2013年12月26日木曜日
『ラ・クチーナ・ディ・ローマ・エ・デル・ラツィオ』
今日は新入荷の本のご紹介。
“イルストラーティ”シリーズの本、『ラ・クチーナ・ディ・ローマ・エ・デル・ラツィオ』です。
このシリーズは、料理研究家2人とカメラマンの3人組の料理書で、特に写真の空気感が独特で、とても美しい本です。
今回はローマ料理の本ですが、料理研究家の一人とカメラマンがローマ在住なので、満を持してという感じで、これまでにも増して写真が素晴らしいです。
例えば、どんな写真かと言うと、この本のアーリオ・オーリオ・ペペロンチーノの写真を見てください。
こちらの左半分の4枚。
なぜか4コマ漫画のようなストーリー仕立て。
で、実際にアーリオ・オーリオ・ペペロンチーノを作っ食べてみると、あなたもまさにこの女性と同じ4コマを体験するんですよー。
それに気が付くと、超楽しい。
1.まずは、どれどれ、どんな味かなー。
2.お手並み拝見ですね。
3.パク、もぐもぐ。んー、なかなか美味しいんじゃない。
4.アッ、きた~、カラッ!
ハハハ、絶対同じ顔するから。
まったく、こんな料理書見たことない。
さらに、右隣の写真は、アッラッビアータの写真。
二人の子供が、フォークでペンネの取り合いをしているというほほえましいもの。
演技じゃなく、ほんとにみんなこのパスタが大好きだってことが、ストレートに伝わってきます。
この本の料理の写真には、それを食べる人や作る人がたくさん人が登場します。
パスタを前にして、おじさん、おばさんから子供まで、これだけリラックスした姿をカメラマンにみせるとは、地元の人同士ならでは。
この本の序文は、こんな風に始まります。
「ローマ料理とラツィオ料理は、隣り合い、混ざり合っている。
違うけれど同じなのだ。
すべての道はローマに続く。
人も、物も、伝統も、ローマへと運ばれる。
ローマの外には大地があり、ローマの中には民衆の料理がある」
そして、この本で取り上げている料理は、この文章を証明するかのような、ラツィオの大地が生み出したローマの民衆の料理です。
最初の料理は、ピッツァ・エ・フィーキ。
生ハムといちじくをはさんだピッツァ・ビアンカです。
「“ピッツァ・エ・フィーキ”は、もはや単なる料理ではなく、いわばローマのアイコンだ。
ローマの歴史と伝説に強く結びつき、もっとも愛されている。
とてもシンプルな、まさに天才の発明だ」
いちじくと生ハムのピッツァをこよなく愛する身としては、これだけの賛辞も、すんなり受け入れられます。
とにかく、こんな調子で、正真正銘ローマっ子の大好きな料理を集めた楽しい本です。
生ハムとイチジクのピッツァならガブリエレ・ボンチ。
-------------------------------------------------------
[creapasso.comへ戻る]
=====================================
登録:
コメントの投稿 (Atom)
ジェラートはパンとの相性も良いデセール。シチリアとナポリの人のジェラートの食べ方は、ほんとに自由。
今日は、(CIR)7月号のリチェッタから、ジェラートの話(P.12)。 リチェッタのテーマは、シンプルにコーンやカップに入れるジェラートではなく、クロスタータやボンボローニ、はてはフォカッチャにのせるジェラート。 ジェラートのデセールの最高峰はトルタ・ジェラート。 パン・ジェラー...
-
グラナ・パダーノの話、その2です。 イタリアで流通しているハードチーズの50%近くを占めるグラナ・パダーノ(AC Nielsen調べ)。 2008年の生産量は、435万5347個でした。 平均的な販売価格は11.05ユーロ/㎏。 イタリアの硬質チーズの平均価格は12.70ユーロな...
-
今日はブラザートの話。 『ラ・クチーナ・イタリアーナ』の記事の解説です。 バローロのブラザート, photo by Silvio 記事によると、 ブラザート brasato は、イタリア語で「炭」という意味の“ブラーチェ brace ”の古い呼び方、“ブラーザ brasa ”が...
-
今日のお題はプリーモピアット。今月の「 総合解説 」P.5の料理です。 スパゲッティなんですが、料理名がやたらカッコイイ。 “アサシンのスパゲッティspaghetti all'asssassina”だって。 初めて聞きました。 聞いたこともない料理だったのに、逆にnetに...
0 件のコメント:
コメントを投稿