『100ラグー』の続きです。
マストロ・マルティーノ、あるいはマルティーノ・ダ・コモという名前は、イタリア料理に興味のある人なら、なんとなく聞いたことありませんか。
でも、何をした人だっけ。
イタリア料理史ではそこそこ有名な人なはずなんだけど・・・。
『100ラグー』の著者、マリアさんに言わせると、ルネサンスの初期にイタリア料理を破壊した人だそうですよ。
wikiにはこう書いてあります。
この小難しい内容を大胆にまとめると、イタリアで最初のイタリア語の料理書を書いた人です。
その本は、『Libro de Arte Coquinaria』
マルティーノは、北イタリア生まれで、ローマに行き、さらにスペイン人に征服されたナポリで活躍し、スペインや地中海の息吹をたっぷり吸収した人です。
当時のスペインは、アラブの支配が長く続いた直後でその影響を強く受けていました。
また、当時ヨーロッパでもっとも洗練された料理というのはアラブ風アンダルシア料理だとみなされていた時代です。
彼によって、イタリア料理にナポリ(南)と地中海の香りが加わったのです。
マッケローニやタリエリーニ、ヴェルミチェッリも加わりました。
ビアンコマンジャーレはカタルーニャ生まれ。
南だけでなく、“アッラ・ジェノヴェーゼ”や“アッラ・フィオレンティーナ”と呼ばれる料理も紹介しました。
さらに権力者の料理人だった彼は、ルネサンスの特徴である奇抜な盛り付けで客を楽しませることにも長けていました。
ちなみに彼の一番有名な料理は、孔雀のローストだそうです。
本はさらに、トゥルヌドで有名な作曲家、ロッシーニのラグー、ボローニャの商業会議所に保管されている公式ラグー、マッシモ・ボットウーラシェフの低温調理のラグー、キアニーナのラグー、などへと続いていきます。
-------------------------------------------------------
「総合解説」
「書籍リスト」
[creapasso.comへ戻る]
=====================================
登録:
コメントの投稿 (Atom)
牛乳を1滴たりとも捨ててはならぬ、というベネディクト会の教えからグラナ・パダーノは生まれた。
今日は、9月号を訳していて、一番記憶に残った文章を紹介します。 その記事は、『クチーナ・イタリアーナ』のチーズについてのものでした。 まず、最初の一文がかっこよかった。 「イタリアには500種類のチーズがある。そしてそのトップはパルミジャーノ・レッジャーノとグラナ・パダーノという...

-
グラナ・パダーノの話、その2です。 イタリアで流通しているハードチーズの50%近くを占めるグラナ・パダーノ(AC Nielsen調べ)。 2008年の生産量は、435万5347個でした。 平均的な販売価格は11.05ユーロ/㎏。 イタリアの硬質チーズの平均価格は12.70ユーロ...
-
今月の「 総合解説 」で取り上げた地方料理は、タヤリンです。 アニョロッティと共にピエモンテの代表的な手打ちパスタ。 タリオリーニのような細い平麺で、特にこれと言った特徴はないようにも感じますが、『サーレ・エ・ペペ』の記事は、イタリア人ならではの視点で1歩深く踏み...
-
今日はブラザートの話。 『ラ・クチーナ・イタリアーナ』の記事の解説です。 バローロのブラザート, photo by Silvio 記事によると、 ブラザート brasato は、イタリア語で「炭」という意味の“ブラーチェ brace ”の古い呼び方、“ブラーザ bra...
0 件のコメント:
コメントを投稿