2014年12月4日木曜日

ナポリ人気質

まず、なすのパルミジャーナ。
スライスして揚げたナス、トマトソース、チーズを重ねたオーブン焼き。
それでは質問です。
これはどこの地方の料理でしょう。




多分、シチリアと答える人が多いのでは、と思うのですが、ナポリでこの料理を習った人は、ナポリ料理と信じて疑わないはず。

この料理は、シチリアとナポリで本家争いが繰り広げられている料理なのですが、『サーレ・エ・ペペ』では、この料理の説明の一番最初に、まず、ナポリ人気質というものをこんなふうに説明しています。

「陽気で人がいいけれど、極端に排他的。
ナポリ料理は、ナポリ人にとってただ一つの本物の料理だ。
彼らはナポリが生み出した美食文化に誇りを持ち、自分たちが元祖であることを全力で主張する。
もしパルミジャーナがシチリア生まれだ主張すれば、
古いリチェッタや料理界の権威がナポリ料理を讃える文献を持ち出して、徹底抗戦を始めるだろう」

これを書いたのは、ナポリ人ですが、ナポリをイタリアに置き換えれば、外国人がイメージするイタリア人気質そのものだなあ。

しかも、この料理の名前、シチリアではmelanzane alla pramigianaですが、ナポリでは、parmigiana di melanzane なんだそうです。

どっちでもいい気もしますが、『サーレ・エ・ペペ』では敢えてナポリ風のパルミジャーナのリチェッタを紹介しています。

カゼルタのリストランテ・ラ・コロンネのシェフのparmigiana di melanzane
 ↓


今月の「総合解説」では、もう1つ、ナポリがらみのネーミングの食材を紹介しています。
パーネ・カフォーネですpane cafone。

サワードウの田舎風パン。
 ↓
 


以前ブログで紹介した時(こちら)とは別の説です。

もしイタリア語の辞書をお持ちでしたら、cafoneカフォーネという言葉の意味を調べてみてください。
私の辞書には、「(ナポリで多くいる)田舎物、粗野なやつ」
と書いてあります。

ナポリ限定ですよ。
なんだか、すごく失礼で差別的な言葉なんですね。
これをそのまま訳す気にはなれなかったのですが、イタリア語の原文では、
「発祥地であるナポリの下町の活気を言い表した名前」と、とてもスマートな解釈がされていました。

ナポリ名物洗濯物。




パーネ・カフォーネ



カフォーネはアメリカにも伝わって、スラングとしても使われている言葉のようです。

とにかく、ナポリはイタリアのいじられキャラ。

ナポリで行われたヌテッラ誕生50周年のイベントで、ヌテッラを食べた時のリアクションを教えたくださいというインタビュー。
(こちら)
ナポリ人、みんなノリノリですねー。
愛されキャラだなあ。

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関連記事、“なすのパルミジャーノ”と“伝統的なパンのとサンドイッチ”の日本語リチェッタは、「総合解説」2012年8月号に載っています。

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2014年12月1日月曜日

トマトソースのスパゲッティに合うワインとビール

今日はワインの話。
唐突ですが、トマトソースのスパゲッティに合うワインって、どんなのでしょう。

基本中の基本のような気もするけどあんまり考えたことなかったなあ。
そこで、ローマのホテル・ローマ・カヴァリエーリ(ちなみにシェフはハインツ・ベツク)のソムリエ、マルコ・レイタノ氏を含む、ガンベロ・ロッソの専門家たちの意見を聞いてみましょう。

1位に選ばれたのは、ポッジョ・レ・ヴォルピのフラスカーティ・スーペリオーレ・エポス2010。


カンティーナのhpはこちら。

カンティーナのPV

ワインのページはこちら。

フラスカーティで栽培された地元品種のぶどう、(マルヴァジーア・ディ・カンディア、マルヴァジーア・プンティーナ、トレッビアーノ)を使用した地ワイン。
ガンベロ・ロッソでは何度もトレ・ビッキエーリに選ばれていて、ガンベロ・ロッソお気に入りのフラスカーティのようです。
日本でも手に入りやすいワインのようなので、ぜひ、トマトソースのスパゲッティと組み合わせてみてください。

順位外ですが、相性のよいビールというのも選ばれています。
それは、ドゥカートのヴィア・エミーリア。



ちなみに、このビール、前回のブログで紹介した消費者のタイプ別お勧めビールで、ビール通でない人向きのビール(ウンチクは気にしないサッカーのお供用)に選ばれています。

ドゥカートのhpはこちら。

ビールのページはこちら。

最近のイタリアのソムリエは、ワイン以外の泡を勧めるようになってきたそうで、ヴィア・エミーリアは万人向けのイタリア産クラフトビールの代表格のようです。
下面発酵、ドイツのテットナンガー産ホップを使用した無濾過のケラーピルス。
2010、2012、2014年のワールド・ビア・カップ、ケラービア部門銀メダル。
イタリアで最高のピルスの一つという評価を獲得しています。
産地繋がりでパルマの生ハムにも合うそうですよ。

ヴィア・エミーリアのテイスティング動画


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“トマトソースのスパゲッティに合うワイン”と“ビールと消費者”の記事の日本語訳は、「総合解説」2012年7月号にのっています。

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2014年11月27日木曜日

モンテジョーコ

今日はビールの話。
なんでも、イタリアのビール業界は活況を呈しているようで、あらゆるタイプの消費者をターゲットにしたビールが次々と造り出されています。
そんなわけで、クチーナ・イタリアーナ誌は、ビールの消費者を4つのタイプに分類して、それぞれにお勧めのビールを紹介しています。

1.ビール通→一般的なビールにはあまり興味がない。
2.ビール通でない人→サッカーを観ながら喉の渇きを癒すためにビールを飲む
3.女性→アルコール度が低くワインより気軽に飲めるのでビールを飲む
4.セリアック病の人→グルテン過敏症などでビールが飲めない

あなたはどのタイプですか?

1の人は、傾向として、珍しい、小さな造り手、古い醸造方法、複雑な香り、特別なモストのスパイシーなビールを求めています。
 
ベルギーや北欧産が人気ですが、イタリア産なら、モンテジョーコのラ・ムンミアLa Mummiaがお勧め。
 ↓


ラベルに描かれている通り、ムンミアとはミイラのこと。
長期間寝かせていることの隠喩です。

ランビックスタイルのサワーエール。

バルベーラに使った数種類のバリックで3年寝かせてから瓶内で再発酵。
スプマンテのような泡、ワイン香、野の花の香り、デリケートな柑橘フルーツ風味、エレガントな酸味、最後にくる塩気。

テイスティング動画

モンテジョーコのhp

ピエモンテの造り手で、2005年創業。
地元のワイン用のバリックを使っているのが特徴。
イタリア産のサワーエールではナンバー1と言われていて、もうアメリカには輸出しています。

下の写真は同じくモンテジョーコのビール、デーモンハンター。
 ↓



アルコール度8.5%。
濃い琥珀色、イギリス産ホップを使ったアングロサクソン系ビール。
ドライいちじく、カラメル、ベリーの香り、強い味。

ベースとなるビールはルーナruna。
ベルギースタイルのペールエール。
こんなビール→写真

クラフトビールは色んな種類があって楽しいですねー。
今晩は地ビール飲むかなあ。



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“ビールと消費者”の記事の日本語訳は、「総合解説」2012年7月号に載っています。

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2014年11月25日火曜日

ペペロナータ&Co.

今日はペペロナータの話。
いや~、ペペロナータpeperonataによく似た料理って、イタリア各地にあるんですねー。

ペペロナータとミートボール。
 ↓


リチェッタの動画はこちら。
パプリカ、玉ねぎ、トマト、にんにく、オリーブオイル、塩の6つが基本の材料。
ペペロナータのリチェッタに地中海の野菜やハーブを加えれば、アレンジは自由自在。
「グランデ・エンチクロペディア」によると、
ラツィオには、パフリカの皮をあぶってむいてから煮るバージョンがあるそうです。
ペペロナータは煮る時間が長いのが難点ですが(しかも翌日のほうが美味しい)、こうすると調理時間が短縮できます。

てっきり南イタリアの料理かと思っていたら、「グランデ・エンチクロペディア」にも、「リチェッタ・ディ・オステリーア・ディ・イタリア」にも、元々はエミリア地方の料理、と書いてあります。
とすると、このピアチェンツァのルスティサーナrustisanaは、ルーツ候補ナンバー1。
 ↓


同じくパプリカが主役ですが、ペペロナータより色んな野菜が入ります。

さらに、“リチッタ・ディ・オステリーア・ディ・イタリア”シリーズの「リチッタ・レジョナーレ」では、ペペロナータのリチェッタを提供しているのは、アスティ(ピエモンテ)のアグリトゥーリズモ。
それというのも、アスティは、クアドラータ・ダスティquadrata d'Asti という品種のピーマンの産地として有名なんです。
肉厚のクアドラータ・ダスティ
 ↓



なすが主役だとパレルモのカポナータcaponata。
 ↓


カポナータのリチェッタの動画はこちら。

地中海野菜のごった煮は、ナポリだとチャンフォッタcianfotta。
リチェッタの動画はこちら。




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“ペペロナータとその仲間”のリチェッタの日本語訳は、「総合解説」2012年7月号に載っています。

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2014年11月20日木曜日

ナポリのフリット

ナポリのフリットの話、続けます。

今月の「総合解説」の“ナポリのフリット”の記事では、ピツッェッレのほかに、アランチーニやクロッケ、パンツァロッテイなどのリチェッタも紹介しています。
そこで、これらを食べることができるナポリの有名なフリッジトリーアを1軒ご紹介。
フリッジトリーア・ヴォーメロです。
 ↓



揚げ物をコーン形に巻いたシートに入れて売るのは、欧米ではよく見かける光景。
イタリア語では、このシートのことをcuppetielloクッペティエッロといいます。
下の写真はちょっとお上品な一品。




揚げポレンタことscagliozziスカッリオッツィも、冬のフリッジトリーアの名物。
 ↓



パスタの揚げ物は、frittatine di pastaフリッタティーネ・ディ・パスタ(またはマッケローニ)。
残り物のパスタを使えば本格的。




なんだか、スプマンテ飲みたくなってきたなあ。

最後に、ナポリのフリットのおすすめ本は、その名もフリット・ミスト
http://creapasso.com/maccheroni.html


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ナポリのフリツトのリチェッタの日本語訳は、「総合解説」2012年7月号に載っています。

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2014年11月17日月曜日

ナポリのフリット、ピッツェッレ

今日はナポリのフリットの話。

ナポリ料理には様々な名物フリットがありますが、なぜか北イタリア、ましてや外国にはあまり広まっていないようです。

“ナポリのフリット”のシンボルの一つが、“ピッツェッレ”ですが、これもちょっとマイナー。
別名、ピッツァ・フリッタとも呼ばれます。

ナポリでも貧しい地区のストリートフードとして誕生した一品です。
ヴィットリオ・デシーカ監督の1954年の映画『ナポリの黄金/L'oro di Napoli』には、ナポリの道端で揚げピッツァを売る男が登場します。
奥さんは若きソフィア・ローレン。
こんな色っぽいおかみさんが揚げ物売ってる裏路地、ちょっと絵になりすぎ。




この夫婦は、生地を伸ばすのが奥さんで、揚げるのがご主人の仕事。
一般的にはピッツァイオーロのご主人が生地を伸ばすのですが、この映画の場合は、この設定が伏線になってます。

ちなみに、なじみ客の支払いはつけが普通。
一説には、8日たったピッツァと同じ値段、つまり格安で売ったので、今食べて8日後に払う、という意味の別名で呼ばれていたとか。

ナポリのピッツァには、よく知ってる焼いたピッツァとは別の顔があったようです。
食べると美味しいけどね。

現代版ピッツェッレ。
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ピッツェッレを含むナポリのフリツトのリチェッタの日本語訳は、「総合解説」2012年7月号に載っています。

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2014年11月13日木曜日

イエージ

今日はイエージの話。
イエージと言えば、ヴェルディッキオ。
ヴェルディッキオ・なんちゃら・なんちゃら・イエージ、のイエージです。

ヴェルディッキオはイタリアの代表的な白ワイン、またはぶどう品種。

メイド・イン・イタリーのぶどうシリーズの切手。
マルケ代表。
 ↓



なんとこのワイン、「イタリアワイン界のみにくいあひるのこ」と呼ばれていたんだそうです。

つまり、あひるのこは、品質を追求した一部の有名生産者の力によって、白鳥になって世界に飛び立っていったんですねー。

ちなみにフルネームは、ヴェルディッキオ・デイ・カステッリ・ディ・イエージDOC。

ヴェルディッキオのことは知っていても、カステッリ・ディ・イエージのことは全然知らない、のでは?

イエージはもちろん町の名前。
イエージの城(複数形)というからには城がたくさんある地方なのか。
なんでも、強力な王がいたのではなく、大領主の城を中心に開けた集落が集まった共同体なんだそうです。
つまり城下町の集まりですねー。
城下町というのは防御のために町を壁で囲む形に発展していくそうですが、イエージの城々も壁で囲まれています。
城の数は12とも14とも16だったとも言われて、ちょっとあいまい。
でも、共通点は、そのレンガの色。
マルケのこの地方のレンガはパンの皮の色と呼ばれているそうです。

パンの皮の色のイエージの壁。
 ↓



壁の上には通路があって屋根つき柱廊のようになっています。
その上は3~4階建ての住居部分。

カスカテッリ地区の大きな集落の一つが、クプラモンターナ。
こんな町→動画
小さな集落の一つ、モッロ・ダルバはこんな町→動画

マルケのは丘陵地帯で、海風を受けるため、オリーブやぶどうがよく育つと言われています。
ヴェルディッキオには、カステッリ・ディ・イエージと、マテリカという、2つの有名なDOCがあります。
この2つは、個性が全く違うワインなんだそうですが、その違いを生む最大の要因も海風。
カステッリ地区は海風を受ける比較的海に近い場所にあって、マテリカはもっと内陸にあります。

イエージが海に近いというイメージはなかったけど、イエージの壁は、トルコの海賊の襲撃から守るという目的もあったそう。
町の前を流れている川をさかのぼって来たのかなあ。

とにかく、海風によって、同じヴェルディッキオでも一段とフレッシュで、フルーティーでフローラルで繊細な風味が生まれるんだそうです。
一方、海の影響が少ない内陸のマテリカのヴェルディッキオは、頑丈なボディーを持った、長期熟成に耐える、なめらかなコクを持ったワインになるそうです。

マルケ名物、オリーブのアスコラーナでもつまみながらヴェルディッキオ飲めたら幸せだな~。






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グルメガイド“イエージ”の日本語訳は、「総合解説」2012年7月号に載っています。

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サーモンのベルガモットマリネ入りのミカンのリゾット。柑橘果実の活かし方をよく知っているのが南イタリア。

みかんのリゾットの話。まずは米の“ヴィアローネ・ナノ”について見てきましたが、次はみかんです。 みかんは今回はbergamottoと指定されています。 ベルガモットはミカン属の柑橘類。柑橘類を使うリゾットは各種ありますが、ミカンのリゾットは見たことなかったです。それにちょっと食べ...