2008年8月28日木曜日

トマトの話、その3(名前が地名のトマト)

トマトの話、今日は産地が名前になっているトマト。

サン・マルツァーノ San Marzano

gastrocast #75
サン・マルツァーノ, photo by Neal Foley



サン・マルツァーノ


原産地のサン・マルツァーノは、ナポリの東にある町。
サン・マルツアーノはEUのDOP製品に認定されていますが、本物はかなり少なくなっているようです。
正式名は、ポモドーロ・サン・マルツァーノ・デル・アグロ・サルネーゼ・ノチェリーノDOP。
ペリーニタイプのだ円形のトマト。
実は締まっていて水分は少なめ、皮は厚め。
酸味が少ないのが特徴。
缶詰のホールトマト、サルサ、ドライトマトの定番トマト。
生でインサラータにするのも可。


パキーノ Pachino

pachino
パキーノのチェリートマト, photo by federico



パキーノ

シチリアのトマト。
正式名はポモドーロ・ディ・パキーノIGP。
チェリートマトが有名ですが、コストルートやラマーティタイプも作っています。
味のよさと栄養価の高さがセールスポイント。
「トマトの話、その1」に、パキーノのPVとコストルートタイプの動画を貼っています。


サルディ Sardi

こんなトマト
 ↓
http://www.flickr.com/photos/geppetto/2366080475/

サルデーニャの品種。
いわゆる冬のトマトで、主に生で食べます。
上部が緑がかっているのが特徴。
黄色いものもあります。
上の写真は、サルデーニャの代表的なトマト、カモーネ Camone 。
原産地はヴェモーネ Vemone 。


イタリアの代表的なトマトは、ざっとこんなところでしょうか。

では、ここで問題です。
この動画に映っているごつごつのトマトは何と言う品種でしょうか。






答えは、コストルーでした。


次はトマトの保存食の話です。



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2008年8月26日火曜日

トマトの話、その2(形で見る品種)

トマトの話の続きです。

イタリア料理のリチェッタでは、その料理に最適のトマトの品種が書いてあるケースがよくあります。
クレアパッソでは、それを訳す時は、トマト(ラマーティ)、とか、トマト(ペリーニ)のように表記しています。

リチェッタによく登場するトマトは・・・

ラマーティ ramati

Pomodori Rossi
ラマーティ, photo by David


丸くてくぼみのないタイプで、日本の一般的なトマトに一番よく似ています。
インサラータにもサルサにも使え、形がきれいに丸いので、半分に切ってリピエーノにも使えます。
一番応用範囲の広いトマト。
ラマーティとは“枝になる”、つまり“房どり”という意味。


ペリーニ perini

Pomodori
ペリーニ, photo by Melissa Trojani


だ円形のタイプ。
皮が頑丈で実が締まっているので、缶詰や瓶詰、トマトペーストなど、加工品に最適。
インサラータやサルサにも使えます。
ドライトマトにもぴったり。


チリエジーニ(チリエージャ) ciliegini, a ciliegia

Pomodori a Bologna
チリエジーニ, photo by Cipaz CiCCiO

チェリートマト。
一口大の食べやすさと鮮やかな赤い色が特徴。
インサラータ、パスタ、ブルスケッタ、アックア・パッツァなど魚料理との組み合わせ、カルトッチョに最適。


ダッテリーニ datterini

pomodori_1
ダッテリーノ, photo by


“ダッテリ”とは、ナツメヤシ(デーツ)のこと。
ナツメヤシ形のミニトマト。
他のトマトより糖分が多いのが特徴。


クオーレ・ディ・ブーエ cuore di bue

Beefheart tomatoes
クオーレ・ディ・ブーエ, photo by Lotte Grønkjær


「牛の心臓」という名前のイメージ通りの外見。
ハート形で大型。
完熟しても真っ赤にはならず、やや緑がかっています。
果肉は締まっていて厚く、種は少量。
インサラータ用の代表的なトマト。


コストルート costoluto

Ripe Costoluto Genovese
コストルート, photo by


“コスタ”(背、峰)がたくさんあるという意味。
その名の通り、縦に溝が何本も入っています。
果肉は厚く、種は少し。
生で食べることが多いようですが、サルサ、リピエーノなど、何にでも使えます。
冬が旬。



今回は、トマトを形で見てみました。
次は、産地で見るトマトの話です。


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2008年8月25日月曜日

トマトの話、その1

今日はトマトの話。

トマトはイタリアでもっとも多く消費されている野菜。
一家族の年間購買量は32kgで、イタリアの家庭が一年間に購入する野菜の16%なんだそうです。
イタリアにとって日本は、ドイツ、イギリス、フランス、アメリカに次ぐトマトの輸出先。
トマト輸出国のイタリアでも、ここ数年、中国産トマトペーストの輸入量が急増していて、主にトマトの加工品に使われているようです。
trashfood.com/2007/08/la-crisi-delloro-rossoより)


イタリアのトマトの品種って、たくさんありますねえ。

ラマーティ、ペリーニ、クオーレ・ディ・ブーエ、コストルート、チリエジーノ、ア・グラッポロ、サン・マルツァーノ、ダッテリーニ、サルディ、パキーノ、カモーネ、etc.。

年々、名前が増えているような気がします。
料理によって細かくトマトを使い分ける傾向が強まっている、ということでしょうか。

これらのトマトの名前は、一部はトマトの品種名で、一部はトマトの産地の名前。
たとえば、パキーノ Pachino はシチリアの南の端にある町。


パキーノ

ここでは様々な品種のトマトが作られていますが、どれも“パキーノIGP”というブランドのトマトです。

パキーノIGP管理組合のhp
www.igppachino.it


パキーノ・トマトのCM





パキーノで栽培されているサラダ用トマト、コストルート





店頭のシチリア産トマトの品種を説明





イタリアではプーリアに次いで2番目にトマトの生産量が多いカンパーニアでの、機械によるトマトの収穫の様子





トマトの話、次回に続きます。

次回から、更新は週3回程度になりま~す。



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2008年8月22日金曜日

アサリのスパゲッティ

今、なぜか、無性に食べたいパスタがあるんです。
アサリのスパゲッティ

今月配本号の中では、『ラ・クチーナ・イタリアーナ』に、サルデーニャのアサリを使った“アルゼッレのスパゲッティ”と言う名前でリチェッタが載っています。

ベーシックな料理なので、改めてリチェッタを書くまでもないと思うのですが、そう言えば、アサリのスパゲッティには、ロッソとビアンコがありましたねえ。

Spaghetti alle vongole veraci
ビアンコ, photo by Raphaela


Forno Italia, Linguine Vongole
あまり見かけない気がするロッソ。麺はリングイーネ, photo by Adam Kuban


Spaghetti alle vongole
赤と白の中間をとって、プチトマト入り, photo by Wurz


私は断然ビアンコ派だなあ。


アサリのリングイーネの作り方の動画。
これが、アサリのパスタの一番オーソドックスな作り方でしょうか。
 ↓
video.google.it

家庭で作るとしたら、ワインを加えるか、唐辛子を入れるか、バリエーションはそんな程度。
でも、プロとなると、これに一工夫加えてもっと美味しそうに仕上げるわけで、きっと皆さん、秘密のリチェッタがあるんでしょうねえ。
『ラ・クチーナ・イタリアーナ』の“アルゼッレのスパゲッティ”も、ちょっと一手間かけたリチェッタになっています。
「総合解説」に訳を載せていますので、詳しくはそちらをご覧くださ~い。


この動画はアサリのスパゲッティのカルトッチョ。
ほお、そう包むか。
仕上げに300度のオーブンで2分焼いています。




これはアサリとムール貝のプチトマト入りタリアテッレ。
プレッツェーモロのサルサを皿に敷いています。




おまけ
お父さんと一緒にアサリのスパゲッティを食べる子供。
超カワイ~♪
お父さんのフォーク使いもお見事。




今日はアサリを買って、スパゲッティ・アッレ・ヴォンゴレだな。



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関連誌;『ラ・クチーナ・イタリアーナ』2006年7月号(クレアパッソで販売中)
“アルゼッレのスパゲッティ”のリチェッタの日本語訳は、「総合解説」'06&'07年7月号、P.7に載っています。


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2008年8月21日木曜日

コスタ・ダマルフィDOC

アマルフィ海岸の話、その2。
『ヴィエ・デル・グスト』の記事、“アマルフィ海岸”の解説です。

今日はワインの話。

アマルフィ海岸は、ほとんどが切り立った絶壁で、平地はごくわずか。
そんな土地で、何かを栽培するのは大変です。


introducing amalfi
アマルフィ海岸の典型的な風景, photo by grazie davvero


農地はほとんどが狭い段々畑。
一番よい場所では、収入の多い野菜や果物を栽培し、ぶどうは残りの場所で育てるので、さらに悪条件。
ところが、この地形が幸いしたのか、ヨーロッパ中を襲ったフィロキセラの被害を、この地方は受けなかったのだそうです。
だから、樹齢の古い樹がたくさんあります。

アマルフィ海岸のワインと言えば、コスタ・ダマルフィ Costa d'Amalfi DOC 。
フローレ、トラモンティ、ラヴェッロの3つのソットゾーナ(ラベルに地名が表示できる地区)があります。

フローレは、こんな町。




平らな場所がない!
なんと面積の50%以上が斜面。
ぶどう畑も、低い場所と高い場所では標高が400m以上も違うので、ぶどうの熟し具合も上と下ではだいぶ違います。
そんな過酷な環境で造られているコスタ・ダマルフィ。
情熱がないとできないことですねー。

コスタ・ダマルフィには、赤、白、ロゼがあります。
赤とロゼは、アリアニコとピエディロッソが中心。
白は、ファランギーナとビアンコレッラが中心。

代表的な造り手は、マリーザ・クオモという名前で知られるグラン・フロール・ディヴィーナ・コスティエーラ。
マリーザさんと夫のアンドレアさんが経営するカンティーナです。
カンティーナのhpはこちら。
www.granfuror.it

代表的なワインは、白のフローレ・ビアンコ・フィオルドゥーヴァ Furore Bianco Fiorduva 。
こんなワイン。
www.granfuror.it/img/vini/fiorduva_b.jpg

素晴らしい組織と複雑なアロマのあるエレガントなワイン、
岩のミネラル分や地中海の低木の香り、太陽の強さのあるボディーが感じられるワイン、
など、専門家は、コスタ・ダマルフィの中では最高ランク、と高く評価しています。

フローレの断崖絶壁の地形は、“フローレのフィヨルド”と呼ばれているのですが、このワインの“フィオルドゥーヴァ”という名前は、フィヨルド fiordo とぶどう uva をかけているんだそうです。
つまり、海と大地、という思いが込められています。

赤のフローレ・ロッソ・リゼルヴァ furore rosso riserva も力作と評価されています。


コスタ・ダマルフィは地元の料理によく合うワイン。
アマルフィ方面へお出かけの際は、ぜひお試しを。



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関連誌;『ヴィエ・デル・グスト』2007年7/8月合併号
“アマルフィ海岸”の記事の日本語訳は、「総合解説」'06&'07年7月号、P.34に載っています。


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2008年8月20日水曜日

アマルフィ海岸

今日はアマルフィ海岸の話。
『ヴィエ・デル・グスト』の記事、“アマルフィ海岸”の解説です。

アマルフィ海岸 Costiera Amalfitana とは、ソレント半島の南側。
西のポジターノと東のヴェエトリ・スル・マーレを結ぶ、入り組んだ断崖絶壁の絶景が続く美しい海岸線です。


左のマークがポジターノ、右がヴィエトリ・スル・マーレ


世界遺産にも指定されています。
中心地はイタリア最古の海洋共和国の首都、アマルフィ。




アマルフィ海岸の特産品と言えば、レモン

Limone and Limoncello
レモンとリモンチェッロ, photo by mom and dad


アマルフィのレモンは、“レモーネ・コスタ・ダマルフィ”という産地名が保護されているIGP製品です。
1個100g以上の比較的大型のレモンで、皮が厚く、香りがよくて酸味は控えめ。

海洋共和国のアマルフィの人たち、航海に出る時は、壊血病の予防のため、ビタミンCの供給源としてこのレモンを積み込んでいったのだそうです。


アマルフィのレモンと言えば、リモンチェッロ




そしてレモンのデリツィア

delizio di limone
手作り感いっぱいのレモンのデリツィア, photo by exile in suburbia


アマルフィ海岸の町、チェターラは、イワシのコラトゥーラ colatura di alici が有名。

コラトゥーラ作り




アマルフィ海岸でレベルの高い料理を食べたくなったらお勧め、として『ヴィエ・デル・グスト』で紹介されているのは、5つ星ホテルのミシュランの星付きレストラン。

ホテル・パラッツォ・サッソ(ラヴェッロ)
www.palazzosasso.com


ホテル・サン・ピエトロ(ポジターノ)
www.ilsanpietro.it

ホテル・サン・ピエトロの動画




もう一つ、アマルフィにも星付きレストランがあります。
ラ・カラヴェッラ
www.ristorantelacaravella.it


今頃は、どこも観光客で大賑わいなんだろうなあ。
アマルフィ海岸の話、明日に続く~。



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関連誌;『ヴィエ・デル・グスト』2007年7/8月合併号
“アマルフィ海岸”の記事の日本語訳は、「総合解説」'06&07年7月号、P.34に載っています。


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2008年8月19日火曜日

バーカロとチケーティ

ヴェネチア潟料理の店の話、今日も続けます。
『V&S』の記事、“ヴェネチア潟料理の店”の解説です。

ヴェネチアやその周辺で楽しいのが、“バーカリ・エ・チケーティ bacari e cicheti ”。
チケーティとは、ストゥッツィキーニのことで、つまりワインのつまみ。
ラテン語で「ごく少量」という意味の ciccus という言葉が語源だそうです。
言うなれば、イタリア版タパス。
食事の前に、バーカロと呼ばれる立ち飲みバーに寄って、チケーティを食べながらワインを一杯。
顔見知りとおしゃべりを楽しんだら、次の店に移動してまた一杯。
普段、立って食べたり飲んだりするのに慣れていない人がこれをやると、すぐにギブアップして、椅子のある店を探したくなりますよー(体験談)。


バーカロのチケーティは、パニーノやコロッケなど、手で食べることができるものが中心。
venicexplorer.net


Cicheti
オステリーアのシーフードのチケーティの盛り合わせ, photo by Kars Alfrink


IMG_0197.JPG
有名バーカロの一つ、ド・モーリ, photo by Rob


有名バーカロ巡りをした人のブログ。
写真から雰囲気が伝わってきます。
最初の店が、ド・モーリ Do Mori 。
aaaaccademiaaffamatiaffannati.blogspot.com

こんな店もあります。
www.labottegadigio.it

有名店を巡るのもおもしろいし、行き当たりばったりで入ってみるのも楽しいですよね。
渋めの店、若い人が集まる店、色々あります。



今日のおまけ。
今年のヴェネチアのカーニバルの様子です。





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関連誌;『V&S』2007年7月号
“ヴェネチア潟料理の店”の翻訳は、「総合解説」'06&'07年7月号、P.31に載っています。


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オルダーニシェフの後継者のクリスマスディナー。

今月のシェフはコルナレード(ロンバルディア)のリストランテ・オルモのリッカルド・メルリシェフ。 ダヴィデ・オルダーニシェフの店、ドーのスーシェフです。 ドー。 オルダーニシェフは、ミラノの新世代を引っ張っているシェフ。ミラノはイタリアの飲食業界のトレンドを生み出す街。オルダーニシ...