2009年10月26日月曜日

パスタ・フィラータのチーズ

今回もチーズの話。
『ア・ターヴォラ』の記事の解説です。


『ア・ターヴォラ』には、イタリアの個性的なチーズを毎月4種類ずつ紹介する記事が連載されています。
クレアパッソで現在配本中の号で紹介されているのは、“山のパスタ・フィラータ”。

“パスタ・フィラータ”というのは、イタリアではチーズに対してよく使われる名称なんですが、日本ではあまり知られていないような・・・。
そこで今回は、“パスタ・フィラータ”について、ちょっと解説。


パスタ・フィラータ pasta filata”は、直訳すると、「紡いだ生地」という意味。
普通チーズは型に入れるなどして成形しますが、パスタ・フィラータのチーズは糸を紡ぐように成形するところからこの名がつきました。


パスタ・フィラータのチーズの代表格は、モッツァレッラ。
カチョカヴァッロやスカモルツァ、プロヴォローネもパスタ・フィラータです。



モッツァレッラ・ディ・ブファラ, photo by Pabo76



カチョカヴァッロは変形版も多いですねー, photo by 2friends4cooking.com



スカモルツァ, photo by cyclingshepherd


プロヴォローネ



これらのチーズに共通している特徴は、生地が糸状にさけることと、溶けると糸を引くように伸びること。
この特徴が生まれる秘密は、その製法にあります。
牛乳に含まれるカゼインが特定の酸度と温度の元で起こす変化を利用したもので、イタリア独特のものなんだそうですよ。


少し長いですが、伝統的なカチョカヴァッロ作りの動画。
06:35あたりが、なるほど糸を紡いでいるみたいです。








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関連誌;『ア・ターヴォラ』2007年3月号
“山のパスタ・フィラータ”の解説は、「総合解説」'07&'08年3月号、P.29に載っています。


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9 件のコメント:

vittorio さんのコメント...

豚のカチョカヴァッロ、すごく可愛いですね、私はこういうのは凄く感動します、豚ですよ~(笑)ユニークです、良いお土産になりそう~でも飛行機で持ち込み禁止ですよね、昔カチョカヴァッロは馬乳のチーズだと思っていました(笑)、

この間スカモルツァの燻製の方を業者が持ってきました、パスタ・フィラータは癖がなくクリーミで伸びるので、ウチのお客様にもうけがいいです、

私も影響をうけてパルミジャーノ・レッジャーノのドルチェのリチェッタを製作中です、

レアーにするかベークドするかスフレにするか迷って結局その3種類のミックスを一台のドルチェにまとめたいと思います、まだまだ時間がかかります(笑)

スタッフにも『そろそろショコラのドルチェを先に始めてください。』と言われています。(笑)

prezzemolo さんのコメント...

Vittorioさん
カチョカヴァッロが馬乳のチーズだって思っちゃうのは、イタリアの子供たちの思考パターンとまったく同じですねー(笑)。
豚のカチョカヴァッロ、つぼでしたか。
Vittorioさんだったら作れちゃいそうだなあ。

モデナのオステリーア・ラ・フランチェスカーナのシェフは、パルミジャーノから脂肪分を取り除いてパルミジャーノのメレンゲを作ることに成功したんだそうです。
素人には、それがどれだけ大変なことなのかよくわからないんですが(汗)。
パルミジャーノのジェラートのバルサミコ酢がけ、なんてのも出してるそうです。

vittorio さんのコメント...

いろいろ教えて頂きありがとうございます。
パルミジャーノのジェラートのバルサミコ酢、いいですね、モデナですね。 

もしパルミジャーノのジェラートにパルミジャーノのメレンゲをサンドしたら、昔のタイユヴァンの名物デザートのヴァシュラン・グラッセのイタリアヴァージョンですね(笑)

くるり さんのコメント...

パスタ・フィラータ知りませんでした!って威張っていうことではありませんが(笑)
しかし、豚さんほんとかわいい!!
昔スカモルツァの燻製を浅鍋で焼いてトマトソースで味わったことがありますが、これは大好きな味です。やはり日本人が好きなタイプなのかな。
関係ないですが、vittorioさんのお店に行ってみたいですね。すごくおいしそう。うらやましい。

prezzemolo さんのコメント...

くるりさん
私もVittorioさんのお店に行ってみたいですよー!
料理は写真でしか知らないんですが、ほんとにおいしそうなんです。
しかも見ていて楽しいんですよ~。
豚のカチョカヴァッロに通じるところがありますよ(笑)

くるり さんのコメント...

えー、どこ見れば料理が見られるんですか?(と、ご本人の知らないところで会話が進む。笑)
いつか一緒にお邪魔させていただきましょうよ(と、どこにあるかも知らないで言っちゃいました。また野望が増えちゃった。笑)

prezzemolo さんのコメント...

くるりさん
Vittorioさんに頼めば、写真を見せてくれるかも~。
そうですね、ぜひ一緒に行きましょー!
そんなに超遠くじゃないですよん。
て、くるりさんちの場所も知りませんが(笑)

畠山 さんのコメント...

豚のカチョカバロ・・びっくりです。

先日、父がモッツアレラを作ったのですが久々のせいか伸びなくてボロボロ・・

焼くとそれなりに食べられるのですが固くてカチョカバロにもなりません。
さて残った固まり・・どうしようか。

prezzemolo さんのコメント...

畠山さん
自家製モッツァレラですか。
でき立てを食べることができるなんて、超贅沢ですねー。
伸びないこともあるとはなあ。
チーズ作りはやっぱりかなりの腕が必要なんですね。
食の世界では、傑作は失敗作から生まれるっていうのが通例だから、ひょっとしたらこれから何かすごいものができたりして~。

バッカラはノルウェーとイタリアを結ぶ干物貿易の主役で、この航路は1450年作成の世界地図にも記載されるほど重要でした。

(CIR12月号)によると、ヴィチェンツァでは、この料理はCが1つなんだそうです。普通はバッカラはbaccalàでも、ヴィツェンツァでは、Cがひとつのバカラ。んなばかな、と思ったけど、地元のこの料理の専門家たちは、C一つで呼んでました。会の名前の刺繍もC一つ。リチェッタはP.11...