2010年5月15日土曜日

オリーブ(3)

オリーブの話、続けます。

今回はリグーリアのオリーブ、タッジャスカ taggiasca。
イタリア産オリーブの中でも特に知名度が高い品種。
でも、知られている割に生産量は少なく、イタリアのオリーブ全体のわずか0.5%だとか。



タッジャスカ, photo by funadium


イタリアのオリーブの中では最小の部類に入るくらいの小粒。
塩水漬けのタッジャスカは、脱色したような紫がかった赤茶色という、とても地味な色。
外見はそれほどインパクトはないんですが、名前は有名。
オリーブオイルも有名で、リヴィエラ・リグーレという、フルーティーでデリケートなDOPオイルのベースにも使われています。

タッジャスカは、インペリア県のタッジャという町で修道士が栽培していたオリーブ。
インペリアを中心としたリグーリア西海岸で主に栽培されています。
リグーリア料理には欠かせない食材ですが、そもそもリグーリア料理自体があまり知られていない!
タッジャスカオリーブ入りの代表的な料理は、うさぎ肉のリグーリア風煮込みあたり。
この料理、リグーリアの名物料理の一つと言われているんですが、いったいどんな料理?

こんな料理↓。
うさぎを丸ごと1羽、内臓ごと使います。
玉ねぎ、にんにく、赤唐辛子、ローズマリー、ローリエ、タイムのソッフリットに切り分けたうさぎを入れて焼き、白ワイン(ヴェルメンティーノなら本格的)とトマトを加えて煮ます。
さらに内臓とタッジャスカオリーブを加えて10分煮込んで出来上がり。
トマトが入らないバージョンもあります。







タッジャスカの特徴は皮が薄くて味にくせがないことなので、リグーリア料理でなくても様々な料理に使われています。
肉にも魚にも合います。
次の動画は、クルマエビ、ブロッコリーのクレーマ(動画の製造元の製品)、タッジャスカオリーブのソースのグラニャーノのスパゲットーニ。







次ははバッカラ・マリナート。
2日間塩抜きしたバッカラを刻み、タッジャスカオリーブ、2~3日かけて塩抜きしたサリーナのケッパー、パキーノのミニトマト、レモン汁、バジリコ、リグーリアのオリーブオイルという、オールイタリアンな食材でさっとマリネした一品。








オリーブの話、次回はラツィオのオリーブです。



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関連誌;『サーレ・エ・ペペ』2007年6月号
「オリーブ」の解説とリチェッタは、「総合解説」'07&'08年6月号に載っています。

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2 件のコメント:

くるり さんのコメント...

この前、超久しぶりにイータリーに行ったらオリーブオイルの大安売りをしていたので買ったら、タッジャスカのオイルでした。いつもは超安物のオリーブオイルを使っているので、味の差が歴然!
焼き野菜の酢漬けにかけるだけで、ものすごくうまいので驚きました。あ、店で食べるオイルの味だと思いました(笑)

prezzemolo さんのコメント...

くるりさん
毎日の料理に使う油にどこまでお金をかけれるか、シビアな選択を迫られる問題ですよねえ。
安めのプーリアのオイルを買う時でもたっぷり悩むし。
タッジャスカのオイルを10周くらいまわしかけたグリル野菜とか、おいしいでしょうねえ・・・(遠い目)

ジェラートはパンとの相性も良いデセール。シチリアとナポリの人のジェラートの食べ方は、ほんとに自由。

今日は、(CIR)7月号のリチェッタから、ジェラートの話(P.12)。 リチェッタのテーマは、シンプルにコーンやカップに入れるジェラートではなく、クロスタータやボンボローニ、はてはフォカッチャにのせるジェラート。 ジェラートのデセールの最高峰はトルタ・ジェラート。 パン・ジェラー...