと唐辛子風味。







こちらのサイトに、ベッラ・デッラ・ダウニアを使ったリチェッタがいくつかあるので訳してみます。


グリーンオリーブのアンチョビーバター詰め Olive DOP farcite

シンプルで伝統的なリチェッタ。
・グリーンオリーブ(ベッラ・デッラ・ダウニア)は種を抜く。
・アンチョビーとバター同量ずつを刻み、練って(ミキサーにかけてもよい)クリーム状にしてオリーブに詰める。



じゃがいものオリーブ和え Patate alle olive DOP

素朴で美味しいコントルノ。
・じゃがいもは皮つきのままゆでて冷まし、皮をむく。
・じゃがいもを小角切りにし、オリーブオイルと赤ワイン少々をかける。
・じゃがいも、刻んだアンチョビー、ケッパー、種を抜いて輪切りにしたオリーブ、プレッツェーモロのみじん切り大さじ1を混ぜ、しばらく置いてなじませる。



パプリカとオリーブ Peperoni con olive DOP

コントルノにするのが一般的だが、農村部ではこれをメインディッシュにすることもあった。
・パプリカはローストして皮と種を取り、細く切る。
・フライパンに油とにんにく数かけを入れ、パプリカを加えて弱火にかける。ほぼ火が通ったら乾燥オレガノを散らし、種を抜いたオリーブをたっぷり加える。
・塩、こしょうで調味する。火から下ろす直前にバジリコのみじん切りを散らして混ぜる。すぐにサービスしてもよいし、冷ましてもよい。




オリーブの話、次回に続きます。



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