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さて、きょうは『サーレ・エ・ペペ』の記事から最近お気に入りのものをご紹介です。
それは巻頭にある編集長のエッセイ。北イタリアの都会に住む料理雑誌の編集長というキャリアウーマンの暮らしぶりが垣間みれる面白くて楽しいエッセイです。最新号は、オリーブを巡る話。
なんでも編集長、15年ほど前にふと庭にオリーブの木が欲しくなって、どんな品種かよく知らずに小さな鉢植えを買って植えてみたのだそうです。まったく同じ体験をした人、日本にもいそう。
でもさすがにイタリア。バッサ・パダナ地方というところだそうですが、よく育って、数年前から実もつけるようになったのだそうです。
バッサ・パダナ地方はポー河流域の粘土質と砂の水はけの悪い土壌。気候は温暖でも夏は暑くて冬は寒く、霧が出るのが名物。地図はこちら
時々耳にする地名なので、どんなところか、ちょっと見てみますか。豊かな農地と経済活動が盛んな都市が連なる地域。
ポー河流域の平野
もちろんグラナ・パダーノと生ハムの産地。
こんな土地で、編集長は15年前に庭に小さなオリーブの木を植えました。
オリーブはバッサ・パダナ地方でもよく育って、数年前から実もつけたのだそうです。なので、オイルを絞ってみようと思うのはごく自然な流れ。でも、ここからがすごかった。広大な庭園を所有する叔母さんが現れて、オリーブの膨大な下処理をしてくれたのだそうです。
これはあまりにもチートすぎる展開。イタリアで農園を経営する叔母さんがいない人は、どうすればいの。オリーブは収穫してからが大変。
オリーブの苦味を取るために、人類が何世紀もかけて学んできたことを素人がいきなりできるわけないし。
それにしても、人類がやったのは、何世紀もかけて苦味が少ない品種を探し出したというのです。確かに、それが一番手っ取り早い。その品種とは、アスコラーナです。
オリーブの苦味はフェノールの苦味なんだそうです。ポリフェノールと言えば、オリーブの優れた栄養価として大々的にアピールされてますが、人間はすごい手間ひまかけてわざわざポリフェノールを取り除いてていたんですね。そもそも、取り除かないと食べられない。オリーヴァ・アスコラーナ ってすごい品種だったんですね。
もちろん食べたくなる。
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“編集長のエッセイは「総合解説」2017年11/12月号に.p.11に載っています。”
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