イタリア料理ほんやく三昧: チーズの王、カステルマーニョ

2018年6月1日金曜日

チーズの王、カステルマーニョ

今月の「総合解説」では、マスカルポーネとカステルマーニョという2つのチーズを紹介しています。
どちらもピエモンテのチーズですが、その特徴は正反対と言えます。
何しろ、マスカルポーネはチーズ臭がないチーズ。
一方カステルマーニョは熟成させるとチーズ臭しかないチーズ(個人の見解)。
初めて味見したカステルマーニョはかなり熟成させたタイプだったようで、匂いをかいだ時は、はき続けた中学生の靴下みたいな匂いがしました。
その時の印象が強烈すぎて、カステルマーニョという名前はトラウマになりました。

こんなチーズ
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こんな素晴らしい環境で造られていたなんて、知らなかったなあ。
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ピエモンテ訛にはイタリア語の字幕つき。

「総合解説」に日本語訳を載せた記事は、他にも意外な話で一杯でした。
たとえば、このチーズ、皇帝や法王と言ったVIPに愛されたんだそうです。
ピエモンテはサヴォイア家のおひざ元だけあって、王のワイン(バローロのこと)とか、〇〇の王、という王をからめた二つ名が好きです。
カステルマーニョはチーズの王だって。

さらに、記事によると管理組合に所属する造り手はわずか7軒。
生産地区はカスステルマーニョを含むたった3つのコムーネ。

60年代には消滅の危機もありましたが、今はイタリアの内外にファンが増えているそうです。
年間製造量は約4万個。
臭いチーズははまると深いのかなあ。
ただ、市場の売れ筋は3~4か月熟成のマイルドなものだそうです。

そういえば、先月の「総合解説」で取り上げたチンタ・セネーゼも、数が減りつつある豚でした。
手間暇かけた飼育方法が合わなかったのか、もっと大きくて繁殖させやすい品種に押されてしまったんだそうです。
チンタ・セネーゼが消滅の危機から立ち直りだしたりは20年ほど前。
カステルマーニョと同じぐらいの時期です。
昔のままの製造方法で作るこのチーズ、時間も他のチーズより長くかかります。
緑色のラベルの“アルペッジョ”タイプは、夏に標高1000m以上で造られたもの。
ミルクはフレッシュの牧草を与えられた牛の生乳。
青いラベルの“山”のタイプは標高600m以上。

カステルマーニョ“アルペッジョ”
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カステルマーニョは蜂蜜を少量かけてテーブルチーズとして食べるのも美味しいですが、リゾットなどプリーモ・ピアットにもぴったり。
カステルマーニョのリゾット
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地元の伝統料理、カステルマーニョのニョッキ
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カルロ・カンビの『ミリオーリ・リチェッテ・デッラ・クチーナ・レジョナーレ・イタリアーナ』には、この料理について、こんなことが書いてありました。




「好みで粗挽き黒こしょうをかけたりアカシアの蜂蜜をたらしてもよい。
このニョッキは放牧(アルペッジョ)の伝統から生れた料理。
9月の末に、高原にはほとんど、またはまったく食べるものがなくなって、牛は平野に下りてくる。
残っているわずかなチーズ、じゃがいもなど限られた材料でこのニョッキを作るが、カステルマーニョのおかげでおいしい料理になった」

もう一度上の動画を見ると、ニョッキの味が想像しやすくなるかも。
ちなみに組み合わせるお勧めのワインはバルベーラ・ダルバ。





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“カステルマーニョ”の記事の日本語訳は「総合解説」2016年1月号に載っています。
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