2019年9月30日月曜日

ピエモンテのペペローネ料理


それでは、料理書の中からペペローニのリチェッタを。

まずはお薦め本、『トラディツィオーネ・グスト・パッシオーネ/1巻北・中央イタリア 英語版』から、
ピエモンテの名店グイドの、ペペローネ・リピエーノ。
アスティやカルマニョーラのクアドラートと呼ばれる甘くてとろける果肉の四角いパプリカの料理です。

以前にも紹介した気がするのですが、とりあえず20ページの写真を見てください。
中央の写真は焼く前のパプリカ。
その下は焼き上がったパプリカ。
完全に潰れてますが、このくらい柔らかくなるまで焼くのだそうです。

ペペローネ・リピエーノPeperone ripieno
材料/6人分

赤と黄色のパプリカ・・大3個
骨を取った塩漬けアンチョビ・・2尾
上質のできればイタリア産ツナのオイル漬け・・1カップ
塩抜きした塩漬けケッパー・・5粒
自家製マヨネーズ・・大さじ3
イタリアンパセリのみじん切り・・一握り
ビネガー・・大さじ1

・パプリカに薄く油を塗り、150℃のオーブンで、下段の写真のようにパプリカが崩れるまで30分焼く。
・アンチョビを流水で洗い、ツナ、ケッパーと一緒に包丁でみじん切りにしながら混ぜ合わせる。
・これをマヨネーズ、イタリアンパセリ、ビネガーと混ぜる。
・パプリカの皮をむき、長さを4つに切る。種と綿を取り除き、混ぜた材料大さじ1を塗って巻いてすぐにサーブする。
※ピエモンテではアンティパストの1品だが、ガーデンサラダを添えてメインディッシュにしてもよい。

アスティのペペローネ・クアドラータは生食に適していて、バーニャ・カウダに欠かせない重くて肉厚のパプリカ。

次はスローフードの『オステリエ・ディ・イタリア2017』から。

ペペローニ・コン・バーニャ・カウダPeperoni con bagna cauda
(グリンザーネ・カブールのトラットリア・ノンナ・ジェニアのリチェッタ)

材料/4人分
赤と黄色のペペローニ・コルノ・ディ・ブエ・・4個
にんにく・・3玉
塩漬けアンチョビ・・200g
牛乳・・1L
EVオリーブオイル

・パプリカをオーブンで焼いて皮をむく。種と綿を取り、12枚に切って天板に並べる。
・バーニャを作る。にんにくの芽を取り、牛乳で10分煮る。水気を切って潰し、鍋に入れる。
・オリーブオイルと洗って骨を取ったアンチョビを加え、均質のクリーム状になるまで煮る。
・パプリカをソースで覆って120℃のオーブンでさっと焼く。熱々をサーブする。

ペペロナータPeperonata
(ヴォ・ディ・ピアデーナ/クレモナのトラットリア・デル・アルバのリチェッタ)
 
材料/6人分
赤・黃・緑のパプリカ・・各1個
にんじん・・小2本
玉ねぎ・・小2個
にんにく・・1かけ
ホールトマト・・6~7個
バター・・100g
EVオリーブオイル・・大さじ4
塩、こしょう

・玉ねぎの薄切りをバターと油で炒める。
・しんなりしたらにんにく、にんじんの薄切り、小さく切ったトマトを加える。
・半ばで小さく切ったパプリカを加えて塩、こしょうし、じっくり煮る。
・粗熱を取って、または冷やしてサーブしてもよい。

パプリカは南米原産で、ヨーロッパに伝わってから品種改良を繰り返しながら広まったので、ペペロナータがイタリアのどの地方の料理かというのはややこしい問題です。
シチリアなど南イタリアという説が有力ですが、リグーリアという説もあるし、この本で取り上げているのはロンバルディアのトラットリアのものです。
個人的には食べるならピエモンテだな、とも思うし・・・。



-------------------------------------------------------
“ペペローニ”の記事とリチェッタの日本語訳は「総合解説」2017年9/10月号に載っています。
クレアパッソの販売書籍リスト
 [creapasso.comへ戻る]
 =====================================

0 件のコメント:

トンカ豆はバニラの代用品として世に出ましたが、最近の日本のある出来事にそっくりの事実から使用が禁止されました。

きのうはオーストラリアのフィンガーライムとか、聞いたことないフルーツを紹介しましたが、(CIR1月号P.5)の料理で一番謎だったのは、fave tonkaです。 始めて聞いた名前です。いったい何なのか、想像もできません。 ドイツで行われたアイスクリームのワークショップでトンカ豆に...