2019年9月27日金曜日

ペペから生まれたペペローネとペペロンチーノ

レモンの次のお題は、これも地中海らしい食材、ペペローネpeperoneです。
昭和の人間は、ペペローネを多分ピーマンと訳すけど、最近じゃ、パプリカって呼ぶんですね。(令和についていくのに必死です)
ペペローネにはこんな歴史がありました。
(こちらのサイトの『vini & liquori』の記事を参照しました。)

ペペローネは、中央~南アメリカ原産で、コロンブスによってヨーロッパにもたらされました。
そしてこしょうのような味だったことから、インドのこしょう、pepe d'Indiaと呼ばれます。
それがやがてpeperoneと変化します。
でも、ペペローネはこしょうとは何の関係もない野菜でした。
しかもこしょうは南米原産ではありません。
ところが、こしょうがなけれペペローネもヨーロッパに伝わらなかったかもしれません。

こしょうはアメリカが見つかるもっとずっと前からヨーロッパに伝わっていました。
そもそもこしょうの原産地の1つがインドです。
こしょうは、アメリカが発見される以前の世界では、貴重な防腐作用のある超高級なスパイスでした。
ベネチアがこしょうなどの東方貿易を独占して繁栄したのは有名な話。
こしょうが原因で戦争も起こっています。
こしょうはインドの主要な交易品で、バスコ・ダ・ガマによるインド航路の発見は、ポルトガル発展のきっかけとなりました。

アメリカの発見によって、こしょうの立場も変わりました。
ペペローネがインドのこしょう、と呼ばれたのは、こしょうに代わるものを探していたヨーロッパ人の目的にかなったものだったからです。
ペペローネは、こしょうに代わる、ずっと安価なスパイスとして大歓迎されました。
しかも、小さな品種のペペローネには辛味があって、とても重宝されました。
これが小さなペペローネ、ペペロンチーノpeperoncinoです。

ちなみにハンガリーではパプリカと呼ばれました。
ハンガリーに唐辛子が伝わったのは、18世紀。
トルコ支配の時代から栽培されていたスパイスの名前が付きました。

ヨーロッパでは、こしょうの代替品として受け入れられ、同じようにアメリカから伝わったトマトが、受け入れられるまでにだいぶ時間がかかったことと比べると、あっという間に広まります。

でも、正直言って、どこがこしょうなのか、さっぱりわからない。
その後、品種改良が進み、ヨーロッパの人も同じだったようで、辛さよりも甘さが強い品種が登場して需要が増します。
これが現在のペペローネ。

その鮮やかな色は太陽を連想させ、いかにも地中海的な野菜、ペペローネ。
ところが、意外なことにピエモンテもイタリアの有名な産地の一つ。

カルマニョーラ(トリノ県)のペペローネ



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“ペペローニ”の記事とリチェッタの日本語訳は「総合解説」2017年9/10月号P.22
に載っています。
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